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蔓の端々 (講談社文庫) 文庫 – 2003/4/15
直木賞作家の底力!
清冽な時代小説
若き武士・瓜生禎蔵(うりゅうていぞう)は、剣術で身を立てようと武芸に励んできた。ある日突然、彼が妻にと想いを寄せていた娘・八重が、幼馴染みで道場仲間の黒崎礼助(くろさきれいすけ)と姿を消してしまう。しかも礼助には筆頭家老暗殺の嫌疑が。事の真相は?
藩内抗争に否応なく巻きこまれてゆく武士たちの苦悩と悲哀を描く傑作時代小説。
清冽な時代小説
若き武士・瓜生禎蔵(うりゅうていぞう)は、剣術で身を立てようと武芸に励んできた。ある日突然、彼が妻にと想いを寄せていた娘・八重が、幼馴染みで道場仲間の黒崎礼助(くろさきれいすけ)と姿を消してしまう。しかも礼助には筆頭家老暗殺の嫌疑が。事の真相は?
藩内抗争に否応なく巻きこまれてゆく武士たちの苦悩と悲哀を描く傑作時代小説。
- 本の長さ456ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/4/15
- ISBN-104062737132
- ISBN-13978-4062737135
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/4/15)
- 発売日 : 2003/4/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 456ページ
- ISBN-10 : 4062737132
- ISBN-13 : 978-4062737135
- Amazon 売れ筋ランキング: - 756,488位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1953(昭和28)年、東京生れ。千葉県立国府台高校卒。’96(平成8)年に『薮燕』でオール讀物新人賞、’97年に『霧の橋』で時代小説大賞、 2001年に『五年の梅』で山本周五郎賞、’02年に『生きる』で直木賞、’04年に『武家用心集』で中山義秀文学賞をそれぞれ受賞。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 さざなみ情話 (新潮文庫) (ISBN-13: 4101192243 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いつの間にかこの作家の作品を5,6冊読んでしまった。
何か不思議な心地よさ、
というよりも不思議な居心地の良さを感じてしまう。
奇麗な割烹で練れた料理とよい酒を一人で楽しんでいられるような、
そんな感興が得られるのは今日稀なこと、年に一回あるかないか、
いやそれもない今日この頃。
考えてみると有難いことである。
さてこの作品、作家のこれまでのそれと比較してみると、やや異色というか、
すこし素材をいじくりすぎた、ちょっとフレンチ風のソースを使ってみたのかもしれない。
日本酒ではなくワインもときには良いし、
というものの本当のところそんなに私の舌は肥えてはいない。
飲んだり食べているうちに解らなくなってしまう。
江戸後期、北陸にある三万石、小藩内のドブ臭い派閥権力争い、
今時の某地方都市、貧乏県のお役所とか、あるいは企業内のそれっぽくて
少しうんざりモノであるが、それをいうと大人げない、
ということになろう。
少し作意というか脂っこさを感じさせるところが難であるも、
よくまとまった作品であるし、普段の浮世の憂さを癒すには本当に良い、
そう思えました。
何か不思議な心地よさ、
というよりも不思議な居心地の良さを感じてしまう。
奇麗な割烹で練れた料理とよい酒を一人で楽しんでいられるような、
そんな感興が得られるのは今日稀なこと、年に一回あるかないか、
いやそれもない今日この頃。
考えてみると有難いことである。
さてこの作品、作家のこれまでのそれと比較してみると、やや異色というか、
すこし素材をいじくりすぎた、ちょっとフレンチ風のソースを使ってみたのかもしれない。
日本酒ではなくワインもときには良いし、
というものの本当のところそんなに私の舌は肥えてはいない。
飲んだり食べているうちに解らなくなってしまう。
江戸後期、北陸にある三万石、小藩内のドブ臭い派閥権力争い、
今時の某地方都市、貧乏県のお役所とか、あるいは企業内のそれっぽくて
少しうんざりモノであるが、それをいうと大人げない、
ということになろう。
少し作意というか脂っこさを感じさせるところが難であるも、
よくまとまった作品であるし、普段の浮世の憂さを癒すには本当に良い、
そう思えました。
2018年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時代は江戸時代だが、これはサラリーマン小説。今も昔も宮仕えは厳しい。
2007年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
地方小藩(この作品では3万1千石)の藩士の生き方を上から下まで丸ごと収めた1編。
「霧の橋」「喜知次」に続いて、濃密な設定と精緻な筆運びで仕上げる乙川長編の真骨頂が楽しめる。
やはり、乙川優三郎は長編に限る。
この作品では、一介の下級藩士がいつの間にか藩政をめぐる改革の渦に巻き込まれ、しかも最先鋭としてそれを成し遂げる役割を果たす。
しかし結局は兵隊は兵隊。
ここに登場する男も女も、城郭を成す石垣の“蔓の端々”に過ぎなかった。
その“蔓の端々”の生活を、時には生き生きと、また時には寂しく描くところはまさに乙川節である。
ただ、文体がくどくてちょっと読み進みにくいところがあったかなという印象。
他の作品があまりにも良すぎるので、ここでは差し引いて星4つとさせていただいた。
「霧の橋」「喜知次」に続いて、濃密な設定と精緻な筆運びで仕上げる乙川長編の真骨頂が楽しめる。
やはり、乙川優三郎は長編に限る。
この作品では、一介の下級藩士がいつの間にか藩政をめぐる改革の渦に巻き込まれ、しかも最先鋭としてそれを成し遂げる役割を果たす。
しかし結局は兵隊は兵隊。
ここに登場する男も女も、城郭を成す石垣の“蔓の端々”に過ぎなかった。
その“蔓の端々”の生活を、時には生き生きと、また時には寂しく描くところはまさに乙川節である。
ただ、文体がくどくてちょっと読み進みにくいところがあったかなという印象。
他の作品があまりにも良すぎるので、ここでは差し引いて星4つとさせていただいた。
2012年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すごい高評価に魅かれて読んでみたんですが「うーん?」という感想です。正直、これって時代小説なんだろうかと思ってしまいました。登場人物の行動、発想が現代人の様で、そのため最後まで小説に入っていくことができず残念でした。
2018年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
終盤、禎三と礼介の、運命は?、興味深々に、ページをめくる手が止まらない。
2019年4月22日に日本でレビュー済み
内容は文句なく素晴らしい。
好きな女が突然失踪。しかもそれが、親友と失踪した。その親友は家老暗殺の容疑が。
読み始めて早々事件が起こり、いきなり荒々しい始まりかと思えば、その後に続くのは静かな物語。
事件は何も解明されないまま、主人公は流されるままにただ毎日を過ごしていくうちに、気づくとお家騒動の渦中に。
しかし、思いの外物語は淡々と進む。それは主人公が、あくまでも受動的であるからだろう。
言われるがまま、従うがまま。
主人公、そして読者が最も知りたい親友の事件、そして失踪の真実は、わかりそうでなかなか解明されない。
それはもどかしく、またお家騒動も淡々と進行するうえに、一体いま何が起きているのか、主人公同様、全貌が漠然としている。
無論、これらはあとになって解明されるのだが、その複雑な人間関係には、少々混乱させられた次第。
しかしながらこの方の本は、やはり人間の成長の描き方が抜群にうまく、何もわからない若造だった主人公が、ページをめくるごとに大人になっていく。その過程が丹念に描かれて、とても読み応えがある。
好きな女が突然失踪。しかもそれが、親友と失踪した。その親友は家老暗殺の容疑が。
読み始めて早々事件が起こり、いきなり荒々しい始まりかと思えば、その後に続くのは静かな物語。
事件は何も解明されないまま、主人公は流されるままにただ毎日を過ごしていくうちに、気づくとお家騒動の渦中に。
しかし、思いの外物語は淡々と進む。それは主人公が、あくまでも受動的であるからだろう。
言われるがまま、従うがまま。
主人公、そして読者が最も知りたい親友の事件、そして失踪の真実は、わかりそうでなかなか解明されない。
それはもどかしく、またお家騒動も淡々と進行するうえに、一体いま何が起きているのか、主人公同様、全貌が漠然としている。
無論、これらはあとになって解明されるのだが、その複雑な人間関係には、少々混乱させられた次第。
しかしながらこの方の本は、やはり人間の成長の描き方が抜群にうまく、何もわからない若造だった主人公が、ページをめくるごとに大人になっていく。その過程が丹念に描かれて、とても読み応えがある。
2008年6月29日に日本でレビュー済み
禎蔵が、妻にと心に決めていた幼なじみの八重に思いを告げようとしたその時に、剣の友である黒崎が現れ、客の相手をしていた間に、二人は消えてしまう。
ミステリアスな展開に引きこまれてしまう。
小藩の抗争に巻き込まれていく禎蔵。作者は丁寧に下層に生きる人たちの心情と生活を描いていく。禎蔵の養父、仁右衛門の言葉が心に沁みるし、八重の生き方も受け入れられる。禎蔵自身を大木に巻き付いた蔓と比喩しているのが巧いと思った。読んだ後、しみじみとした気持ちになる。
ミステリアスな展開に引きこまれてしまう。
小藩の抗争に巻き込まれていく禎蔵。作者は丁寧に下層に生きる人たちの心情と生活を描いていく。禎蔵の養父、仁右衛門の言葉が心に沁みるし、八重の生き方も受け入れられる。禎蔵自身を大木に巻き付いた蔓と比喩しているのが巧いと思った。読んだ後、しみじみとした気持ちになる。