舞城王太郎特有の軽妙な語りが最初からフルスロットルです。事件とルンババの推理が中心になる中盤は少しダレますが、終盤、そしてラストシーンが素晴らしい。これは、作中でも語られている通り、「だれにでも当たり前にある、親との衝突」を描いた作品なのでしょう。そして主人公やルンババは、四コマにある通り、これから「和解」し、やがては自分自身が親になっていくのでしょう。
正直、めちゃくちゃ感動しました。私が今までに読んだ中で一番の青春小説です。
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世界は密室でできている。 (講談社文庫) 文庫 – 2005/4/15
舞城 王太郎
(著)
15歳の僕と14歳にして名探偵のルンババは、家も隣の親友同士。中三の修学旅行で東京へ行った僕らは、風変わりな姉妹と知り合った。僕らの冒険はそこから始まる。地元の高校に進学し大学受験――そんな10代の折々に待ち受ける密室殺人事件の数々に、ルンババと僕は立ち向かう。鮮烈!新青春エンタ!! (講談社文庫)
修学旅行、受験、夏休み 青春の折々に僕らを待つ大量密室殺人事件!
15歳の僕と14歳にして名探偵のルンババは、家も隣の親友同士。中三の修学旅行で東京へ行った僕らは、風変わりな姉妹と知り合った。僕らの冒険はそこから始まる。地元の高校に進学し大学受験――そんな10代の折々に待ち受ける密室殺人事件の数々に、ルンババと僕は立ち向かう。鮮烈!新青春エンタ!!
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- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/4/15
- 寸法10.8 x 1 x 14.8 cm
- ISBN-104062750678
- ISBN-13978-4062750677
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/4/15)
- 発売日 : 2005/4/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 4062750678
- ISBN-13 : 978-4062750677
- 寸法 : 10.8 x 1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 403,731位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり読み手を選ぶ作品だと思います、一般常識にとらわれない突き抜けたヒロイン?と密室不動産トリックに耐性というか、嫌悪感抱かないタイプの人なら受け入れられると思います
2023年12月10日に日本でレビュー済み
冒頭の、肌を搔きむしって全身が乳首のようになるシーンは、なかなかグロテスクです。下品でくだらなくて気色悪いのですが、最後まで読むと、まあめちゃくちゃでヘンテコリンな小説だけど、アリかなという気がしてくる。
登場人物はみんなどこかおかしいけれど、まあツバキエノキ魅力的だしアリかな。連続殺人もバカミスすぎてアホらしいけど、ここまで飛ばしてると、全体と調和してるしまあアリかな。で、最後もよく書けてると思う。
たとえばツバキさんが屍体を使ってしてしまったことが、たいへん狂っている。度肝を抜きました。しかしそのイメージがいつまでも頭から離れない。鮮烈なイメージです。
笠井潔氏は、かつて日本推理作家協会賞の短篇部門に舞城氏の「ピコーン!」が候補になった時(2003年)、こう評しました。《ミステリとしての歪みや撞着にかんして作者は確信犯であ》る。つまり、わざとこのようなバカバカしい書き方をしているということです。舞城氏の作品が一貫してこの傾向にあることは、作品を読めば明らかです。
さて、氏は小説にモチーフやパロディを用いる人です。たとえば、デビュー作の『煙か土か食い物』は、尾崎真理子氏の指摘の通り、大江健三郎の『万延元年のフットボール』でした。また、短篇「熊の場所」と『阿修羅ガール』は、神戸連続児童殺傷事件がモチーフです。『ディスコ探偵水曜日』はさまざまなパロディが仕込まれており、西尾維新やそのほかに留まりません。
そう考えると、この『世界は密室でできている。』もなにかしらのものが根底にありそうな気がするのです。
どうも私はまた大江健三郎の『万延元年のフットボール』なんじゃないかと、根拠薄弱ながら思うのです。なんたって『万延元年のフットボール』は、《この夏の終りに僕の友人は朱色の塗料で頭と顔をぬりつぶし、素裸で肛門に胡瓜をさしこみ、縊死したのである。》という、度肝を抜くある種のミステリ小説ですから。
登場人物はみんなどこかおかしいけれど、まあツバキエノキ魅力的だしアリかな。連続殺人もバカミスすぎてアホらしいけど、ここまで飛ばしてると、全体と調和してるしまあアリかな。で、最後もよく書けてると思う。
たとえばツバキさんが屍体を使ってしてしまったことが、たいへん狂っている。度肝を抜きました。しかしそのイメージがいつまでも頭から離れない。鮮烈なイメージです。
笠井潔氏は、かつて日本推理作家協会賞の短篇部門に舞城氏の「ピコーン!」が候補になった時(2003年)、こう評しました。《ミステリとしての歪みや撞着にかんして作者は確信犯であ》る。つまり、わざとこのようなバカバカしい書き方をしているということです。舞城氏の作品が一貫してこの傾向にあることは、作品を読めば明らかです。
さて、氏は小説にモチーフやパロディを用いる人です。たとえば、デビュー作の『煙か土か食い物』は、尾崎真理子氏の指摘の通り、大江健三郎の『万延元年のフットボール』でした。また、短篇「熊の場所」と『阿修羅ガール』は、神戸連続児童殺傷事件がモチーフです。『ディスコ探偵水曜日』はさまざまなパロディが仕込まれており、西尾維新やそのほかに留まりません。
そう考えると、この『世界は密室でできている。』もなにかしらのものが根底にありそうな気がするのです。
どうも私はまた大江健三郎の『万延元年のフットボール』なんじゃないかと、根拠薄弱ながら思うのです。なんたって『万延元年のフットボール』は、《この夏の終りに僕の友人は朱色の塗料で頭と顔をぬりつぶし、素裸で肛門に胡瓜をさしこみ、縊死したのである。》という、度肝を抜くある種のミステリ小説ですから。
2002年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本格ミステリーを期待している方には、オススメできません。というか、ミステリーとしては、恐らく、最低です。
が、独特の文章のキレ、カタルシスへの展開力は、さすが、という感じです。
デビュー作に登場したルンババが出てくるので、舞城さんファンには、必読。
最近、頭が固くなりかけてるので、インパクトのあるものを読みたいという方にも、オススメです。
が、独特の文章のキレ、カタルシスへの展開力は、さすが、という感じです。
デビュー作に登場したルンババが出てくるので、舞城さんファンには、必読。
最近、頭が固くなりかけてるので、インパクトのあるものを読みたいという方にも、オススメです。
2014年2月15日に日本でレビュー済み
句点の少ない長い文章で一気に読ませる。
脈絡もなく突然人が死ぬ事件に巻き込まれ、突拍子もない密室トリックに不謹慎ながら吹き出してしまう。
最後にはキチンと冒頭のエピソードを閉じ、めでたく終了するストーリーに引き込まれる。
舞城氏の小説を読むときは、心臓をガッと掴まれ、殺人を不謹慎なネタにして笑い飛ばすブラックユーモアに浸ってしまう。
それでも、最後の章で一種の爽やかさを感じる。
本当に独特の持ち味がある。
脈絡もなく突然人が死ぬ事件に巻き込まれ、突拍子もない密室トリックに不謹慎ながら吹き出してしまう。
最後にはキチンと冒頭のエピソードを閉じ、めでたく終了するストーリーに引き込まれる。
舞城氏の小説を読むときは、心臓をガッと掴まれ、殺人を不謹慎なネタにして笑い飛ばすブラックユーモアに浸ってしまう。
それでも、最後の章で一種の爽やかさを感じる。
本当に独特の持ち味がある。
2006年10月10日に日本でレビュー済み
『世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS 』です。そんなに厚い本ではないのですが、密室殺人事件がいくつも起きて、内容はけっこう濃いかも。
一人称で超話し言葉な文章。暴力的でグロテスクで、それでも勢いのある人物たちと事件の数々。改行の少ない文章ですが、グイグイ読み進めます。
独特なパワーを持った作風が炸裂しています。
本書で扱っている時間が、主人公の中学時代から大学までと長いため、それぞれの事件の関連性が薄いです。ミステリーとして見ると物足りなく感じてしまいますが、青春小説として見るならば、中学、高校、大学時代の事件を経て、主人公、ルンババといった登場人物の成長ということで楽しめるかもしれません。特にラストは青春小説として盛り上がり、ハッピーエンドで締めくくられますので。
いくつか起こった密室事件のうちの一つ、地元福井県で起きたものに関しては、『煙か土か食い物』を読んでいる人ならば、ちょっとニヤリとできるかも。
いや。『煙か土か食い物』を読んでいない限り、その事件にかんしては読者は置き去りではないでしょうか。犯人、というか関係者の苗字は判明しますが、苗字が分かるだけですからね。『煙か土か食い物』を知らない限り、別に山田でも田中でも何でも良かったような感じになってしまいます。
というわけで、『煙か土か食い物』を読んだ後でこちらに取り組むことをおすすめします。
一人称で超話し言葉な文章。暴力的でグロテスクで、それでも勢いのある人物たちと事件の数々。改行の少ない文章ですが、グイグイ読み進めます。
独特なパワーを持った作風が炸裂しています。
本書で扱っている時間が、主人公の中学時代から大学までと長いため、それぞれの事件の関連性が薄いです。ミステリーとして見ると物足りなく感じてしまいますが、青春小説として見るならば、中学、高校、大学時代の事件を経て、主人公、ルンババといった登場人物の成長ということで楽しめるかもしれません。特にラストは青春小説として盛り上がり、ハッピーエンドで締めくくられますので。
いくつか起こった密室事件のうちの一つ、地元福井県で起きたものに関しては、『煙か土か食い物』を読んでいる人ならば、ちょっとニヤリとできるかも。
いや。『煙か土か食い物』を読んでいない限り、その事件にかんしては読者は置き去りではないでしょうか。犯人、というか関係者の苗字は判明しますが、苗字が分かるだけですからね。『煙か土か食い物』を知らない限り、別に山田でも田中でも何でも良かったような感じになってしまいます。
というわけで、『煙か土か食い物』を読んだ後でこちらに取り組むことをおすすめします。
2011年1月4日に日本でレビュー済み
これは推理小説として読んではいけない。
青春小説なのだ。そして、超のつく傑作である。
よく、人物が描けてないとか、文章が下手とかいう興味もないような批評を
する人がいるけど、でも、あえていうなら、
この小説ほど、人物が描けている小説があるのだろうか。
ミステリ文学というものがあるのだとしたら、
これはその大傑作である。
「不連続殺人事件」というのも文学として優れたミステリ小説なので
推薦しておく。
ああ、何人ものレビュアーがいってるとおり、
おいらもこれを読んで最後の場面で落涙したよ。
どこかのバカにいってやる。これが文学なのだ。
00年代に文学を書いていたのは、舞城なのだ。
青春小説なのだ。そして、超のつく傑作である。
よく、人物が描けてないとか、文章が下手とかいう興味もないような批評を
する人がいるけど、でも、あえていうなら、
この小説ほど、人物が描けている小説があるのだろうか。
ミステリ文学というものがあるのだとしたら、
これはその大傑作である。
「不連続殺人事件」というのも文学として優れたミステリ小説なので
推薦しておく。
ああ、何人ものレビュアーがいってるとおり、
おいらもこれを読んで最後の場面で落涙したよ。
どこかのバカにいってやる。これが文学なのだ。
00年代に文学を書いていたのは、舞城なのだ。
2009年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テンポ良くたたみ掛けるような迫力ある文体が特徴の舞城氏にしては軽いタッチのライト・ノベル。中学生の主人公を中心とした、一風変わった知人達の様々な"閉じられた世界"と生きる希望を描いたもの。
題名通り、主人公と親友ルンババの回りで密室事件が連続して起きるのだが、密室の解決を主題にしたものではない。その解法は既存のトリックを羅列しただけである。だが、別に密室を茶化している訳ではない。密室は一種のメタファーであって、作中で主人公が次々と係りになる奇矯な登場人物達の言動の一部と言っても良い。作者は題名中の「密室」を「closed room」と表現しているが、こんな訳は聞いた事がない。普通は「locked room」とか「sealed room(古い)」だろう。つまり、作者は初めから密室事件に挑んだ訳ではなく、密室事件に関った人物の"閉ざされた心の空間"を描きたかったのだろう。事件に係る登場人物に関しては詳しく書けないのだが、警察とも特殊な関係を持っているルンババの異常な探偵能力と言い、語り手でもある主人公の極端な優柔不断さや許容力と言い、各自が独自の世界を持っている(デフォルメされてはいるが)。そうした異なった個性の集まりで世界はできている、と言うのが作者の主張であろう。見かけより、結構重い内容だ。また、主人公とルンババの友情物語としても読めるし、四コマ漫画に託した人生への希望を謳った物語としても読める。
ドンドン読み進められるノリの良い文体や遊び心満載の内容は表面的に楽しいが、実は深い所を漂っているんだなぁ、という感想。
題名通り、主人公と親友ルンババの回りで密室事件が連続して起きるのだが、密室の解決を主題にしたものではない。その解法は既存のトリックを羅列しただけである。だが、別に密室を茶化している訳ではない。密室は一種のメタファーであって、作中で主人公が次々と係りになる奇矯な登場人物達の言動の一部と言っても良い。作者は題名中の「密室」を「closed room」と表現しているが、こんな訳は聞いた事がない。普通は「locked room」とか「sealed room(古い)」だろう。つまり、作者は初めから密室事件に挑んだ訳ではなく、密室事件に関った人物の"閉ざされた心の空間"を描きたかったのだろう。事件に係る登場人物に関しては詳しく書けないのだが、警察とも特殊な関係を持っているルンババの異常な探偵能力と言い、語り手でもある主人公の極端な優柔不断さや許容力と言い、各自が独自の世界を持っている(デフォルメされてはいるが)。そうした異なった個性の集まりで世界はできている、と言うのが作者の主張であろう。見かけより、結構重い内容だ。また、主人公とルンババの友情物語としても読めるし、四コマ漫画に託した人生への希望を謳った物語としても読める。
ドンドン読み進められるノリの良い文体や遊び心満載の内容は表面的に楽しいが、実は深い所を漂っているんだなぁ、という感想。