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探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫 も 28-38) 文庫 – 2008/11/14
懐かしく新しい、森ミステリィの快作
もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。
- 本の長さ275ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/11/14
- 寸法10.8 x 1.1 x 14.8 cm
- ISBN-104062762072
- ISBN-13978-4062762076
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/11/14)
- 発売日 : 2008/11/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 275ページ
- ISBN-10 : 4062762072
- ISBN-13 : 978-4062762076
- 寸法 : 10.8 x 1.1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 559,487位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1957年愛知県生まれ。工学博士。
某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φ(ファイ)は壊れたね』から始まるGシリーズ、『イナイ×イナイ』からのXシリーズがある。
ほかに『女王の百年密室』(幻冬舎文庫・新潮文庫)、映画化されて話題になった『スカイ・クロラ』(中公文庫)、『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)などの小説のほか、『森博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)、『森博嗣の半熟セミナ博士、質問があります!』(講談社)などのエッセィ、ささきすばる氏との絵本『悪戯王子と猫の物語』(講談社文庫)、庭園鉄道敷設レポート『ミニチュア庭園鉄道』1~3(中公新書ラクレ)、『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書)など新書の著作も多数ある。
ホームページ「森博嗣の浮遊工作室」(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/)
●これから出る本→予定表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/timetable.html)
●作者による作品の紹介(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/myst_index.html)
●出版された本の一覧→出版年表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/nenpyo.html)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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物語は子供の視点から描かれていて楽しくすらすらと読めることと、それでいて見事な結句がこの物語を軽くしていないことが素晴らしい。
森博嗣さんの書くものは全て、ここちよいので。
『伯爵』という浮世離れした人物のとぼけた感じがおかしく,
現代的な物言い,考え方をする少年との掛け合いが楽しいです.
何度か出てくる『道徳的』なテーマについてのやり取りにしても,
今さらなところがないでもありませんが,決して説教くさくはなく,
『大人』と『子供』の会話を利用して,うまく語られている印象です.
ただ,最後の最後に仕掛けられているちょっとした『おどろき』は,
明かされる事実であったり,言っていることは確かにわかるのですが,
それまでをあまりにひっくり返すようで,今ひとつ意図がつかめません.
また,大人だけでなく,子供にも読める作品というレーベルのせいか,
見立てというか,ダジャレを絡めた事件の謎はいささか苦笑するものの,
事件自体はかなり重いもので,こちらは却って子供には不向きのような….
ほかでは,少年と伯爵に重きが置かれているせいか,事件は置かれ気味で,
ミステリとして読んだ場合,このあたりのアンバランスさが気になりました.
探偵伯爵”アール”も秘書のチャフラフスカさんも最初は得体の知れない人物なのだけれど、どこか親近感を持ってしまうのはなぜだろう。やはり物語が子どもの目線ですすんでいくからだろうか。これは、語り手が探偵伯爵だったらきっと面白くないんだろうなあ。
なんというか、とても斬新な作品だった。一つの事件をこういった角度から見た描き方、っていうのがあるんだな。素直に面白かった。他のシリーズも読んでみたいと思う。
すごい作家だとは思っていたけど。
S&MシリーズもVシリーズも好きだったけど。
でも、なんていうか、この本はすごく衝撃でした。
子どもに読みやすく、それでいて森テイストが
まったくもって損なわれていない。
子どもがするっと読み流したり、
雰囲気で納得しそうなかんじで書いてあって、
それを大人の目線で読むとなおいっそう深くて。
すごい。
の一言に尽きます。
最後のオチに仕掛けを残しているところもさすが。
主人公の子どもの、子どもらしい理屈と、それに真面目に答えてくれる伯爵のやりとりが大変良いです。正直一番の見所はそこだと思う。まあ、ミステリーランドシリーズは全体的にミステリというお楽しみもある「お話」という毛色が強くて、そこも好きなところなんですが。読んでて素直に楽しいです。
秘書の彼女はなんとなく森さんの趣味で出したのだろうかと思いました。や、『ZOKU』の雰囲気をちょっと思い出したのですよ。
とっつきやすいので森さん苦手な方でも大丈夫かと。むしろマニアックに好きな人には食い足りないのじゃないかと思います。理系じゃないわ。でも考え方は「ああ、森さんだね」という感じ。読み終わった後、満足のため息をつきました。