NHK教育テレビで放送されている『爆笑問題のニッポンの教養』から生まれた企画本。第15回放送の「ひきこもりでセカイが開く時」(2007年10月30日放送)の内容を書籍化したもの。放送を観ずに本書だけを読んだ。
斎藤氏には、現役の精神科医としての顔と、サブカルチャー批評家としての顔がある。また、爆笑問題の太田氏には、「高校時代友人が1人もおらず、ほとんど誰ともしゃべらずに3年間を過ごした」という有名なエピソードがある。そのため本書も、同世代としての懐かしアニメの話に始まり、セカイ系、太田氏の半「ひきこもり」時代、自己愛・笑い・狂気について…と、この2人ならこういう話になるだろうなぁという展開を見せている。その合間合間に斎藤氏が精神分析家、ひきこもりの専門家としての情報提供を行ったり、太田氏の発言を専門家の言葉で言い換え位置づけ直したりしているのだが、最後まで「ひきこもり」の話がメインになることなく終わってしまった…、という印象。
「ひきこもり」の実態は世の中に知られていないと思うし、ほとんどの人は勝手なイメージで話をしているだけだと思う。そこに一石を投じるような内容を期待していただけに、正直ガッカリした。「ひきこもり」を扱った本としても、精神分析を扱った本としても、サブカルチャーを扱った本としても、全くもの足りない。本文中に数カ所挟まれている「斎藤先生によるコラム」と最後の「あとがきにかえて 感想」だけが面白かったのは、そのことの裏返しだと思う。
ちょっとこの内容では…。
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爆笑問題のニッポンの教養 ひきこもりでセカイが開く時 精神医学 単行本(ソフトカバー) – 2008/3/26
ひきこもり研究の第一人者に爆笑が絡む。 精神科医として治療に取り組む一方、時事・サブカルチャーなど幅広い評論も手がける斎藤環氏。ひきこもり、オタク、萌えなど現代の若者の心をめぐり、議論沸騰!
- 本の長さ144ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/3/26
- ISBN-104062826100
- ISBN-13978-4062826105
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/3/26)
- 発売日 : 2008/3/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 144ページ
- ISBN-10 : 4062826100
- ISBN-13 : 978-4062826105
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,384,956位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 59,626位医学・薬学・看護学・歯科学
- - 167,935位趣味・実用
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月9日に日本でレビュー済み
2011年6月17日に日本でレビュー済み
世間で騒がれているほど我々は「ひきこもり」のことをよくは知らないのかもしれない。言葉だけ聞くと、ひきこもりの人たちはずっと部屋にこもってゲームをやったりマンガを読んだりネットにはまっているのかと思っていた。しかしそうではないらしい。多くは、自分は何もしていないのに親の世話を受けていることに対して自縛的になる。だから一日中横になっていたり、ぼーっとしていたりで、パソコンをやっている人は少数のようである。
斎藤先生は精神科医としてひきこもりの治療をしている。一方では、作家としてひきこもりを擁護する文章も書いている。ひきこもりを執筆のための充電期間としていた文学者の例を出しながら、ある意味ではひきこもりを肯定している。
「ひきこもり=悪」とするのではなく、ひきこもりから脱したいという気持ちがありながらも、なかなかうまくいかない人の助けになる、そんな先生のスタンスに好感をもった。
大事なのは周囲の要求に自分を合わせることよりも、いかに自分で自分を認めるかということである。
タイトルの「ひきこもりでセカイが開く」というと言いすぎかもしれないが、まず今の自分を肯定したいと思う人は読んでみて損はないだろう。
斎藤先生は精神科医としてひきこもりの治療をしている。一方では、作家としてひきこもりを擁護する文章も書いている。ひきこもりを執筆のための充電期間としていた文学者の例を出しながら、ある意味ではひきこもりを肯定している。
「ひきこもり=悪」とするのではなく、ひきこもりから脱したいという気持ちがありながらも、なかなかうまくいかない人の助けになる、そんな先生のスタンスに好感をもった。
大事なのは周囲の要求に自分を合わせることよりも、いかに自分で自分を認めるかということである。
タイトルの「ひきこもりでセカイが開く」というと言いすぎかもしれないが、まず今の自分を肯定したいと思う人は読んでみて損はないだろう。
2008年11月21日に日本でレビュー済み
爆笑問題が「ひきこもり」の研究者と議論する。「ひきこもる」ことそれ自体は悪いことではない。多くの歴史に名を残した文学者などがひきこもりに近い日々を持っていたことに驚く。「なぜひきこもるのか」「ひきこもりは治すべきなのか」、ひきこもりは「四六時中自分について考えている状態」であるなど、あまり深く考えたことのない私に多くの新しい視点を提示してくれる面白い本だった。