実際に宣戦布告がなされたわけではありません。北朝鮮軍と思われる11人の兵士の侵攻目的も明らかにされないままです。
しかし、「今、そこにある危機」について、このようにリアルにシミュレーションを行ってみると(あくまでフィクション、エンターテイメントとして)、最前線の人が犠牲にならないと攻撃できないという、自国防衛の意味、主権国家としての在り方に、大いに疑問がわくことは事実です。
何かにつけて、政権の維持に固執する官邸の描写はご愛敬としても、威嚇射撃するにも前線から官邸、議会の承認まで要求されるというのは、機能不全以外の何物でもないでしょう。まさに、隔靴掻痒とはこのことではないでしょうか。
いわゆるグレーゾーンの問題にしても、ようやく世間の口上に乗りつつある昨今、今一度この著作が広く読まれることを期待したいです。
いろいろなミリタリー用語などがてんこ盛りなので、(女の人には)取っつきにくいでしょうがね・・・
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加筆完全版 宣戦布告 下: 加筆完全版 (講談社文庫 あ 88-2) 文庫 – 2001/3/15
麻生 幾
(著)
北朝鮮兵士の容赦なき殺意の前に犠牲者が続出。首相はついに自衛隊の出動を決断する。北朝鮮からは新たな潜水艦が領海に侵入。米国、中国、韓国、台湾をも巻き込んで、極東の危機は一触即発の臨界点へと達する。有事に際し、日本は本当に国民を、国土を、守れるのか。圧倒的スケールで描く迫真の問題小説!
矛盾する法律のもと自衛隊は無力化し、日本政府はなす術を失う。誰がこの国を守るのか?
日本壊滅の危機!
北朝鮮兵士の容赦なき殺意の前に犠牲者が続出。首相はついに自衛隊の出動を決断する。北朝鮮からは新たな潜水艦が領海に侵入。米国、中国、韓国、台湾をも巻き込んで、極東の危機は一触即発の臨界点へと達する。有事に際し、日本は本当に国民を、国土を、守れるのか。圧倒的スケールで描く迫真の問題小説!
矛盾する法律のもと自衛隊は無力化し、日本政府はなす術を失う。誰がこの国を守るのか?
日本壊滅の危機!
北朝鮮兵士の容赦なき殺意の前に犠牲者が続出。首相はついに自衛隊の出動を決断する。北朝鮮からは新たな潜水艦が領海に侵入。米国、中国、韓国、台湾をも巻き込んで、極東の危機は一触即発の臨界点へと達する。有事に際し、日本は本当に国民を、国土を、守れるのか。圧倒的スケールで描く迫真の問題小説!
- 本の長さ425ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2001/3/15
- 寸法10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- ISBN-104062731126
- ISBN-13978-4062731126
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2001/3/15)
- 発売日 : 2001/3/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 425ページ
- ISBN-10 : 4062731126
- ISBN-13 : 978-4062731126
- 寸法 : 10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 456,099位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年5月9日に日本でレビュー済み
北朝鮮の潜水艦が敦賀半島で見つかる。
兵士たち(乗組員)は敦賀の森林に消えていた。
敦賀半島には、原子力発電所がある。
北朝鮮兵士たちの目的がテロなのか、単なる座礁なのか分からぬまま
日本の内閣、警察、自衛隊などは対応を迫られる。
上層部の責任転嫁や逡巡が、現場の人間たちを死に追いやってしまう。
日本という国は、国土と国民を守れるのか。
壮大なボリュームで語られる、日本の国防の弱さについてのテーゼ。
世界の中での日本の立ち位置として、絵空事ではないという恐怖を感じた。
兵士たち(乗組員)は敦賀の森林に消えていた。
敦賀半島には、原子力発電所がある。
北朝鮮兵士たちの目的がテロなのか、単なる座礁なのか分からぬまま
日本の内閣、警察、自衛隊などは対応を迫られる。
上層部の責任転嫁や逡巡が、現場の人間たちを死に追いやってしまう。
日本という国は、国土と国民を守れるのか。
壮大なボリュームで語られる、日本の国防の弱さについてのテーゼ。
世界の中での日本の立ち位置として、絵空事ではないという恐怖を感じた。
2014年6月7日に日本でレビュー済み
この小説では、北の兵士達が潜水艦を使って、若狭湾の原発付近へ
上陸したという設定になっています。
しかしながら現実には、大勢の北の工作員達が既に日本に潜伏している
のは間違いありません。何故なら、かつて国内から多数の日本人拉致を
行えた事が、潜伏している証なのです。
現在、日本国内には、60万人とも言われる朝鮮人・韓国人が
在住しており、これら大勢の工作員達を匿っています。
(彼らは、自分の子供達の教室に、首領様や将軍様の肖像画を
飾って洗脳教育を行っています)
そして工作員達は、隠密裏に海上ルートを使って、少なからぬ銃火器・
弾薬等の兵器を日本へ運び込んで、隠し持っていると思われます。
(事実として、2012年6月、北九州市戸畑区の倉庫で対戦車ロケット砲や
拳銃が見つかった事件が起きています)
そして、もし北が暴発すると、日本へ既に潜伏している大勢の工作員達が
国内で、必然的に陽動と本命の多数の破壊作戦を同時に実行します。
その工作員達の本命作戦として、原発の襲撃・占拠・破壊があるはずです。
ところが今の国内の各地の原発では警備として、たいした武装をしていません。
従って兵器を持った工作員部隊の襲撃を受けると、日本の各原発では
防御出来ず、工作員部隊は原発施設内へ容易に侵入出来ます。
襲撃されてから、警察や自衛隊が出動しても、既に工作員達は原発施設内を
占拠し、職員達を人質にして、立てこもります。
この状態になると、工作員部隊を制圧することは、もはや不可能です。
一方、工作員達が原発の技術職員を脅迫して、制御システムを操作したり、
施設内の消火栓設備を悪用し、電気系統へ放水してショートさせれば
容易に原子炉の冷却を停止出来ます。
「発電していなくても、核燃料が入っている原子炉」の冷却を停止すれば、
福島第一原発が証明したように、原子炉は必然的に熔け、爆発して
放射性物質を撒き散らします。
そして工作員達が原発職員を人質にして立てこもっている限り、冷却作業が
全く出来ず、破損した原子炉が膨大な量の放射性物質を放出し続けます。
もし複数の工作員部隊が、警備の貧弱な若狭湾沿いの10数基の原発を
一斉に襲って、各原子炉の冷却を停止すれば、勝手に爆発して、
福島原発よりも、はるかに大量の放射性物質を放出させ続けることが出来ます。
つまり北は核兵器やミサイルを全く使用せずに、京阪神地方と
中京地方、更には関東地方までを高濃度に放射能汚染させて
これらの地方の人々を被爆させ、経済活動を殆ど壊滅させられます。
先に述べたように、国内から数百人の日本人が拉致されましたが、
これは「平和ボケした日本」で、北の工作員達が容易に活動できたこと
を物語っています。
その状況は、今も変わっていないから、有事の際に大勢の工作員達は
各地の原発群を襲って、簡単に目的を達成できます。
このような事態を未然に防ぐ為には、自衛隊が原発(及び核関連施設)
に常駐して、警護するしかありません。
ところが「平和ボケ日本」には、法的な問題を言い訳する連中がいて
未だに自衛隊が原発に常駐して警護できないのですから
深刻な現実を直視していません。
しかし国土と国民を高濃度に放射能汚染させられてからでは
絶望的に手遅れです。
だからこそ、日本人を平和ボケから目覚めさせ、
自衛隊が原発を常駐警護できるよう、一刻も早く
憲法改正と関連法制の改廃整備を行わなければなりません。
南の島の領土保全も大切ですが、原発が襲撃され、
爆発させられないように警護することこそ、日本の
真の安全保障であり、それが国防であるはずです。
また、もし自衛隊が原発を常駐警護していれば、大地震などの
自然災害が発生した場合に、被害実情を即時に把握して
早期の復旧対策を立案する為の、先遣部隊として活躍できるはずです。
上陸したという設定になっています。
しかしながら現実には、大勢の北の工作員達が既に日本に潜伏している
のは間違いありません。何故なら、かつて国内から多数の日本人拉致を
行えた事が、潜伏している証なのです。
現在、日本国内には、60万人とも言われる朝鮮人・韓国人が
在住しており、これら大勢の工作員達を匿っています。
(彼らは、自分の子供達の教室に、首領様や将軍様の肖像画を
飾って洗脳教育を行っています)
そして工作員達は、隠密裏に海上ルートを使って、少なからぬ銃火器・
弾薬等の兵器を日本へ運び込んで、隠し持っていると思われます。
(事実として、2012年6月、北九州市戸畑区の倉庫で対戦車ロケット砲や
拳銃が見つかった事件が起きています)
そして、もし北が暴発すると、日本へ既に潜伏している大勢の工作員達が
国内で、必然的に陽動と本命の多数の破壊作戦を同時に実行します。
その工作員達の本命作戦として、原発の襲撃・占拠・破壊があるはずです。
ところが今の国内の各地の原発では警備として、たいした武装をしていません。
従って兵器を持った工作員部隊の襲撃を受けると、日本の各原発では
防御出来ず、工作員部隊は原発施設内へ容易に侵入出来ます。
襲撃されてから、警察や自衛隊が出動しても、既に工作員達は原発施設内を
占拠し、職員達を人質にして、立てこもります。
この状態になると、工作員部隊を制圧することは、もはや不可能です。
一方、工作員達が原発の技術職員を脅迫して、制御システムを操作したり、
施設内の消火栓設備を悪用し、電気系統へ放水してショートさせれば
容易に原子炉の冷却を停止出来ます。
「発電していなくても、核燃料が入っている原子炉」の冷却を停止すれば、
福島第一原発が証明したように、原子炉は必然的に熔け、爆発して
放射性物質を撒き散らします。
そして工作員達が原発職員を人質にして立てこもっている限り、冷却作業が
全く出来ず、破損した原子炉が膨大な量の放射性物質を放出し続けます。
もし複数の工作員部隊が、警備の貧弱な若狭湾沿いの10数基の原発を
一斉に襲って、各原子炉の冷却を停止すれば、勝手に爆発して、
福島原発よりも、はるかに大量の放射性物質を放出させ続けることが出来ます。
つまり北は核兵器やミサイルを全く使用せずに、京阪神地方と
中京地方、更には関東地方までを高濃度に放射能汚染させて
これらの地方の人々を被爆させ、経済活動を殆ど壊滅させられます。
先に述べたように、国内から数百人の日本人が拉致されましたが、
これは「平和ボケした日本」で、北の工作員達が容易に活動できたこと
を物語っています。
その状況は、今も変わっていないから、有事の際に大勢の工作員達は
各地の原発群を襲って、簡単に目的を達成できます。
このような事態を未然に防ぐ為には、自衛隊が原発(及び核関連施設)
に常駐して、警護するしかありません。
ところが「平和ボケ日本」には、法的な問題を言い訳する連中がいて
未だに自衛隊が原発に常駐して警護できないのですから
深刻な現実を直視していません。
しかし国土と国民を高濃度に放射能汚染させられてからでは
絶望的に手遅れです。
だからこそ、日本人を平和ボケから目覚めさせ、
自衛隊が原発を常駐警護できるよう、一刻も早く
憲法改正と関連法制の改廃整備を行わなければなりません。
南の島の領土保全も大切ですが、原発が襲撃され、
爆発させられないように警護することこそ、日本の
真の安全保障であり、それが国防であるはずです。
また、もし自衛隊が原発を常駐警護していれば、大地震などの
自然災害が発生した場合に、被害実情を即時に把握して
早期の復旧対策を立案する為の、先遣部隊として活躍できるはずです。
2002年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テレビから北朝鮮の拉致被害者問題のニュースが流れると、「今日は何人の自衛隊が亡くなったのか?」とドキッとしてしまう。これくらい仮想と現実の区別がつきにくいほど現実に考えられる事態を書いています。
構成もテレビ画面を見ているような錯覚に陥るほど場面や状況が刻々と変化します。本当に面白い本でした。
構成もテレビ画面を見ているような錯覚に陥るほど場面や状況が刻々と変化します。本当に面白い本でした。
2007年10月28日に日本でレビュー済み
本書は2001年当時の日本において、有事が発生した場合に起こるであろう
状況をリアルに示した。。そこには想定外の事態に全く対応できない政治
・警察・自衛隊の姿が克明に描かれていた。その事実を知らなかった自分に
驚愕し、恐怖した。その後、現在に至るまで関連法制は整備され、状況は
変わっているらしい。だが、当時と今では何が変わって何が問題として残さ
れているのか、いまも知らない自分に更に慄然とした。
この問題は、単に当時法整備がなされていなかったということではなく、
何事も曖昧なままその時々のコンセンサス=解釈で物事に当たる国民性と、
武力問題を議論することへのアレルギー反応が根本的な問題であることを
示唆している。また、後半で描かれる、不信と恐怖がもたらす過剰な軍事力
投入の連鎖を見るとき、極限での判断を可能な限り排除する厳格な対応マニュ
アルの必要性とシビリアンコントロールの重要性は言を待たない。
戦争放棄の精神と、国民の生命と財産を守るということ。警備・防衛とは何
なのか。こうした点について、我々は単にタブー視して眼を背けるのではなく、
十分に議論する必要があるのではないか。そんな視点に立たせてくれる一書
であった。
状況をリアルに示した。。そこには想定外の事態に全く対応できない政治
・警察・自衛隊の姿が克明に描かれていた。その事実を知らなかった自分に
驚愕し、恐怖した。その後、現在に至るまで関連法制は整備され、状況は
変わっているらしい。だが、当時と今では何が変わって何が問題として残さ
れているのか、いまも知らない自分に更に慄然とした。
この問題は、単に当時法整備がなされていなかったということではなく、
何事も曖昧なままその時々のコンセンサス=解釈で物事に当たる国民性と、
武力問題を議論することへのアレルギー反応が根本的な問題であることを
示唆している。また、後半で描かれる、不信と恐怖がもたらす過剰な軍事力
投入の連鎖を見るとき、極限での判断を可能な限り排除する厳格な対応マニュ
アルの必要性とシビリアンコントロールの重要性は言を待たない。
戦争放棄の精神と、国民の生命と財産を守るということ。警備・防衛とは何
なのか。こうした点について、我々は単にタブー視して眼を背けるのではなく、
十分に議論する必要があるのではないか。そんな視点に立たせてくれる一書
であった。
2013年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
兵器オタクならついていけるかも。
官邸のやり取りは現実味に欠ける。
肝心の危機管理監が病気不在はおかしい。
緊迫感が伝わってこない。
主役は?警視庁外事?首相?北朝鮮スパイ?間、誰でもいいが・・・。
尻切れトンボで終結しちゃった。
結局何が言いたかった?
官邸のやり取りは現実味に欠ける。
肝心の危機管理監が病気不在はおかしい。
緊迫感が伝わってこない。
主役は?警視庁外事?首相?北朝鮮スパイ?間、誰でもいいが・・・。
尻切れトンボで終結しちゃった。
結局何が言いたかった?
2013年1月27日に日本でレビュー済み
この作品は映画になったが、圧倒的に原作である本書の方が面白い。原作の方がディテールが書き込まれていて、ジャーナリストである筆者の本領が遺憾なく発揮されているからだ。本書で書き込まれているディテールがどこまで正しいのかは当然分からないのだが、圧倒的な量の取材を基に本書が書かれたことはすぐに分かる。プロットも映画よりも原作の方が面白い。最早記憶が曖昧だが、確か映画は北の兵士をバルカン砲で殲滅したところで終わっていたはずだが、原作ではディスインフォメーションを流すことで北朝鮮軍を退散させるという結末であり、実にエキサイティングだった。さすがにこれを映画化するのは機微すぎたのだろう。
本書はエンターテイメント小説ではあるが、読者に日本の安全保障を深く考えさせてくれる良書だ。混乱してばかりで職務を果たせない国会議員、省益を追求し足を引っ張り合う官僚組織。他方で、警察や自衛隊の現場の職員達は勤勉で、職務を着実に遂行する。これはさすがに単純な見方なのではないかとは思った。国会議員や官僚もいざという時には意外に機能するのではないかとも思える。3・11の時の自衛隊のように。とまれ、本書がえぐり出した日本の安全保障の課題は本書が出版されてから10年経った現在でも完全には解決されていない。本書が今後も多くの読者に読まれることを願う。
本書はエンターテイメント小説ではあるが、読者に日本の安全保障を深く考えさせてくれる良書だ。混乱してばかりで職務を果たせない国会議員、省益を追求し足を引っ張り合う官僚組織。他方で、警察や自衛隊の現場の職員達は勤勉で、職務を着実に遂行する。これはさすがに単純な見方なのではないかとは思った。国会議員や官僚もいざという時には意外に機能するのではないかとも思える。3・11の時の自衛隊のように。とまれ、本書がえぐり出した日本の安全保障の課題は本書が出版されてから10年経った現在でも完全には解決されていない。本書が今後も多くの読者に読まれることを願う。
2005年3月20日に日本でレビュー済み
上巻を読んだ人ならこの下巻に入るくらいになれば一気に読めます。
敦賀半島に潜伏する北朝鮮工作員の脅威を排除するオペレーションと、
裏側で浮上してくる北朝鮮本国の動向や中国の思惑などが、
次第に恐るべき事態へと発展しようとして行きます。
後半にさしかかってくると、
どんどん盛り上がって来るのに大丈夫か?
下巻じゃなくて中巻の間違いじゃないか?
と心配しますが、終りは意外とあっさりとしていました。
どうやって状況が終了するのか、というところで、
最初から別エピソードのように進行していたスパイ事件が絡んでくるあたりは、
伏線としては露骨だし長すぎる気もしますが、構成としては効いています。
日本の政治家・官僚の防衛意識のなさ(低さではない)、
それによる自衛隊のがんじがらめともいえる制約や束縛などは
他の本や『パトレイバー2』などで知っていましたが、
ここまで徹底した取材による具体的な構造問題を描いてくれると逆に爽快ですらありました。
日本の防衛問題を描いたシミュレーションとしてはトップクラスの出来で、
問題といえばディテールはともかく小説としてはさらに向上の余地があること、
あとはタイトルが作品中で浮かび上がる時にももうひとつインパクトがないこと、
くらいでしょうか。
でもそれらは迫真で精緻な内容にくらべれば大した問題ではありません。
敦賀半島に潜伏する北朝鮮工作員の脅威を排除するオペレーションと、
裏側で浮上してくる北朝鮮本国の動向や中国の思惑などが、
次第に恐るべき事態へと発展しようとして行きます。
後半にさしかかってくると、
どんどん盛り上がって来るのに大丈夫か?
下巻じゃなくて中巻の間違いじゃないか?
と心配しますが、終りは意外とあっさりとしていました。
どうやって状況が終了するのか、というところで、
最初から別エピソードのように進行していたスパイ事件が絡んでくるあたりは、
伏線としては露骨だし長すぎる気もしますが、構成としては効いています。
日本の政治家・官僚の防衛意識のなさ(低さではない)、
それによる自衛隊のがんじがらめともいえる制約や束縛などは
他の本や『パトレイバー2』などで知っていましたが、
ここまで徹底した取材による具体的な構造問題を描いてくれると逆に爽快ですらありました。
日本の防衛問題を描いたシミュレーションとしてはトップクラスの出来で、
問題といえばディテールはともかく小説としてはさらに向上の余地があること、
あとはタイトルが作品中で浮かび上がる時にももうひとつインパクトがないこと、
くらいでしょうか。
でもそれらは迫真で精緻な内容にくらべれば大した問題ではありません。