教科書で書名と著者の名前を知っていただけで、読んだことがなかった本書。
縁あって読む機会を得ました。
まだ読み始めたばかりで、重いテーマだとおもいますが、頑張って読んでいこうと思っています。
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新装版 苦海浄土 (講談社文庫) 文庫 – 2004/7/15
石牟礼 道子
(著)
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人の尊厳とは何か いまこそ心打つ<声>を聞いてください
文字が大きく読みやすくなった新装版
工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。本作は、世に出て30数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。
文字が大きく読みやすくなった新装版
工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。本作は、世に出て30数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。
- ISBN-104062748150
- ISBN-13978-4062748155
- 出版社講談社
- 発売日2004/7/15
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- 本の長さ416ページ
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/7/15)
- 発売日 : 2004/7/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 416ページ
- ISBN-10 : 4062748150
- ISBN-13 : 978-4062748155
- 寸法 : 10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,930位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1位産業廃棄物・公害
- - 6位論文集・講演集・対談集
- - 6位建築・土木工学
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2023年5月23日に日本でレビュー済み
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2023年5月26日に日本でレビュー済み
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禍々しい題名になかなか手に取ることができなかった本ですが、文庫版なので思い切って読みました。この世界の構造が手に取るようにわかる、そして魂の洗われる内容の素晴らしい本です。
2018年10月3日に日本でレビュー済み
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水俣病の患者と家族の苦しみを書き綴った記録。初版は1968年刊。
身体が突然痙攣して寝たきりになり、治る見込みもないまま死を迎えてしまう奇病。
原因は、鳴り物入りでやってきた企業が垂れ流す、工場排水に含まれていた有機水銀。
過去のものにしようとする圧力は高まり、患者の命は値踏みされる。あまつさえ、声をあげることがタブーとなり同郷の市民からは詰られる。
高度成長期の狼煙が上がる前。人の命より国家の成長が優先されていた時代の「棄民」の記録として読んでおきたい一冊です。
解説で、本書は記録ではなくむしろ著者の私小説であることが示されます。
患者の独白が聞き書きではなくほぼ創作だったとしても、患者に寄り添いともに憤るなかで紡がれてきた言葉として受け止めるべきなのでしょう。
身体が突然痙攣して寝たきりになり、治る見込みもないまま死を迎えてしまう奇病。
原因は、鳴り物入りでやってきた企業が垂れ流す、工場排水に含まれていた有機水銀。
過去のものにしようとする圧力は高まり、患者の命は値踏みされる。あまつさえ、声をあげることがタブーとなり同郷の市民からは詰られる。
高度成長期の狼煙が上がる前。人の命より国家の成長が優先されていた時代の「棄民」の記録として読んでおきたい一冊です。
解説で、本書は記録ではなくむしろ著者の私小説であることが示されます。
患者の独白が聞き書きではなくほぼ創作だったとしても、患者に寄り添いともに憤るなかで紡がれてきた言葉として受け止めるべきなのでしょう。
2023年5月7日に日本でレビュー済み
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ノンフィクションならではの、凄みを感じます。
2006年11月19日に日本でレビュー済み
この本は水俣病の参考文献として常に上位に挙げられるものではあるが、私はこの「苦海浄土」よりも吉田司の「下下戦記」の方が数倍素晴らしいと思った。それは、吉田司の「下下戦記」の方が水俣病の「当事者の声」をよりフェアに記録していると感じたからだ。
この「苦海浄土」はルポタージュ風のフィクションであり、水俣と水俣病を文学化した作品である。作者の基本的な構図として「前近代」と「近代」を対立させることで物語を成立させているが、その構図に拘るあまり「前近代」が美化され「当事者の声」もその文脈でしか記述されていないきらいがあるように思われる。
吉田司の「下下戦記」を読んで分かることは、おそらく「水俣病」の苦しみの半分は「近代=工業排水」による病なのだけれども、もう半分は「前近代=ムラ的」な共同体による徹底的な差別によるものだということだ。この「苦海浄土」では「前近代」と「近代」という文学的構図に拘るあまり、その「前近代」と「近代」の”両方”に痛めつけられた患者たちの苦悩がフェアに描かれていないと思う。
また「苦海浄土」での患者の描かれ方もどことなく文学的な「風景」のようで、「下下戦記」で描かれた登場人物のように「ああこの人は今も元気でやってるんだろうか?」と個人個人に対して読者が思わず心配になるような生き生きとした描かれ方はされていない。
この「苦海浄土」が水俣病運動に対して果たした貢献というのは非常に大きいものだろうし、その点では重要な本ではあると思う。しかし、私にはこの本は「文学的すぎる」ように感じたし「被害者の声」のリアルさ(当事者性)もあまり感じなかった。私は、この本よりも吉田司の「下下戦記」の方が「水俣病」のルポタージュとして数倍素晴らしいと思うし、興味のある読者には「下下戦記」も是非読んでみてほしいと思う。
この「苦海浄土」はルポタージュ風のフィクションであり、水俣と水俣病を文学化した作品である。作者の基本的な構図として「前近代」と「近代」を対立させることで物語を成立させているが、その構図に拘るあまり「前近代」が美化され「当事者の声」もその文脈でしか記述されていないきらいがあるように思われる。
吉田司の「下下戦記」を読んで分かることは、おそらく「水俣病」の苦しみの半分は「近代=工業排水」による病なのだけれども、もう半分は「前近代=ムラ的」な共同体による徹底的な差別によるものだということだ。この「苦海浄土」では「前近代」と「近代」という文学的構図に拘るあまり、その「前近代」と「近代」の”両方”に痛めつけられた患者たちの苦悩がフェアに描かれていないと思う。
また「苦海浄土」での患者の描かれ方もどことなく文学的な「風景」のようで、「下下戦記」で描かれた登場人物のように「ああこの人は今も元気でやってるんだろうか?」と個人個人に対して読者が思わず心配になるような生き生きとした描かれ方はされていない。
この「苦海浄土」が水俣病運動に対して果たした貢献というのは非常に大きいものだろうし、その点では重要な本ではあると思う。しかし、私にはこの本は「文学的すぎる」ように感じたし「被害者の声」のリアルさ(当事者性)もあまり感じなかった。私は、この本よりも吉田司の「下下戦記」の方が「水俣病」のルポタージュとして数倍素晴らしいと思うし、興味のある読者には「下下戦記」も是非読んでみてほしいと思う。
2023年4月21日に日本でレビュー済み
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改めて、歴史を認識することができました。
2022年10月11日に日本でレビュー済み
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作者の丹念な取材に感服しました。
当時の日本経済の考え方、被害を受けた方々の苦悩が手に取るように伝わってきて読み進むうちに暗澹たる思いに駆られました。
まだまだ安心な社会ではなく、何百年も処理にかかる使用済み核燃料や今盛んに使用されている太陽光パネルの使用済みパネル処理の仕方など公害に結び付くのではないか。警鐘を鳴らす本だと思います。
当時の日本経済の考え方、被害を受けた方々の苦悩が手に取るように伝わってきて読み進むうちに暗澹たる思いに駆られました。
まだまだ安心な社会ではなく、何百年も処理にかかる使用済み核燃料や今盛んに使用されている太陽光パネルの使用済みパネル処理の仕方など公害に結び付くのではないか。警鐘を鳴らす本だと思います。
2022年1月19日に日本でレビュー済み
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子どもの課題図書として購入しました。身近に書店がないこともあり、大変スムーズに購入できて本当に助かりました。