幕末に、アイヌの人々を一番理解していた和人でと理解した。
伊能忠敬、間宮林蔵、松浦武四郎、みんな使命感と好奇心いっぱいの幕末の人々。
どこまでが史実で、どこからがフィクションかが分からないが、武四郎の心の動きや発した言葉が
「そうだったに違いない」と思わせる内容で、読み応えがあった。
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北海道人: 松浦武四郎 (講談社文庫 さ 61-5) 文庫 – 2002/12/1
佐江 衆一
(著)
「北海道」の名付け親の雄渾(ゆうこん)な生涯!
幕末、迫りくる列強の魔手を憂え、海防献策のため蝦夷地に渡った青年、松浦武四郎。彼の目に映じたのは、松前藩の圧政に呻吟するアイヌの姿だった。水戸の志士や吉田松陰との交遊を重ねながら、彼は時代の怒涛に呑み込まれてゆく。北に一生を捧げ、「北海道」の名付け親として今に知られる探検家の雄渾な生涯。
幕末、迫りくる列強の魔手を憂え、海防献策のため蝦夷地に渡った青年、松浦武四郎。彼の目に映じたのは、松前藩の圧政に呻吟するアイヌの姿だった。水戸の志士や吉田松陰との交遊を重ねながら、彼は時代の怒涛に呑み込まれてゆく。北に一生を捧げ、「北海道」の名付け親として今に知られる探検家の雄渾な生涯。
- 本の長さ369ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/12/1
- ISBN-104062736179
- ISBN-13978-4062736176
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/12/1)
- 発売日 : 2002/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 369ページ
- ISBN-10 : 4062736179
- ISBN-13 : 978-4062736176
- Amazon 売れ筋ランキング: - 716,299位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
松浦武四郎の名前は知っていた。
何十年も前に吉田武三氏の『白い大地』を読んでいたからだ。
内容はすっかり忘れてしまい、今は手元にない。
興味深い人物であったという感慨は残っている。
これも随分前のことだが、松浦武四郎を扱ったドキュメンタリー番組を見た記憶がある。
松浦武四郎という名前が、私の頭に登場するのは、これで三度目である。
人となりを知る手がかりとして、彼の前半生に注目していた。
この作品は、彼の生涯を扱った小説である。
創作もあるだろうが、ほとんど伝記に接するような気持ちで読んでいた。
前半の数十ページで、私の知りたいことの殆どを理解することができた。
もちろん、武四郎を知りたいという気持ちがあったので、最後まで興味深く読んだ。
こんな記述がある。
「七歳で曹洞宗真学寺の和尚に手習をまなび、疱瘡を病んだ九歳のとき、「お坊さまになりたい」としばしば口にし、父から許されず、みずから誦経をおぼえたが、名所図会や地誌などをこのんで読み、他国の山河をうつしとったりして、あきることがない。」(p.19)
幼少から、父の感化で、俳諧などの風雅を好んだという。
十三歳で津藩の儒者、平松楽斎の塾に入門する。
三年の後に、平松塾を辞し、十六歳の武四郎は出奔してしまう。
器用な武四郎は、江戸で篆刻の技を短期間に会得する。
この時は、一ヶ月で戻された。
十七歳で再び家を出て、今度は十年間、郷里に戻ることはなかった。
旅に明け暮れ、修験道ばりの健脚で山々を踏破する。
病を得て禅宗に転じ、「文桂」として今度は禅寺の雲水になる。
長崎での知り得たオロシヤの狼藉に、国を憂い、二十七歳で故郷に戻る。
伊勢神宮には、「附け髷」で参拝する。
皇国の民として生きることを誓い、還俗する。
還俗しても、朝夕の「般若心経」と役行者の「楞厳神咒」は、欠かしたことがないという。
この後の武四郎の活躍が、歴史に名を残すことになる。
国学その他の素養や学識が豊富なので、様々な人々と交流する。
時に「修行者」や「伊勢の御師」になりすまして旅や調査を続ける。
アイヌの人々に心を寄せ、国を憂いて黙っていられない。
刺客に命を狙われ、熱い思いと行動力で全国を駆け巡る。
家庭生活や、維新後の官吏としての記載もある。
本書は、武四郎を通した、幕末、維新史としても面白く読める。
以上は、半分記憶で書いているので、正確さに欠くかもしれない。
学力不足と時代小説を読みつけていないので、漢字の読みに迷うことがあった。
頭が活性化すると同じスピードで一気に読みたい質なので、もっとルビが欲しい。
ドラマにもなりそうな本作品は、若者にこそ、大いに読まれるべきである。
何十年も前に吉田武三氏の『白い大地』を読んでいたからだ。
内容はすっかり忘れてしまい、今は手元にない。
興味深い人物であったという感慨は残っている。
これも随分前のことだが、松浦武四郎を扱ったドキュメンタリー番組を見た記憶がある。
松浦武四郎という名前が、私の頭に登場するのは、これで三度目である。
人となりを知る手がかりとして、彼の前半生に注目していた。
この作品は、彼の生涯を扱った小説である。
創作もあるだろうが、ほとんど伝記に接するような気持ちで読んでいた。
前半の数十ページで、私の知りたいことの殆どを理解することができた。
もちろん、武四郎を知りたいという気持ちがあったので、最後まで興味深く読んだ。
こんな記述がある。
「七歳で曹洞宗真学寺の和尚に手習をまなび、疱瘡を病んだ九歳のとき、「お坊さまになりたい」としばしば口にし、父から許されず、みずから誦経をおぼえたが、名所図会や地誌などをこのんで読み、他国の山河をうつしとったりして、あきることがない。」(p.19)
幼少から、父の感化で、俳諧などの風雅を好んだという。
十三歳で津藩の儒者、平松楽斎の塾に入門する。
三年の後に、平松塾を辞し、十六歳の武四郎は出奔してしまう。
器用な武四郎は、江戸で篆刻の技を短期間に会得する。
この時は、一ヶ月で戻された。
十七歳で再び家を出て、今度は十年間、郷里に戻ることはなかった。
旅に明け暮れ、修験道ばりの健脚で山々を踏破する。
病を得て禅宗に転じ、「文桂」として今度は禅寺の雲水になる。
長崎での知り得たオロシヤの狼藉に、国を憂い、二十七歳で故郷に戻る。
伊勢神宮には、「附け髷」で参拝する。
皇国の民として生きることを誓い、還俗する。
還俗しても、朝夕の「般若心経」と役行者の「楞厳神咒」は、欠かしたことがないという。
この後の武四郎の活躍が、歴史に名を残すことになる。
国学その他の素養や学識が豊富なので、様々な人々と交流する。
時に「修行者」や「伊勢の御師」になりすまして旅や調査を続ける。
アイヌの人々に心を寄せ、国を憂いて黙っていられない。
刺客に命を狙われ、熱い思いと行動力で全国を駆け巡る。
家庭生活や、維新後の官吏としての記載もある。
本書は、武四郎を通した、幕末、維新史としても面白く読める。
以上は、半分記憶で書いているので、正確さに欠くかもしれない。
学力不足と時代小説を読みつけていないので、漢字の読みに迷うことがあった。
頭が活性化すると同じスピードで一気に読みたい質なので、もっとルビが欲しい。
ドラマにもなりそうな本作品は、若者にこそ、大いに読まれるべきである。
2007年4月2日に日本でレビュー済み
"北海道"の名づけ親として知られる松浦武四郎。
弘化年間から幕末期にかけ都合6度の蝦夷地探索を敢行、
当時ほとんど知られなかった内陸部まで探索を極めた彼は、単に健脚家であるに留まらず、
地理・民俗・言語・本草学など多岐に渡る分野で膨大な記録を残した。
質・量両面において突出した成果を残した彼は、本邦史上最大の探検家と言っても過言でないだろう。
本書はその松浦武四郎を主役に据えた時代小説。16歳で生家を出奔し、71歳で没するまでの生涯を描く。
なるべく虚構を抑えようという著者の配慮が見え、武四郎自身が残した記録を引用しながら、
その生涯を再現しようという姿勢が見られる。
そこに幕末維新の激動に向かう時代風景を重ね合わせる事で、
武四郎という人物を一層鮮やかに浮かび上がらせようとしている。
武四郎の旅程については大まかに通過地を示すのみに留め、所々で出会うアイヌとの交流を重視して描いている。
その多くは武四郎の著作である"近世蝦夷人物誌"に見えるエピソードを再現したものである。
場所請負制のもと、アイヌの立場は対等な交易相手から搾取される労働力へと変質し、武四郎の時代には困窮を極めていた。
武四郎はアイヌの窮状を深く憂慮し、身の危険も顧みず松前藩と場所請負人を手厳しく非難している。
正義感溢れ、筋の通らぬ者は容赦なく断罪せねば気が済まぬ。
著者が武四郎に最も魅力感じている点は、その一本気な人間性のようだ。
明治新政府の職を辞した武四郎の見る、ある夢。
それを終章に配置した点に、著者の武四郎観が最もよく表れている。
弘化年間から幕末期にかけ都合6度の蝦夷地探索を敢行、
当時ほとんど知られなかった内陸部まで探索を極めた彼は、単に健脚家であるに留まらず、
地理・民俗・言語・本草学など多岐に渡る分野で膨大な記録を残した。
質・量両面において突出した成果を残した彼は、本邦史上最大の探検家と言っても過言でないだろう。
本書はその松浦武四郎を主役に据えた時代小説。16歳で生家を出奔し、71歳で没するまでの生涯を描く。
なるべく虚構を抑えようという著者の配慮が見え、武四郎自身が残した記録を引用しながら、
その生涯を再現しようという姿勢が見られる。
そこに幕末維新の激動に向かう時代風景を重ね合わせる事で、
武四郎という人物を一層鮮やかに浮かび上がらせようとしている。
武四郎の旅程については大まかに通過地を示すのみに留め、所々で出会うアイヌとの交流を重視して描いている。
その多くは武四郎の著作である"近世蝦夷人物誌"に見えるエピソードを再現したものである。
場所請負制のもと、アイヌの立場は対等な交易相手から搾取される労働力へと変質し、武四郎の時代には困窮を極めていた。
武四郎はアイヌの窮状を深く憂慮し、身の危険も顧みず松前藩と場所請負人を手厳しく非難している。
正義感溢れ、筋の通らぬ者は容赦なく断罪せねば気が済まぬ。
著者が武四郎に最も魅力感じている点は、その一本気な人間性のようだ。
明治新政府の職を辞した武四郎の見る、ある夢。
それを終章に配置した点に、著者の武四郎観が最もよく表れている。
2016年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
良い商品で期待どうりでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
2015年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
探していた本が見つかってうれしいです。とてもきれいな本でした。大切にします。
2021年9月10日に日本でレビュー済み
アイヌに対する和人の差別と搾取及び虐待には目に余るものがあったというのはアイヌ関連の書籍を何冊か読んで既に知っていたが、それを裏書きして行くようなノンフィクション小説で大変読み応えがある。主人公の松浦武四郎は絶望的な環境に身を置くアイヌ達の生活を自らの身体を張り幕府を通して改善して行こうと決意し、そのための書物も多く出版するが結局は全ての試みが無駄に終わってしまう。そして最後は匙を投げた感じでアイヌたちとの関わりが一切ない余生を送ることになる。但し、彼の残した数々の書物は当時のアイヌ関連の貴重な文献として永遠に読み続けられて行くことだろう。私もいつかそんな機会を持ちたいと思う。
2019年10月14日に日本でレビュー済み
江戸末期から明治の初期にかけて蝦夷地を守ろうとした強靱な精神と肉体の持ち主の松浦武四郎の生き様を知った。明治10年頃には英国人女性イザベラ・バードが東北や蝦夷地を訪れ著した『イザベラバードの日本紀行』を思い起こされる。アイヌの人々が、北米や南米の“インディオ”らと同じ末路と辿るのは歴史の繰り返しだろうか。