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老人のための残酷童話 (講談社文庫) 文庫 – 2006/6/15

3.9 5つ星のうち3.9 21個の評価

ある老人の図書館,姥捨山異聞,子を欲しがる老女,天の川,水妖女 他
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商品の説明

著者について

1935年高知県生まれ。明治大学大学院文学研究科中退。大学在学中の'60年「パルタイ」で明治大学学長賞を受賞。同作が芥川賞の候補となる。'61年短編集『パルタイ』で女流文学賞受賞。'62年には田村俊子賞を受賞。また、'87年『アマノン国往還記』で泉鏡花賞を受賞している。その他の著書に『スミヤキストQの冒険』(講談社文芸文庫)、『夢の通い路』『よもつひらさか往還』(ともに講談社文庫)、『偏愛文学館』(講談社)、『大人のための残酷童話』(新潮社文庫)などがある。また翻訳家としてもシルヴァスタイン『ぼくを探しに』(講談社)などで知られる。2005年6月10日、永眠。享年69。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2006/6/15)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/6/15
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 233ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062754215
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062754217
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 21個の評価

著者について

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倉橋 由美子
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カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
21グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2006年11月28日に日本でレビュー済み
面白かったです。倉橋さんの作品は他に『大人のための残酷童話』を購入し、何度読んでも飽きなかったので、そのシリーズに属する当作品が出たときはとても嬉しく思いました。前作とはやや趣を異にしていますが、それでも期待を裏切らないものでした。

作品には目を覆いたくなるような残酷な描写や、グロテスクな描写も多いですが、どこか御伽噺調でいてレトロな雰囲気(上手く表現できませんが現実に紗がかかったような夢世界の物語。実際、古典や有名な逸話、聖書などになぞらえて書かれている箇所が多い)の語りなので、苦も無く読み進められます。

それに、有名な話のブラック・パロディーのような作品たちは、どこか人間たちの暗黒を抉り取っているようで、それが真理なのではないかと思うほどです。歴史上に残る逸話は美談ですが、実際偉人として伝えられている人にはこの作品に描かれるような裏の顔があったのかもしれませんね・・・そう思うと面白いです。

特にお勧めは織姫と彦星について語った中国の美しい神話のようなお話、と、巻末に掲載された地獄めぐりツアーに出かける老人たちのお話です。特に後者は、現代社会に生きる人間たちが抱えた様々な地獄を面白交じりに冥界での生活として痛烈に揶揄し、最後には恐ろしい結末が・・・というお話。語り継がれてきた童話のようにきちんとした起承転結があって、しっかりと現実を比喩していて、さながら現代の御伽噺です。

倉橋さんの冥福を祈り、これからも読み続けていきたいと思う大切な作品です。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年10月17日に日本でレビュー済み
おびただしい書物を所蔵した、螺旋状の廊下が地下に降りていく巨大な
図書館。書物の海の中を逍遥するひとりの老人。
書く人間は増えても、本を読む人間がほとんどいなくなった世界で、
蚕が桑の葉を食い尽くすように彼は一人で読み続けていきます。
「ある老人の図書館」は、彼の中に取り込まれていく膨大な本の宇宙が、
誰のためでもない、ただ彼自身のためにもう一つの図書館を作り上げる
物語です。
犬儒派の哲学者ディオゲネスをモデルにした「犬の哲学者」のユーモア
は、著者が構えを解いて実に楽し気に書いていることの証のように感じ
られて面白く読みました。
老僧と若い女のエロティックな恋を描いた「老いらくの恋」、成熟した
作家にして初めて書けるみごとな境地が綴られています。
初期の頃からの倉橋ファンとしては、「桂子さん」とその眷属の物語には
多少満足出来ない感がありましたが、昨年の『よもつひらさか往還』に
続いて、今回もまた手ごたえのある一冊にめぐり合え喜びを感じてい
ます。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
出来が良くない
晩年どこぞの編集者に文章が書けなくなっていることを訴えていたそうだが
さもありなん、という感じ
以前中島敦の名人伝をパロディー化していたが
文章が淡淡としていて作者自身が紀昌の様になったのではないかと思わせられる
起承転結が無い、と言えば無い作品が多い
『大人のための残酷童話』や『怪奇掌篇』のほうがはるかに良い
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「倉橋由美子の怪奇掌篇」、「大人のための残酷童話」の姉妹編とも言うべき作品。「老人の」と銘打ってあるように、生命、仏縁、老いての性欲等が相変わらずの鋭い観察眼と皮肉な眼とで描かれている。

「姥捨山異聞」は姥捨伝承を基にして、"閉じ込められた女は鬼になる"というテーゼを設け、奇抜な終末へと運ぶ展開が秀逸。「子を欲しがる老女」は人工授精への皮肉なのだが、神のコピーを作るという話に発展して哄笑を誘う。「天の川」は有名な織女と牽牛の話をモチーフにして不老不死の概念を嘲笑する。「臓器回収大作戦」は臓器移植の問題を、現世と冥界とから描いて、強烈に皮肉ったもの。「地獄めぐり」は旅行社が主催する"地獄めぐり"ツアーに参加した老夫妻のうち、妻が取る行動が見もの。男にとっては怖〜い話。

いつもながらの(ブラック)ユーモアと諧謔に満ちた作品で、世の中のせせこましい常識や社会問題を吹き飛ばしてしまう快作。もっと、作者の作品を読みたかった。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大人のための残酷童話と比べると、淡々としすぎてしまってる気がします。

あれ、もうその展開?という感じに山も谷もなく奇抜な物語も奇抜に見えないというか。

完成度の高いただの空箱といいますか。

後に何も残りませんでした。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年9月14日に日本でレビュー済み
「むかしむかし、あるところに…」と始まり、いつの間にやら地獄の世界に踏み込んでいるような気持ちになる10編のお話し。
人間の終末をどう迎えるべきか、老いてもなお性や生きることへの執着は衰えず、そこに生まれるさまざまな悲劇。
御伽話の語り口ながら、現代が抱えるさまざまな問題をはらませた秀作。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
評者は、名作よもつひらさか往還に激しい衝撃を受け、それ以来、倉橋由美子のほぼ全作品を探検してきた。そこに新しい残酷童話が出ると言う。その結果は? 評者にとって、これは存在しないも同様の、無意味に近い作品である。よもつひらさかが持っていた幻想性、自発性、衝撃性、それに自ずから具わる気品がすべて欠けている。これは、印刷されなかった方が良かったのではないか。文体から見ると、これらの文章はそれほど新しいものとは考えられず、且つ、作者から見て丁寧な推敲をするまでもない不満足なものだったと推定しても、余り乱暴ではないのでは、と考えられる。それが印刷されたのには、なんらかの事情があったのだろう。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年11月22日に日本でレビュー済み
「大人のための残酷童話」には服用すれば正気に返るという往年の倉橋ファンにはお馴染みの毒が仕込まれていた。本作はそれとタイトルは似ているが、毒に同じ効用はない。「大人のための残酷童話」では物語は白日の光の中で整然と進行し、その輪郭は確かに残酷といっていいほど明瞭だった。しかし因果応報、勧善懲悪、自業自得の原理が採用されていない本作に合理主義はない。つまりこれはお伽噺ではなく、幻想や妄想に属する怪異を文章の力だけで読ませようという趣向の作品であり、だからこそ様々な文学作品がパスティーシュ、パロディとして辿られるというイギリスの文学伝統に倣ったかのような技法も用いられているのである。和洋漢を問わず古典から現代まで大人向きで著者好みの文学に精通しているほど、その仕組みを楽しめるというカラクリはまさに老境ならではの悪意ではないだろうか。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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