伊那の山奥から江戸に出てきて、あれよあれよと言ううちに、一介の剣術使いであった下士が
小なりとは言え旗本の座光寺家当主となってしまう。
世の中が激動期を向かえる幕末に突き進む時代とは言え、そのあり得そうにないことが、しか
し特に違和感なく進められ、前号からとうとう主人公藤之助は、時代の最先端長崎で活躍する
こととなった。
時代のテンポに合わせるように、本シリーズのテンポも激しく進み、本作では希代の剣術家で
ある藤之助がなんと短銃を使うようになる。これは掟破りかぁ、とか思いながら、しかし不思
議にこれもたいして違和感なく受入れてしまっている。
このほかにも佐伯はいくつかのシリーズを書いているが、この座光寺藤之助の本シリーズが、
最も素直に読めている。各作品に必ず激しい剣戟シーンが有るが、それは添え物的でむしろ、
激変する時代とこの時代を生き抜く勝海舟をはじめとする様々な人物が、これまでの様々な時
代物とは違って、あくまで時代を切り開く藤之助の周辺の人物として登場する様子が新鮮だと
思う。
☆が5つでないのはたいした意味ではありません。
毎回、読み出せばあっという間に読んでしまう。とても面白い作品です。ま、今回は、拳銃を
使うようにもなった藤之助の新しいスタイルに、まだちょっと違和感があるので、くらいにし
ておきましょう。
とにかく、次作がすぐ待ち遠しくなる、そんなシリーズです。
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邪宗<交代寄合伊那衆異聞> (講談社文庫) 文庫 – 2006/11/16
佐伯 泰英
(著)
胸おどる出会い。迫り来る危機。
長崎海軍伝習所で藤之助は剣術教授方に就いた。闇討ちを図った千人番所の佐賀藩士を撃退し、出島の西洋剣術に豪剣 藤源次助真(とうげんじすけざね)で相対する。商家の美貌の娘玲奈との出逢いは異国への眼を開かせた。拳銃撃ちを覚えた藤之助を玲奈は、隠れきりしたんのミサに誘う。邪教狩りの追っ手が2人に迫る。緊迫の第4弾!〈文庫書き下ろし〉
長崎海軍伝習所で藤之助は剣術教授方に就いた。闇討ちを図った千人番所の佐賀藩士を撃退し、出島の西洋剣術に豪剣 藤源次助真(とうげんじすけざね)で相対する。商家の美貌の娘玲奈との出逢いは異国への眼を開かせた。拳銃撃ちを覚えた藤之助を玲奈は、隠れきりしたんのミサに誘う。邪教狩りの追っ手が2人に迫る。緊迫の第4弾!〈文庫書き下ろし〉
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/11/16
- ISBN-104062755564
- ISBN-13978-4062755566
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商品の説明
著者について
1941年1月兵庫県生まれ。早大法学部卒。会社勤務を経て、'68年からフリー。'85年『大君の通貨』で第4回新田次郎賞を受賞。'94年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞。主な作品に『手跡指南 神山慎吾』『四両二分の女 物書同心居眠り紋蔵』『疑惑 半次捕物控』『啓順凶状旅』『お白洲無情』(以上、講談社文庫)、近著に『六地蔵河原の決闘 八州廻り桑山十兵衛』(文藝春秋)など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/11/16)
- 発売日 : 2006/11/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 4062755564
- ISBN-13 : 978-4062755566
- Amazon 売れ筋ランキング: - 833,268位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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佐伯泰英(さえき・やすひで)
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。
闘牛カメラマンとして海外で活躍後、国際的スケールの小説・ノンフィクション作品を手がける。99年、初の時代小説『密命―見参! 寒月霞斬り』を発表、迫力ある剣戟シーンと人情味あふれる庶民を描き、時代小説の旗手として高い評価を得る。以降、数々の人気シリーズを抱えるベストセラー作家に。
主な著書に、「密命」「居眠り磐音 江戸双紙」「吉原裏同心」「鎌倉河岸捕物帖」「古着屋総兵衛影始末」「酔いどれ小籐次留書」「交代寄合伊那衆異聞」シリーズなど多数。