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φは壊れたね (講談社文庫) 文庫 – 2007/11/15
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その死体は、Yの字に吊られていた。背中に作りものの翼をつけて。部屋は密室状態。さらに死体発見の一部始終が、ビデオで録画されていた。タイトルは「Φ(ファイ)は壊れたね」。これは挑戦なのか?N大のスーパ大学院生、西之園萌絵が、山吹ら学生たちと、事件解明に挑む。Gシリーズ、待望の文庫版スタート!
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/11/15
- 寸法10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-104062758989
- ISBN-13978-4062758987
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2007/11/15)
- 発売日 : 2007/11/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4062758989
- ISBN-13 : 978-4062758987
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 180,766位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1957年愛知県生まれ。工学博士。
某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φ(ファイ)は壊れたね』から始まるGシリーズ、『イナイ×イナイ』からのXシリーズがある。
ほかに『女王の百年密室』(幻冬舎文庫・新潮文庫)、映画化されて話題になった『スカイ・クロラ』(中公文庫)、『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)などの小説のほか、『森博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)、『森博嗣の半熟セミナ博士、質問があります!』(講談社)などのエッセィ、ささきすばる氏との絵本『悪戯王子と猫の物語』(講談社文庫)、庭園鉄道敷設レポート『ミニチュア庭園鉄道』1~3(中公新書ラクレ)、『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書)など新書の著作も多数ある。
ホームページ「森博嗣の浮遊工作室」(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/)
●これから出る本→予定表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/timetable.html)
●作者による作品の紹介(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/myst_index.html)
●出版された本の一覧→出版年表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/nenpyo.html)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
残念なのは、犀川と萌絵があまり登場しないこと‥
今回の主役は‥あの3人ですか?
キャラ的には面白いが、前から読み続けている者にしてはちょっと不満‥
すでに話は随分進んでいるはずなので、今後の彼らの成長に期待!
内容はそれほど分厚くないので2,3時間で読み終わる分量でした。
新登場の探偵役・海月君がまた特異な性格というか、必要最小限のこと以外はほとんど口きかない人なので、彼の心の中身を見てみたいです。
犀川先生は間接的にほんのちょっとの登場なので、それが残念。
多くのレビューで、謎解きしてないと書かれてますが、厳密にいうと、密室トリックはとかれてるし、犯人ももちろんわかってます。
(といっても海月の合理的な推理だけで、それを警察が裏付けた、とか犯人が逮捕された、という後日談がないですが)
ただ、動機と、重要な証拠品ともいえるタイトルの意味だけが一切説明なしです。
もっとも過去のシリーズでも動機はあくまで記号的な部分で、ほぼトリックだけにフォーカスした作品は時々あったので、ある意味作者らしい作品ともいえます。
まぁ、タイトルについては後々のシリーズで補完されるのを期待するしかないですね。。
個人的には読んで損した気分はなく(今のところは、ですが)、これから続く長い物語の序章だと思ってます。
S&Mシリーズは一作目でがっつり当事者になったので、そういうふわふわした感じにならずに済んでます。
Gシリーズの他も、ε以外は同じ構図なので、"野次馬的"です。
これはGシリーズの作品でも言及されていて、社会は殺人に動機や理由を求めるが、それは自分が安心したいだけだといったコメントが海月君から語られます。
S&Mシリーズが当事者意識を持っているというのに対して、Gシリーズはワイドショー意識でお送りしているという目で、読んでいくべきと思います
(本レビューはγまで読了時点で書いてますので、その後は変わるかも)
森作品はここまで到達しえたかと。
まずトリック。かなり凄まじい。それをこんなにもあっさりと書く。中には作中の人物が「これは凄い事件だ!」と言わないとそう感じられない方もいるようですが。このトリックは原稿用紙千枚以上の作品ですら支えうるものです。
そして無駄が一切ない文章。量があれば「大作」と思う人もいるでしょうから物足りなさを感じる方はやはり多いようです。でもね、森先生は「大作」を目的にしたのではありません。
切れ味。これです。
僕が戦慄したのはまさにそれによるもの。
「長編でこの味を出せるのか!」
この衝撃。そしてこれをさらりと見せる森博嗣の力。
森作品は百冊近く読んでいるというのに、この最新作でさらに新しいものを見せられるなんて・・・。
森博嗣の視線はどこまで高見を向いているのだろうか・・・。
私はとても面白く読むことができました。
また、各章の冒頭にウィトゲンシュタインの論理哲学論考が引用されていてシビレました。
この人の書く小説は、登場人物の心の状態に依存せず、
所与の境界条件から一意に解が求まるところがすごいと思います。
それも、よくできた興味深い問題であるところが良いです。
最後はすっきりしない終わり方だという方もいるようですが、
この本に論理哲学論考が引用されているところからして、
この終わり方がもっともしっくりくる、と私は思っています。
だって、およそ明晰に語りうること(境界条件から導かれるトリック)は、
明晰に語っているわけだし、語りえないこと(動機)については、
沈黙するしかないって、そういうコンセプトなわけですから。
事件が起き,巻き込まれた主人公らが推理をおこなうのですが,
積極的に動いたり,犯人に絡むというようなことはほとんどなく,
若い登場人物らのやり取りなど,その過程を楽しむという印象です.
また,いろいろ曖昧さを残すため物足らないところがありますが,
それが作品のテーマのようで,部分部分からうまく伝わってきます.
最後にそれを語らせてしまったのはわざとらしかった気もしますが….
ただ,言動や情景描写に余計な情報が織り込まれることが多く,
伏線とも関係ないため,読んでいてややまどろこっしく感じます.
シリーズ1作目なので,今後に影響してくるのかもしれませんが….
ほかでは,著者の別作品からの人物が何人か出てきているらしく,
ついていけないほどではないものの,まったくフォローがないため,
それらを未読の自分には,時折疑問に感じてしまう場面がありました.
まず感じたのは、これまでに読んだ森博嗣さんの作品と比べ、読みやすいということ。
主人公の位置づけであろうメインの三人が、限りなく普通の大学・大学院生…といっても
それぞれの個性・立ち位置がハッキリとしており、個人的にはミステリ部分よりもむしろ
彼らの会話を楽しんだという感じです。
かといってミステリがお粗末ということは決してなく、かといって難解すぎるということも
ない、自分としてはこれくらいの方があっさりしていてよかったです。
ページ数も多くないので、気楽に、でも十分に満足できる作品だと思います。