とても読みやすい文章で、内容的にも頷けるところが多々あります。
特に世間と社会の対比など、なるほど!と思いました。
自分は世間をあまり意識せず、社会の方に目が向いていることにも、この本を読んで気づかされました。
だから空気なんて読まない、というか読めない。
そのことで集団から浮いてしまって変人扱いされることも・・。
でもそのおかげで世間の中で空気を読むことの苦労をしなくて済んでいる、というメリットも感じます。
世間を意識して生きることをやめるととても楽になるのに、と
思います。
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「空気」と「世間」 (講談社現代新書) 新書 – 2009/7/17
鴻上 尚史
(著)
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「空気」の存在に怯えている人は多い。なぜ「空気」は怖いのか? その正体を探っていくと見えてきたのが、崩れかけた「世間」の姿だった……。人気の脚本・演出家が、阿部謹也、山本七平といった先人の仕事を現代に投影させながら、自分の体験や発見を踏まえた会心作! 「空気」と「世間」を知り、息苦しい現代日本を生きていくための方法を示します。(講談社現代新書)
人気脚本家が、空気と世間の正体に迫る! 確実にあるのに、その実体がよくわからない空気と世間。本書ではそのふたつの実体を実例や先行研究から明らかにするとともに、それに対抗するための方法を示す。
人気脚本家が、空気と世間の正体に迫る! 確実にあるのに、その実体がよくわからない空気と世間。本書ではそのふたつの実体を実例や先行研究から明らかにするとともに、それに対抗するための方法を示す。
- ISBN-104062880067
- ISBN-13978-4062880060
- 出版社講談社
- 発売日2009/7/17
- 言語日本語
- 寸法10.6 x 0.7 x 17.4 cm
- 本の長さ256ページ
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商品の説明
著者について
鴻上 尚史
作家・演出家。1958年愛媛県出身。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。87年「朝日のような夕日をつれて‘87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞。現在は、プロデュースユニットKOKAMI@networkと新たに若手の俳優を集めて旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動。
『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』『表現力のレッスン』『人生に希望をくれる12の物語』(以上、講談社)、『発声と身体のレッスン』(白水社)『僕たちの好きだった革命』(角川学芸出版)、『ヘルメットをかぶった君に会いたい』(集英社)、『俳優になりたいあなたへ』(ちくまプリマー新書)、『孤独と不安のレッスン』(大和書房)「ドン・キホーテ」シリーズ(扶桑社)他著書多数。
作家・演出家。1958年愛媛県出身。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。87年「朝日のような夕日をつれて‘87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞。現在は、プロデュースユニットKOKAMI@networkと新たに若手の俳優を集めて旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動。
『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』『表現力のレッスン』『人生に希望をくれる12の物語』(以上、講談社)、『発声と身体のレッスン』(白水社)『僕たちの好きだった革命』(角川学芸出版)、『ヘルメットをかぶった君に会いたい』(集英社)、『俳優になりたいあなたへ』(ちくまプリマー新書)、『孤独と不安のレッスン』(大和書房)「ドン・キホーテ」シリーズ(扶桑社)他著書多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/7/17)
- 発売日 : 2009/7/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4062880067
- ISBN-13 : 978-4062880060
- 寸法 : 10.6 x 0.7 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 114,596位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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イメージ付きのレビュー
5 星
「絶対的」では無く「相対的」に、周りの人達の顔色や反応を基準・規範にするのが世間の人達
世間からはみ出している私自身は、今後とも世間に属さず孤独に、世間の暗黙のルールにも従わず、束縛されず、空気も読まず、思想の上等で独立して自由を持ち続けようと思います。その為に世間から嫌われても一向に構わず、世間の欲望を満たす為の行動をするつもりは全く有りません。そんな私であるので、大きな会社や組織・グループは大の苦手で、その様な中にいるだけで却ってストレスが溜まってしまいます。 「こんな事をしたら笑われるわよ」と親が子供に叱る様に、「絶対的」な基準や規範を持たずに、周囲に存在する人達の顔色や反応を基にして、「相対的」に物事の判断や行動の決断をする人達が世間の人達である様に思います。 何が本当に正しくて何が本当は間違っているのかを子供を育てる親が解っていないのに、同様に学校の教師が解っていないのに、どうして子供を養育し教育する事が出来るのでしょうか。 自分を信じない、つまり自分に自信が無い世間の人達は、他人を信じる、他人の顔色や反応をあたかも神として崇めるかの様にして、自分の考えでは無く周囲の考え・流行・傾向・時流・空気に乗って行動しているに過ぎない様に思います。 空気を読むばかりで、笑われない様にしようとか嫌われない様にしようとかの「世間体」を気にするばかりで、自分の中に思想・自分の考えが無いのが世間の人達である様に思います。 永遠では無い「空気」は空虚で実体が無く、残らずに消えて無くなるもの。マスコミの作る世論や思想の傾向等は一時的なもので、何年か後でそれらを振り返って見てみると、ばかげていておかしなものが多いものです。 最近は通勤・通学の電車やバスの中でも携帯電話やスマートフォンをいじる人達が多く、特に学生は本を全く読まない様です。新聞すらも読まないその様な学生達の話の内容は、テレビのバラエティー番組と同様に軽薄な言葉ばかりを並べて中身の無い無意味で空虚な話であり、その様な話は私にとってはただの雑音にしか聞こえず、騒音としてしか感じません。 その様に空虚で無意味な言葉を発しながら口ばかりを動かしているので、考える事が無い。ものを考える時には、気持ちを沈めて黙する事が必要で、前ばかり見て反省もせず、時々立ち止まって後ろを振り返り沈思黙考する事が世間の人達には欠けている様に思います。 本当は唯一の神であるはずなのに、この世の中には様々な神や仏等が一応存在してると世間一般では言われています。そしてその一つだけが真実で他は全て間違っている宗教のその良し悪しはともかくとして、その信者達はそこで言われている事や教典をほぼ絶対視して自分の考えや物事に対する捉え方・判断、行動等に繋げています。 しかし、無神論者達の場合は自分にとって絶対視する事が出来るものを持っていない事もあって、前述の通りに周囲の顔色や反応を神として崇める様に見ている訳で有る様に思います。 キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の神は、旧約聖書の創造主・唯一神「ヤハウェ」を共通として「絶対的存在」です。世間と言う分野に属する様な人達の場合は、常に他人と比べて「相対的」に判断し、行動を決め、勝った・負けたと一喜一憂しているに過ぎない様に思います。そういう意味で私は最近は勝ったとか負けたとか気にする事自体が虚しく思え、そんな事はどうでもよいとさえ思っています。 因みに本書に書かれている、特にアメリカにおいてのキリスト教における福音派とリベラル派の違い。福音派の場合は聖書に書かれてある事は全て真実であるとし、中絶の禁止、同性婚の禁止、結婚まで純潔(処女・童貞)を守ると言う古き良きアメリカを取り戻そうと努めています。しかし一方のリベラル派は科学的な知見を基にして聖書に書かれてある事の中には真実では無く歴史的事実で無い神話や寓話が含まれていると主張し、且つ進化論を認めています。そしてそのリベラル派はマリアの処女懐胎やイエス・キリストの復活をもその科学的知見によって否定しようとしており、そうなるとリベラル派はエホバの証人(ものみの塔)やモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)、統一教会(世界基督教統一神霊協会)等の新興宗教と同じで正にキリスト教紛い(まがい)で偽物であると思います。 エホバの証人やモルモン教がイルミナティ・フリーメーソンによって設立された様に、キリスト教リベラル派も同じではないかと思います。キリスト教の破壊を企むユダヤ・エージェントのマラノの侵入も考えられます。 人間が作った科学が最高のものでは無く科学を超える自然や宇宙が存在し、その自然や宇宙をも超えるのが「絶対的存在」である創造主・唯一神であるのです。人間には到底不可能と思える様な事、人間の常識では考えられない事、不思議な事を、創造主である唯一神ならば出来る訳です。 周囲の顔色や反応を信じるのは最もレベルが低い人達。その人達よりもレベルが高いのが自分を信じて自分の考えで行動する人達。しかしそれよりももっとレベルが高いのは、神を信じて神に委ねる人達。 世間や空気を日々批判的に見て捉えている私にとって、本書には共感する事が多く書かれています。 世間の特徴として、根拠・理屈の無い神秘性、呪術的しきたり、差別的で排他的、集団主義的で個人の不在、多数派の意見に迎合、変革が不可能、儀式・形式重視、権力性、議論を拒否する空気の存在、抑圧としての存在、等々・・・・・・。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月2日に日本でレビュー済み
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2024年5月29日に日本でレビュー済み
役職定年、再雇用で働いています。
役職定年前は課長、部長を経験しました。
まとまりのない係、課はどうしてこうなのだろうか?、と考えさせられました。
業績評価をきっかけに、部としての目標を課長さん方と作り、課長さん方に課の目標を作ってもらいましたが、その内容を見て、ハッと気づきました。
「空気と世間」だ。
目標が漫然としていて、職員がどっちの方向を向いたら良いのかわからない組織はまとまりがない。
当然、目標の修正をお願いしますが、「空気」を作れないので依然としてまとまりがない。
目標の完成度とは違う「空気」が作れない。
「雰囲気」と言っても良いのですが、この場合、「空気」の方がしっくりくる。
作中に出てくる、「大物司会者」がいない組織。
それならそれで、徹底した「社会」を作れば良いのですが、日本の場合、社会だけではうまくいかない。
そんなことを教えてくれた本です。
追伸)第一章は、「大物司会者」を「課長」、「部長」に置き換えると笑えない(^◇^;)
役職定年前は課長、部長を経験しました。
まとまりのない係、課はどうしてこうなのだろうか?、と考えさせられました。
業績評価をきっかけに、部としての目標を課長さん方と作り、課長さん方に課の目標を作ってもらいましたが、その内容を見て、ハッと気づきました。
「空気と世間」だ。
目標が漫然としていて、職員がどっちの方向を向いたら良いのかわからない組織はまとまりがない。
当然、目標の修正をお願いしますが、「空気」を作れないので依然としてまとまりがない。
目標の完成度とは違う「空気」が作れない。
「雰囲気」と言っても良いのですが、この場合、「空気」の方がしっくりくる。
作中に出てくる、「大物司会者」がいない組織。
それならそれで、徹底した「社会」を作れば良いのですが、日本の場合、社会だけではうまくいかない。
そんなことを教えてくれた本です。
追伸)第一章は、「大物司会者」を「課長」、「部長」に置き換えると笑えない(^◇^;)
2023年10月16日に日本でレビュー済み
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先人の業績に敬意を持ちつつ、わかりやすい文章で現在の社会を分析してみせる、素敵な評論文。受験を控えている高校生には特におすすめ。評論を読むことが、自分の生きにくさを理解し、克服する助けとなることを実感できます。受験によく出る近代という時代への批判ベクトルの文章を読み解く一助にもなる。ホントにおすすめ
2020年6月7日に日本でレビュー済み
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連日のコロナ報道のなかで、日本人の同調性が強調・揶揄されている。これを受け、その同調性とは一体どのようなもので、何に起因するものなのか、急に疑問がふつふつと沸き、本著を手に取るに至った。
結論、筆者が主張する「空気」とはすなわち、”世間感”から染み出したものであり、それは昔の稲作文化を契機として、また日本の宗教事情も相まって今なお色濃く残っている、と述べられている。
・空気=世間を構成する5つのルールのうち、いくつかだけが機能している状態。世間までは確固とした強制力はないけれど、十分にその要素を含みながら流れている感覚、だろうか。
・世間=下記5つのルールのうえに成り立つ共同体の在り方
①「贈与・互酬の関係」→何かもらったら必ず返す。
②「長幼の功」→年上が偉い。
③「共通の時間意識」→同じ時間を生きている ※企業間での「お世話になります」の例が興味深かった。
④「差別的で排他的」→仲間外れを意識・無意識的に醸成する
⑤「神秘性」→根拠のない しきたり、迷信、伝統
この世間は、稲作という経済的な要請(水利、一斉の田植・収穫・台風への備え)に起源があるという主張は、実は本著以外でも多く述べられている。しかし、私がその度に疑問に思っていたのが、当時の村文化がなぜ現代の日常生活まで深く根付いているのか?という点だ。教育システムもその一端を担っているのは間違いないが、何か判然としないものがあった。
そこで本著が指摘しているのが宗教観だ。つまり、一神教を信仰している民族は、神と個の絶対的な繋がりがあり、そこに人間同士の横のつながりが、個の意思決定に入り込む余地は少ない。しかし、日本人の多くは神というセーフティネットを持っていないため、その代わりに世間という感覚を持ち込むによって、判断の妥当性が支えられている、というもの。逆説的にいうと、欧米もキリスト教の信仰がなければ、もっと世間に生きていた筈、と述べられている。
これは反論の余地も多いにありそうな見解であるが、個人的には稲作文化だけに根拠を委ねるより、納得のいくものであった。
その他にも、世間は必ずしも悪ではない、という姿勢に拠りながらも
・みんな言っている=全員ではありえないこと
・老人の昔はクーラーなくとも平気であった=ただクーラーが存在しなかっただけ。美徳ではない。
・空気があっても、言いたいことは言う、ぐらいの個人の強さはあってもいい
・他人の迷惑になるか否かは欲望をぶつけあわないとわからない、求められるのは相手を思いやる能力だけでなく、相手とちゃんと交渉できる能力
といったような痛快な主張が多く、今後の自分の思考・行動を律することにも役立てたいと感じる。
子育てをする親御様にとっても、お子さんをどのように世間・空気と関わらせていくか、有益な教科書の一冊になるのではないか。
結論、筆者が主張する「空気」とはすなわち、”世間感”から染み出したものであり、それは昔の稲作文化を契機として、また日本の宗教事情も相まって今なお色濃く残っている、と述べられている。
・空気=世間を構成する5つのルールのうち、いくつかだけが機能している状態。世間までは確固とした強制力はないけれど、十分にその要素を含みながら流れている感覚、だろうか。
・世間=下記5つのルールのうえに成り立つ共同体の在り方
①「贈与・互酬の関係」→何かもらったら必ず返す。
②「長幼の功」→年上が偉い。
③「共通の時間意識」→同じ時間を生きている ※企業間での「お世話になります」の例が興味深かった。
④「差別的で排他的」→仲間外れを意識・無意識的に醸成する
⑤「神秘性」→根拠のない しきたり、迷信、伝統
この世間は、稲作という経済的な要請(水利、一斉の田植・収穫・台風への備え)に起源があるという主張は、実は本著以外でも多く述べられている。しかし、私がその度に疑問に思っていたのが、当時の村文化がなぜ現代の日常生活まで深く根付いているのか?という点だ。教育システムもその一端を担っているのは間違いないが、何か判然としないものがあった。
そこで本著が指摘しているのが宗教観だ。つまり、一神教を信仰している民族は、神と個の絶対的な繋がりがあり、そこに人間同士の横のつながりが、個の意思決定に入り込む余地は少ない。しかし、日本人の多くは神というセーフティネットを持っていないため、その代わりに世間という感覚を持ち込むによって、判断の妥当性が支えられている、というもの。逆説的にいうと、欧米もキリスト教の信仰がなければ、もっと世間に生きていた筈、と述べられている。
これは反論の余地も多いにありそうな見解であるが、個人的には稲作文化だけに根拠を委ねるより、納得のいくものであった。
その他にも、世間は必ずしも悪ではない、という姿勢に拠りながらも
・みんな言っている=全員ではありえないこと
・老人の昔はクーラーなくとも平気であった=ただクーラーが存在しなかっただけ。美徳ではない。
・空気があっても、言いたいことは言う、ぐらいの個人の強さはあってもいい
・他人の迷惑になるか否かは欲望をぶつけあわないとわからない、求められるのは相手を思いやる能力だけでなく、相手とちゃんと交渉できる能力
といったような痛快な主張が多く、今後の自分の思考・行動を律することにも役立てたいと感じる。
子育てをする親御様にとっても、お子さんをどのように世間・空気と関わらせていくか、有益な教科書の一冊になるのではないか。
2013年3月23日に日本でレビュー済み
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思い込みが激しい人なんだなと思いました。
日本人ならもう少し違った感覚があると思います。
日本人ならもう少し違った感覚があると思います。
2023年9月25日に日本でレビュー済み
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他の文献からの引用も多く、新鮮味はあまり感じませんでしたが「わかるわかる」の内容でした。私自身はあまりそういうタイプではありませんが、「場の空気に逆らえない」タイプの方が読むと、目からウロコかもしれません。
2019年6月11日に日本でレビュー済み
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NHKBS「クールジャパン」は大好きな番組です。
が外国人から見たニッポンのサプライズをテーマに取り上げ、様々な意見を討論します。
日本の事物の見方が納得、驚愕、意外で改めて日本をみなすことになります。
この番組のMCが鴻上尚史さんで、劇作家・演出家の他、ラジオ、TVでも活躍しておられます。
この本は、鴻上さんの体験とキャリアを通じて「世間と空気」を解き明かしています。
空気と世間を論じることにより見事な日本人論・日本論になっています。
明治時代に、「個人」「社会」という言葉が輸入されました。
欧米では、中世ヨーロッパのキリスト教の告解を通じて、絶対的な存在である「神」と対峙することにより「個人」が確立します。
個人を規定するのは神のみであり周囲ではありません。
この個人が「法」を通じて「社会」が形成されました。
日本には、絶対的な神はなく、社会もありません。
社会は、公的な資料や書物にしか存在しません
あるのは「世間」とその中での序列に従う構成員だけで、行動規範は、所属する世間の掟、ルールです。
会社、派閥、クラブ活動、政治団体、官僚機構などあらゆる集団・団体・組織がそうです。
世間のルールは、1.贈与・互酬の関係(持ちつ持たれつ)、2.長幼の序、3.共通の時間意識(お互い、同じ時間を生きているという意識)、4.差別的で排他的、5.神秘性(合理性のないことが信じられ、守ることが求められる)の5つがあります。
世間は処世上、絶対的な存在として、自分を支え、守ってくれるもので、利害関係のある人々の集団です。
それは、個人を支えるものである一方、個人を抑圧するものでもあります。
世間はうっとおしく思う反面、暗黙のルールに従ってさえいれば自分を守ってくれます。
都市化、グローバル化によって段々「世間」が壊れてきており、その中で「世間」は流動化し、中途半端に壊れています。
この中途半端に壊れた世間を鴻上さんは「空気」と呼びます。
壊れた「世間」にかわって現在の日本人、とくに若い人たちを支配して猛威をふるっているのが「空気」だという指摘します。
空気が支配する集団が、おぞましい方向に暴走するのがいじめ問題、ネットのバッシングなどです。
空気に対抗する処方も書かれています。
この本は、山本七平「空気の研究」、阿部謹也「世間とはなにか」に触発され参考にしています。
この本には紹介されていませんが、いじめについては精神科医・中井英夫先生の「虚無への供物」に、いじめのメカニズムが見事に解明されています。
鴻上さんは、この本をいじめに苦しんでいる中学生にまで読んでほしい、とあとがきに書いています。
が外国人から見たニッポンのサプライズをテーマに取り上げ、様々な意見を討論します。
日本の事物の見方が納得、驚愕、意外で改めて日本をみなすことになります。
この番組のMCが鴻上尚史さんで、劇作家・演出家の他、ラジオ、TVでも活躍しておられます。
この本は、鴻上さんの体験とキャリアを通じて「世間と空気」を解き明かしています。
空気と世間を論じることにより見事な日本人論・日本論になっています。
明治時代に、「個人」「社会」という言葉が輸入されました。
欧米では、中世ヨーロッパのキリスト教の告解を通じて、絶対的な存在である「神」と対峙することにより「個人」が確立します。
個人を規定するのは神のみであり周囲ではありません。
この個人が「法」を通じて「社会」が形成されました。
日本には、絶対的な神はなく、社会もありません。
社会は、公的な資料や書物にしか存在しません
あるのは「世間」とその中での序列に従う構成員だけで、行動規範は、所属する世間の掟、ルールです。
会社、派閥、クラブ活動、政治団体、官僚機構などあらゆる集団・団体・組織がそうです。
世間のルールは、1.贈与・互酬の関係(持ちつ持たれつ)、2.長幼の序、3.共通の時間意識(お互い、同じ時間を生きているという意識)、4.差別的で排他的、5.神秘性(合理性のないことが信じられ、守ることが求められる)の5つがあります。
世間は処世上、絶対的な存在として、自分を支え、守ってくれるもので、利害関係のある人々の集団です。
それは、個人を支えるものである一方、個人を抑圧するものでもあります。
世間はうっとおしく思う反面、暗黙のルールに従ってさえいれば自分を守ってくれます。
都市化、グローバル化によって段々「世間」が壊れてきており、その中で「世間」は流動化し、中途半端に壊れています。
この中途半端に壊れた世間を鴻上さんは「空気」と呼びます。
壊れた「世間」にかわって現在の日本人、とくに若い人たちを支配して猛威をふるっているのが「空気」だという指摘します。
空気が支配する集団が、おぞましい方向に暴走するのがいじめ問題、ネットのバッシングなどです。
空気に対抗する処方も書かれています。
この本は、山本七平「空気の研究」、阿部謹也「世間とはなにか」に触発され参考にしています。
この本には紹介されていませんが、いじめについては精神科医・中井英夫先生の「虚無への供物」に、いじめのメカニズムが見事に解明されています。
鴻上さんは、この本をいじめに苦しんでいる中学生にまで読んでほしい、とあとがきに書いています。
2020年7月18日に日本でレビュー済み
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日本人は自分が所属する組織や仲間に対してはとても大切にし貢献する。
しかし、それの外の人に対してはとても冷たくなる。
このことをよく解説している本だと思う。
なぜ財務省が、多くの国民を犠牲にして消費税を値上げしたがるのか?
なぜ外務省が海外の邦人を守ることに消極的なのか?
彼らにとって世間である省内は大切であっても、国民はどうでもいいのである。
世間の概念を当てはめてみるとよくわかる。
しかし、それの外の人に対してはとても冷たくなる。
このことをよく解説している本だと思う。
なぜ財務省が、多くの国民を犠牲にして消費税を値上げしたがるのか?
なぜ外務省が海外の邦人を守ることに消極的なのか?
彼らにとって世間である省内は大切であっても、国民はどうでもいいのである。
世間の概念を当てはめてみるとよくわかる。