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逆ろうて候 (講談社文庫) 単行本 – 2007/8/11
岩井 三四二
(著)
「信長に仕えるくらいなら、浪人したほうがましや」。美濃にその人ありと知られた武将・日根野弘就(ひねのひろなり)は「信長を討つ」という決意のもと、新たな主を求め東国に向かった。が、苦労して仕官した今川家での待遇は、美濃の五千貫文に対してわずか百貫文。弘就の波乱と忍耐の人生が始まった。〈『浪々を選びて候』改題〉(講談社文庫)
- 本の長さ480ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/8/11
- ISBN-104062757257
- ISBN-13978-4062757256
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2007/8/11)
- 発売日 : 2007/8/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 480ページ
- ISBN-10 : 4062757257
- ISBN-13 : 978-4062757256
- Amazon 売れ筋ランキング: - 756,589位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日根野弘就は美濃の斎藤義龍の下で5000貫の知行を得ていた奉行だった。しかし、義龍は早世し、龍興の代に、美濃は信長に征服されてしまう。他の武将たちが信長に鞍替えする中で、弘就は浪人の道を選ぶ。他の大名に仕え、信長を美濃から追放し、帰ってくるつもりだった★しなしながら、その目論見は、信長の興隆の前にもろくも潰える。どこへ行っても、近隣大名は信長の侵攻を受け、敗北し、逃げるしかなかった★ついに信長配下の武将の捕虜となった弘就は、義兄の説得に応じ、信長の馬廻衆として仕えることにした。領地をもらい、妻子を呼び寄せ、一応は暮らしの安定を得たが、弘就の心情はすっきりとはしなかった。主君は、あの嫌いな信長なのである★その信長も本能寺に倒れ、秀吉にくら替えし、関ヶ原でもうまく立ち回り、日根野家は小大名として存続する★果たして、弘就の生涯は何のためにあったのか。どうやって結論をつければよいのか。その答えは、切腹の日にようやく出た★各地の方言を巧みに取り入れているところが非常に良かった。また、裁判や徴税など、知行の実態を細かく書くところが、この作者らしくてよい。
2008年5月18日に日本でレビュー済み
織田信長が、尾張統一を遂げたのも束の間、息つく間もなく隣国、駿河・遠州・三河の三国を領する大大名、今川義元に攻め込まれる。調略、寝返りにより、気がつけば尾張の領地は三分の一に減っている。織田軍に対する今川軍は十倍。巨象と槍一本を手に持つ人間。あわや風前のともし火と消えかかる尾張勢。桶狭間山の前に広がる泥田(ぬかだ)を足を取られながら、眼前の敵を、今川軍本体の前衛隊と認識し、信長は、家臣の反対を聞かず正面突破を命じる。全軍、決死の覚悟で捨て身の、ぬかるむ泥田の中を敵陣に向かって総攻撃の檄。死ね、狂え!結果、今川軍本体、幔幕の吉元公の旗本、本陣へ肉薄する。
東海一の弓取りを打ち破り、一夜にして全国に名を轟かせた信長は、すかさず東隣の松平家康と和を結び美濃攻略に乗り出す。しかし、再三、再四の出陣も味方勢の多数の犠牲者、木曽川、揖斐川、長良川の溺死者を出す年月。月日は7年が過ぎる。
美濃の中心となる武将、日根野備中の守弘就に撃退され、連年、辛き目に合わされ続けて来た信長。ついに、西美濃の三大国人領主の調略、寝返りに成功した信長は、まだ稲葉一徹、氏家朴全らの参戦の始まらぬうちに、美濃総攻撃を開始、一夜にして稲葉山城を落とす。
頑強に撃退し続けた、強敵武将日根野備中の守弘就は、その後、どうなったのか。興味深い。
美濃にあっては3千貫という途方もない大領主の奉行職にとして政治の中心にあったものが、浪人の身となり今川家への仕官を願い出る。冷たい仕打ち。家禄僅か五百貫、一族郎党家之子も養えない。有為転変、戦国の世の浮き沈みで何度か冷や飯喰いの食い詰め浪人、雨水を凌ぐ屋根さえない野宿生活。日根野備中守弘就の偉い処は、仕官先を辞し温かいご飯も捨ててでも、いつまでもしがみつかない潔さ。
東海一の弓取りを打ち破り、一夜にして全国に名を轟かせた信長は、すかさず東隣の松平家康と和を結び美濃攻略に乗り出す。しかし、再三、再四の出陣も味方勢の多数の犠牲者、木曽川、揖斐川、長良川の溺死者を出す年月。月日は7年が過ぎる。
美濃の中心となる武将、日根野備中の守弘就に撃退され、連年、辛き目に合わされ続けて来た信長。ついに、西美濃の三大国人領主の調略、寝返りに成功した信長は、まだ稲葉一徹、氏家朴全らの参戦の始まらぬうちに、美濃総攻撃を開始、一夜にして稲葉山城を落とす。
頑強に撃退し続けた、強敵武将日根野備中の守弘就は、その後、どうなったのか。興味深い。
美濃にあっては3千貫という途方もない大領主の奉行職にとして政治の中心にあったものが、浪人の身となり今川家への仕官を願い出る。冷たい仕打ち。家禄僅か五百貫、一族郎党家之子も養えない。有為転変、戦国の世の浮き沈みで何度か冷や飯喰いの食い詰め浪人、雨水を凌ぐ屋根さえない野宿生活。日根野備中守弘就の偉い処は、仕官先を辞し温かいご飯も捨ててでも、いつまでもしがみつかない潔さ。
2010年6月27日に日本でレビュー済み
美濃斎藤、今川、浅井、長島、織田、豊臣と次から次へと主家を変転としながら信長をうらみつつ自分の信念を変えなかった弘就の人生。
クライマックスは所領を奪われ秀吉に抗議する場面。
秀吉に面と向かって抗議できた人間が当時存在しえなかった中で弘就の言動はある意味すっきりする。
一般文学通算584作品目の感想。通算904冊目の作品。2010/06/23
クライマックスは所領を奪われ秀吉に抗議する場面。
秀吉に面と向かって抗議できた人間が当時存在しえなかった中で弘就の言動はある意味すっきりする。
一般文学通算584作品目の感想。通算904冊目の作品。2010/06/23
2008年6月26日に日本でレビュー済み
美濃の斎藤家で奉行を務めた日根野弘就の、織田信長との戦いからの後半生を題材とした作品です。
かつての同僚が織田家に膝を屈する中で、幾度かの浪人を経ながら戦い続けた苦難の人生を描いています。
日根野弘就と言えば斎藤義龍、龍興に仕えた武将で、一般的には佞臣として描かれるケースが多いのが特徴です。
これは竹中半兵衛が斎藤龍興に軽視されて斎藤家を退去した経緯に、龍興の寵臣として登場することが多いからだと思われます。
そういう意味からしても、一般的にはマイナーである日根野弘就を主人公に据えたことは快挙と言ってもよく、拍手をしたい思いでいっぱいです。
物語は織田家との戦いによる斎藤家の没落、浪人して浅井家や一向一揆衆に身を任せながらも織田家に対抗し続けた弘就の反抗心を中心に据えており、とにかく織田信長と相容れない弘就の苦闘が見事に描かれています。
それだけに織田家に膝を屈してから晩年までがあっさりとし過ぎていて、ここを織田信長への反発と現実の生活との狭間に苦しむ姿を描けば、もっとよい作品に仕上がったのではないかと思います。
かつての同僚が織田家に膝を屈する中で、幾度かの浪人を経ながら戦い続けた苦難の人生を描いています。
日根野弘就と言えば斎藤義龍、龍興に仕えた武将で、一般的には佞臣として描かれるケースが多いのが特徴です。
これは竹中半兵衛が斎藤龍興に軽視されて斎藤家を退去した経緯に、龍興の寵臣として登場することが多いからだと思われます。
そういう意味からしても、一般的にはマイナーである日根野弘就を主人公に据えたことは快挙と言ってもよく、拍手をしたい思いでいっぱいです。
物語は織田家との戦いによる斎藤家の没落、浪人して浅井家や一向一揆衆に身を任せながらも織田家に対抗し続けた弘就の反抗心を中心に据えており、とにかく織田信長と相容れない弘就の苦闘が見事に描かれています。
それだけに織田家に膝を屈してから晩年までがあっさりとし過ぎていて、ここを織田信長への反発と現実の生活との狭間に苦しむ姿を描けば、もっとよい作品に仕上がったのではないかと思います。
2007年11月16日に日本でレビュー済み
巨大化していく織田信長に対して、五千貫文の知行から百貫文へと50分の1の仕官へ転落した日根野備中守弘就が対照的に描かれている。中年になってから職を失い、巨大な権力に立ち向かうが、かなうことのない夢と現実のハザマにゆれ、家族との葛藤に悩む男の生き様を十分堪能できる。 この作品は、2003年09月講談社発行「浪々を選びて候」を改題・加筆したものです。
2007年12月26日に日本でレビュー済み
■戦国時代。美濃の武将・日根野弘就(ひねのひろなり)は、織田信長に攻められて主君が降伏したことに反発。打倒信長を目標に、次々主を変えてゆく。だがそれは一族が転落することを意味した。大嫌いな信長は、ますます力をつけ大きくなってゆく。そして結局、弘就は食い詰めて信長の馬廻り衆として就職するに至る。それは屈辱だが、一族の為だった。1人の男の叛逆と挫折を描く。
2010年1月30日に日本でレビュー済み
主人公の頑固で純朴な人柄が、読んでいて清々しい。
緊張のなかの緩和?とゆうか、印象に残ったシーンは、
籠城の空腹に、息子が釣って来たボラを食べたいが為に、心の中での一人相撲の心理戦は、筆者ならではの描写でユーモアさが光っていた。
緊張のなかの緩和?とゆうか、印象に残ったシーンは、
籠城の空腹に、息子が釣って来たボラを食べたいが為に、心の中での一人相撲の心理戦は、筆者ならではの描写でユーモアさが光っていた。