失礼な言い方かもしれませんが、当初思っていたよりも、かなりイケるミステリでした。
作中に名前が出てくるエラリー・クイーンの傑作、あの大仕掛けなトリックと胆(きも)は同じトリックと言っていいのかな。でも、全くおんなじというのではなく、さらに大がかりなからくりに仕立てたそれは、なかなかに乙な味わいがありました。
それと、最後のほうで明かされる殺人犯の動機──「なぜ、その人物を殺さねばならなかったのか」──その理由がかなりぶっ飛んでいましたね。殺人者の気質とマッチングしてて、そこに妙味を感じました。
そうそう。話の本筋とは関係ないのですが、鹿谷門実(ししや かどみ)の次の台詞には、強い共感を覚えました。
《あんなに邪悪な生き物は他にいないさ。この国の政治家どもみたいに不潔で傲慢(ごうまん)で貪欲(どんよく)、昼間の喫茶店に集まるオバサンたちみたいに自分勝手で恥知らずで‥‥ああもう、考えただけで胸が悪くなる。(中略)あいつらはね、切羽(せっぱ)詰まると僕の顔めがけて飛んでくるんだ》p.241
ここで鹿谷言うところの〝邪悪な生き物〟とか〝あいつら〟とかは、わても大大大の苦手ですねん。同じ〝黒〟でも、猫とはえらい違いや、ほんまに。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥924¥924 税込
ポイント: 28pt
(3%)
無料お届け日:
3月21日 木曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥924¥924 税込
ポイント: 28pt
(3%)
無料お届け日:
3月21日 木曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥778
中古品:
¥778

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫) 文庫 – 2014/1/15
綾辻 行人
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥924","priceAmount":924.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"924","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"NhqP0WY0HfQutMRtLHKmmNz6fC1%2FalGf%2BbYXCTpZtz7C%2Ftfktemm04W%2FUO9jzjxdleAIOBwyTCemJ3TbhI%2BQ8HZbYPOi2%2BeAikNMKeZ1H0aOAAghoY4yAQN4VlSOhDGG%2BhNPuiYhB4E%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥778","priceAmount":778.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"778","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"NhqP0WY0HfQutMRtLHKmmNz6fC1%2FalGfnai0yIQ9PVM2Xcb53CmpfPKoA1X9mtboS8oIMmz6AKtoPBlRFGR%2FrrDnfyLQnXoYxFtBtR84jVKrbIn0Ze%2FBJYeBdcHieMrhGJcJ1GHKkuHB3fltXGmtrUFbGF1WU%2FjVyi8SKOPHI%2Fkx4t7MBMs1GA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬(あゆたとうま)の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)と江南孝明(かわみなみたかあき)は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。深い森の中に建つその館で待ち受ける、“世界”が揺らぐような真実とは!? シリーズ屈指の大仕掛けを、読者(あなた)は見破ることができるか?
シリーズ最大級の綾辻流・大仕掛け! 「館」シリーズ全館、これにて改装完了!
シリーズ最大級の綾辻流・大仕掛け! 「館」シリーズ全館、これにて改装完了!
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/1/15
- 寸法10.6 x 1.7 x 14.8 cm
- ISBN-104062777436
- ISBN-13978-4062777438
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)
¥924¥924
最短で3月21日 木曜日のお届け予定です
在庫あり。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
出版社より
![]() |
![]() |
|
---|---|---|
びっくり館の殺人 (MYSTERY LAND) | 奇面館の殺人(上) (講談社文庫) | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.0
210
|
5つ星のうち4.4
213
|
価格 | ¥3,150¥3,150 | ¥814¥814 |
製品名(表示名) | びっくり館の殺人 | 奇面館の殺人(上) |
発売日 | 2006/3/17 | 2015/4/15 |
商品の説明
著者について
綾辻 行人
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院博士後期課程修了。在学中は京都大学推理小説研究会に所属する。1987年に『十角館の殺人』でデビュー。「新本格ミステリ」ムーヴメントの嚆矢となる。1992年に『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。「館」シリーズという一連の長編は、現代本格ミステリを牽引しつづけている。ミステリ、ホラー、怪談など幅広く活躍。2012年に「館」シリーズ9作めとなる『奇面館の殺人』(講談社ノベルス)を上梓。
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院博士後期課程修了。在学中は京都大学推理小説研究会に所属する。1987年に『十角館の殺人』でデビュー。「新本格ミステリ」ムーヴメントの嚆矢となる。1992年に『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。「館」シリーズという一連の長編は、現代本格ミステリを牽引しつづけている。ミステリ、ホラー、怪談など幅広く活躍。2012年に「館」シリーズ9作めとなる『奇面館の殺人』(講談社ノベルス)を上梓。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/1/15)
- 発売日 : 2014/1/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4062777436
- ISBN-13 : 978-4062777438
- 寸法 : 10.6 x 1.7 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 22,006位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院修了。’87年に『十角館の殺人』で作家デビュー。“新本格ムーヴメント”の嚆矢となる。’92 年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。“館シリーズ”と呼ばれる一連の長編は現代本格ミステリを牽引する人気シリーズとなった。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 迷路館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫) (ISBN-13: 978-4062763974 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
イメージ付きのレビュー
申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読者のモリです。
館シリーズは全て読みました。
永遠保存で宝物です。綾辻先生に感謝!
館シリーズは全て読みました。
永遠保存で宝物です。綾辻先生に感謝!
2017年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今回は過去に起きたらしい事件を、ある老人の手記を基に真相を紐解いていくという新しい展開。
手記による過去回想と現実での謎解きを交互に読ませるスタイル。
自分はミステリーを読む際は純粋に驚きを楽しみたいのであまり謎解きせずにさらっと読むのですが、ところどころ引っかかっていた部分の伏線が回収されていくのが楽しかったです。最後の謎(これが謎だとは考えもしなかった!)は良い意味でぶっ飛んでいてお見事でした!
*****ここからネタバレ含みます!!
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
女性の死に関する記述で、身元が分かる書類に本名と本籍地と身長が分かった。=この書類とはパスポートだ。ということは館がある場所は!?
とういう流れがありますが、パスポートって身長記載ありましたっけ?自分のにはないと思うのですが。
その時代はあったけど今はなくなったのでしょうか?この伏線だけいまいちピンとこず残念!
手記による過去回想と現実での謎解きを交互に読ませるスタイル。
自分はミステリーを読む際は純粋に驚きを楽しみたいのであまり謎解きせずにさらっと読むのですが、ところどころ引っかかっていた部分の伏線が回収されていくのが楽しかったです。最後の謎(これが謎だとは考えもしなかった!)は良い意味でぶっ飛んでいてお見事でした!
*****ここからネタバレ含みます!!
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
女性の死に関する記述で、身元が分かる書類に本名と本籍地と身長が分かった。=この書類とはパスポートだ。ということは館がある場所は!?
とういう流れがありますが、パスポートって身長記載ありましたっけ?自分のにはないと思うのですが。
その時代はあったけど今はなくなったのでしょうか?この伏線だけいまいちピンとこず残念!
2012年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
評価は分かれているようですが、私は「館」シリーズの中で一番好きな作品です。
前作、「時計館」「水車館」は途中でトリックと犯人に気付いてしまったので、ミステリー本来の「後半の楽しみ」が
半減してしまいました。(これは読者側である私の問題ですが・・・)
「黒猫館」も途中で、「真相の一つ」には気づいてしまったのですが「残り20%の真相」には全く気付きませんでした。
読んだ後に「やられた!」と心地よい感覚になったものです。
同様に「人形館」も結構好きな作品です。心理の盲点を突くようなところが良いと思いました。
前作、「時計館」「水車館」は途中でトリックと犯人に気付いてしまったので、ミステリー本来の「後半の楽しみ」が
半減してしまいました。(これは読者側である私の問題ですが・・・)
「黒猫館」も途中で、「真相の一つ」には気づいてしまったのですが「残り20%の真相」には全く気付きませんでした。
読んだ後に「やられた!」と心地よい感覚になったものです。
同様に「人形館」も結構好きな作品です。心理の盲点を突くようなところが良いと思いました。
2021年12月23日に日本でレビュー済み
綾辻作品の特徴は正々堂々と伏線をはるところにある。したがって、犯人やトリックは大体検討がつくのだが、詳細部分が、なおぼんやりしている中で種明かしが披露される。それを、物足りないと思う人もいるだろうが、読者に分からせないように努力した結果、ストーリーが破綻したり、伏線が薄くてそんなこと書いてあったっけ?と思わせるよりは、はるかに良い。
そして、この作品だが、犯人もトリックも大体、見当がつく。しかし、このトリックにはどうしても、ある物が足りない。読者を悩ませるのだが、最後に意外な解決が待っている。
この意外というのは、事実が意外なのではない。ここで、あれを持って来たか!という意外性である。しかし、これに気づくためには『不思議の国のアリス』をかなり熟読する必要があるのではあるまいか。しかも、原文で読んでおく方が望ましい。どの部分かというと(少しだけネタばれになるかもしれない)
☆
☆
antipathies
つまり、読者もアリスとともにウサギの穴に落ちれば、大いにヒントになったのである。
これは想像なのだが、著者も『不思議の国のアリス』を読んで、このトリックを思いついたのではないか。この作品を存分に楽しむためには、ぜひ『不思議の国のアリス』を読んでいただきたい。
☆
☆
最期に、『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルの性癖について述べておきたい。『黒猫館』が出版された当時は、この性癖についてわが国でも尾ひれがついて、さかんに言われていたようである。中には訳者が解説でそのように言及することもあった。現在でも、いわゆる知識人と言われる人が「間違いない事実」のように性癖について言うことがある。しかし、このことは十分な根拠があることではなく憶測の域を出ないし、このような言説が独り歩きしてようにも思える。『黒猫館』の中でこのように書かれていたとしても、読者はそれをそのまま信じるのではなく、事の正否をよく調べていただきたい。
そして、この作品だが、犯人もトリックも大体、見当がつく。しかし、このトリックにはどうしても、ある物が足りない。読者を悩ませるのだが、最後に意外な解決が待っている。
この意外というのは、事実が意外なのではない。ここで、あれを持って来たか!という意外性である。しかし、これに気づくためには『不思議の国のアリス』をかなり熟読する必要があるのではあるまいか。しかも、原文で読んでおく方が望ましい。どの部分かというと(少しだけネタばれになるかもしれない)
☆
☆
antipathies
つまり、読者もアリスとともにウサギの穴に落ちれば、大いにヒントになったのである。
これは想像なのだが、著者も『不思議の国のアリス』を読んで、このトリックを思いついたのではないか。この作品を存分に楽しむためには、ぜひ『不思議の国のアリス』を読んでいただきたい。
☆
☆
最期に、『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルの性癖について述べておきたい。『黒猫館』が出版された当時は、この性癖についてわが国でも尾ひれがついて、さかんに言われていたようである。中には訳者が解説でそのように言及することもあった。現在でも、いわゆる知識人と言われる人が「間違いない事実」のように性癖について言うことがある。しかし、このことは十分な根拠があることではなく憶測の域を出ないし、このような言説が独り歩きしてようにも思える。『黒猫館』の中でこのように書かれていたとしても、読者はそれをそのまま信じるのではなく、事の正否をよく調べていただきたい。
2014年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
館シリーズ第6弾の今作は前5作と比べると少し地味な印象です。
館自体の平面図もほかの「館」と比べると特徴も薄く、大きな仕掛けも無いのが理由でしょう。
しかしそれで終わらないのがこの館シリーズ。きっちりほかの部分で楽しませてくれています。
手記と現在軸の2場面で物語が進んでいくのですがとても読みやすく、謎が同時並行で進行していく感じがたまりません。
ほかのものと比べると謎への疑問点がわかりやすく多数提示されており、また物語自体が「登場人物が手記を読み、それを手がかりに謎を解く」形をとっています。
手記の部分は原文そのまま読者に提示されているため探偵と同じ視点で謎を見つけることができ、探偵島田が投げる「きになるところ」の多数が「ああ私もそこ疑問に思った!」と、読みながら楽しめる構造になっています。
そういう構成な反面、ただ流し読みするがままに作者にどんでん返しを期待する気構えのタイプの方は少し物足りなく感じてしまうかもしれません。
それは館シリーズでさんざん作者にだまされてきた、だまされることを期待しているファンならではの悩みかも。
ですので、これから読まれる方はきっちりご自分で推理しながら「手記の部分」を読み進めていくのをお勧めします。
それこそ島田が言っていた「飽きるほどに」読んでみてください。
推理小説が好きな方ならきっと80%の事柄は自分自身で導きだせます。
そして20%の部分にご期待ください。きっと楽しめると思います。
館自体の平面図もほかの「館」と比べると特徴も薄く、大きな仕掛けも無いのが理由でしょう。
しかしそれで終わらないのがこの館シリーズ。きっちりほかの部分で楽しませてくれています。
手記と現在軸の2場面で物語が進んでいくのですがとても読みやすく、謎が同時並行で進行していく感じがたまりません。
ほかのものと比べると謎への疑問点がわかりやすく多数提示されており、また物語自体が「登場人物が手記を読み、それを手がかりに謎を解く」形をとっています。
手記の部分は原文そのまま読者に提示されているため探偵と同じ視点で謎を見つけることができ、探偵島田が投げる「きになるところ」の多数が「ああ私もそこ疑問に思った!」と、読みながら楽しめる構造になっています。
そういう構成な反面、ただ流し読みするがままに作者にどんでん返しを期待する気構えのタイプの方は少し物足りなく感じてしまうかもしれません。
それは館シリーズでさんざん作者にだまされてきた、だまされることを期待しているファンならではの悩みかも。
ですので、これから読まれる方はきっちりご自分で推理しながら「手記の部分」を読み進めていくのをお勧めします。
それこそ島田が言っていた「飽きるほどに」読んでみてください。
推理小説が好きな方ならきっと80%の事柄は自分自身で導きだせます。
そして20%の部分にご期待ください。きっと楽しめると思います。