そんな人が大半だろう。
しかし、騙されたと思って本書を手に取ってほしい。
単なる憲法制定の歴史を追った作品ではない。
当時の世界情勢、占領統治の利権を巡り熾烈に争う米ソ、
GHQと米本国との駆け引き、GHQと日本政府の関係を丁寧に描き、
フィクションでありながら、
そのリアリティさでドキュメンタリーに思えてくる。
実際、その参考文献の多さを見るに、
ほとんどの内容は現実に即しているはずだ。
そして憲法改正に情熱を注ぎ、
日本の将来を真剣に考える立木ら官僚の雄姿が
胸を熱くさせてくれる。
しかるに、私は改憲論者である。
日本国憲法が、如何なる過程を経て制定されたのか、
この現実を知り、より一層、米からの押しつけ憲法ではなく、
私たち自身の手で憲法をつくり直す必要性を痛感した。
1945年の敗戦から67年。100年目に当たる2045年には、
我が国の憲法はどうなっているのだろうか、
本書のタイトルどおり、亡国の100年を歩んでしまうのか、
はたまた、世界に冠たる日本となっているのか、
その帰趨は、私たちの手にかかっている。
26歳のわたしは、主人公立木の思いに自己を投影し、
その責任と決意を新たにしたのである。
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百年の亡国: 憲法破却 (講談社文庫 か 119-1) 文庫 – 2010/4/15
海道 龍一朗
(著)
GHQの深謀!
日本国憲法誕生をめぐる熱き男達の苦悩と闘い
昭和20年10月、連合国軍最高司令官マッカーサーは大日本帝国憲法の改正を示唆した。新憲法の研究を独自に進める日本政府、占領政策を強引に推進するGHQに不満を募らせるソヴィエトの圧力――壮絶な駆け引きと思惑の最前線で、内閣法制局の若き官吏・立木一郎が目撃した日本国憲法誕生をめぐる歴史巨編。
マッカーサーはこれまでとはうって変わり、決然とした口調で喋りはじめた。「まず第一に、現行の憲法(コンスティテューション)は改正を要すると考えます。(略)」――<本文より>
日本国憲法誕生をめぐる熱き男達の苦悩と闘い
昭和20年10月、連合国軍最高司令官マッカーサーは大日本帝国憲法の改正を示唆した。新憲法の研究を独自に進める日本政府、占領政策を強引に推進するGHQに不満を募らせるソヴィエトの圧力――壮絶な駆け引きと思惑の最前線で、内閣法制局の若き官吏・立木一郎が目撃した日本国憲法誕生をめぐる歴史巨編。
マッカーサーはこれまでとはうって変わり、決然とした口調で喋りはじめた。「まず第一に、現行の憲法(コンスティテューション)は改正を要すると考えます。(略)」――<本文より>
- 本の長さ675ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/4/15
- ISBN-104062766264
- ISBN-13978-4062766265
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/4/15)
- 発売日 : 2010/4/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 675ページ
- ISBN-10 : 4062766264
- ISBN-13 : 978-4062766265
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,217,407位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
占領下の若き法制官僚の視点で憲法成立の過程を描く
作品。日本という国の現在の姿は、まさにあの敗戦から1年未満の間に占領軍によってかたち作られたものなのだ。そんなものなのか、あらためて愕然とする。
悔恨と無力感。主人公が葛藤の中で銀シャリを泣きながら食べるシーンが出色である。この作家の力量を表している。「真剣」での闘茶の場面と双璧をなすシーン。
ともかく圧巻の文章力。それと同時にわれわれののど元に突き付けられた今を生きる日本人にとっての問題でもある。
作品。日本という国の現在の姿は、まさにあの敗戦から1年未満の間に占領軍によってかたち作られたものなのだ。そんなものなのか、あらためて愕然とする。
悔恨と無力感。主人公が葛藤の中で銀シャリを泣きながら食べるシーンが出色である。この作家の力量を表している。「真剣」での闘茶の場面と双璧をなすシーン。
ともかく圧巻の文章力。それと同時にわれわれののど元に突き付けられた今を生きる日本人にとっての問題でもある。
2011年2月14日に日本でレビュー済み
面白いには面白いが、やはり小説だ。
日本では憲法についてまともに論じたものが少ない。どうして、制定過程やその思想的意味を批判的に分析しようとしないのだろうか。日本国憲法について論じたものを読むと無条件に礼賛するものか、無意味に批判するものばかりで、本格的な批判が少ない。小説という形を借りて、憲法を批判する本書のような小説は面白いが、本格的批判も望みたい。
日本では憲法についてまともに論じたものが少ない。どうして、制定過程やその思想的意味を批判的に分析しようとしないのだろうか。日本国憲法について論じたものを読むと無条件に礼賛するものか、無意味に批判するものばかりで、本格的な批判が少ない。小説という形を借りて、憲法を批判する本書のような小説は面白いが、本格的批判も望みたい。
2010年6月22日に日本でレビュー済み
内閣法制局の「立木一郎」という主人公は架空の人物かもしれません。
憲法制定の経緯が分かるとともに、その際の日本人の受け止め方と戸惑いが主人公を介して伝わってきます。GHQの中であったという確執にはあまり触れないまま、日本人の受け止め方とマッカーサーの意向の成り立つ過程がミステリータッチで少しずつ明らかにされていきます。
表紙のタンポポの写真の意味は本文中で明らかにされますので、乞うご期待。
憲法制定の経緯が分かるとともに、その際の日本人の受け止め方と戸惑いが主人公を介して伝わってきます。GHQの中であったという確執にはあまり触れないまま、日本人の受け止め方とマッカーサーの意向の成り立つ過程がミステリータッチで少しずつ明らかにされていきます。
表紙のタンポポの写真の意味は本文中で明らかにされますので、乞うご期待。