中古品:
¥1,599 税込
無料配送 5月31日 金曜日にお届け(4 時間 52 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
中古商品: 良い | 詳細
発売元 m.others
コンディション: 中古商品: 良い
コメント: 2009年4月20日 第1刷。カバーがやや傷んでいますが、中は概ね良い状態です。
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

著者をフォロー

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

「幽霊屋敷」の文化史 (講談社現代新書) 新書 – 2009/4/17

3.7 5つ星のうち3.7 13個の評価

世界一有名な「幽霊屋敷」=ホーンテッド・マンションは、いかにして生まれたのか? ヨーロッパからアメリカを経て東京に至る、怪しさとトリックの秘密に光をあてる知的ツアーにご案内。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2009/4/17)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/4/17
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062879913
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062879910
  • カスタマーレビュー:
    3.7 5つ星のうち3.7 13個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
加藤 耕一
Brief content visible, double tap to read full content.
Full content visible, double tap to read brief content.

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう

カスタマーレビュー

星5つ中3.7つ
5つのうち3.7つ
13グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2024年5月6日に日本でレビュー済み
著者はゴシック建築の研究者。2024年現在は東京大学教授。
 本書は、ディズニーランドにあるホーンテッド・マンションというお化け屋敷について解き明かしたもの。
 施設内で幽霊が出現する仕掛けとその魅力が、具体的・詳細に説明されている。実際に訪れたことのあるひとにとっては、興味深いのではないか。
 あわせて、見世物としてのお化け屋敷の歴史も簡単に紹介される。18世紀イギリスのゴシック小説や、フランスで始まったファンタスマゴリー、マダム・タッソーの蝋人形館、アメリカのディズニーランドの歴史がとりあげられている。
 ただ、いずれも手短なものであり、それなりに知識のある読者には物足りないかもしれない。
 ホーンテッド・マンションについての本を書きたかったのか、西洋のお化け屋敷の伝統をまとめたかったのか、いささか焦点のぼやけた印象が残る。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 文化史と銘打っているので、TDLのホーンテッド・マンションを枕にして、現代文化にいまなお出没するゴシックの連綿たる思潮を語るのか、と思っていましたが、よく読んでみると、著者は建築畑の工学者。
 幽霊を演出する仕掛けのほうを、歴史的に追ってゆく、というのがメインの筋でした。
 テクノロジーがファンタジー(幻想)文学を作り、推進してきた、と感じる私にとっては、まさにツボにはまった本です。

 実際にホーンテッド・マンションに使われている仕掛けの本源をたどり、ファンタスマゴリー、ペッパーズ・ゴースト、マダム・タッソーなどを丁寧に取り上げながら、その間をゴシックの思潮やピクチャレスク、廃墟趣味などの、英文学的なラインで埋めてゆきます。

 廃墟趣味からゴシックロマンスが生まれ、幽霊を実際に目で見せられた人々が、ホラー小説や幻想文学を生み出し(というか、広く受け入れるようになり)、幽霊屋敷やシンデレラ城(ノイシュヴァンシュタイン城)といったテーマパークの建築が、子どもたちに妖精や魔法の想像力のテコ入れをし・・・・。
 五感に訴えるテクノロジーがさきにあって、ようやく想像力の文学が広く成立するのだと思います。

 映画や劇場はさすがに取り上げられていませんが、想像力の生じる「場」としての、自然界ならぬ建築の力、ありえざるものを生み出す、幻灯機に始まるヴァーチャル・リアリティのテクノロジー。
 ユニークな文学論として座右に置きたい本です。

 

 
 
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
恥ずかしながら本書を読むまで、本来の意味での「中世ゴシック建築」と、いわゆる「ゴシック」(”ゴシック的”、”ゴスロリ”、"ゴシック小説")が連想させる幅広い意味との間にある乖離について、無意識に違和感を覚えながら、意識的にはあまり深く考えてみたことがなかった。本書では、ルネッサンス以降に生じた「現実や日常とかけ離れ、かつどこかミステリアスな」ものに対する憧憬が、その時代の目で眺めた「中世ゴシック建築」をひとつの接地点ないしキーワードとして表現され、結果として後者の意味での「ゴシック」という概念が産まれるに至った過程が丁寧に説明されている。

それにしても、この普遍的な憧憬、「ここにはない、理解できない神秘的なもの」に対する憧憬の念は、いったいなんなのだろうか。それこそは、連綿として続く幻想小節や妖怪噺を育む土壌であろうし、あるいは怪談やUFO騒動を産む母体でもあるのだろう。それこそはまた、18世紀以降にファンタマゴリーなどのいわば"ゴシック的テクノロジー"を発明させた背景でもあるのだろうし、ひいては、それらの技術を結集したホーンテッドマンションを現代に誕生させるに至ったものでもあるのだろう。

したがって、ホーンテッドマンションを支える技術として、ホログラムなど現代のテクノロジーではなく、18世紀以降のファンタズマゴリーやペッパーゴーストなどをその基盤に据えたことは、全く正しい判断であったのだと思う。ひるがえって考えるに、現代において「ここにはない、理解できない神秘的なもの」に対する憧憬の念を具現化することは、なんと難しいのだろう。私自身もホーンテッドマンションを眺める視点のどこかに「どうせホログラフィーだろう」「CGを使えば何でもできる」とタカをくくっているところがあった。これは、全く不幸なことである。現代において、あの"憧憬の念"は、いったいどこにその着地点を見いだせばよいのだろうか。

本書を読んでいるしばしの間、このような役には立たないことを次々に考え、束の間楽しみに耽ることができた。これは、最近なかなか珍しいことである。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年5月9日に日本でレビュー済み
本書はゴシック建築(←なかでも柱?)を専門とし

現在は近畿大学工学部の専任講師である著者が

ディズニーランドの人気アトラクション『ホーンテッド・マンション』を出発点とし

そこに流れる『幽霊屋敷』の文化を、

建築史や文学史などの研究を参照しつつ描く意欲作。

18世紀に流行した、幽霊を見せる出し物『ファンタスマゴリー』

革命期に断頭台送りになった著名人のデスマスクを取り続けたマダム・タッソーなど

どの記述も興味深かったのですが

とりわけ興味深かったのが

18世紀のイギリスでは、廃墟がブームとなり

廃墟風の建物を設計する建築家が好評を博したというエピソード。

三崎亜記さんの小説で似たようなのがありましたが

実際にそうした人がいるなんて、本当に世界は広いなぁと思いました☆

特定のジャンルにとどまることなく

学際的、かつ、平易にゴシックを論じる本作。

建築史や文学史に関心がある方はもちろん

ホラー好き、ゴスロリ系の方まで

幅広く読んでいただきたい著作です☆☆
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年5月30日に日本でレビュー済み
ディズニーランドの人気アトラクション「ホーンテッドマンション」を中心に
「ゴシック」という観念を、文学、建築、歴史の観点で紹介した本。

この本は、ディズニーランドの「ホーンテッドマンション」についてと
「ゴシック」についてのふたつの柱で論じられた本です。
「ホーンテッドマンション」については、
アトラクションの製作の経緯、
製作者の意図、アトラクションの仕掛けなどが語られます。
「ゴシック」については、その言葉の原意、
18世紀の英国での流行などをメインとするゴシック小説についての論、
ファンタスマゴリーという幻灯機を使った出し物とその興行、
マダム・タッソーについてなどが論じられております。
それらふたつが絡まり合い、おもしろい読み物になっています。

ただアトラクション「ホーンテッドマンション」が作られた経緯には関係がないとはいえ
このアトラクションをもとにつくられた映画「ホーンテッドマンション」について
触れられていないことには違和感を感じました。

映画「ホーンテッドマンション」
ホーンテッドマンション 特別版 [DVD ]

またゴシック小説の基本は、こちらも面白かったです。
ゴシック小説をよむ (岩波セミナーブックス (78))
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年12月3日に日本でレビュー済み
 ゴシック・リヴァイヴァルに関しては、ケネス・クラークの『ゴシック・リヴァイヴァル』やクリス・ブルックスの『ゴシック・リヴァイヴァル』があるが、本書は後者の5章「ゴシック文学」を引用なしに用いていて、これは盗用にあたる。また墓地派詩人の部分は他の研究者の論文からほぼ丸写しであり、著作権を侵害した悪質な盗用である。小保方事件で研究の盗用は大きな問題となったが、これはまさに倫理的に問題のある著作で、いちから書き直すことが急務であろう。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年5月20日に日本でレビュー済み
「ゴシック」について、
私たちはよく分からないことが沢山あります。
それらを、歴史、文学、建築、科学の側面から、
丁寧に解きほぐした、
骨太の1冊です。
ゴシックという言葉は、
建築と文学では、随分意味が異なります。
ゴシックとは、
建築の過剰な装飾、中世的な神秘、畏怖の感覚から、
文学のロマン的な怪奇趣味へと転化していく、
ひとつの歴史・文化の流れであり、
ヨーロッパの近代化の中、
フランスとイギリスを貫き、
建築と文学を繋ぐ、
大きなテーマだったのです。
本書はその歴史的な経緯を丁寧に追いかけています。

前半は本格的な文学論で、
ちょっと重いなあという感想がありましたが、
本書、後半になると俄然テンポがよくなります。
特に5章「蝋人形とペッパーズ・ゴースト」で一気に引き込まれます。
マダム・タッソーについての記述は、抜群に面白いです。
同じく5章で説明されている「ペッパーズ・ゴースト」という技術は、
現在の「ホーテッテドマンション」にも用いられている画期的なものなのですが、
これも一気に読み進むことができます。
まるで手品の種明かしのようです。

著者は初めてTDLへ行った時は、
まだ子どもだったので、
その施設(ホーテッドマンション)の不思議の虜になり、
そこから本書を書くに至ったと最後に記述しています。
なるほど。
執筆の動機が本書の成功の理由だと感じました。
お勧めの1冊です。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年10月7日に日本でレビュー済み
本書はTDLのアトラクションであるホーンテッド・マンションについて述べられている。
その映像トリックと視覚的および心理的な効果についてである。
しかし、そのトリックの背景には、「幽霊屋敷」をめぐる歴史がある。
本書の眼目は、そこにある。

すなわち、「オトラントの城」をはじめとしたゴシック小説、ドイツを中心とした城、そして興業としてのホラーの歴史である。
本書には、それらが分かりやすく簡略化されて述べられている。

ここまでアトラクションの内側を解説しても良いのだろうか、と心配にもなるが、開園20年以上を経た今では知らない人のほうが少ないだろうことを考えると、それも杞憂かもしれない。
そして、本書を読んでからまたあのアトラクションを楽しむと、たぶんそれまでとはまた違った楽しみ方ができるのではないだろうか。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート