「料理に大好物があるように、読書にも大好物がある。その大好物を1つにまとめてしまったのが本書である。」というようなことを著者は前書き(?)で言っておられます。善神と悪神の宇宙的闘争、CIAとKGBのスパイ合戦、ムー大陸伝説、吸血鬼伝説等が作者の読書的大好物だそうです。それらをミックスして、味付けにちょっとハードボイルド&ポルノ風を足したのが、本シリーズだということになります。
序章と終章が第三者視点、本章が主人公の第一人称的叙述で物語は進んでいきます。この主人公の思想がまた面白いというか武闘派というか反社会的と言うか、私の言葉では上手に表現できませんが、とにかく、読んでいて格好良いんですよ。惰弱で三枚目的なところは一切なし。生物的観点から男が所有して生まれてくるであろう暴力的性的欲求を満たすために、己のルールに従って次々と現れる敵に立ち向かっていく姿は最高に痺れます。理想とする女性を抱くためだけに、あまりにも過酷な戦いの場に赴く主人公の姿は、「漢」というよりは「雄」と表現した方が良いかも知れません。でも、ただの雄ではありません。英「雄」ですね!
私の知る限り,本作は「角川ノベルズ(新書)」,「角川文庫」,「講談社文庫」,「笠井潔全集」と全部で4つの版が存在します。それぞれに挿絵と言うかイラストがある訳ですが・・・・・。
作者がウルフガイシリーズに影響を受けたこともあり,最初に熱望したのは生頼氏の挿絵でした。おそらくはそのイラストをイメージして,登場人物造型を作者はされたんじゃないかなぁと思う訳で,やはり,イラスト付きの本としてはカドカワノベルズ版が最高じゃないかと思いますね。ただ,生頼氏が描く10歳の少女はとてもじゃないけど10歳には見えませんでしたね。
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ヴァンパイヤー戦争 1 (講談社文庫 か 54-7) 文庫 – 2004/6/1
吸血神ヴァーオゥの復活
- 本の長さ365ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/6/1
- ISBN-104062747987
- ISBN-13978-4062747981
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/6/1)
- 発売日 : 2004/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 365ページ
- ISBN-10 : 4062747987
- ISBN-13 : 978-4062747981
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,502,520位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2005年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、ちょっと残酷描写が強い少年ジャンプ敵名乗りだといえます。ノリのいい描写は作者の力量によるところが大きながら、いささかあらけずりのような・・・(これは、作者の文章の緻密性よりあくまで流れを重視したためかも・・・。)
それでもなかなか面白い読み物です。次の巻が期待できますが、全部で11巻がこのノリのままで進んでしまうと少し肩透かしでしょうか・・・。キャラの魅力だけで押し進んでしまうような感じがします。この後からは、もう少しストーリーの方にも何か引っ張れるものがあればと思います。
それでもなかなか面白い読み物です。次の巻が期待できますが、全部で11巻がこのノリのままで進んでしまうと少し肩透かしでしょうか・・・。キャラの魅力だけで押し進んでしまうような感じがします。この後からは、もう少しストーリーの方にも何か引っ張れるものがあればと思います。
2005年1月22日に日本でレビュー済み
武内崇、表紙を書いている人気(だよな、一応)原画家さんで、
再刊行するにあたり、吸血鬼ネタ(上記の方が有名になったのが、吸血鬼に焦点をあてた同人、ようはアマチュアが創ったゲームだった)という共通点をつついてのコラボレーション、販促を狙った意図が見え見えだが、
企画販売側はそれで構わなかったんだろう、それだけ内容に自信があり、好みが一致した読者が離れないと確信していたのだろう。
つまりは、私のようなのが確実に出ることを予想していたのだろう。
私は魅了された。
九鬼鴻三郎という“自由”な男に、作者が描く女とエロスに
底無しに深まるSFでありながらの伝奇でもあるの謎に
血生臭い暴力に、国家や種族による多数の勢力の謀略に。
巻が進むに連れどんどん深まっていく作品に没頭できるはずだ。
作品は基本的に単純、“エロとヴァイオレンス”を“SF+伝奇”を舞台にしている。
伝奇といっても山田風太郎のように超人的な技が交叉するタイプではなく、
半村量や隆慶一郎のように、伝説や史実、空想に脚色を加え、社会にまつろわぬ己の価値観と自由意志でのみで動くキャラクターが活躍するタイプだ。
そんなキャラクターを思想家でもある笠井潔は、一回しか登場しないようなサブキャラクターにまで徹底的に理想と信念で表現している。
読者に媚びるようなキャラクターはそこには存在しない。
彼らが自分の信念で動いて、化け物と国家と謎に向かっていくのだ。
表紙など、読み終えた時にはキャラのヴィジュアルを補完するどころか、
微妙に齟齬を起こしかねなかったりするくらいだ。
妙な誤解など恐れるに値しない。買って、読んで、知人に勧める。
そうするだけの価値が、この本にはある。
再刊行するにあたり、吸血鬼ネタ(上記の方が有名になったのが、吸血鬼に焦点をあてた同人、ようはアマチュアが創ったゲームだった)という共通点をつついてのコラボレーション、販促を狙った意図が見え見えだが、
企画販売側はそれで構わなかったんだろう、それだけ内容に自信があり、好みが一致した読者が離れないと確信していたのだろう。
つまりは、私のようなのが確実に出ることを予想していたのだろう。
私は魅了された。
九鬼鴻三郎という“自由”な男に、作者が描く女とエロスに
底無しに深まるSFでありながらの伝奇でもあるの謎に
血生臭い暴力に、国家や種族による多数の勢力の謀略に。
巻が進むに連れどんどん深まっていく作品に没頭できるはずだ。
作品は基本的に単純、“エロとヴァイオレンス”を“SF+伝奇”を舞台にしている。
伝奇といっても山田風太郎のように超人的な技が交叉するタイプではなく、
半村量や隆慶一郎のように、伝説や史実、空想に脚色を加え、社会にまつろわぬ己の価値観と自由意志でのみで動くキャラクターが活躍するタイプだ。
そんなキャラクターを思想家でもある笠井潔は、一回しか登場しないようなサブキャラクターにまで徹底的に理想と信念で表現している。
読者に媚びるようなキャラクターはそこには存在しない。
彼らが自分の信念で動いて、化け物と国家と謎に向かっていくのだ。
表紙など、読み終えた時にはキャラのヴィジュアルを補完するどころか、
微妙に齟齬を起こしかねなかったりするくらいだ。
妙な誤解など恐れるに値しない。買って、読んで、知人に勧める。
そうするだけの価値が、この本にはある。
2023年7月8日に日本でレビュー済み
文章力が高く展開も面白いのですが、如何せん主人公が出会う女性と見境なくやりまくるヤ〇チン野郎というところが受け付けません。
(更に性描写もくどいほど濃厚で、自分は官能小説を買ったんじゃないかと勘違いしたほどです)
著者が奈須きのこの『空の境界』の解説を務められたり、本作のイラストを武内氏が担当するなど
型月と関りが深いので月姫やFateのような『ひたすら一人のヒロインに忠実であるかっこいい主人公』を期待したのですが全くそうではなく残念です。
ただ文章力は高いので一人称視点の小説を読みたい或いは参考にしたいという方にはおススメです。
(更に性描写もくどいほど濃厚で、自分は官能小説を買ったんじゃないかと勘違いしたほどです)
著者が奈須きのこの『空の境界』の解説を務められたり、本作のイラストを武内氏が担当するなど
型月と関りが深いので月姫やFateのような『ひたすら一人のヒロインに忠実であるかっこいい主人公』を期待したのですが全くそうではなく残念です。
ただ文章力は高いので一人称視点の小説を読みたい或いは参考にしたいという方にはおススメです。
2004年6月25日に日本でレビュー済み
KGBで鍛えられた凄腕の殺し屋主人公。KGBを裏切り追われる身で巻き込まれたのは、KGB、CAI等各国の諜報機関が追うヴァンパイヤーを巡る争い。ヴァンパイヤーの秘密の鍵となる少女とともに、ヴァンパイヤーの秘密を探りながら、各国諜報機関と戦闘を繰り広げます。
読みどころ満点です。戦闘シーンは、完全武装の諜報機関員VS主人公一人の軍隊で、市街戦を繰り広げます。ヴァンパイヤーの謎も、また読みどころの一つ。ムー大陸、宇宙での神々の争い、人類とバンパイヤーの関係など、壮大な謎です。そして、登場人物。主人公の破天荒な活躍の他にも、知的で暴力も辞さない主人公の仲間。主人公の過激派時代の仲間達、諜報機関の親玉、そしてヴァンパイヤーの一族・・。
途中でやめられなくなります。
読みどころ満点です。戦闘シーンは、完全武装の諜報機関員VS主人公一人の軍隊で、市街戦を繰り広げます。ヴァンパイヤーの謎も、また読みどころの一つ。ムー大陸、宇宙での神々の争い、人類とバンパイヤーの関係など、壮大な謎です。そして、登場人物。主人公の破天荒な活躍の他にも、知的で暴力も辞さない主人公の仲間。主人公の過激派時代の仲間達、諜報機関の親玉、そしてヴァンパイヤーの一族・・。
途中でやめられなくなります。
2006年7月20日に日本でレビュー済み
そんな人にはゴメンナサイだが、
そもそも私は笠井潔は大好きなんだが、この本に限っては表紙が趣味の合わない漫画絵で
ちょっと部屋に並んでるのはヤだな・・・と思ってたんで買うのを手控えていたんだけれど、
「サマー・アポカリプス」があまり進まないから、気分転換に図書館で借りて、ということで・・・(買えよ)。
漫画絵と「ヴァンパイヤー戦争」という題名に、ライトの方かと思っていたが
(まあ、そもそもが文学ではないが)
内容としてはエロでグロで比較的読みやすく比較的美形率が高いものの、
主人公が正義でも何でもなく(というかひたすら惡しか登場せず)
要約して、私が笠井潔が大好きという(無論、一方的な)気持ちをほとんど裏切らない作品だった。
借りてよかった。(やっぱり買うには表紙絵的に抵抗がある)
(ただ、何でKGB?とか思っていたら、書かれた時代が時代だった)
そもそも私は笠井潔は大好きなんだが、この本に限っては表紙が趣味の合わない漫画絵で
ちょっと部屋に並んでるのはヤだな・・・と思ってたんで買うのを手控えていたんだけれど、
「サマー・アポカリプス」があまり進まないから、気分転換に図書館で借りて、ということで・・・(買えよ)。
漫画絵と「ヴァンパイヤー戦争」という題名に、ライトの方かと思っていたが
(まあ、そもそもが文学ではないが)
内容としてはエロでグロで比較的読みやすく比較的美形率が高いものの、
主人公が正義でも何でもなく(というかひたすら惡しか登場せず)
要約して、私が笠井潔が大好きという(無論、一方的な)気持ちをほとんど裏切らない作品だった。
借りてよかった。(やっぱり買うには表紙絵的に抵抗がある)
(ただ、何でKGB?とか思っていたら、書かれた時代が時代だった)
2004年6月22日に日本でレビュー済み
内容は前のヴァンパイヤー戦争の方に書いてあるのでカットして。
ずっと前からこの本(中身)は知ってたんですけど(前の方)面白いのは知ってたんですけど買うほどではなかったんです。
しかし
この絵。
月姫(同人)からの付き合いであるこの絵だとそれだけで買うことを決めました。内容はそっちのけです。
外側のカバーも綺麗でしたが中の絵もとても綺麗です!
しかも内容も面白いです。吸血鬼だからといって適当に選んだわけでもなかった!
絵がいいと思った人は衝動買いして下さい!
ずっと前からこの本(中身)は知ってたんですけど(前の方)面白いのは知ってたんですけど買うほどではなかったんです。
しかし
この絵。
月姫(同人)からの付き合いであるこの絵だとそれだけで買うことを決めました。内容はそっちのけです。
外側のカバーも綺麗でしたが中の絵もとても綺麗です!
しかも内容も面白いです。吸血鬼だからといって適当に選んだわけでもなかった!
絵がいいと思った人は衝動買いして下さい!
2004年7月18日に日本でレビュー済み
宇宙規模の善悪二元論、古代の超文明、ムー大陸の末裔たる吸血鬼、米ソスパイ組織の暗躍、孤独なダークヒーロー、美女、美少女、アクションにエロスと何でもありの世界観は、破綻することなく今読んでも古臭くなく面白いと思います。前半に舞台となるパリの描写は石畳の臭いまでしてきそうな雰囲気があって、主人公の内面にぴったりマッチしており読ませます。文中イラストはないのですが、巻頭の人物紹介をかねたカラーイラストや表紙から、ハードな内容とは想像しにくいアンバランスさもかえって面白いかと思いました。