ハ−バーマスは、「コミュニケーション行為」をキー概念に現代社会を分析した哲学者、社会学者として有名である。インターネットの普及に代表される現在の情報社会を考えるにあたり大変気になっていた思想家の一人である。この本は、この思想家の全体と「コミュニケーション行為」を理解するのに大変役立つものだと思う。ハーバーマスは、強制や支配のないコミュニケーションにより生み出される合意こそが真に生産的な力であると主張する。彼によると、近代社会は、人間が初めて宗教や因習などの非理性的な力を脱し、民主的な原理が独り立ちした時代であるが、同時に新しい制度や広義のシステムの力も強大となり、計算・支配する思考、そこから生じる人間疎外も強固になっている。人間疎外を克服した新しい社会秩序を生み出すためは、相互の平等な対話によって支えられた合理性の実現(コミュニケーション的理性)が何よりも重要と説く。
ハーバーマスの個人の生き方や思想形成の歩みが書かれているとともに、コミュニケーション行為と言語との関係など大変興味深いテーマも本書では取り上げられている。
より詳しいサマリーに関心のあるかたは、以下のサイトを参照してください。
[...]
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ハーバーマス (現代思想の冒険者たちSelect) 単行本 – 2003/7/11
中岡 成文
(著)
●ハーバーマス(Jurgen Habermas 1929‐)
ドイツの哲学者。近代を築いた礎石としての「合理性」をあくまで信頼し、強制や支配のないコミュニケーションによって生み出される合意こそが、真に生産的な力であると見なす。主な著作に、『公共性の構造転換』『コミュニケーション行為の理論』『新たな不透明性』『事実性と妥当』など。
コミュニケーション行為(Kommunikatives Handeln)
人間には暴力・抑圧に支配されず対話を交わし、相互理解に到達するコミュニケーション的理性の力が与えられている。近代社会は、人間が初めて宗教や因習などの非理性的な力を脱し、民主的な原理が一人立ちした時代である。だが同時にシステムの力も強大となり、計算・支配する思考、そこから生じる人間疎外も強固になり、コミュニケーション的理性の可能性は十分に実現していない。ハーバーマスはあくまでも人間のコミュニケーションへの信頼を保とうとする。相互の平等な対話によって支えられた合理性の実現こそが真の秩序を生み出す。
ドイツの哲学者。近代を築いた礎石としての「合理性」をあくまで信頼し、強制や支配のないコミュニケーションによって生み出される合意こそが、真に生産的な力であると見なす。主な著作に、『公共性の構造転換』『コミュニケーション行為の理論』『新たな不透明性』『事実性と妥当』など。
コミュニケーション行為(Kommunikatives Handeln)
人間には暴力・抑圧に支配されず対話を交わし、相互理解に到達するコミュニケーション的理性の力が与えられている。近代社会は、人間が初めて宗教や因習などの非理性的な力を脱し、民主的な原理が一人立ちした時代である。だが同時にシステムの力も強大となり、計算・支配する思考、そこから生じる人間疎外も強固になり、コミュニケーション的理性の可能性は十分に実現していない。ハーバーマスはあくまでも人間のコミュニケーションへの信頼を保とうとする。相互の平等な対話によって支えられた合理性の実現こそが真の秩序を生み出す。
- 本の長さ314ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/7/11
- 寸法13.5 x 1.7 x 18.8 cm
- ISBN-104062743558
- ISBN-13978-4062743556
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
近代は非理性的な力を脱し、民主的な原理が初めて確立したが、計算・支配する思考から人間疎外も強まった。そこでは平等な対話による合理性こそが真の秩序を生み出す…。96年刊「現代思想の冒険者たち 27」の新装版。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/7/11)
- 発売日 : 2003/7/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 314ページ
- ISBN-10 : 4062743558
- ISBN-13 : 978-4062743556
- 寸法 : 13.5 x 1.7 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 525,420位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 489位ドイツ・オーストリアの思想
- - 4,804位社会一般関連書籍
- - 5,863位その他の思想・社会の本
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2010年2月1日に日本でレビュー済み
2007年4月4日に日本でレビュー済み
ドイツの哲学者(?)のハーバーマスの概説書。
副題に「コミュニケーション行為」とあるように、ハーバーマスは「コミュニケーション行為」
をとても重視する。
コミュニケーション行為:「妥当要求」を掲げたうえで、その承認を相手に求め、了解による合意を目指す行為。(本書語句説明から引用)
構成は、このコミュニケーション行為の理論含めたハーバーマスの理論がどのようにして完成し、また、他の思想家がどのように反論し、それに対してハーバーマスがどのように再反論したかを順を追って説明していく、といった感じ。説明は丁寧でわかりやすい。前提とする知識もほとんど無いと思う。
ただ、巻末の語句説明にあるキーワードが本文でそれぞれ初出の時に、「巻末参照」みたいな感じの文が欲しかった。せめて※だけでも。
副題に「コミュニケーション行為」とあるように、ハーバーマスは「コミュニケーション行為」
をとても重視する。
コミュニケーション行為:「妥当要求」を掲げたうえで、その承認を相手に求め、了解による合意を目指す行為。(本書語句説明から引用)
構成は、このコミュニケーション行為の理論含めたハーバーマスの理論がどのようにして完成し、また、他の思想家がどのように反論し、それに対してハーバーマスがどのように再反論したかを順を追って説明していく、といった感じ。説明は丁寧でわかりやすい。前提とする知識もほとんど無いと思う。
ただ、巻末の語句説明にあるキーワードが本文でそれぞれ初出の時に、「巻末参照」みたいな感じの文が欲しかった。せめて※だけでも。
2011年6月10日に日本でレビュー済み
ハーバーマスのような温い人間を、安易に頭の良いひとと形容する勧誘の手法が、如何にも温い。
2003年9月5日に日本でレビュー済み
この本は97年に出版されたハードカバー版が、ソフトカバー版となったものである。そのためハンディになり価格も安くなっている。
ハーバーマスを読みたいと考えている人、また読んだ人にとっても、大変わかりやすくよみやすい内容となっている。かなり良質にまとまっている本のため、ハーバーマスに関心のある人には一読をお勧めする。
★一つ減点した理由は、本の内容に問題があるのではなく、主要著作ダイジェストの『事実性と妥当性』の翻訳なしと記述されているが、2002、03年に未来社から翻訳がでているため注意を喚起するために減点をした。
ハーバーマスを読みたいと考えている人、また読んだ人にとっても、大変わかりやすくよみやすい内容となっている。かなり良質にまとまっている本のため、ハーバーマスに関心のある人には一読をお勧めする。
★一つ減点した理由は、本の内容に問題があるのではなく、主要著作ダイジェストの『事実性と妥当性』の翻訳なしと記述されているが、2002、03年に未来社から翻訳がでているため注意を喚起するために減点をした。