山一證券の破綻を下敷きに、証券マンの葛藤を描いた長編。主人公が魅力的。出世欲、穏健、臆病と確かに普通のサラリーマンではあるが、仕事ができて、強い正義感があり、部下からも慕われ、仕事絡みの人脈も良好と言うことなし。憧れのサラリーマン像がある。
物語は、“飛ばし”と呼ばれる利益供与の噂を耳にした主人公が、会社の改革に孤軍奮闘するが……
上巻よりも下巻に力がる。改革の私案をまとめ、会長に直訴する辺りからテンポが速く、最後まで一気に読まされた。単に会社、仕事だけではなく、家族や友人などの人と人との結び付きなどもしっかり描きこまれていて、登場人物が立体的に感じられる。小説としての完成度は高い。
上下2巻の長編だが、少しも長く感じない、寧ろ短いぐらいだった。面白さにおいては、今までに読んだ著者の作品では一番。お勧めの1冊。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
起業前夜 上 (講談社文庫 た 61-8) 文庫 – 2005/12/15
高任 和夫
(著)
起業前夜〈上〉 (講談社文庫) [Dec 15, 2005] 高任 和夫
- 本の長さ362ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/12/15
- ISBN-104062752743
- ISBN-13978-4062752749
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/12/15)
- 発売日 : 2005/12/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 362ページ
- ISBN-10 : 4062752743
- ISBN-13 : 978-4062752749
- Amazon 売れ筋ランキング: - 635,064位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 341位経済・社会小説 (本)
- - 8,725位講談社文庫
- - 14,608位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年11月5日に日本でレビュー済み
大手証券会社の猪狩は居酒屋へ株式上場を支援するために出向した。
オーナー社長は最初は乗り気だったがやがて上場を拒否。
何とか上場し復職してみると会社は飛ばし疑惑で存亡の危機状態だった。
経営陣は大蔵省から再建計画を求められるも飛ばしを隠し続けようとしている。
猪狩は飛ばしの事実を知りながらも表立って打つ手はなかった。一サラリーマンでもあり、部長職でもある社員は果たしてこの事実に何もせずにおれるのか、それとも頚覚悟で経営者を批判できるのか。
難しい選択を迫られる。
後編に期待したい。
一般文学通算1541作品目の感想。2015/11/05 09:40
オーナー社長は最初は乗り気だったがやがて上場を拒否。
何とか上場し復職してみると会社は飛ばし疑惑で存亡の危機状態だった。
経営陣は大蔵省から再建計画を求められるも飛ばしを隠し続けようとしている。
猪狩は飛ばしの事実を知りながらも表立って打つ手はなかった。一サラリーマンでもあり、部長職でもある社員は果たしてこの事実に何もせずにおれるのか、それとも頚覚悟で経営者を批判できるのか。
難しい選択を迫られる。
後編に期待したい。
一般文学通算1541作品目の感想。2015/11/05 09:40
2008年10月11日に日本でレビュー済み
タイトルだけ見て、あるサラリーマンが起業を志すストーリーを思い浮かべたが、全く違った。部下から大変慕われるエリートサラリーマンが40を過ぎ出向をすることが決まる。様々な会社の矛盾点に気がつき、(下)では会長に直訴するような物語展開だ。スとーリーの中で主人公の妻の役割が大きかったように思う。