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モロッコ水晶の謎 (講談社文庫 あ 58-14) 文庫 – 2008/3/14
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- 本の長さ368ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/3/14
- 寸法10.8 x 1.4 x 14.8 cm
- ISBN-104062759888
- ISBN-13978-4062759885
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/3/14)
- 発売日 : 2008/3/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 368ページ
- ISBN-10 : 4062759888
- ISBN-13 : 978-4062759885
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 250,562位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1959年、大阪生まれ。1989年、『月光ゲーム』で鮮烈なデビューを飾る。以後、精力的に作品を発表し、2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本 推理作家協会賞を受賞。2008年には『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞した。精緻なロジックを積み重ね、構築した世界そのものをひっくり返 してみせる鮮やかな手腕と、物語性豊かなその作品は、世代を問わず常に読み手を魅了しつづけている(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 闇の喇叭 (ISBN-13: 978-4652086353 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
有栖川作品の中でも「モロッコ水晶の謎」、相当好きです。
学生シリーズでも感じますが、純粋さ、清潔感、そしてそれらを正面から肯定する人物が有栖川作品の特徴だと思っています。ミステリ部分のネタバレに直結してしまうので、それ以上は書けませんが、とにかく色々と美しいです。
またこの動機と言うか、トリックの背景にあるものが「そうきたか!」という点で素晴らしい。「占いやら預言やら宗教やら、科学で証明できないものを信じ切る人がいる。それによって殺人まで起こっている」という現実社会を見れば、このファンタジックな作品が「決してあり得なくはない」というリアリティを備えていることがわかります。
ただ文庫の解説が-大変失礼な言い方になってしまいますが-表題作についての部分はいくらなんでも的外れなんじゃないでしょうか、と思わずにはいられません。二次創作ならもう少し面白いものを書いていただけると、読んでも楽しいのですが。
「モロッコ水晶の謎」について、もしこの解説の読み方が正しいのならば、私がこの作品で感じた「有栖川作品らしさ」というのは全否定されます。
詐欺と紙一重のロジカルさは極めてミステリらしいと言えるのかもしれません。
しかしロマンチストですよね!(笑)文章飾る飾る。砂漠をさまよえる助教授が見た蜃気楼は、儚く消える幻ではなく遠くにある現実の写し絵でした。そうして砂漠を行くしかない火村の心情を有栖川は思うけれど、あいも変わらず火村先生の「人を殺したいと思った」話はまったく進みません。そこを読みたいのにぃ。
ハズレではないので、キャラクターがお好きならどうぞ。
惹きつけられるが、最後の謎解きの段階になると安易に都合のよい事実が突然
出たりして解決してしまい、腹にストンと落ちないというか、満足感が得られないのが欠点。
最初の短編は、謎解きの焦点が分散して、こねくり回したような印象を受けていまひとつでしたが、それが却って魅力と思う人もいるかもしれません。
二つの作品は、クリスティーのABC殺人事件を下敷きにしていますが、最初の作品と違って、捏ねくりまわした感じの解決が、著名作品を超える試みのように思えて、この作品ではプラス要素に思えるのだから、読者の感想なんて勝手なものです。
掌編を一つ挟んでの表題作は、物語の構成だすっきりして読みやすいこと、謎解きの肝と物語設定が巧みにリンクした意外性があることなど、3作品の中で一番読ませる作品です。わがままな読者としては、もっと人物描写が巧みだったら動機も説得力があったのに、とか、偽の手がかりや容疑者が色々出たらもっと振り回されて面白かったのになど、好き勝手な注文をつけたくなりました。
「ABCキラー」アルファベットのAから始まる地名の場所で、Aから始まる名前の人物が殺された、そして次にはBから始まる場所で、Bさんが・・。警察には犯人らしい人物からのメッセージが届き、連続殺人を暗示している。果たしてC,Dと続くのか・・・というお話ですが、アガサ・クリスティの「ABC殺人事件」からアイデアを得たものだそうです。最初はアンソロジーの「『ABC』殺人事件」に収録されました。犯行の動機が昼ドラ並みのドロドロな理由だったのがちょっとなあ・・という感じではありましたが、アイデアはおもしろいと思います。
「推理合戦」しゃれたショートショート風のお話です。最後のオチは笑いました。本格中編3つの間の休息のような一篇ですが、今回は実はこれが一番好きかも。
「モロッコ水晶の謎」資産家のお屋敷、パーティで起きた殺人事件、怪しい家族たち、主人が傾倒していた女性占い師、モロッコから持ち帰られた曇りなく美しい水晶球など、雰囲気のある要素がいっぱいです。正統派本格ミステリの王道という感じでした。なかなか粒選りの中編が揃ったと思います。
他のレビューアさんもおっしゃっていましたが、私も、最後の佳多山氏の解説にどうも納得がいきませんでした。有栖川氏は「ツイストの利いた解説を書いて下さった」と謝辞を述べておられますが。「モロッコ水晶」に占いと予言が取り上げられているからか、まったく種類や雰囲気の違う3つの中編、そして合間の掌編までをもすべて「予言」という言葉で分析しようとし、ただ理屈っぽく無理やりこじつけたようにしか思えません。「モロッコ水晶」の真相の裏読みは、さすがに”それは違うでしょう”と思ってしまいました。有栖川氏はいつも自分であとがきを書かれ、後に文庫化された時、さらに”文庫版のあとがき”を追加されますが、ご本人の書かれたものだけで充分だと思います。このあとがきも創作の裏話などが伺えて、いつもとても楽しみです。
探偵役のシリーズです。
短編が三作と、掌編が一作収録されています。
助教授役があたった元俳優が誘拐され、
妻のところへ身代金を要求する電話がかかってくる
「助教授の身代金」
「ABCキラー」は、講談社文庫が企画した
アガサ・クリスティの「ABC殺人事件」へのオマージュ。
Aから始まる地名で、Aから始まる名前の人が殺される。。。
という事件が続くもの。
お酒の席で繰り広げられた火村と、
友人の小説家朝井小夜子の推理合戦を聞いた有栖が
後日その推理を確かめる日常の謎モノの掌編「推理合戦」
有栖が招かれたホームパーティで、青年が毒殺される
「モロッコ水晶の謎」
書店オーナーのお屋敷、そこに住む女占い師など
雰囲気がいいです。
すっきりとした読みごこちの一冊です。
「モロッコ水晶の謎」は、解説で別の推理が展開されており
それも面白かったです。
「ABCキラー」はちょっと偶然の要素が強い気もしますが。。。
最初の頃の国名シリーズはよかったなぁ、としみじみ思ったりします。
今回のは、アレってさアリかな?と思っています。微妙だなぁ、と。
ほかの作品がよかったのもあったので、全体的にはまずまずの出来だと思うけど…。
国名シリーズとしたらどうでしょうか?
冒頭の「助教授の身代金」がなかなかの出来。着想が卓抜で、真相に興奮させられた。国名シリーズでは久しぶりの傑作だろう。ショートショートの「推理合戦」の馬鹿馬鹿しさも良い。そのほかの2編も悪くはない。
一時、かなり質を落としていた本シリーズだが、ここに来てだいぶ復調してきている。『英国庭園の謎』あたりで読むのを止めてしまった人も復帰してみてはどうか。