実は、紹介されている結真と美紀子の話は、表題作の話ではなく、他一篇の『ガマズミ航海』の話です。セックスの後に「それはセックスじゃない」と感じる結真の性生活を、彼氏との行為は嫌だけど彼氏と別れられないというさらに困った後輩・美紀子が、引っ掻き回していくというストーリーで、結真が精液でない暖かいものを飲まされたり、美紀子と彼氏の場面を覗き見させられたりするのだけれども、パンツは下ろすけれども裸は書かないという姿勢が徹底している文章なので、これは哲学的な比喩であってエロスを感じるのは間違っているのだろうかと考えてしまいます。
表題作の『星が吸う水』は、ストーリーを説明すると一行でまとまってしまう話です。
「女友だち三人組が、日帰り温泉旅行に行きました」
ちなみに肌描写を出さないという点では『ガマズミ航海』以上に徹底していて、主人公の鶴子はおそらく家では裸族の生活をしていて、後半は温泉場面であるにも関わらず、出てくる肌描写は一行だけです。
「あばらが浮き出た身体は、鶴子にはとても太ったように見えなかった。」
ただ、この鶴子さん(元レストラン店長・ブラック勤務ののち退職・現在職探し中で避妊中・そして禁煙中)の結婚どうのこうので焦っている友人に対する心の中のツッコミが相当鋭く(「梓にとって、結婚は一世一代の人身売買だろうな」とか)、結婚をネタに人格そのものを否定されるようなことを言われても傷つかない姿勢は、タフでハンサムなので共感が持てます。
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星が吸う水 (講談社文庫) 文庫 – 2013/2/15
村田 沙耶香
(著)
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恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。表題作他一篇。(講談社文庫)
性行為には、本物と偽物がある。
人肌を求めるだけなら、それは、恋じゃない。
恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。
表題作他一篇。
●星が吸う水
●ガマズミ航海
性行為には、本物と偽物がある。
人肌を求めるだけなら、それは、恋じゃない。
恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。
表題作他一篇。
●星が吸う水
●ガマズミ航海
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2013/2/15
- 寸法10.7 x 0.9 x 15 cm
- ISBN-104062774798
- ISBN-13978-4062774796
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2013/2/15)
- 発売日 : 2013/2/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 4062774798
- ISBN-13 : 978-4062774796
- 寸法 : 10.7 x 0.9 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 82,603位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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村田 沙耶香
(むらた・さやか)
1979年、千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年、『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。2009年、『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年、『コンビニ人間』で芥川賞受賞。同作は累計発行部数100万部を突破した。その他の著書に『マウス』『星が吸う水』『タダイマトビラ』『地球星人』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』などがある。
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トップレビュー
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2016年9月18日に日本でレビュー済み
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2017年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コンビニ人間がすごくよかったので、こちらも読んでみました。
普通って何だろう、というのがこの村田さんの問いかけたいことなんでしょうね。
共感できる部分も多かったですが、性的描写も含め、ちょっと表現が重めに感じました。
コンビニ人間の方がよかったです。
普通って何だろう、というのがこの村田さんの問いかけたいことなんでしょうね。
共感できる部分も多かったですが、性的描写も含め、ちょっと表現が重めに感じました。
コンビニ人間の方がよかったです。
2013年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の三島賞受賞をきっかけに購入しました。一般的な感性ではないと思いますが、性について特異的な感性から書かれた内容です。官能小説ではありませんが、ある程度性に関する描写はあります。感動と共感を覚えるかというとそうでもありませんが、こういう性もあるんだと興味深く読むことができました。
2021年4月13日に日本でレビュー済み
残酷なほど、表現できない能力を約束された人なのか、誰もこのキヲテラッタ露骨な。言葉の散乱を文学とはいえないと思う。
男と女のチラシ程度がいいとこ。はたらきたまへ。
男と女のチラシ程度がいいとこ。はたらきたまへ。
2018年12月22日に日本でレビュー済み
橋本治は「女は自分が女であることを早々に受け入れてその事にあまり疑問を持たない」と言ったが、どうも違うのではないかと思うようになった。村田沙耶香さんは自分が女であることに疑問を持っているように感じた。よくある「社会に押し付けられた女らしさなんて嫌だ」というのではなく、素朴に疑問に思っている印象。主人公の鶴子はペニスのない女だが勃起する。勃起するから女であることに違和感を感じるのか、女であることに違和感を感じていることを勃起に小説的に表現されているのかそこまではわからない。『コンビニ人間』もそうだったが、女らしさの定形から外れた主人公が、世間を代表する「女らしさを早々に受け入れた」友人との会話にギャップを感じるシーンがある。『コンビニ人間』は一度世間の考えを受け入れ就職しようとするが再びコンビニに戻るところで終わり、『星が吸う水』はその違和感を立ちションすることで友人にカミングアウトするところで終わる。村田さんの女であることへの違和感はどこから来るのだろう。岸田秀を読んだだけではわからない性の話。彼女の他の著作も読んでみたいと思った。
村田沙耶香『星が吸う水』
村田沙耶香『星が吸う水』
2022年6月20日に日本でレビュー済み
内容は女性の方が理解しやすいようで、男性のほうが理解しやすいと思います。
いずれにしても最後のオチである、オンナの立ちションは60年ぐらい昔の田舎ではオバサンが普通にやっていましたネ。
いずれにしても最後のオチである、オンナの立ちションは60年ぐらい昔の田舎ではオバサンが普通にやっていましたネ。
2020年5月2日に日本でレビュー済み
自分の中の常識や固定観念を壊されました。
読みやすい文体で、表現も軽いタッチで、だからこそなのか、なぜこんなに圧倒されるのでしょうか。
「コンビニ人間」を読んだときも、作者の村田沙耶香さんの常識にとらわれない視座に、脳を直接平手打ちをされたような気分になりましたが、
本作でも自分の凝り固まった考え方、価値観を含め、またも脳をバシバシと叩かれた気分です。
読後の疲労感を感じるのは私だけでしょうか?
村田沙耶香さんのワールドがすごすぎて、読み終われば「どんな話だったっけ、、?」となりつつも、また他の作品を読みたくなる中毒性があります。
読みやすい文体で、表現も軽いタッチで、だからこそなのか、なぜこんなに圧倒されるのでしょうか。
「コンビニ人間」を読んだときも、作者の村田沙耶香さんの常識にとらわれない視座に、脳を直接平手打ちをされたような気分になりましたが、
本作でも自分の凝り固まった考え方、価値観を含め、またも脳をバシバシと叩かれた気分です。
読後の疲労感を感じるのは私だけでしょうか?
村田沙耶香さんのワールドがすごすぎて、読み終われば「どんな話だったっけ、、?」となりつつも、また他の作品を読みたくなる中毒性があります。
2010年6月4日に日本でレビュー済み
性に纏付く情感をキッパリ取り除くことができたら、という若い女性カップル(?)のオハナシ。思想小説の部類なのだろう。主人公は性的関係は相互利用だと思っているから(少なくとも性が情緒纏綿たるものであるべきだ、とは信じていないから)オトコに弄ばれたと憤る友の心情がいまいちピンとこない。どうやら愛やら恋やらまつわりつく肉体関係はうっとうしい、というカゲキ思想の持ち主で、オトコ依存症とおぼしい二十歳そこそこのパートナーを得て同性愛者でもないのに紛らわしい行為におよぶ。実践記録といえばおどろおどろしいが文章はいたっておとなしい。