この本を読むと、中国を理解するのが、(日本人にとって)どれほど難しいのか
よくわかります。私も中国で数年働き、業務は中国語で行うが、
「なぜ、そのように考えるのか?」
「なぜ、そのように行動するのか?」
あまりに、日本人のそれと違うので、仕事上でも葛藤の連続である。
言語の問題というより、(当たり前ですが、、、)文化そのモノが、違うなとつくづく感じていました。
この著作を読み、「潜規則」に関して、おぼろげながら、理解できるものの、
その習慣を受け入れることは、到底できません。そして、
どのように、対処していけばいいのか、、、まるでわかりません。
ただ、なぜ、中国で文革のような、何千万人も犠牲となった事件、運動が起こった理由がわかった気がします。
それは、潜規則に代表されるような、不透明で、理解し難い、慣習が脈々と受け継がれているからだと思います。
日本での中国の事件に対する報道は、どこか、見下したような、失笑が含まれていますが、
こういう著作を読むと、「笑えない」現実が、中国にあるのだと、つくづく思います。
¥836¥836 税込
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中国社会の見えない掟─潜規則とは何か (講談社現代新書 2123) 新書 – 2011/9/16
加藤 隆則
(著)
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潜規則を知らずに中国は理解できない!
特派員のディープな取材から見えてきた中国社会を動かす「潜規則」とは!?
真実よりも優先される面子、法よりも優先される権力、形だけの裁判、言論弾圧の真実。その背景には共産党よりはるか昔から中国社会を覆う掟の存在があった。
2011年7月に起きた高速鉄道事故の背景にも潜規則は存在する!
特派員のディープな取材から見えてきた中国社会を動かす「潜規則」とは!?
真実よりも優先される面子、法よりも優先される権力、形だけの裁判、言論弾圧の真実。その背景には共産党よりはるか昔から中国社会を覆う掟の存在があった。
2011年7月に起きた高速鉄道事故の背景にも潜規則は存在する!
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2011/9/16
- 寸法10.8 x 1.3 x 17.4 cm
- ISBN-104062881233
- ISBN-13978-4062881234
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商品の説明
著者について
1962年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1986~87年、北京で語学留学。88年、読売新聞入社。東京社会部で司法、皇室を担当。2005年7月~11年3月まで上海支局長。11年6月から読売新聞中国総局長。共著書に、『中国環境報告』(日中出版)、『メガチャイナ』(中公新書)など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/9/16)
- 発売日 : 2011/9/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 288ページ
- ISBN-10 : 4062881233
- ISBN-13 : 978-4062881234
- 寸法 : 10.8 x 1.3 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 877,568位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,509位講談社現代新書
- - 6,569位社会一般関連書籍
- - 7,055位その他の思想・社会の本
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
明文化されていない潜規則の実態。
.中国社会を動かしている「面子」を定義することは難しいが例えば、北京の役人が制限速度35マイルの道路を60マイルで走ることが出来る時、彼は大いに面子があるという。(林悟堂)
個人的関係や相手の顔と云ってもいい。
権力が個人に集中する中国では、面子は組織よりも個人に帰属する。
治安を担う警察(大きい面子)は裁判所(小さい面子)より高位にある。(司法は実質的には党が支配している黒箱である)
また、当初の人民警察という面子は一党独裁の長期化により権勢を振りかざす面子ばかりが増長している。
中国の刑事司法は警察が食事を作り、検察が運び、裁判所が食べると言われている。
.法治については、儒家(情理)と法家(重刑主義)の流れがあるが儒教文化が否定され市場経済化が進んだ結果「分」と遊離した「名」だけが肥大化し、世俗的な権力=金力が結びつき歪な形に変質している。
また、中国社会には特定集団の利益を擁護するための見えない排他的ルールが根付いている。
.日本の贈収賄構造は職務権限を下に役人、政治家、業者が一対一で繋がっているが中国では、権力をバックとする利益共同体が国有財産を私物化して分配するため民間は単なる利権の運び役である。
そして、それは家族、親族、知人、地縁、血縁によって深く根を下ろした人的ネットワークが再強化される仕組みでもある。
.一流校に入学させるためには、学力以外に権力者との関係が必要でありそしてそれは金である。入学後も教師に付け届けが必要である。登記、税務、税関等で不利益を受けないよう関係機関への接待や贈り物は不可欠である
.中国メディアは党の「喉と舌」として世論を誘導する任を負う。
以下、驚きの事実が続くがキリがない。日本とは異なる国情にビックリ(かって、我が国においても似たような例はあった)するがアメリカンスタンダードとは今後どう折り合いを付けていくのだろうか。興味津々である。
ジャーナリストとは、喉と舌の人であるがこの人は珍しく「見る人」であり今後を注目したい。
.中国社会を動かしている「面子」を定義することは難しいが例えば、北京の役人が制限速度35マイルの道路を60マイルで走ることが出来る時、彼は大いに面子があるという。(林悟堂)
個人的関係や相手の顔と云ってもいい。
権力が個人に集中する中国では、面子は組織よりも個人に帰属する。
治安を担う警察(大きい面子)は裁判所(小さい面子)より高位にある。(司法は実質的には党が支配している黒箱である)
また、当初の人民警察という面子は一党独裁の長期化により権勢を振りかざす面子ばかりが増長している。
中国の刑事司法は警察が食事を作り、検察が運び、裁判所が食べると言われている。
.法治については、儒家(情理)と法家(重刑主義)の流れがあるが儒教文化が否定され市場経済化が進んだ結果「分」と遊離した「名」だけが肥大化し、世俗的な権力=金力が結びつき歪な形に変質している。
また、中国社会には特定集団の利益を擁護するための見えない排他的ルールが根付いている。
.日本の贈収賄構造は職務権限を下に役人、政治家、業者が一対一で繋がっているが中国では、権力をバックとする利益共同体が国有財産を私物化して分配するため民間は単なる利権の運び役である。
そして、それは家族、親族、知人、地縁、血縁によって深く根を下ろした人的ネットワークが再強化される仕組みでもある。
.一流校に入学させるためには、学力以外に権力者との関係が必要でありそしてそれは金である。入学後も教師に付け届けが必要である。登記、税務、税関等で不利益を受けないよう関係機関への接待や贈り物は不可欠である
.中国メディアは党の「喉と舌」として世論を誘導する任を負う。
以下、驚きの事実が続くがキリがない。日本とは異なる国情にビックリ(かって、我が国においても似たような例はあった)するがアメリカンスタンダードとは今後どう折り合いを付けていくのだろうか。興味津々である。
ジャーナリストとは、喉と舌の人であるがこの人は珍しく「見る人」であり今後を注目したい。
2017年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本にも見えない掟は存在するが、中国のそれは日本以上のものであり、彼らの国際観及び民族観に今だ強い影響を及ぼし、国内においては人が法を超越した存在となっている現状を著者は指摘している。日本人と似ているようで大きく異なる中国人の言動の根底を理解するには「潜規則」の理解が必須で、もはや一つの理論であると思う。この本は中国の表面からは決して見えてこない核心に迫る良書であり、学術書としてもお勧めできる内容である。一方で決して難しい文章ではないため、既に中国に関係する方、これから中国に渡航予定のある方にはぜひともお読みいただきたい。
2013年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
潜規則とは「社会集団の明文化された規定の裏で、実際に通用している隠れルール」(呉思氏)であって、
これについての簡単な解説から本書は始まる。
しかし、著者のこれまでの取材内容について事例を延々と説明しているが(量は多い)、
結局のところ、その潜規則はどういうもので、それに我々日本人がどのように対峙していくべきかについての記述が少ない。
呉思氏の著書の中国での話題性に便乗して、似たようなタイトルを付けただけでないだろうか?
石平氏 中国人の正体 や 中国人の嘘にだまされない 7つの方法 (宝島SUGOI文庫) を
読んだ方がよほど要点が整理されていて、コストパフォーマンスが良い。
本書は、タイトルと前書きこそ魅力的だが、中身は、よく聞く中国人ルポの列挙に過ぎない。
これについての簡単な解説から本書は始まる。
しかし、著者のこれまでの取材内容について事例を延々と説明しているが(量は多い)、
結局のところ、その潜規則はどういうもので、それに我々日本人がどのように対峙していくべきかについての記述が少ない。
呉思氏の著書の中国での話題性に便乗して、似たようなタイトルを付けただけでないだろうか?
石平氏 中国人の正体 や 中国人の嘘にだまされない 7つの方法 (宝島SUGOI文庫) を
読んだ方がよほど要点が整理されていて、コストパフォーマンスが良い。
本書は、タイトルと前書きこそ魅力的だが、中身は、よく聞く中国人ルポの列挙に過ぎない。
2018年1月21日に日本でレビュー済み
隣の国ではあるが、人も社会も政治も、日本とはまったく別の行動原理で動いていることが書いてある。おもしろかった。
2011年11月15日に日本でレビュー済み
外交や政策など大局的な見地では無く、庶民の目から見た中国を知りたくて読んだ。
内容としては、杜甫や魯迅らの言葉を紹介しつつ中国を分析する論文的な部分と、無差別殺人など具体的事件を通して実情を報告する生々しい部分に分けられる。二つの部分は交互に登場し、全体の割合は2:3といったところか。個人的には9割以上を生々しい部分で構成して欲しかったが、それでも読む価値は十分にあった。
印象に残ったところは、まず、農村の池で腐乱死体が見つかった事件。「この死体は私の家族に違いない」と主張する農民に、警察は「我々には予算がない。2万元を出せばDNA鑑定ができる」と言う。1元12円として24万円。これは農民1人当たりの年収の20年分に相当する額だ。もちろん払える訳がなく、DNA鑑定されずに逮捕された「容疑者」は、後に冤罪だと判明する。
また、例えば裁判をみると、中国は2審制だが、その上に司法を取り仕切る共産党の「政法委員会」があり、重要事件では判決の量刑も決める。政法委に民主的な合議手続きは無く、トップの意向で判決内容を決められる。裁判所も共産党に支配されていると言われる理由だ。日本の司法は「推定無罪」(足利事件や東電OL殺人事件など自分で考える力を失ったいい加減な判決があるとはいえ)だが、中国は治安優先のため「推定有罪」。黙秘権は無く、容疑者への拷問が原因とみられる派出所内での変死事件もしばしば発生している。死刑囚の臓器は死刑後、移植され、裁判所の収入源になっている。
このほかにも驚くべき中国の常識が登場する。論文的な部分に一部退屈な箇所もあるが、データの出自は完全に記されていて、内容は信頼できる。中国は恐ろしい国だが、対立することは百害あって一利なしとも思う。本書には、庶民や学識者の立場で反共産党的な正論を言う気骨ある人も登場し、共感させられる。放射能では無いが、正しく中国を怖がるために、必要な材料を与えてくれる好著だ。
内容としては、杜甫や魯迅らの言葉を紹介しつつ中国を分析する論文的な部分と、無差別殺人など具体的事件を通して実情を報告する生々しい部分に分けられる。二つの部分は交互に登場し、全体の割合は2:3といったところか。個人的には9割以上を生々しい部分で構成して欲しかったが、それでも読む価値は十分にあった。
印象に残ったところは、まず、農村の池で腐乱死体が見つかった事件。「この死体は私の家族に違いない」と主張する農民に、警察は「我々には予算がない。2万元を出せばDNA鑑定ができる」と言う。1元12円として24万円。これは農民1人当たりの年収の20年分に相当する額だ。もちろん払える訳がなく、DNA鑑定されずに逮捕された「容疑者」は、後に冤罪だと判明する。
また、例えば裁判をみると、中国は2審制だが、その上に司法を取り仕切る共産党の「政法委員会」があり、重要事件では判決の量刑も決める。政法委に民主的な合議手続きは無く、トップの意向で判決内容を決められる。裁判所も共産党に支配されていると言われる理由だ。日本の司法は「推定無罪」(足利事件や東電OL殺人事件など自分で考える力を失ったいい加減な判決があるとはいえ)だが、中国は治安優先のため「推定有罪」。黙秘権は無く、容疑者への拷問が原因とみられる派出所内での変死事件もしばしば発生している。死刑囚の臓器は死刑後、移植され、裁判所の収入源になっている。
このほかにも驚くべき中国の常識が登場する。論文的な部分に一部退屈な箇所もあるが、データの出自は完全に記されていて、内容は信頼できる。中国は恐ろしい国だが、対立することは百害あって一利なしとも思う。本書には、庶民や学識者の立場で反共産党的な正論を言う気骨ある人も登場し、共感させられる。放射能では無いが、正しく中国を怖がるために、必要な材料を与えてくれる好著だ。
2011年9月24日に日本でレビュー済み
旧共産圏を訪れた人は、自分が別世界の人間として「区別」され、その国の人々が外国人には見えない、全く異なった規則のもとに生きていることに恐れを感じた経験があるに違いない。現代中国においては、それは「潜規則」と呼ばれる、「中国人の実生活を現実的に規制するルール」である。
著者によれば、この言葉は、ここ10年くらいの間にマスコミ用語として頻繁に用いられるようになった。例えば、役所や警察の腐敗を暴こうとすれば、「ルール違反である。情報は全て政府や党の都合に合わせて統制されるのが『潜規則』であり、これを犯すことは政治的に未成熟である」と批判される。また、党、大学、学会、警察、裁判所、全ての組織には暗黙のルールがあり、それは組織の利権、権益を守るためのものであるとされる。実際に、中央、地方を問わず、党中堅幹部たちの猛烈な汚職と腐敗を支えているものが、この「潜規則」なのである。
著者は、具体的に起きた事件を例に、中国社会に通底する「潜規則」を解き明かす。そして、実は、その実態が林悟堂が1930年代に書いた「生活の発見」に描かれた中国人の「面子」の問題と本質的に同じであることを指摘する。戦前、中国人として唯一ノーベル文学賞にノミネートされた林悟堂は、中国人の面子について次のように書いていた。「中国人がみな自分の面子を捨てなければ、中国は真の民主主義国家となることはできない。・・・警察の面子が失われたとき、交通はようやく安全となり、裁判所の面子が失われたとき、初めて正義が実現されるのである。」ここで林が「面子」と呼んでいるものは、その立場が可能とする「特権・権益」のことである。
現在、大手新聞社の中国総局長を務める著者は、中国社会の様々な事件の内部に跳び込み、果敢に議論を挑み、中国の実態を解き明かそうとする。その際、著者の持つ中国古典から近現代史に至る幅広い教養は大きな武器になっているように思われる。
著者によれば、この言葉は、ここ10年くらいの間にマスコミ用語として頻繁に用いられるようになった。例えば、役所や警察の腐敗を暴こうとすれば、「ルール違反である。情報は全て政府や党の都合に合わせて統制されるのが『潜規則』であり、これを犯すことは政治的に未成熟である」と批判される。また、党、大学、学会、警察、裁判所、全ての組織には暗黙のルールがあり、それは組織の利権、権益を守るためのものであるとされる。実際に、中央、地方を問わず、党中堅幹部たちの猛烈な汚職と腐敗を支えているものが、この「潜規則」なのである。
著者は、具体的に起きた事件を例に、中国社会に通底する「潜規則」を解き明かす。そして、実は、その実態が林悟堂が1930年代に書いた「生活の発見」に描かれた中国人の「面子」の問題と本質的に同じであることを指摘する。戦前、中国人として唯一ノーベル文学賞にノミネートされた林悟堂は、中国人の面子について次のように書いていた。「中国人がみな自分の面子を捨てなければ、中国は真の民主主義国家となることはできない。・・・警察の面子が失われたとき、交通はようやく安全となり、裁判所の面子が失われたとき、初めて正義が実現されるのである。」ここで林が「面子」と呼んでいるものは、その立場が可能とする「特権・権益」のことである。
現在、大手新聞社の中国総局長を務める著者は、中国社会の様々な事件の内部に跳び込み、果敢に議論を挑み、中国の実態を解き明かそうとする。その際、著者の持つ中国古典から近現代史に至る幅広い教養は大きな武器になっているように思われる。