全体的に学士論文、修士論文の延長線上の作品というイメージ。
既存のいろいろな知識を整理してはいるが、ポイントポイントの議論が印象論や、著者の限られた範囲での経験で語られるためか、知識を再構成して、あらたな知見を提示するものにはなっていない印象。
せっかくコンサルタントの方が書くものなのだから、サムスンはこうらしい、とかだけでなく、もっときちんとしたデータの整理をするべきだったと思う。
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グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる 単行本 – 2012/6/19
倉本 由香利
(著)
2013年、先進国と新興国の経済規模が逆転。
日本人の強みを生かして「失われた二〇年」を終焉させる、新しいグローバル化とは何か?
日本には世界的に必要とされる分野で、トップを走る技術がひじょうに多い。これらの技術を普及させることで、世界で起こっている水不足、エネルギーなどの課題や、貧困や病気などの問題を解決することができるだろう。新しい技術を普及させるには、世界で技術を標準化し、その周りに産業を立ち上げていく必要がある。そのために、世界中の企業や政府に働きかけて、技術の高さをアピールすると同時に、多様な分野のグローバルな企業を動かして事業開発をすることが必要となる。これらを可能とするのは、さまざまなバックグラウンドの人々の架け橋として活躍できるグローバル・エリートと、彼らを十分に活用できる組織である。彼らが日本企業で活躍することで、単に日本企業が経済的にメリットを得るだけでなく、日本発の技術により、世界中の人々の暮らしを豊かにしていくことができるだろう。
日本企業は1970年代に世界に製品を販売し、日本ブランドが浸透した。これがグローバル化の第一の波「販売のグローバル化」だ。1980年代後半から第二の波「生産のグローバル化」を迎え、製造拠点が海外移転していく。そして第三の波では組織全体がグローバル化する。その新しい時代には、一握りのグローバル・エリートが世界経済を牽引して富を生み出す。
じつは日本人は、グローバル・エリートになり得るスキルを世界でもっとも豊富に持っている。スキルとして必要な感受性、理解力、柔軟性、問題解決型思考力の高さは日本人の強みだ。しかし、オーナーシップ、ゼロベース構築力、説明力、粘り強さが日本人は弱い。そこをどう強めるかが日本の課題となる。
日本人だからこそできるグローバル化がある。日本企業の現場でグローバル化をリードする著者示す、グローバル人材を育成し、組織を変革するためのバイブル。
日本人の強みを生かして「失われた二〇年」を終焉させる、新しいグローバル化とは何か?
日本には世界的に必要とされる分野で、トップを走る技術がひじょうに多い。これらの技術を普及させることで、世界で起こっている水不足、エネルギーなどの課題や、貧困や病気などの問題を解決することができるだろう。新しい技術を普及させるには、世界で技術を標準化し、その周りに産業を立ち上げていく必要がある。そのために、世界中の企業や政府に働きかけて、技術の高さをアピールすると同時に、多様な分野のグローバルな企業を動かして事業開発をすることが必要となる。これらを可能とするのは、さまざまなバックグラウンドの人々の架け橋として活躍できるグローバル・エリートと、彼らを十分に活用できる組織である。彼らが日本企業で活躍することで、単に日本企業が経済的にメリットを得るだけでなく、日本発の技術により、世界中の人々の暮らしを豊かにしていくことができるだろう。
日本企業は1970年代に世界に製品を販売し、日本ブランドが浸透した。これがグローバル化の第一の波「販売のグローバル化」だ。1980年代後半から第二の波「生産のグローバル化」を迎え、製造拠点が海外移転していく。そして第三の波では組織全体がグローバル化する。その新しい時代には、一握りのグローバル・エリートが世界経済を牽引して富を生み出す。
じつは日本人は、グローバル・エリートになり得るスキルを世界でもっとも豊富に持っている。スキルとして必要な感受性、理解力、柔軟性、問題解決型思考力の高さは日本人の強みだ。しかし、オーナーシップ、ゼロベース構築力、説明力、粘り強さが日本人は弱い。そこをどう強めるかが日本の課題となる。
日本人だからこそできるグローバル化がある。日本企業の現場でグローバル化をリードする著者示す、グローバル人材を育成し、組織を変革するためのバイブル。
- 本の長さ306ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2012/6/19
- ISBN-104062821443
- ISBN-13978-4062821445
商品の説明
著者について
倉本 由香利
くらもと・ゆかり 1978年東京生まれ。2001年東京大学理学部物理学科卒業、2003年同物理学修士。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院にてMBA取得後、日本に帰国。現在はコンサルティングファームにおいて主に日本企業のグローバル化を支援する仕事に取り組んでいる。仕事のかたわら、グローバル化、技術経営、イノベーションについての研究・執筆活動を行う。ブログ「My Life After MIT Sloan」の筆者。
くらもと・ゆかり 1978年東京生まれ。2001年東京大学理学部物理学科卒業、2003年同物理学修士。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院にてMBA取得後、日本に帰国。現在はコンサルティングファームにおいて主に日本企業のグローバル化を支援する仕事に取り組んでいる。仕事のかたわら、グローバル化、技術経営、イノベーションについての研究・執筆活動を行う。ブログ「My Life After MIT Sloan」の筆者。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2012/6/19)
- 発売日 : 2012/6/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 306ページ
- ISBN-10 : 4062821443
- ISBN-13 : 978-4062821445
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,273,107位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,003位外交・国際関係 (本)
- - 15,800位実践経営・リーダーシップ (本)
- - 29,851位経営学・キャリア・MBA
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年7月10日に日本でレビュー済み
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2014年12月30日に日本でレビュー済み
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論旨(Thesis)はとてもいいと思う。
理由
明確で賛成と反対が分かれる
論旨:
「日本企業は組織をグローバル化することでもっと世界で活躍できる。
ただし、そのためには『グローバルエリート』が増える必要がある」
ただし、以下の点をするべき
1. ターゲットとする読者を明確にすべき
2. 目次も含めて全文をターゲットとする読者の数人にレビューしてもらい
修正点を指摘してもらう作業を最低3回はする
3. 索引をつける
以上は英語圏では当然とされる著者の作業であるが、
なぜしなかったのだろうか。
結果として、著書としては読むにたえないものになっている。
非常にもったいないと思う。
ぜひ、もう一度以上の作業を行って書き直して再出版をすべきだと思います。
理由
明確で賛成と反対が分かれる
論旨:
「日本企業は組織をグローバル化することでもっと世界で活躍できる。
ただし、そのためには『グローバルエリート』が増える必要がある」
ただし、以下の点をするべき
1. ターゲットとする読者を明確にすべき
2. 目次も含めて全文をターゲットとする読者の数人にレビューしてもらい
修正点を指摘してもらう作業を最低3回はする
3. 索引をつける
以上は英語圏では当然とされる著者の作業であるが、
なぜしなかったのだろうか。
結果として、著書としては読むにたえないものになっている。
非常にもったいないと思う。
ぜひ、もう一度以上の作業を行って書き直して再出版をすべきだと思います。
2012年6月24日に日本でレビュー済み
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コンサルティングファームからMITのMBAという王道のキャリアパスを歩んできた著者の処女作です。仕事や学生生活を通じて著者が考えた、グローバル社会におけるエリート像とその役割に対する考察が書かれています。
最も印象に残った点は、「日本が実はグローバル・エリートを輩出するのに適した国」と言い切っているところです。日本人は英語を話せる人が少なく議論が苦手であるなど、グローバル社会における日本人に対して悲観的な意見が多い中、全般的に日本人の可能性を高く評価している点がユニークです。
グローバル化を3つのフェーズに分けてその様子を解説している点、グローバル・エリートに必要な8つのスキルなど体系的に話が進むところが理解しやすいと感じました。
彼女が想像した「2025年にグローバル化に成功した日本企業のストーリー」が秀逸で、日本の企業がグローバル化に対して取り組むべき課題や解決策の全体像が理解できます。社内のコミュニケーションパターンの統一化や、新興国の現地採用で育成した人材にアフリカや中東などの地域の事業開発や運営を行わせるなど、著者のアイデアが随所に盛り込まれて、ぜひ日本からこのような会社が出てきてもらいたいと感じました。
日本人の強みや特性を活かしながらグローバルの変化に対応するために身につけなくてはいけないスキルや組織の考え方など、この本から得るものは大きいと思います。
最も印象に残った点は、「日本が実はグローバル・エリートを輩出するのに適した国」と言い切っているところです。日本人は英語を話せる人が少なく議論が苦手であるなど、グローバル社会における日本人に対して悲観的な意見が多い中、全般的に日本人の可能性を高く評価している点がユニークです。
グローバル化を3つのフェーズに分けてその様子を解説している点、グローバル・エリートに必要な8つのスキルなど体系的に話が進むところが理解しやすいと感じました。
彼女が想像した「2025年にグローバル化に成功した日本企業のストーリー」が秀逸で、日本の企業がグローバル化に対して取り組むべき課題や解決策の全体像が理解できます。社内のコミュニケーションパターンの統一化や、新興国の現地採用で育成した人材にアフリカや中東などの地域の事業開発や運営を行わせるなど、著者のアイデアが随所に盛り込まれて、ぜひ日本からこのような会社が出てきてもらいたいと感じました。
日本人の強みや特性を活かしながらグローバルの変化に対応するために身につけなくてはいけないスキルや組織の考え方など、この本から得るものは大きいと思います。
2012年6月23日に日本でレビュー済み
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私は海外売上比率の80%以上の製造業に勤務するエンジニアだからでしょうか、当たり前のようなことの羅列で、特に新しい気づきとか、考え方は得られなかったです。たとえば、グローバールエリートに求められる資質として、違いを感じる「感受性」、異文化・価値観への「理解力」、多様なやり方にあわせる「柔軟性」・・・などとありますが、それはそうでしょうね。という感じです。日本はシステム化や標準化に弱いとか、擦り合わせ型はグローバルには嫌われるとか、そういう話もよく聞く話だと思います。
私が従事する研究開発に関する記述でも、「最先端の技術開発は先進国で行う」「新興国の研究開発ではアプリケーションイノベーションに特化する」とありますが、すでに多くの会社ではそういう方向には向かっていて、先進国での技術開発に付加価値がつきにくくなった現状に対するヒントを期待した私にはちょっと物足りなかったです。日本は本当に世界的に必要とされる高度な要素技術を持っているのでしょうか、自然エネルギーとか本当に必要とされているのでしょうか・・・。
私が従事する研究開発に関する記述でも、「最先端の技術開発は先進国で行う」「新興国の研究開発ではアプリケーションイノベーションに特化する」とありますが、すでに多くの会社ではそういう方向には向かっていて、先進国での技術開発に付加価値がつきにくくなった現状に対するヒントを期待した私にはちょっと物足りなかったです。日本は本当に世界的に必要とされる高度な要素技術を持っているのでしょうか、自然エネルギーとか本当に必要とされているのでしょうか・・・。
2012年7月21日に日本でレビュー済み
twitterでRTをきっかけに拝読した(正確には中途挫折)。
コンサルの解析とはどんなものかという興味から読み始めたところ、
日本人を鼓舞する趣旨は判るが、思考次元が浅く読むに堪えなかった。
特に日本人論を織り込むのであればそれなりの覚悟をした上で筆を取るべきではなかったか、
例えば丸山眞男や浅田彰などの日本思想論や日本文化論の系譜を踏まえて、
単に「考えること(thinking)」ではなく、もっと掘り下げまとまりをもって蓄積していく「考えられたもの(thought)」に
すべきではなかったか。全般的にimpactがなく、また巷の自己啓発本と類似して本書の存在意義もない。
もっとも、日本人論や組織論を展開する著者が「既存のエリート組織」から飛び出してグローバルエリートとして起業した、
副業でグローバル事業を手掛けた、画期的な学術論文を書いた、若しくはエリート組織を創り出したなどの事実があれば、上記の限りでないがそうでもない。
著者の経歴を拝見するとかなりの知識と経験を積んでいると思うが、そもそも著者は「属する人」ではなく、「創る人」であるべきだと思う。
客観的にみると著者のアクション(当為)が先行すべきで本書をリリースするタイミングを間違えたように思う。
ただ、本書のサブタイトルである「個人が国家を超え、日本の未来をつくる」には賛成だ。
コンサルの解析とはどんなものかという興味から読み始めたところ、
日本人を鼓舞する趣旨は判るが、思考次元が浅く読むに堪えなかった。
特に日本人論を織り込むのであればそれなりの覚悟をした上で筆を取るべきではなかったか、
例えば丸山眞男や浅田彰などの日本思想論や日本文化論の系譜を踏まえて、
単に「考えること(thinking)」ではなく、もっと掘り下げまとまりをもって蓄積していく「考えられたもの(thought)」に
すべきではなかったか。全般的にimpactがなく、また巷の自己啓発本と類似して本書の存在意義もない。
もっとも、日本人論や組織論を展開する著者が「既存のエリート組織」から飛び出してグローバルエリートとして起業した、
副業でグローバル事業を手掛けた、画期的な学術論文を書いた、若しくはエリート組織を創り出したなどの事実があれば、上記の限りでないがそうでもない。
著者の経歴を拝見するとかなりの知識と経験を積んでいると思うが、そもそも著者は「属する人」ではなく、「創る人」であるべきだと思う。
客観的にみると著者のアクション(当為)が先行すべきで本書をリリースするタイミングを間違えたように思う。
ただ、本書のサブタイトルである「個人が国家を超え、日本の未来をつくる」には賛成だ。
2012年10月15日に日本でレビュー済み
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著者は「日本企業のグローバル化」支援しているコンサルタントの倉本由香利氏。私の周りの人の本書に対する評価が高いのと、そもそも興味のあるトピックなので、読んでみた。
日本人のグローバル化に関しては、藤井清孝氏の「グローバル・マインド」等の著書が、どちらかといえば個人の経験/視点に基づいて話している(その分、親しみやすい)が、本書はあくまでも学者/コンサル的な俯瞰的視点で課題と解決法を論じているので、少し固めの内容だが、日本企業および日本人のグローバル化に対する現時点での論点がほぼまとめられている、良書になっていると思う。
まず前半は「組織のグローバル化」と題して、日本企業のグローバル化の必要性や、今後グローバル化することの意味等を解説している。日本企業のグローバル化の必要性に関しては、既に10年前にコンサルティング会社等で指摘されていた(私自身も関わっていた)ことであり、新しさは無い。しかし、日本企業が過去にどのようにグローバル化してきたかを見せる事で、「日本企業はグローバル化に向かない」という悲観論を一刀両断しているのは痛快。また「組織のグローバル化を果たした日本企業の2025年の姿」を論じる事で、何を変えなくてはいけないかをイメージさせようとしているのも、新しくて面白い試み。
後半の「個人のグローバル化」では、デジタル化とグローバル化により、キャリアが「グローバル・エリート」と「ローカル・サポーター」に人材の二極化が既に進んでいる現実を見せながら、日本人が「グローバル・エリート」になる方法を模索している。日本人は欧米の「プッシュ型」のグローバルスタンダードではなく、日本人の特徴を活かして「プル型」を目指すべき、という論点は、今の「欧米を目指せ」的なグローバル化に一石を投じていると思う。
また「グローバル・エリート」に必要なスキルを「1感受性」、「2理解力」、「3柔軟性」、「4オーナーシップ」、「5ゼロベースの構築力」、「6問題解決型思考」、「7説明力」、「8粘り強さ」と定義し、日本人は2・3・6に優れているが、5・7が弱いと論じており、その弱みを強化するための方法を、あまりページは割かれていないが、提言している。
あえて難点を挙げれば、この本の読者が「グローバル・エリート」を目指しているという前提になっていることかもしれない。実は日本人/個人がグローバル化できていない一番大きな原因は、(グローバル化しなくても、そこそこの生活ができてしまうため)本気でグローバル化を目指していない所にあると思うが、その解決法に踏み込んでいないのが残念。また「日本にたくさんいるグローバルエリートをつなげるネットワーク」については、提言に留まっているのも残念。
というわけで、全体的にとてもよくまとまった良書。日本企業のグローバル化、個人のグローバル化について関心がある方は、新しい内容はそんなに多くないかもしれないが、まとめとして読んでおいて損は無い。
日本人のグローバル化に関しては、藤井清孝氏の「グローバル・マインド」等の著書が、どちらかといえば個人の経験/視点に基づいて話している(その分、親しみやすい)が、本書はあくまでも学者/コンサル的な俯瞰的視点で課題と解決法を論じているので、少し固めの内容だが、日本企業および日本人のグローバル化に対する現時点での論点がほぼまとめられている、良書になっていると思う。
まず前半は「組織のグローバル化」と題して、日本企業のグローバル化の必要性や、今後グローバル化することの意味等を解説している。日本企業のグローバル化の必要性に関しては、既に10年前にコンサルティング会社等で指摘されていた(私自身も関わっていた)ことであり、新しさは無い。しかし、日本企業が過去にどのようにグローバル化してきたかを見せる事で、「日本企業はグローバル化に向かない」という悲観論を一刀両断しているのは痛快。また「組織のグローバル化を果たした日本企業の2025年の姿」を論じる事で、何を変えなくてはいけないかをイメージさせようとしているのも、新しくて面白い試み。
後半の「個人のグローバル化」では、デジタル化とグローバル化により、キャリアが「グローバル・エリート」と「ローカル・サポーター」に人材の二極化が既に進んでいる現実を見せながら、日本人が「グローバル・エリート」になる方法を模索している。日本人は欧米の「プッシュ型」のグローバルスタンダードではなく、日本人の特徴を活かして「プル型」を目指すべき、という論点は、今の「欧米を目指せ」的なグローバル化に一石を投じていると思う。
また「グローバル・エリート」に必要なスキルを「1感受性」、「2理解力」、「3柔軟性」、「4オーナーシップ」、「5ゼロベースの構築力」、「6問題解決型思考」、「7説明力」、「8粘り強さ」と定義し、日本人は2・3・6に優れているが、5・7が弱いと論じており、その弱みを強化するための方法を、あまりページは割かれていないが、提言している。
あえて難点を挙げれば、この本の読者が「グローバル・エリート」を目指しているという前提になっていることかもしれない。実は日本人/個人がグローバル化できていない一番大きな原因は、(グローバル化しなくても、そこそこの生活ができてしまうため)本気でグローバル化を目指していない所にあると思うが、その解決法に踏み込んでいないのが残念。また「日本にたくさんいるグローバルエリートをつなげるネットワーク」については、提言に留まっているのも残念。
というわけで、全体的にとてもよくまとまった良書。日本企業のグローバル化、個人のグローバル化について関心がある方は、新しい内容はそんなに多くないかもしれないが、まとめとして読んでおいて損は無い。
2015年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グローバル化の状況とその中でどのような人材が求められ、グローバルに活躍するにはどのような資質が必要か、明確に示す内容となっています。単なる感想や思いではなく、丹念に集めた資料を元にして、事実を踏まえた書き方に信頼がおけます。
今大学や大学院で学び、広い世界で活躍しようと考えている若い人が読んでおくべき本だと感じました。
今大学や大学院で学び、広い世界で活躍しようと考えている若い人が読んでおくべき本だと感じました。
2012年9月4日に日本でレビュー済み
グローバル・エリートなら既に知っているか、既に実践済みだが、
グローバル・エリートにまだなっていない人は、
まだ知らないか、理解していないこと、をうまくまとめた本。
いかにもコンサルタントらしい、時代の半歩先を行く内容。
成功している企業が取り組み始めた事例、
世の中に登場し始めた比較的新しい概念やアイデアを
うまく組み合わせて、明るい未来を提案している。
既にどこかにあるアイデアをうまくまとめただけで
残念ながらイノベーティブな部分は無いというのは
ちょっと酷だろうか。
ここに書かれていることができたとしても、
成功するという保証はない。
グローバル・エリートにまだなっていない人は、
まだ知らないか、理解していないこと、をうまくまとめた本。
いかにもコンサルタントらしい、時代の半歩先を行く内容。
成功している企業が取り組み始めた事例、
世の中に登場し始めた比較的新しい概念やアイデアを
うまく組み合わせて、明るい未来を提案している。
既にどこかにあるアイデアをうまくまとめただけで
残念ながらイノベーティブな部分は無いというのは
ちょっと酷だろうか。
ここに書かれていることができたとしても、
成功するという保証はない。