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前夜(上) (講談社文庫) 文庫 – 2009/5/15
去りゆくふたつの家族。ひとつは母。ひとつは、軍隊。
英国バリー賞最優秀長編賞受賞作
ベルリンの壁が崩壊し、世界が冷戦終結に向けて動き始めた1989年暮れ、機甲師団の将軍が死体で発見された。場所はうらぶれたモーテル。重要な会議に向かう途中、なぜ片道500キロの寄り道をしてそんな所に行ったのか?続いて彼の妻が遠い自宅で、デルタ隊員が基地内で惨殺される。〈バリー賞受賞作〉
「上巻の読破だけではすまないエンディングが下巻に待ち受けている。リーチャーのこの正義感には異議のある読者もいるだろうが、これがジャック・リーチャーなのだ。」――<訳者あとがきより>
英国バリー賞最優秀長編賞受賞作
ベルリンの壁が崩壊し、世界が冷戦終結に向けて動き始めた1989年暮れ、機甲師団の将軍が死体で発見された。場所はうらぶれたモーテル。重要な会議に向かう途中、なぜ片道500キロの寄り道をしてそんな所に行ったのか?続いて彼の妻が遠い自宅で、デルタ隊員が基地内で惨殺される。〈バリー賞受賞作〉
「上巻の読破だけではすまないエンディングが下巻に待ち受けている。リーチャーのこの正義感には異議のある読者もいるだろうが、これがジャック・リーチャーなのだ。」――<訳者あとがきより>
- 本の長さ424ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/5/15
- ISBN-104062763281
- ISBN-13978-4062763288
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/5/15)
- 発売日 : 2009/5/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 424ページ
- ISBN-10 : 4062763281
- ISBN-13 : 978-4062763288
- Amazon 売れ筋ランキング: - 267,001位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
リーチャーを助ける憲兵少尉(女性)がりりしく、しかも強い。2人でヨーロッパからアメリカ西海岸まで縦横に移動し、悪役に踊らされるFBI等の手をかいくぐって真相に迫る。一級のエンタメでした。
2011年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現時点で15作が上梓されている、リー・チャイルドによる、ニュー・ハードボイルド・元軍人<ジャック・リーチャー>シリーズの’04年発表の第8作。邦訳としては4冊目。
’97年に創設されたアメリカのミステリー専門季刊誌≪デッドリー・プレジャー≫が主催する「バリー賞」の’05年度ベスト・ミステリー・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作である。また、レックス・スタウトのファンクラブ ウルフ・パックが主催する「ネロ・ウルフ賞」も同年受賞している。
本書はシリーズの番外編とでも言うべき、リーチャーまだ29才で軍のMP(憲兵隊少佐)で軍警察現場指揮官だった時の物語である。
1990年元日になって数秒すぎ、ノース・カロライナ州の陸軍基地フォート・バードで夜勤につく‘わたし’の元にかかってきた電話。すべてがそこから始まる。ヨーロッパで戦車隊を率いる機甲師団司令官でふたつ星の将軍が心臓発作で、みすぼらしいモーテルで死体となって発見されたのだ。カリフォルニアでの会議に赴く途中とのことだったが、そもそも大晦日にヨーロッパから将軍が召集される会議とは。かりにも将軍たるものが一晩15ドルの安モーテルで果てるとは。‘わたし’は背景に大きな陰謀の影を感じる。
果たして、間をおかずに、くだんの将軍の妻がヴァージニアの自宅で撲殺、‘わたし’の基地では対テロ特別部隊デルタ・フォースの軍曹が同性愛の兵士を排除しようとしたような工作がなされて惨殺、サウス・カロライナ州の州都コロンビア郊外で同じくデルタ・フォースの大佐が麻薬取引のこじれを偽装した形で射殺。
そもそもパナマで重要な作戦行動にあった、‘わたし’をはじめ20人もの現場指揮官が、偽のサインと思われる書類で年末の29日にアメリカ国内のさまざまな基地にいっせいに異動になったこともおかしい。
‘わたし’は新任の上官の命を無視して、25才のアフリカ系アメリカ人の女性少尉を連れ、大陸を北へ、西へ、そしてドイツへと赴き真相を探る。前年11月ベルリンの壁崩壊、翌’91年12月ソ連解体という東西冷戦終結をひかえ、模索し激動する米軍の存在感を背景に、持ち前の腕力と演繹的推理力を生かした‘わたし’流の正義感が貫かれる。
また、パリにひとり住む母親の過去の衝撃の逸話やその死、兄ジョーとの久しぶりの邂逅が殺伐となりがちなストーリーに抒情性を持たせている点も見逃せない。
本書は、時代の節目において暗闘するリーチャーを描いた秀作である、と共にこれまで4作を読んできた読者としては、もっと彼の活躍が読みたいところだ。次作の翻訳が待たれる。
’97年に創設されたアメリカのミステリー専門季刊誌≪デッドリー・プレジャー≫が主催する「バリー賞」の’05年度ベスト・ミステリー・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作である。また、レックス・スタウトのファンクラブ ウルフ・パックが主催する「ネロ・ウルフ賞」も同年受賞している。
本書はシリーズの番外編とでも言うべき、リーチャーまだ29才で軍のMP(憲兵隊少佐)で軍警察現場指揮官だった時の物語である。
1990年元日になって数秒すぎ、ノース・カロライナ州の陸軍基地フォート・バードで夜勤につく‘わたし’の元にかかってきた電話。すべてがそこから始まる。ヨーロッパで戦車隊を率いる機甲師団司令官でふたつ星の将軍が心臓発作で、みすぼらしいモーテルで死体となって発見されたのだ。カリフォルニアでの会議に赴く途中とのことだったが、そもそも大晦日にヨーロッパから将軍が召集される会議とは。かりにも将軍たるものが一晩15ドルの安モーテルで果てるとは。‘わたし’は背景に大きな陰謀の影を感じる。
果たして、間をおかずに、くだんの将軍の妻がヴァージニアの自宅で撲殺、‘わたし’の基地では対テロ特別部隊デルタ・フォースの軍曹が同性愛の兵士を排除しようとしたような工作がなされて惨殺、サウス・カロライナ州の州都コロンビア郊外で同じくデルタ・フォースの大佐が麻薬取引のこじれを偽装した形で射殺。
そもそもパナマで重要な作戦行動にあった、‘わたし’をはじめ20人もの現場指揮官が、偽のサインと思われる書類で年末の29日にアメリカ国内のさまざまな基地にいっせいに異動になったこともおかしい。
‘わたし’は新任の上官の命を無視して、25才のアフリカ系アメリカ人の女性少尉を連れ、大陸を北へ、西へ、そしてドイツへと赴き真相を探る。前年11月ベルリンの壁崩壊、翌’91年12月ソ連解体という東西冷戦終結をひかえ、模索し激動する米軍の存在感を背景に、持ち前の腕力と演繹的推理力を生かした‘わたし’流の正義感が貫かれる。
また、パリにひとり住む母親の過去の衝撃の逸話やその死、兄ジョーとの久しぶりの邂逅が殺伐となりがちなストーリーに抒情性を持たせている点も見逃せない。
本書は、時代の節目において暗闘するリーチャーを描いた秀作である、と共にこれまで4作を読んできた読者としては、もっと彼の活躍が読みたいところだ。次作の翻訳が待たれる。
2019年11月18日に日本でレビュー済み
ジャック・リーチャー、29歳、軍警察在籍時代の物語。
就業規定なんて何のその、アホな上司には堂々と憎まれ口を叩き、孤軍奮闘しながらも(素敵な協力者はいたが)
根気強くとことん正義を追求する姿勢に惚れ惚れする。悪漢成敗にもすっきり。
関与した人物たちへの配慮や心遣いもする、本当に魅力的な男だ。
さらに人間ドラマやロマンスもあるからおもしろい。
特に今回はリーチャーの母親の死生観や戦時下の出来事に、感動するものがあった。
兄もとてもいい男だが……惜しい(シリーズ第1弾『キリング・フロアー』参照)
今作品の難点は、全体的に状況説明が多すぎて冗長に感じたことと、
邦訳文章が過去形連続で、それが気になって内容に集中できなくなることが度々あったことである。子供の作文ではないのだから、原文はどうあれ日本語に応じた語尾の流れを配慮してほしい。
就業規定なんて何のその、アホな上司には堂々と憎まれ口を叩き、孤軍奮闘しながらも(素敵な協力者はいたが)
根気強くとことん正義を追求する姿勢に惚れ惚れする。悪漢成敗にもすっきり。
関与した人物たちへの配慮や心遣いもする、本当に魅力的な男だ。
さらに人間ドラマやロマンスもあるからおもしろい。
特に今回はリーチャーの母親の死生観や戦時下の出来事に、感動するものがあった。
兄もとてもいい男だが……惜しい(シリーズ第1弾『キリング・フロアー』参照)
今作品の難点は、全体的に状況説明が多すぎて冗長に感じたことと、
邦訳文章が過去形連続で、それが気になって内容に集中できなくなることが度々あったことである。子供の作文ではないのだから、原文はどうあれ日本語に応じた語尾の流れを配慮してほしい。
2013年7月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人に頼まれて購入しました。主人はおもしろいともうしておりました。
2021年12月4日に日本でレビュー済み
憲兵時代の話で閉鎖的な軍隊の状況と1990年を取り巻く国際情勢を含めて、練りに練られたプロットだと思う。自分も元自衛官で将校の端くれだったから階級の重みもよくわかるし、アメリカ軍の持つ事情も海兵隊に知人がいたのでそれなりに推測できるけど、これも取材の賜物か? 米軍でも大佐以上になると権力は絶大になる。だから、階級章がイーグルであり自由に飛び回れることに象徴なのだ。閑話休題、軍隊内部の階級闘争は階級だけにとどまらず、兵種にも及ぶことや、軍隊内部のマイノリティの問題を軸にしてうまく伏線を張っている。また、途中に挟まれる母にまつわるエピソードもフランス人を引き合いに出して(アメリカ人から見たフランス人なんだが)リーチャーの出自にまつわる話としてうまく挟み込んでいる。上下二巻になる長編でありながら一気読みさせる面白さは、そうしたエピソードの幅広さによるのだろう。彼自身が軍以外の世界を知らない事情が、その後の作品にもリアリティを与えているし、軍だけで生活できてしまう人種がいることを、日本人が知ってもいいことだと思う。
2014年1月20日に日本でレビュー済み
キリングフロアー、警鐘、反撃、本作と読んできましたが、評価は下降線です。この主人公の過剰な暴力、まして殺人に正当性はないです。ストリーの展開、謎解き(こじつけ)も普通の思いつきレベル。これでは、悪役がバカそのものです。それに米軍をバカにするでない。ほら話としてはなかなかですかね。確かに、ハードボイルド的に深い部分もあります。別に感動したくて読書しているわけではないですが、通常何らかの感動シーンがあるものです。が、本作には無し。(補足:技術的な感動も含みます。私はメカ好き)お金を出して買う価値は無いと思います。図書館が一番。まあ、アウトローも図書館で借りて読んでみます。本作お気に入りの方にはゴメンナサイ。
2009年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ベルリンの壁崩壊。予想されるソビエト連邦の解体。世界的な体制変化が起こると「世界警察」を自負するアメリカ各軍は編成や部隊配置を変化させる。海兵隊・海軍・空軍ものはわりと目にしますが、この本は陸軍内部のお話でした。お決まりの権力抗争と陰謀の嵐と言えばそれまでなのですが、活字のでかさもあいまって、なぜか上下巻一気に読んでしまいました。基本、アメリカ軍部や軍を統括する政治の世界の話が好きだからなのかもしれませんが、スピード狂のキュートな黒人女性の相棒もいい味出してましたし、終末期にある母の死に対する価値観、また兄との関係、などがストーリーに深みを加えており、単なる軍隊ものミステリーとは一線を画していたからでしょうか。結局正義とは何かを問うアメリカ人好みの小説という見方もできるかもしれません。でも、理屈抜きで一気読みでした。