警察組織の描写がなんとも言えずよい。
人物描写・精神構造の分析力、やはり高村氏はすばらしい。
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マークスの山(上) (講談社文庫) 文庫 – 2003/1/25
高村 薫
(著)
全面改稿!!
第109回直木賞受賞作
警察小説の金字塔
21世紀、33歳の新生・合田雄一郎、登場
「俺は今日からマークスだ! マークス!いい名前だろう!」――
精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークス。南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。被害者たちにつながりはあるのか?
姿なき殺人犯を警視庁捜査第1課第7係の合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。
合田雄一郎は音一つなく立ち上がった。
33歳6ヵ月。
いったん仕事に入ると、警察官僚職務執行法が服を着て歩いているような規律と忍耐の塊になる。
長期研修で所轄署と本庁を行ったり来たりしながら捜査畑10年。
捜査1課230名の中でもっとも口数と雑音が少なく、もっとも硬い目線を持った日陰の石の一つだった。――(本文より)
第109回直木賞受賞作
警察小説の金字塔
21世紀、33歳の新生・合田雄一郎、登場
「俺は今日からマークスだ! マークス!いい名前だろう!」――
精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークス。南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。被害者たちにつながりはあるのか?
姿なき殺人犯を警視庁捜査第1課第7係の合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。
合田雄一郎は音一つなく立ち上がった。
33歳6ヵ月。
いったん仕事に入ると、警察官僚職務執行法が服を着て歩いているような規律と忍耐の塊になる。
長期研修で所轄署と本庁を行ったり来たりしながら捜査畑10年。
捜査1課230名の中でもっとも口数と雑音が少なく、もっとも硬い目線を持った日陰の石の一つだった。――(本文より)
- 本の長さ384ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/1/25
- 寸法10.8 x 1.5 x 14.8 cm
- ISBN-104062734915
- ISBN-13978-4062734912
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/1/25)
- 発売日 : 2003/1/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 384ページ
- ISBN-10 : 4062734915
- ISBN-13 : 978-4062734912
- 寸法 : 10.8 x 1.5 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 573,032位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1953(昭和28)年、大阪市生れ。
1990(平成2)年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞を受賞。1993年『リヴィエラを撃て』で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。同年『マークスの山』で直木賞を受賞する。1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞を受賞。2006年『新リア王』で親鸞賞を受賞。2010年『太陽を曳く馬』で読売文学賞を受賞する。他の著作に『神の火』『照柿』『晴子情歌』などがある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
無事に到着しました。
まだ読んでませんが、短編"地を這う虫"を読んだことがあります。
まだ読んでませんが、短編"地を這う虫"を読んだことがあります。
2014年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
リビエラを撃て!で途中玉砕したので今度こその1冊でした。ともかく登場人物が多く整理が大変でした。できたら
登場人物の名を羅列してくれたらいいのにと思いつつ、重厚な文とまるで「格闘」でした。ただ面白い!ぐいぐいと引き込まれます。前半のちょっとしたエピソードが後半で大きな山になってきます。
あの時「同じ時に心中事件があり、殺人でない殺人があり、そしてたまたま遭遇した人物が罪もなく殺された」
それに関係する人間たちの偶然の重なりから悲劇が起こっていく・・としておきましょう。ただ殺されたやくざと
MARKS一派の関係も書いてほしかった。ここが説明不足。
登場人物の名を羅列してくれたらいいのにと思いつつ、重厚な文とまるで「格闘」でした。ただ面白い!ぐいぐいと引き込まれます。前半のちょっとしたエピソードが後半で大きな山になってきます。
あの時「同じ時に心中事件があり、殺人でない殺人があり、そしてたまたま遭遇した人物が罪もなく殺された」
それに関係する人間たちの偶然の重なりから悲劇が起こっていく・・としておきましょう。ただ殺されたやくざと
MARKS一派の関係も書いてほしかった。ここが説明不足。
2015年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
WOWOWをみて購入この原作にてドラマ有り、映画がかわいそうな感じなかなかページが進まない、良くかみしめながら読まなければ良さわ
わからなうのではないだろうか、読み流しの人には、不向きな本で、トムクランシー並だと思う彼の本も何度か読み直すと凄い描写だと感じる。
わからなうのではないだろうか、読み流しの人には、不向きな本で、トムクランシー並だと思う彼の本も何度か読み直すと凄い描写だと感じる。
2021年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知ってる場所なので状況が目に浮かんだ
2023年5月15日に日本でレビュー済み
(上下巻通してのレビューです)
連続殺人事件の捜査、その背後にちらつく《山の話》。組織の上からの圧力。現場の意地と執念。国家組織の内部のわちゃわちゃをねっとり描く警察小説を堪能しました。でも心に残ったのは、そんな下界の人間模様と断絶したところに生きていかざるをえない水沢裕之。と看護婦高木真知子。「真知子と一緒に富士山を見る」その姿が、悲しい。
連続殺人事件の捜査、その背後にちらつく《山の話》。組織の上からの圧力。現場の意地と執念。国家組織の内部のわちゃわちゃをねっとり描く警察小説を堪能しました。でも心に残ったのは、そんな下界の人間模様と断絶したところに生きていかざるをえない水沢裕之。と看護婦高木真知子。「真知子と一緒に富士山を見る」その姿が、悲しい。
2007年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
高村氏が警察小説の体裁を借りて、個人と組織の関係、個人の社会からの隔絶感、社会の上層部の腐敗ぶりと矮小性を骨太の筆致で描いたもの。合田刑事シリーズの初作でもある。
犯人マークス及びその背景にあるマークス・グループに対する警察の対応、本庁と所轄署の確執、所轄署間の縄張り意識、署内の班・個人の競争心、捜査に圧力を掛ける裏の巨大な権力。ルーチン的とは言え、高村氏のいつもの「まるで見て来たかのような」精緻な描写によって、事件の緊迫感、人間模様の複雑さ、刑事達の焦燥感、運命の皮肉などが読者の胸に迫る。
しかし、私は犯人マークスを周期的記憶喪失症という特異な病人に設定している事に違和感を覚えた。犯人の社会からの隔絶性が精神疾患から来るというのでは、お手軽過ぎて、小説の深みが薄れてしまう。
また、次のような疑問が残るのである。
(1) 小学四年生の時には発症していた犯人が、人並みの知性を持ち得るのか ?
(2) 犯行時、犯人は「暗い山」に差し掛かっており、その状態で恐喝・連続殺人を計画・実行し得たのか ?
些細な点だが、「林原」に対して「リンバラ」というルビを振らないのはアンフェアであろう。尚、markには"傷跡"という意味もあり、犯人の精神的損傷及びマークス・グループの過去の事件のメタファーとして、「マークスの山」という題名が小説の意匠を巧みに象徴している点には感心した。
犯人マークス及びその背景にあるマークス・グループに対する警察の対応、本庁と所轄署の確執、所轄署間の縄張り意識、署内の班・個人の競争心、捜査に圧力を掛ける裏の巨大な権力。ルーチン的とは言え、高村氏のいつもの「まるで見て来たかのような」精緻な描写によって、事件の緊迫感、人間模様の複雑さ、刑事達の焦燥感、運命の皮肉などが読者の胸に迫る。
しかし、私は犯人マークスを周期的記憶喪失症という特異な病人に設定している事に違和感を覚えた。犯人の社会からの隔絶性が精神疾患から来るというのでは、お手軽過ぎて、小説の深みが薄れてしまう。
また、次のような疑問が残るのである。
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