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古代オリエントの宗教 (講談社現代新書) 新書 – 2012/6/15
青木 健
(著)
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パレスティナ発の「聖書ストーリー」は、メソポタミア平原を越え、イラン高原へ。東方へ膨張をつづける聖書ストーリーに対し、諸民族はいかに向き合ったか。最大の土着宗教ゾロアスター教、「真のキリスト教」を自称したマニ教、イスラームのグノーシス=イスマーイール派――。13世紀に「異教の魔神たち」が封じ込められるまで、宗教的想像力がもっとも奔騰した1000年を描きだす、東方の精神史。
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2012/6/15
- 寸法10.9 x 1 x 17.3 cm
- ISBN-104062881594
- ISBN-13978-4062881593
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商品の説明
著者について
青木 健
一九七二年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員。専門はゾロアスター教、イラン・イスラーム思想。
主な著書に、『ゾロアスター教の興亡』『ゾロアスター教史』(いずれも刀水書房)、『ゾロアスター教』『アーリア人』『マニ教』(いずれも講談社選書メチエ)、編著に『東京大学東洋文化研究所所蔵 伊東義教文庫目録』(東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢書3)がある。
一九七二年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員。専門はゾロアスター教、イラン・イスラーム思想。
主な著書に、『ゾロアスター教の興亡』『ゾロアスター教史』(いずれも刀水書房)、『ゾロアスター教』『アーリア人』『マニ教』(いずれも講談社選書メチエ)、編著に『東京大学東洋文化研究所所蔵 伊東義教文庫目録』(東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢書3)がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2012/6/15)
- 発売日 : 2012/6/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 4062881594
- ISBN-13 : 978-4062881593
- 寸法 : 10.9 x 1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 129,529位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年2月6日に日本でレビュー済み
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東ローマ帝国よりもさらに東側での聖書の受容と諸宗教の興亡の歴史。一気に読める面白さ。
2017年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の中東関係の宗教の書にはいつも啓発されているが、
今回の著書はすこしいそぎすぎという印象も受けた、もちろん
いろいろな有用な情報がいっぱいではある、マンダ教がユダヤ教の
分派であるというのは驚きだった。統治という歴史により人心も
変化して今がある。これからどうなるか混乱は世の常なのかだれも
わからないだろう。仏教に言及がほとんどないのはやや不満。
今回の著書はすこしいそぎすぎという印象も受けた、もちろん
いろいろな有用な情報がいっぱいではある、マンダ教がユダヤ教の
分派であるというのは驚きだった。統治という歴史により人心も
変化して今がある。これからどうなるか混乱は世の常なのかだれも
わからないだろう。仏教に言及がほとんどないのはやや不満。
2021年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者があとがきで触れているように、この本のテーマは、紀元2世紀以降のオリエント地域における宗教の変遷である。キリスト教の聖書のストーリーがこの地域に到達し、それがこの地域の宗教にどのような影響をもたらしたかが、この本を貫くテーマである。そのため、この地域の宗教の変遷が聖書という軸を語られているので、本来複雑なはずの話が私のような浅学の者にもわかりやすく綴られている。
そもそも、中東の辺境の弱小民族だったユダヤ人の歴史(旧約聖書)とその分派と言える新興宗教(新約聖書)の教えなど、普通に考えればユダヤ民族が四散した時点で滅びても何らおかしくない。にもかかわらず、広大で文明もはるかに進んだオリエント全域を聖書のストーリーが飲み込んでいったプロセスを見ると、キリスト教の持つ伝播力の強さを思い知らされる。しかし、中東地域における最終的な勝利者となったのは、キリスト教のいわば変異種と言えるイスラム教だった。歴史の綾というか面白さを感じずにはいられなかった。
ただ、本を売らんがためなのだろうが、異教の魔神云々というコピーはいただけない。おそらく、出版社としては映画エクソシストに出てきたバール神のようなイメージを描いていたのだろうが、本書はごくまじめな中東の宗教史である。異教という単語にしても、それでは正当な宗教は何かという価値判断をはらむ表現で、これも不適切である。このようなおどろおどろしいコピーの存在は、この本の価値をかえって毀損していると思う。
そもそも、中東の辺境の弱小民族だったユダヤ人の歴史(旧約聖書)とその分派と言える新興宗教(新約聖書)の教えなど、普通に考えればユダヤ民族が四散した時点で滅びても何らおかしくない。にもかかわらず、広大で文明もはるかに進んだオリエント全域を聖書のストーリーが飲み込んでいったプロセスを見ると、キリスト教の持つ伝播力の強さを思い知らされる。しかし、中東地域における最終的な勝利者となったのは、キリスト教のいわば変異種と言えるイスラム教だった。歴史の綾というか面白さを感じずにはいられなかった。
ただ、本を売らんがためなのだろうが、異教の魔神云々というコピーはいただけない。おそらく、出版社としては映画エクソシストに出てきたバール神のようなイメージを描いていたのだろうが、本書はごくまじめな中東の宗教史である。異教という単語にしても、それでは正当な宗教は何かという価値判断をはらむ表現で、これも不適切である。このようなおどろおどろしいコピーの存在は、この本の価値をかえって毀損していると思う。
2012年7月27日に日本でレビュー済み
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著者は「聖書ストーリー」というものを基礎において、古代オリエント、メソポタミアの地域に興った宗教を解説している。その「聖書ストーリー」というものが、旧約聖書・新約聖書、+「何か」という具合に定義されていて、とてもわかりやすい。あとがきで、早稲田大学の創造理工学部で行った講義がこの本の基のひとつなので、理工系の「頭に」なにか因果関係のプロットが必要と、「聖書ストーリー」を軸にすることを思い立ったと書かれている。そのおかげか、内容はとてもスッキリしている。
例えば、
2世紀:ローマで成立したマルキオーン主義は旧約聖書を切り捨てて「新約聖書」の結集。
2〜3世紀:地中海世界「原始キリスト教教会」は、「旧約聖書」+「新約聖書」の図式で確定。
3世紀:マーニー教は「新約聖書」+「マーニー教七聖典」
7〜10世紀:ムハンマド・イスラームは「旧約聖書」+「新約聖書」+「クルアーン」
8〜10世紀:シーア派イスラームは「旧約聖書」+「新約聖書」+「クルアーン」+「歴代シーア派イマームの言行録」
最終的に、サーサーン朝ペルシャ帝国の国教であったゾロアスター教が、『創始者ザラスシュトラが「聖書ストーリー」の中の預言者であった』という説を受け入れた時が、「聖書ストーリー」の東方全域の支配の完成とされる。「聖書ストーリー」をユダヤ教の苦難の歴史までとするか、イエスが神の子であるとして完結するか、ムハンマドをエンドとするかは、各人の考え次第であるが、もうこれ以上のエンディングは生まれ得ないであろうと言うのが結論だ。そして神話が宗教になるには、神話と現実を結ぶ象徴が必要であるらしい。イエスとかムハンマドとかザラスシュトラなど現実の(?)人物が。また、キリスト教というと往往にして西洋をイメージしてしまうが、「聖書ストーリー」はメソポタミアで生まれたのであり、その点を抜きにして聖書を理解できないと思う。そしてその思想は、政治的権力者の支配する地域の位置関係にも影響されているようだ。
概説なので一般的知識に終わっているとも言えるが、とにかく門外漢であるわたしにとっては、いろいろな宗教の位置関係がスッキリわかった。
例えば、
2世紀:ローマで成立したマルキオーン主義は旧約聖書を切り捨てて「新約聖書」の結集。
2〜3世紀:地中海世界「原始キリスト教教会」は、「旧約聖書」+「新約聖書」の図式で確定。
3世紀:マーニー教は「新約聖書」+「マーニー教七聖典」
7〜10世紀:ムハンマド・イスラームは「旧約聖書」+「新約聖書」+「クルアーン」
8〜10世紀:シーア派イスラームは「旧約聖書」+「新約聖書」+「クルアーン」+「歴代シーア派イマームの言行録」
最終的に、サーサーン朝ペルシャ帝国の国教であったゾロアスター教が、『創始者ザラスシュトラが「聖書ストーリー」の中の預言者であった』という説を受け入れた時が、「聖書ストーリー」の東方全域の支配の完成とされる。「聖書ストーリー」をユダヤ教の苦難の歴史までとするか、イエスが神の子であるとして完結するか、ムハンマドをエンドとするかは、各人の考え次第であるが、もうこれ以上のエンディングは生まれ得ないであろうと言うのが結論だ。そして神話が宗教になるには、神話と現実を結ぶ象徴が必要であるらしい。イエスとかムハンマドとかザラスシュトラなど現実の(?)人物が。また、キリスト教というと往往にして西洋をイメージしてしまうが、「聖書ストーリー」はメソポタミアで生まれたのであり、その点を抜きにして聖書を理解できないと思う。そしてその思想は、政治的権力者の支配する地域の位置関係にも影響されているようだ。
概説なので一般的知識に終わっているとも言えるが、とにかく門外漢であるわたしにとっては、いろいろな宗教の位置関係がスッキリわかった。
2019年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
高校生の頃はとんと興味の無かった歴史や宗教を、大人になってから夢中になって本を読み漁っている。これまでに数冊ほど読み終えた程度から出てくる感想ではあるが、この本は論理的で非常に分かりやすく面白いということである。
ユダヤ教から始まる聖書に関与した個々宗教が、その時代背景や土着思想に合わせて補強していく話は、自分にとっての宗教の理想とは少し離れた、人間味のある考え方のように感じた。
自分はお釈迦様の仏教がすごく好きだが、そっちの派生に関しても、この論理的な切り口で語られる本を読んでみたいと感じた。
ユダヤ教から始まる聖書に関与した個々宗教が、その時代背景や土着思想に合わせて補強していく話は、自分にとっての宗教の理想とは少し離れた、人間味のある考え方のように感じた。
自分はお釈迦様の仏教がすごく好きだが、そっちの派生に関しても、この論理的な切り口で語られる本を読んでみたいと感じた。
2013年10月15日に日本でレビュー済み
青木氏の著作はユーモアもときにあり、
読みやすく、面白い。
ただ、読後に、はて?俺は何を知ったか?
が残らないのは、マーニー以外人間味のある
個性、個人のエピソードが知りえないからでしょうか。
文献がないのだからしかたありませんが。
本書は古代イスラームでのグノーシス主義的要素の
復活と消滅、スンニ派イスラームの覇権で、
「聖書ストーリー」の発展は終わった。
そして硬直化が始まった。と閉じられます。
結局、「なぜ、聖書ストーリーは多神を退けて
膨張したのか?」には、残念ながら答えが
与えられません。
そこからの発想ですが、「なぜ、グノーシスも
たびたびよみがえるのか?」という疑問がわきます。
グノーシスの定義は多肢にわたり、わたしにはよく
理解できませんが、とにかく、この世を作ったのは、
ダメな神、というのがいちばん強烈な印象があります。
東方を扱う本書では聖書ストーリーは、
西方は教会・三位一体で、
キリスト教は早期に安定(硬直)した前提ですが、
作者が東方の聖書ストーリーがまさに完成したという時点、
12世紀に、カタリ派というグノーシス的大異端が発生しており、
教会をゆるがします。
そこらへんの疑問に答えてくれる本を書いていただきたい
ですが、まだ若くて元気そうな青木氏のキャパにも限界は
あり、やはり、イラン・中央アジア・メソポタミアに
お仕事を専念していただくのがいいのかな?
なぜ、ペルシャがあっという間に、イスラムに席巻されたかを
もう少し詳細に書いた本を期待します。
読みやすく、面白い。
ただ、読後に、はて?俺は何を知ったか?
が残らないのは、マーニー以外人間味のある
個性、個人のエピソードが知りえないからでしょうか。
文献がないのだからしかたありませんが。
本書は古代イスラームでのグノーシス主義的要素の
復活と消滅、スンニ派イスラームの覇権で、
「聖書ストーリー」の発展は終わった。
そして硬直化が始まった。と閉じられます。
結局、「なぜ、聖書ストーリーは多神を退けて
膨張したのか?」には、残念ながら答えが
与えられません。
そこからの発想ですが、「なぜ、グノーシスも
たびたびよみがえるのか?」という疑問がわきます。
グノーシスの定義は多肢にわたり、わたしにはよく
理解できませんが、とにかく、この世を作ったのは、
ダメな神、というのがいちばん強烈な印象があります。
東方を扱う本書では聖書ストーリーは、
西方は教会・三位一体で、
キリスト教は早期に安定(硬直)した前提ですが、
作者が東方の聖書ストーリーがまさに完成したという時点、
12世紀に、カタリ派というグノーシス的大異端が発生しており、
教会をゆるがします。
そこらへんの疑問に答えてくれる本を書いていただきたい
ですが、まだ若くて元気そうな青木氏のキャパにも限界は
あり、やはり、イラン・中央アジア・メソポタミアに
お仕事を専念していただくのがいいのかな?
なぜ、ペルシャがあっという間に、イスラムに席巻されたかを
もう少し詳細に書いた本を期待します。
2020年4月27日に日本でレビュー済み
箒木蓬生「聖灰の暗号」→フェルナン・ニール「異端カタリ派」→そしてこの「古代オリエントの宗教」という順に読んできました。青木健氏の著書には以前から興味がありましたが、これが初読です。ちょうどニールの著書でカタリ派=マニ教という関連を知り、マニ教のことを知りたいと思って手に取りました。
結論からいうと大変おもしろかったです。西南アジアに発生した古代宗教の概要、そして西から入ってきたユダヤ教やキリスト教がどのような影響を与えたか、後に発生したイスラム教とどう繋がっていったのかが非常にうまくまとめられています。まとめられているとはいっても、やはり複雑な内容なので、ある程度、各宗教の基礎や教義をざっくりでも知っていた方が理解しやすいと思います。
他のレビューアさんも書いていらっしゃいましたが、青木氏の宗教に対する見方は、非常に客観的で冷静で、時に冷笑的に見えると言ってもよく、個人的には、ご本人はたぶん宗教や神を信じていらっしゃらないのではと感じました。自分は、宗教に興味を持っているけれども、それは”どうして人は宗教を信じるようになったのか?”、さらに率直に言えば”人間が作った、ある意味迷信とも言えるこのようなものをどうして人は信じるのか?”ということに興味があります。なので青木氏の見方に自分と共通した視点を感じるので、まさに知りたかったことに答えをいただけました。なので、神や宗教を信仰していらっしゃる方は、時に気に障る記述があるかもしれません。たとえば、
・ユダヤ人の歴史である旧約聖書は、ペルシャ人、エジプト人、ギリシャ人などにとっては 所詮、他人事にすぎないのに、どうして新約聖書とセットになって周辺民族の神話を駆逐していくことになったのか?
・各宗教の開祖や神官たちが、自分たちの宗教をいかにして拡大させ、長く存続させるために骨を折ったか。たとえば、マニ教では布教するにあたり、ペルシャより西方では”真のキリスト教”として、東方へはゾロアスター教のザラスシュトラと仏陀を取り込んで、とても同じ宗教とは思えないような教義を地域によって使い分けていた。
・ゾロアスター教はその存続が危うくなってきた13世紀に、旧約聖書のアブラハムがザラトシュトラであると言い始め、最後にはザラトシュトラはアッラーの使徒の1人とみなされ、イスラムに取り込まれて生き残ることを選んだ、などなど。
イエス・キリストが生まれて教えを説き、迫害を受け、すべての人の罪を背負って亡くなり、そして神の御心によって復活したという「聖書ストーリー」が、どうして当時、他の宗教を飲み込み、または駆逐していくまでに人々にとって魅力的だったのか、青木氏はそのことはただ「わからない」としておられます。当時の状況を考えれば、まだ未開で迷信がはびこり、科学や医学も発達していなくて、人々は病気や戦で簡単に命を失い寿命も短かったことでしょう。そんな世界では、キリスト教の教えが真実であり、大きな救いになったのでしょうか。当時の人間の精神性になりきることは所詮無理なので、そのあたりはなかなか理解しがたいです。
また、最後にはイスラム教スンニ派が圧倒的多数でオリエントから北アフリカまでを覆い、そのまま存続し、今日でも強力な影響力を保持している、それもまたどうしてなのか?イスラムのどこにそんな求心力があるのか?疑問は尽きません。
また、他にも興味深かったことが多数あり、たとえば、
・ゾロアスター教は最初から二元論だったわけではなく、5世紀のズルヴァーン主義の経典と9~10世紀の経典はとても同じ宗教だとは思えないほど別物であり、有名な二元論は後者の方である。
・マンダ教は現在もイラクのメソポタミア地方に残っているが、イラン・イラク戦争や湾岸戦争などで寺院を放棄して脱出せざるをえなくなった人たちも多く、正確な人数は不明だが、たぶん世界で5,000から1万人前後が残っていると推測される。
・中央アジアから逃げてきたマニ教徒の子孫らしき人々が、中国福建省霞浦県柏洋郷上万村に数百人だけ残っている。
・イスラム教イスマーイール派では、イエスなど先行の預言者たちは羅列しただけですませてしまうし、預言者ムハンマドでさえ「近々廃棄されるべき聖法の6番目の告知者」程度の扱いである。とてもイスラムの分派とは思えず、イスラムを超えて新たに発展した「聖書ストーリー」の一形態である・・とはイスマーイール派の信者たちが聞いたら目をむいて怒りそうですが、結構真実を突いている気がします。
・また、彼らの一派であるカルマル派が、イマームの地位をめぐって他派と争い、889年にはメッカのカーバ神殿を襲撃して巡礼者たちを大量虐殺、ご神体の黒石を奪ってバーレーンへ持ち帰ったという事件は初耳で、仰天しました。同じイスラム教徒がカーバ神殿を破壊するなど、当時でも大変ショッキングな事件であったようです。
などなど、長くなりましたが、非常に充実した内容の興味深い著書だと思います。オリエントの古代宗教の発生に興味がある方にはおすすめです。
結論からいうと大変おもしろかったです。西南アジアに発生した古代宗教の概要、そして西から入ってきたユダヤ教やキリスト教がどのような影響を与えたか、後に発生したイスラム教とどう繋がっていったのかが非常にうまくまとめられています。まとめられているとはいっても、やはり複雑な内容なので、ある程度、各宗教の基礎や教義をざっくりでも知っていた方が理解しやすいと思います。
他のレビューアさんも書いていらっしゃいましたが、青木氏の宗教に対する見方は、非常に客観的で冷静で、時に冷笑的に見えると言ってもよく、個人的には、ご本人はたぶん宗教や神を信じていらっしゃらないのではと感じました。自分は、宗教に興味を持っているけれども、それは”どうして人は宗教を信じるようになったのか?”、さらに率直に言えば”人間が作った、ある意味迷信とも言えるこのようなものをどうして人は信じるのか?”ということに興味があります。なので青木氏の見方に自分と共通した視点を感じるので、まさに知りたかったことに答えをいただけました。なので、神や宗教を信仰していらっしゃる方は、時に気に障る記述があるかもしれません。たとえば、
・ユダヤ人の歴史である旧約聖書は、ペルシャ人、エジプト人、ギリシャ人などにとっては 所詮、他人事にすぎないのに、どうして新約聖書とセットになって周辺民族の神話を駆逐していくことになったのか?
・各宗教の開祖や神官たちが、自分たちの宗教をいかにして拡大させ、長く存続させるために骨を折ったか。たとえば、マニ教では布教するにあたり、ペルシャより西方では”真のキリスト教”として、東方へはゾロアスター教のザラスシュトラと仏陀を取り込んで、とても同じ宗教とは思えないような教義を地域によって使い分けていた。
・ゾロアスター教はその存続が危うくなってきた13世紀に、旧約聖書のアブラハムがザラトシュトラであると言い始め、最後にはザラトシュトラはアッラーの使徒の1人とみなされ、イスラムに取り込まれて生き残ることを選んだ、などなど。
イエス・キリストが生まれて教えを説き、迫害を受け、すべての人の罪を背負って亡くなり、そして神の御心によって復活したという「聖書ストーリー」が、どうして当時、他の宗教を飲み込み、または駆逐していくまでに人々にとって魅力的だったのか、青木氏はそのことはただ「わからない」としておられます。当時の状況を考えれば、まだ未開で迷信がはびこり、科学や医学も発達していなくて、人々は病気や戦で簡単に命を失い寿命も短かったことでしょう。そんな世界では、キリスト教の教えが真実であり、大きな救いになったのでしょうか。当時の人間の精神性になりきることは所詮無理なので、そのあたりはなかなか理解しがたいです。
また、最後にはイスラム教スンニ派が圧倒的多数でオリエントから北アフリカまでを覆い、そのまま存続し、今日でも強力な影響力を保持している、それもまたどうしてなのか?イスラムのどこにそんな求心力があるのか?疑問は尽きません。
また、他にも興味深かったことが多数あり、たとえば、
・ゾロアスター教は最初から二元論だったわけではなく、5世紀のズルヴァーン主義の経典と9~10世紀の経典はとても同じ宗教だとは思えないほど別物であり、有名な二元論は後者の方である。
・マンダ教は現在もイラクのメソポタミア地方に残っているが、イラン・イラク戦争や湾岸戦争などで寺院を放棄して脱出せざるをえなくなった人たちも多く、正確な人数は不明だが、たぶん世界で5,000から1万人前後が残っていると推測される。
・中央アジアから逃げてきたマニ教徒の子孫らしき人々が、中国福建省霞浦県柏洋郷上万村に数百人だけ残っている。
・イスラム教イスマーイール派では、イエスなど先行の預言者たちは羅列しただけですませてしまうし、預言者ムハンマドでさえ「近々廃棄されるべき聖法の6番目の告知者」程度の扱いである。とてもイスラムの分派とは思えず、イスラムを超えて新たに発展した「聖書ストーリー」の一形態である・・とはイスマーイール派の信者たちが聞いたら目をむいて怒りそうですが、結構真実を突いている気がします。
・また、彼らの一派であるカルマル派が、イマームの地位をめぐって他派と争い、889年にはメッカのカーバ神殿を襲撃して巡礼者たちを大量虐殺、ご神体の黒石を奪ってバーレーンへ持ち帰ったという事件は初耳で、仰天しました。同じイスラム教徒がカーバ神殿を破壊するなど、当時でも大変ショッキングな事件であったようです。
などなど、長くなりましたが、非常に充実した内容の興味深い著書だと思います。オリエントの古代宗教の発生に興味がある方にはおすすめです。