船が沈没するという運命がわかっている中でじわじわと進んでいく時間軸と現代が交錯し、手に汗を握りながらページを繰らせる。
ラストシーンはタイタニックの二番煎じ的感もあるが美しい。読後も消えない感慨を残す。
そしてエピローグの一節は、元ネタになった阿波丸事件に捧げたものだろう。作品自体は史実の貨物船を豪華客船に変え、ミステリー要素も入れ込み脚色した部分も多いが、このエピローグだけは、あえて史実の理不尽さ、残酷さをむき出しにぶつけた感がある。
大戦末期に他の多くの悲劇にまぎれて半ば忘れられた理不尽な戦争犯罪。風化させてはならない。
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シェエラザード(下) (講談社文庫) 文庫 – 2002/12/13
浅田 次郎
(著)
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日本人が抱く喪失感はこれだったのだ!
弥勒丸引き揚げ話をめぐって船の調査を開始した、かつての恋人たち。謎の老人は五十余年の沈黙を破り、悲劇の真相を語り始めた。私たち日本人が戦後の平和と繁栄のうちに葬り去った真実が、次第に明るみに出る。美しく、物悲しい「シェエラザード」の調べとともに蘇る、戦後半世紀にわたる大叙事詩、最高潮へ。
弥勒丸引き揚げ話をめぐって船の調査を開始した、かつての恋人たち。謎の老人は五十余年の沈黙を破り、悲劇の真相を語り始めた。私たち日本人が戦後の平和と繁栄のうちに葬り去った真実が、次第に明るみに出る。美しく、物悲しい「シェエラザード」の調べとともに蘇る、戦後半世紀にわたる大叙事詩、最高潮へ。
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/12/13
- 寸法10.8 x 1.5 x 14.8 cm
- ISBN-104062736101
- ISBN-13978-4062736107
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/12/13)
- 発売日 : 2002/12/13
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 392ページ
- ISBN-10 : 4062736101
- ISBN-13 : 978-4062736107
- 寸法 : 10.8 x 1.5 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 177,793位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1951年、東京都出身。1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、それぞれ受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 終わらざる夏 上 (ISBN-13: 978-4087713466 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「終わらざる夏」で著者の作品を初めて読み、その読み応えが気に入り「蒼穹の昴」シリーズも「マンチュリアン・リポート」まで読み終えました。当然次は「天子蒙塵」を買おうかと思っていましたが、なんとなくその前に本作を購入しました。2006 年当時に反町隆史主演の NHK ドラマを見た記憶はあるのですが、内容は完全に忘れていました。機会があればドラマももう一度観たいものです。
プロットは鈴木光司氏の 2013 年の小説「鋼鉄の叫び」にとても似ています。謎解きの過程は「鋼鉄の叫び」の方が引き込まれましたが、人間ドラマではこちらの「シェエラザード」の方が深く引き込まれました。
他の方も書かれていますが、過去パートに比べて現代パートが薄っぺらく感じました。特に軽部順一と久光律子の男女関係は蛇足じゃないですかね。奇遇なことに「鋼鉄の叫び」の現代パートにおいても不倫関係を持つ男女が登場するのですが、こちらも蛇足に感じるという点まで本作と共通しています。
一転して過去パートはやはり壮大でした。「終わらざる夏」では、緻密に記述されていた戦時下での人々の日常生活や、そこでの人々の苦悩がとても印象深かったのですが、本作でもその重さを十分に感じることができました。
特に印象的だったのは、弥勒丸の効率的な撃沈方法をなぜ米国潜水艦が知っていたのか、という点を、そういう風に繋げるのか、というところです。また、諸悪の根源である弥勒丸のミッションの要因となった植民地経営における軍票や軍費の在り方についても、これまで不勉強で知らなかったので興味を持ちました。願わくば、土屋少佐が資金を集めた場面も描写して欲しかったです。
リムスキー・コルサコフのシェエラザードも聞いてみました。とてもいい曲ですね。
プロットは鈴木光司氏の 2013 年の小説「鋼鉄の叫び」にとても似ています。謎解きの過程は「鋼鉄の叫び」の方が引き込まれましたが、人間ドラマではこちらの「シェエラザード」の方が深く引き込まれました。
他の方も書かれていますが、過去パートに比べて現代パートが薄っぺらく感じました。特に軽部順一と久光律子の男女関係は蛇足じゃないですかね。奇遇なことに「鋼鉄の叫び」の現代パートにおいても不倫関係を持つ男女が登場するのですが、こちらも蛇足に感じるという点まで本作と共通しています。
一転して過去パートはやはり壮大でした。「終わらざる夏」では、緻密に記述されていた戦時下での人々の日常生活や、そこでの人々の苦悩がとても印象深かったのですが、本作でもその重さを十分に感じることができました。
特に印象的だったのは、弥勒丸の効率的な撃沈方法をなぜ米国潜水艦が知っていたのか、という点を、そういう風に繋げるのか、というところです。また、諸悪の根源である弥勒丸のミッションの要因となった植民地経営における軍票や軍費の在り方についても、これまで不勉強で知らなかったので興味を持ちました。願わくば、土屋少佐が資金を集めた場面も描写して欲しかったです。
リムスキー・コルサコフのシェエラザードも聞いてみました。とてもいい曲ですね。
2018年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
元大手都市銀行の支店長にして町金融会社社長、軽部順一は、突然の老中国人からの申し出に戸惑っていた。中華民国総統の密使いわく「100億円を融資しろ」と。昭和20年に船とともに台湾沖に沈んだ金塊のサルベージ:町金融のバックの巨大暴力組織、財界のフィクサー、元大本営参謀を巻き込んでの壮大なプロジェクトが始まろうとしていた。
紳士らしく矜持を保つことの重み。よォーそろォー。よォーそろォー。涙はなけれど男泣きだ。
・自分の意思で何かをなしとげたことなど、ただの一度もなかった人生(上p187)。軽部にとっても、東大卒の新聞記者、律子にとっても、これは転機でもあった。一生を何かに賭けること、ここに人生の意義がある。
・日本とタイを除いて欧米諸国の植民地として搾取されてきたアジア諸国に光を射し込むは、大東亜共栄圏。その夢は、どこでボタンを掛け違えてしまったのだろう。仲間の首席操舵手を殺された一等航海士に「軍人は勝手に戦をして…」(上p245)と言わしめた点にあるのだろうか。
・「喪われた時間」の章が秀逸。弥勒丸。五十六億七千万年の後にあらわれる救世主。すなわち、そんなものは永遠に来ることがないということを知るからこそ、人間の力で助け合うことを教え諭し、自らも実践する元日銀マンの土屋の人生は高尚だ。そんな彼にとって律子との邂逅は、まさに神の導きなのだろう。律子に「何か目に見えぬ力が、頭を下げよと命じている」のもさもありなん(上p372)。そして「帰郷」の章の日比野の言葉に涙する(下p101)。
・「ひとつの志に生涯を賭けた男同士。これを義兄弟という」(上p285)。そして生きねばならぬ理由。老いた三人のフィクサーの来世にこそ幸あれ。
・「そう、すべては人間の意志によるのだ」(下p366)これには強く同意する。
1999年の作品だが、このグローバルの時代にこそ受け継がれるべき日本人の尊厳が紙面いっぱいに溢れている。感涙を我慢してページを閉じた。浅田次郎は最高だ!
紳士らしく矜持を保つことの重み。よォーそろォー。よォーそろォー。涙はなけれど男泣きだ。
・自分の意思で何かをなしとげたことなど、ただの一度もなかった人生(上p187)。軽部にとっても、東大卒の新聞記者、律子にとっても、これは転機でもあった。一生を何かに賭けること、ここに人生の意義がある。
・日本とタイを除いて欧米諸国の植民地として搾取されてきたアジア諸国に光を射し込むは、大東亜共栄圏。その夢は、どこでボタンを掛け違えてしまったのだろう。仲間の首席操舵手を殺された一等航海士に「軍人は勝手に戦をして…」(上p245)と言わしめた点にあるのだろうか。
・「喪われた時間」の章が秀逸。弥勒丸。五十六億七千万年の後にあらわれる救世主。すなわち、そんなものは永遠に来ることがないということを知るからこそ、人間の力で助け合うことを教え諭し、自らも実践する元日銀マンの土屋の人生は高尚だ。そんな彼にとって律子との邂逅は、まさに神の導きなのだろう。律子に「何か目に見えぬ力が、頭を下げよと命じている」のもさもありなん(上p372)。そして「帰郷」の章の日比野の言葉に涙する(下p101)。
・「ひとつの志に生涯を賭けた男同士。これを義兄弟という」(上p285)。そして生きねばならぬ理由。老いた三人のフィクサーの来世にこそ幸あれ。
・「そう、すべては人間の意志によるのだ」(下p366)これには強く同意する。
1999年の作品だが、このグローバルの時代にこそ受け継がれるべき日本人の尊厳が紙面いっぱいに溢れている。感涙を我慢してページを閉じた。浅田次郎は最高だ!
2020年4月27日に日本でレビュー済み
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Motivesが「太閤さんの軍資金」という嘘くさいものであり、物語り中の偶然についても個人それぞれの性格による行動パターンに依存していることなど、かなり無理がある。もう少し「偽中国人」に活躍してもらって必然性を高めて欲しい。文章は平易で気取りがなく読みやすい。のめり込ませる魅力はないが、時間潰しとしては可もなく不可も無し。
2017年11月19日に日本でレビュー済み
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じわっと感動が広がる作品でした。本書では犠牲者の方々の無念だけでなく、戦後も生き残った関係者たちの心境についてもなんとか読者に伝えようとしているのかと思いました。弥勒丸に乗船していて助けられた人、またシンガポールで弥勒丸の乗船名簿を作成していた軍人、またシンガポールで弥勒丸から下船するロシア人密航者など、様々な立場で弥勒丸に関わった人たちの心境を描写しようとしていた気がします。弥勒丸関係者の中で生き残った人の多くはその後が描写されていますが、後日談が書かれていない何人かの登場人物について、これらの人々はその後どういう人生を送ったのか、どういう気持ちで送ったんだろうかと想像を巡らせました。あらためて実際に起こった「阿波丸事件」の犠牲者に祈りを向けさせていただき、また戦後も生き残った関係者の方々の気持ちにも思いが向かいました。
2014年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻は家にあったのですが、読み終わって下巻がないのに気づく。
結末気になりましてね。
泣きました。
その後阿波丸の事まで調べちゃいました。
結末気になりましてね。
泣きました。
その後阿波丸の事まで調べちゃいました。
2016年7月1日に日本でレビュー済み
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この小説はフィクションにしても怖い話だ。 国民の命と財産を守るべき国家が結果的に国民を裏切ることはあり得るのだ。
2015年3月8日に日本でレビュー済み
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人の生と死と、生きる意味、優しさや思いやり、非情な戦争の中だけでなく、現代でも考えていかなければならない事を教えてくれます。愛と一言で言ってはいけない、人間の情・・・・楽しく、ハラハラしながら、次々と読む進みました。