本書は後藤田元副総理のオーラルヒストリー。戦中から最近まで政官界の内情を詳しく論じていて、いろいろな読み方ができる。
一つの読み方としてはは、内部者でしか知り得ないたくさん事実が散りばめられているので、それらを追っていくだけで面白く読むことができる。例えば、現皇太子殿下がロンドンに留学する際に、PLOに対して誘拐事件を起こさないよう世界中の過激派に徹底するよう依頼したことはほとんど知られていないのではないか。
もう一つの読み方は、後藤田氏の仕事に対する考え方を吸収するというもの。仕事に対する心構えとして「五訓」が紹介されている。また、重大な事柄を決める際には、憲法・法律の内容をきちんと確認してから物事を進めるという考え方が随所で記載されている。法律を整備せずに近道を取るのはなし崩しを招く、と氏は何回か強調している。
カミソリといわれた後藤田氏の考え方がよくわかる良書。
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情と理 -カミソリ参謀回顧録- 下 (講談社+α文庫) 文庫 – 2006/6/21
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「死去の直前までの10数年間、何かが起きるたびに、それをどう見たらよいのか、その『診断』を求めたくなるのが私にとって後藤田氏だった」(「解説」より)
筑紫哲也氏(ジャーナリスト)推奨!
中曽根内閣の官房長官で辣腕を振るい、歴代の政権にも隠然たる影響力を持った男・後藤田正晴――混乱する政局を舌鋒鋭く斬り、“カミソリ”の異名を取った彼の直言は、各界から幅広い支持を得てきた。そんな著者が自らの波瀾の人生を振り返った、貴重な戦後政官界の秘史が本書である。下巻は、田中派支配、中曽根内閣官房長官時代の秘話、田中派分裂、リクルート事件、連立政権誕生などを収録している。
※本書は、1998年6月に小社より刊行された『情と理――後藤田正晴回顧録』に一部加筆・修正を加えたものである。
筑紫哲也氏(ジャーナリスト)推奨!
中曽根内閣の官房長官で辣腕を振るい、歴代の政権にも隠然たる影響力を持った男・後藤田正晴――混乱する政局を舌鋒鋭く斬り、“カミソリ”の異名を取った彼の直言は、各界から幅広い支持を得てきた。そんな著者が自らの波瀾の人生を振り返った、貴重な戦後政官界の秘史が本書である。下巻は、田中派支配、中曽根内閣官房長官時代の秘話、田中派分裂、リクルート事件、連立政権誕生などを収録している。
※本書は、1998年6月に小社より刊行された『情と理――後藤田正晴回顧録』に一部加筆・修正を加えたものである。
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/6/21
- 寸法10.8 x 1.7 x 15.2 cm
- ISBN-104062810298
- ISBN-13978-4062810296
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商品の説明
著者について
ごとうだ・まさはる―1914年、徳島県美郷村(現吉野川市)に生まれる。1939年、東京帝国大学法学部卒業。2005年9月19日、91歳で死去。1976年に衆議院議員に徳島全県区より初当選、以後7期連続当選。その間、法務大臣、副総理などを歴任。中曽根内閣では他派閥である田中派から官房長官に異例の抜擢をされ、以降通算3期を勤めた。鋭い舌鋒や認識力からカミソリ後藤田とあだ名され、長く権力の中枢に在った。内閣危機管理室の創始者としても知られる。
みくりや・たかし―1951年4月27日、東京都に生まれる。東京大学先端科学技術研究センター教授。専門は、日本政治史。東京大学法学部卒業後、同助手、東京都立大学法学部教授、政策研究大学院大学教授を経て、現職。東京都立大学名誉教授。アメリカ流のオーラル・ヒストリーの手法を日本に持ち込んだ。1996年、『政策の総合と権力』でサントリー学芸賞、1997年に『馬場恒吾の面目』で吉野作造賞を受賞した。
みくりや・たかし―1951年4月27日、東京都に生まれる。東京大学先端科学技術研究センター教授。専門は、日本政治史。東京大学法学部卒業後、同助手、東京都立大学法学部教授、政策研究大学院大学教授を経て、現職。東京都立大学名誉教授。アメリカ流のオーラル・ヒストリーの手法を日本に持ち込んだ。1996年、『政策の総合と権力』でサントリー学芸賞、1997年に『馬場恒吾の面目』で吉野作造賞を受賞した。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/6/21)
- 発売日 : 2006/6/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 416ページ
- ISBN-10 : 4062810298
- ISBN-13 : 978-4062810296
- 寸法 : 10.8 x 1.7 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 57,377位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻は官僚世界を、下巻は政界の動きを中心として書かれています。
ある意味下巻はゴシップ的ですが、単なる暴露になっていないのは
後藤田さんの政治に対する姿勢が貫かれているからだと思いました。
岸さん中曽根さんへの評価も辛辣で気持ちがいい。まさにカミソリ。
ある意味下巻はゴシップ的ですが、単なる暴露になっていないのは
後藤田さんの政治に対する姿勢が貫かれているからだと思いました。
岸さん中曽根さんへの評価も辛辣で気持ちがいい。まさにカミソリ。
2014年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻が主に後藤田氏の官僚時代を対象としていたのに対し、この下巻は政治家時代を対象にしている。本書を手にとる読者の大半のお目当てがこの下巻、特に後藤田氏の官房長官時代の記述だろうが、政治家としての当たり障りのないコメントとなってしまっていると思われる個所が少なく無く、個人的には上巻よりも舌鋒が鈍っているように感じた。
しかしながら、大韓航空撃墜事件、イラン・イラク戦争、PKOといった日本中を揺るがした大事件の内幕が本書を読むと垣間見えるので、非常に興味深かった。また、宮澤内閣退陣後に後藤田氏を自民党の首班にしようという動きがあったことを本書を読んで初めて知った。本書は田中派の全盛期と崩壊を記した書物という一面も持っており、そのダイナミズムには驚かされた。
政治家、行政官、そして政治学者にとって、本書は必読書であろう。
しかしながら、大韓航空撃墜事件、イラン・イラク戦争、PKOといった日本中を揺るがした大事件の内幕が本書を読むと垣間見えるので、非常に興味深かった。また、宮澤内閣退陣後に後藤田氏を自民党の首班にしようという動きがあったことを本書を読んで初めて知った。本書は田中派の全盛期と崩壊を記した書物という一面も持っており、そのダイナミズムには驚かされた。
政治家、行政官、そして政治学者にとって、本書は必読書であろう。
2017年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普通の自慢話から出ません。これ著者の責任?それとも参謀さんの責任?田中角栄に頼られたのだから
白河の流れに鮎住まず かな。
白河の流れに鮎住まず かな。
2013年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上下のセットで購入しました。上よりはグイグイ読めた感がありますが、上の評価にも書いたのですが、この方の以前の部下(でいいのかな?)が書かれたものの方が、後藤田さんの人柄がよくわかり面白かったです。
2014年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
後藤田さんが亡くなってしまったので、今や貴重な本となりました。
2018年3月9日に日本でレビュー済み
良かったら、上巻のレビューもご覧下さい。
ご存じ、剃刀後藤田氏(行政、官吏を経験された貴重な存在な方)の回顧録下巻です。内務省に入省し、警察庁長官にまで昇りつめたエリ-ト中のエリ-ト。上巻か下巻か忘れたが、日本赤軍の浅間山荘事件の描写と、長官としての対応は生々しく、対応失敗談の発言や、ロッキード事件、リクルート事件、地下鉄サリン事件の政治家としての対応等の貴重な発言の数々。時の首相で、今太閤と呼ばれた田中角栄氏(当時副総理か大臣の時)に一目置かれ、政界入りに。当時の自民党政権(戦後55年体制)の内部情報が読み取れ、更に昭和から平成に移り、自民党政権の交代劇の裏側が語られ、政治とはこの様なものかと知り得た。
又、本書は、一官僚の目を通した貴重な戦後政治史の読み物。勿論、官僚お得意の身を守る術をお持ちで、真実と異なる恣意的な箇所は否めない。
ご存じ、剃刀後藤田氏(行政、官吏を経験された貴重な存在な方)の回顧録下巻です。内務省に入省し、警察庁長官にまで昇りつめたエリ-ト中のエリ-ト。上巻か下巻か忘れたが、日本赤軍の浅間山荘事件の描写と、長官としての対応は生々しく、対応失敗談の発言や、ロッキード事件、リクルート事件、地下鉄サリン事件の政治家としての対応等の貴重な発言の数々。時の首相で、今太閤と呼ばれた田中角栄氏(当時副総理か大臣の時)に一目置かれ、政界入りに。当時の自民党政権(戦後55年体制)の内部情報が読み取れ、更に昭和から平成に移り、自民党政権の交代劇の裏側が語られ、政治とはこの様なものかと知り得た。
又、本書は、一官僚の目を通した貴重な戦後政治史の読み物。勿論、官僚お得意の身を守る術をお持ちで、真実と異なる恣意的な箇所は否めない。
2019年11月4日に日本でレビュー済み
私にとって、現代の官僚・政治家で最も興味ある人物は、後藤田正晴です。その後藤田の約2年半、27回、60数時間に及ぶオーラル・ヒストリーをまとめた『情と理――カミソリ後藤田回顧録』(後藤田正晴著、御厨貴監修、講談社+α文庫、上・下)で、とりわけ目を惹くのは、後藤田が語る率直な人物評と、戦争、憲法改正に対する考え方です。
岸信介の総理就任について。「僕は個人的には、戦犯容疑で囚われておった人が日本の内閣の首班になるというのは一体どうしたことかという率直な疑問を持ちました。文字通り統制経済の総本山の方ですよね。そして中央集権主義的な行政のあり方、政治の主張、これを色濃く持っている方ですから。私はたまさか課長から局長のとき、あの人の幹事長時代にお会いしたことがありまして、大変な素晴らしい能力の方だという印象を持つとともに、率直なところ、いま言ったような気持ちを持っていました。これは、戦争に対する反省がないからです。それが、いまにいたるまでいろいろな面で尾を引いている。・・・ですから、岸さんが総理になったときは、これはいかがなものか、と思いました」。現在の安倍政権のやり様を予言しているかのような発言です。
昭和62年9月の、ペルシャ湾安全航行確保のため、交戦海域に自衛艦を派遣すべきか否かという意見対立について。「中曽根さんから私に、海上保安庁から武双した巡視艇、あるいは海上自衛隊の掃海艇を派遣したいという相談がありました。・・・私が言ったのは、ペルシャ湾はすでに交戦海域じゃありませんか、その海域へ日本が武装した艦艇を派遣して、タンカー護衛と称してわれわれの方は正当防衛だと言っても、戦闘行為が始まったときには、こちらが自衛権と言ってみても、相手にすればそれは戦争行為に日本が入ったと理解しますよ、イランかイラクどちらかがね。そうすると、他国の交戦海域まで入っていって、そこで俺は自衛だと言ってみても、それは通りますか、と言った。それがひとつです。もうひとつは、『あなた、これは戦争になりますよ、国民にその覚悟ができていますか、できていないんじゃありませんか、憲法上はもちろん駄目ですよ』と言った。そして、『私は賛成できません、おやめになったらどうですか』と申し上げたんです。しかしなかなか強硬でした。外務省も強硬だし中曽根さんもそうでした。・・・中曽根さんも最後に、それじゃあ後藤田さん、やめます、ということで、これはやめたんです。なぜ私がそこまで強硬に言ったかというと、国民全体がそこまで覚悟ができていない。いざとなったら戦になる。それは憲法の問題にもなりますが、これは日本の根幹部分にも関係するよ、ということが私の頭の中にはあって、これで軽々にアメリカが言うからといってやるべき筋合いではない、ということがひとつです」。今や、こういう信念と骨のある政治家が見当たらいことは、日本の悲劇ですね。
憲法改正について、改正論者の主張は、今の憲法は自主ではないというんでしょうと問いかけられて、こう答えています。「マッカーサー憲法だと言うわけです。しかし僕の考え方では、マッカーサー憲法と言っても、それは平和主義なり、基本的な人権なり国際協調なり、ある意味における普遍的な価値というものは、日本の中に定着しておるのではないか、だから、マッカーサーが作ったんだから変えるという時代はもはや過ぎたのではないかと。こういった価値を基本にしながら、どういうことで新しい憲法を作るのか。・・・自主憲法を言う人たちの頭の中に持っているのは、再軍備ではないか、それには僕は反対だと言っているわけです」。戦争反対、憲法改正反対という後藤田の固い信念が鮮明に表現されています。
現在の政治家全員に拳々服膺してもらいたい書物です。
岸信介の総理就任について。「僕は個人的には、戦犯容疑で囚われておった人が日本の内閣の首班になるというのは一体どうしたことかという率直な疑問を持ちました。文字通り統制経済の総本山の方ですよね。そして中央集権主義的な行政のあり方、政治の主張、これを色濃く持っている方ですから。私はたまさか課長から局長のとき、あの人の幹事長時代にお会いしたことがありまして、大変な素晴らしい能力の方だという印象を持つとともに、率直なところ、いま言ったような気持ちを持っていました。これは、戦争に対する反省がないからです。それが、いまにいたるまでいろいろな面で尾を引いている。・・・ですから、岸さんが総理になったときは、これはいかがなものか、と思いました」。現在の安倍政権のやり様を予言しているかのような発言です。
昭和62年9月の、ペルシャ湾安全航行確保のため、交戦海域に自衛艦を派遣すべきか否かという意見対立について。「中曽根さんから私に、海上保安庁から武双した巡視艇、あるいは海上自衛隊の掃海艇を派遣したいという相談がありました。・・・私が言ったのは、ペルシャ湾はすでに交戦海域じゃありませんか、その海域へ日本が武装した艦艇を派遣して、タンカー護衛と称してわれわれの方は正当防衛だと言っても、戦闘行為が始まったときには、こちらが自衛権と言ってみても、相手にすればそれは戦争行為に日本が入ったと理解しますよ、イランかイラクどちらかがね。そうすると、他国の交戦海域まで入っていって、そこで俺は自衛だと言ってみても、それは通りますか、と言った。それがひとつです。もうひとつは、『あなた、これは戦争になりますよ、国民にその覚悟ができていますか、できていないんじゃありませんか、憲法上はもちろん駄目ですよ』と言った。そして、『私は賛成できません、おやめになったらどうですか』と申し上げたんです。しかしなかなか強硬でした。外務省も強硬だし中曽根さんもそうでした。・・・中曽根さんも最後に、それじゃあ後藤田さん、やめます、ということで、これはやめたんです。なぜ私がそこまで強硬に言ったかというと、国民全体がそこまで覚悟ができていない。いざとなったら戦になる。それは憲法の問題にもなりますが、これは日本の根幹部分にも関係するよ、ということが私の頭の中にはあって、これで軽々にアメリカが言うからといってやるべき筋合いではない、ということがひとつです」。今や、こういう信念と骨のある政治家が見当たらいことは、日本の悲劇ですね。
憲法改正について、改正論者の主張は、今の憲法は自主ではないというんでしょうと問いかけられて、こう答えています。「マッカーサー憲法だと言うわけです。しかし僕の考え方では、マッカーサー憲法と言っても、それは平和主義なり、基本的な人権なり国際協調なり、ある意味における普遍的な価値というものは、日本の中に定着しておるのではないか、だから、マッカーサーが作ったんだから変えるという時代はもはや過ぎたのではないかと。こういった価値を基本にしながら、どういうことで新しい憲法を作るのか。・・・自主憲法を言う人たちの頭の中に持っているのは、再軍備ではないか、それには僕は反対だと言っているわけです」。戦争反対、憲法改正反対という後藤田の固い信念が鮮明に表現されています。
現在の政治家全員に拳々服膺してもらいたい書物です。