「エトヴァス・ノイエス」というのは、佐治敬三が大学で教えられたドイツ語の「何か新しいこと」であった。
敬三の父鳥居信治郎がいつも言っていた「なんで もやってみなはれ、やらなわからしまへんで」を髣髴とさせ、敬三に受け継がれ、寿屋宣伝部に入っていた開高健が企画した小冊子『洋酒天国』を発刊することになった。
評者がやっとトリス・バーに入れるようになった頃でも常連しかこの小冊子を貰うことはできなかった。
なんとか入手したのは数冊であったが、ユニークで洒落た小冊子を楽しく読んだ記憶が残ってしる。
本書の下巻を読み進み、残りのページ数が少なくなってきて悲しくなってしまった。
どんなに仲が良い友人でもやがて別れの時が来るという現実を避けることはできない。
佐治敬三が亡くなる10年も前に開高健は亡くなる(1989年)。
佐治は、『開高健へのレクイエム』で「弟よりもっと骨肉に近く非凡だった彼」と述べている。
こんな経営者と平社員の関係など稀有なことだろう。
巻末の解説で成毛眞氏は、「本書の読み方は読者それぞれに任せられている。昭和という元気な時代を体感することもできる。経営者と作家の友情を楽しむこともできる。北康利さんの二人に対する思慕の念に委ねることもできる。そして珠玉のコピーに酔うこともできるのだ。」
と述べていたが、評者は、このすべてを本書で味わいました。
巻末の参考文献の多さや関係者への聞き取りなどで著者の本書への思い入れの深さを知ることが出来る。
経営者と作家という立ち位置の異なる二人の絆を描く下巻を興味津々で読み終えました。
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佐治敬三と開高健 最強のふたり〈下〉 (講談社+α文庫) 文庫 – 2017/10/20
北 康利
(著)
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ひとりは勝算なき「ビール事業」に挑み、もう一人はベトナム戦争の最前線に身を投じる。生産量世界一のウイスキーをつくったサントリー佐治と無頼派作家開高の不思議な友情がかなえた、巨大な夢
真の経営者とはなにか。真の小説家とはなにか。そしてほんとうの友情とはなにか――開高はコピーライターとしての才能を花開かせ、在職中に芥川賞を受賞する。佐治が身を置いていたビジネスの世界は経営者が生命を懸けた戦いの場だが、なかでも昭和三十六年(一九六一)のビール事業進出、ビールの巨人三社(キリン、サッポロ、アサヒ)による寡占(かせん)に無謀な挑戦は、まさに「ビール戦争」と言っていいものであった。経営者の姿を自分に重ねあわせ、作家・開高も戦場に向かう。アメリカが正義を旗印に介入した「ベトナム戦争」の渦中に身を投じる――。
真の経営者とはなにか。真の小説家とはなにか。そしてほんとうの友情とはなにか――開高はコピーライターとしての才能を花開かせ、在職中に芥川賞を受賞する。佐治が身を置いていたビジネスの世界は経営者が生命を懸けた戦いの場だが、なかでも昭和三十六年(一九六一)のビール事業進出、ビールの巨人三社(キリン、サッポロ、アサヒ)による寡占(かせん)に無謀な挑戦は、まさに「ビール戦争」と言っていいものであった。経営者の姿を自分に重ねあわせ、作家・開高も戦場に向かう。アメリカが正義を旗印に介入した「ベトナム戦争」の渦中に身を投じる――。
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2017/10/20
- 寸法10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-104062817314
- ISBN-13978-4062817318
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商品の説明
著者について
北 康利
昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ、東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家としてみずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞・累計47万部)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』、『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』(以上講談社) 、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『西郷隆盛 命もいらず 名もいらず』(WAC)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)などがある。
昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ、東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家としてみずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞・累計47万部)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』、『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』(以上講談社) 、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『西郷隆盛 命もいらず 名もいらず』(WAC)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2017/10/20)
- 発売日 : 2017/10/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 312ページ
- ISBN-10 : 4062817314
- ISBN-13 : 978-4062817318
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 461,604位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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昭和35年12月24日生まれ。東京大学法学部卒業後、昭和59年、富士銀行入行。平成11年、富士証券投資戦略部長就任。その後、みずほ証券財務開発部 長などを経て、平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。『白洲次郎―占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞、講談社)など著書 多数。関西学院大学非常勤講師(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『安奈淳物語 私は歌う、命ある限り』(ISBN-10:4569778399)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年5月18日に日本でレビュー済み
下巻は、佐治さんと開高さんの話が本格的に始まり、二人がどのような人生を歩んできたか、
それと同時にサントリーがどのように成長していくかが語られていきます。
良くも悪くも破天荒な時代を生きていた二人の人生は、熱くそして太いものであり、
とても心に残るものでした。
二人の別れのシーンは涙無くしては読めない感じでしたね。
あと、サントリーという会社のイメージが大きく変わりました。
創業家以外の人を経営者に選んだという事実の大きさに、改めて驚いたりしました。
いずれにせよ、とても懐の大きい会社だと感じました。
それと同時にサントリーがどのように成長していくかが語られていきます。
良くも悪くも破天荒な時代を生きていた二人の人生は、熱くそして太いものであり、
とても心に残るものでした。
二人の別れのシーンは涙無くしては読めない感じでしたね。
あと、サントリーという会社のイメージが大きく変わりました。
創業家以外の人を経営者に選んだという事実の大きさに、改めて驚いたりしました。
いずれにせよ、とても懐の大きい会社だと感じました。
2021年8月27日に日本でレビュー済み
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開高健という作家が気になり手に取った
サントリーの歴史も紐解かれており国内ウイスキー製造の葛藤、国内ビールシェアへの挑戦が描かれ、戦前後の酒造メーカーの今に至る前でも知れた。
以下知ったこと
ニッカの竹鶴はサントリー出身であった
阪急百貨店 ソーライス 貧乏な大衆も育って帰ってくる
白州はサントリー第二のウイスキ醸造所
佐治もはじめの妻をなくし、開高も愛人を事故で亡くしている
開高は春語でぼぼ高を意味する
サントリーの歴史も紐解かれており国内ウイスキー製造の葛藤、国内ビールシェアへの挑戦が描かれ、戦前後の酒造メーカーの今に至る前でも知れた。
以下知ったこと
ニッカの竹鶴はサントリー出身であった
阪急百貨店 ソーライス 貧乏な大衆も育って帰ってくる
白州はサントリー第二のウイスキ醸造所
佐治もはじめの妻をなくし、開高も愛人を事故で亡くしている
開高は春語でぼぼ高を意味する