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絶望の裁判所 (講談社現代新書) 新書 – 2014/2/19

4.0 5つ星のうち4.0 255個の評価

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裁判官というと、少し冷たいけれども公正、中立、優秀といった印象があるかもしれない。しかし、残念ながら、そのような裁判官は、今日では絶滅危惧種。近年、最高裁幹部による、思想統制が徹底し、良識派まで排除されつつある。 三三年間裁判官を務めた著名が著者が、知られざる、裁判所腐敗の実態を告発する。情実人事に権力闘争、思想統制、セクハラ・・・、もはや裁判所に正義を求めても、得られるものは「絶望」だけだ。


裁判所、裁判官という言葉から、あなたは、どんなイメージを思い浮かべられるのだろうか? ごく普通の一般市民であれば、おそらく、少し冷たいけれども公正、中立、廉直、優秀な裁判官、杓子定規で融通はきかないとしても、誠実で、筋は通すし、出世などにはこだわらない人々を考え、また、そのような裁判官によって行われる裁判についても、同様に、やや市民感覚とずれるところはあるにしても、おおむね正しく、信頼できるものであると考えているのではないだろうか?
しかし、残念ながら、おそらく、日本の裁判所と裁判官の実態は、そのようなものではない。前記のような国民、市民の期待に大筋応えられる裁判官は、今日ではむしろ少数派、マイノリティーとなっており、また、その割合も、少しずつ減少しつつあるからだ。そして、そのような少数派、良識派の裁判官が裁判所組織の上層部に昇ってイニシアティヴを発揮する可能性も、ほとんど全くない。近年、最高裁幹部による、裁判官の思想統制「支配、統制」が徹底し、リベラルな良識派まで排除されつつある。
33年間裁判官を務め、学者としても著名な著者が、知られざる裁判所腐敗の実態を告発する。情実人事に権力闘争、思想統制、セクハラ……、もはや裁判所に正義を求めても、得られるものは「絶望」だけだ。
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著者について

瀬木 比呂志
瀬木 比呂志(せぎ・ひろし)一九五四年名古屋市生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。一九七九年以降裁判官として東京地裁、最高裁等に勤務、アメリカ留学。並行して研究、執筆や学会報告を行う。二〇一二年明治大学法科大学院専任教授に転身。民事訴訟法等の講義と関連の演習を担当。著書に、『民事訴訟の本質と諸相』、』、『民事保全法〔新訂版〕』(ともに日本評論社、後者は春ころ刊)等多数の専門書の外、関根牧彦の筆名による『内的転向論』(思想の科学社)、『心を求めて』『映画館の妖精』(ともに騒人社)、『対話としての読書』(判例タイムズ社)があり、文学、音楽(ロック、クラシック、ジャズ等)、映画、漫画については、専門分野に準じて詳しい。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2014/2/19)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/2/19
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 240ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062882507
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062882507
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.6 x 1.1 x 17.4 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 255個の評価

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瀬木 比呂志
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日本を良くしたいと思うすべての人に必読の書
5 星
日本を良くしたいと思うすべての人に必読の書
衝撃の現実。最高裁の恥部、暗黒。彼らはまるで地獄の使者。元裁判官の瀬木氏はよくぞ社会に警告してくれました。日本の裁判がこれほどひどいとは! ショックでしたが、反面、最高裁を変えればかなり日本はよくなるんじゃないか、という希望も持ちました。
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年12月19日に日本でレビュー済み
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一部、作者の恨み節のようなトコはありますが、内容は特筆すべき本!!
一般人は、これを読まないと司法は語れない。裁判官という人種がわかります。。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年2月7日に日本でレビュー済み
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裁判官を35年以上担って来た著者は、その裁判所の体質や抑圧的な構造にいても経っていられず、大学の教授・学問の世界に転身した著者が、裁判官、裁判所の表の顔でなく、内側の実態を赤裸々に暴いてくれている。多くの強い力を持った組織の内情は、中々表に出されない。陰湿な「いじめ構造」が具体的に見えない。
裁判官は特に司法試験と言う国家試験で最難関をクリアーしたエリートである。こういうエリートは、頭はいいが、凄まじいエリート意識と順位付け(上下関係)にすごく敏感で、プライドが高く、その言動はすさまじく、人をけちょんけちょんにすることに喜びと優越感を感じるタイプが多い。
それが、組織として行われている実態を暴いてくれている。本来、裁判官は憲法で「法と自分の両親にだけ基づいて判決する独立した任務者」として保障されているが、実際はかなり違うようだ。
最高裁長官及び司法行政を担う事務総局(裁判官資格を持つ司法官僚)以下、中央集権的なピラミッド型のヒエラルキーでがっちりと固められている。それは、人事任用、昇給昇格、異動などの手を使って、決まった枠をはみ出して、新しい解釈や社会の変化を取り入れて新機軸を出したり、藩論をするように人財は、露骨に、または隠微に冷遇され、冷や飯を食うことになる。
人間味がなく、仮面をかぶっているような人物が多いという。訴えてくる国民は、最後に頼りに来たのに、門前払いや本質を突く判決ではなく、形式的紋切り型に、これは所掌適格がない、そういうことは一概に言えない、などの木に鼻を括った「処理」する裁判が多いと憤怒と嘆きと絶望な状態を、語る。
かなり、そういう面に敏感に反応するタイプの著者であるようで、かなり、感情面が入っている様には思うが、実態はそうであろうと理解できる。裁判所組織、エリートの生態と病理を、明らかにしてくれている。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年11月12日に日本でレビュー済み
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この国にもう未来はないのだろうと
再認識しました。
最近の警察官、検察官、裁判官、
弁護士の痴漢・盗撮などの報道を
見ると、この本に記載していることが
うなずけると主観ですが思いました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
絶望の裁判所
一読して、ここまで、自ら裁判官であったにも関わらず、裁判官をボロクソに書けるものか、それほど、裁判官をボロクソに書き綴った書である。
裁判官たちを精神病であるとまで断じている箇所まである。
ただ、ここで、著者が、国民の権利を踏まえたことを論じているから一般国民に人間味に溢れた人かと言えるか、というとそうとは限らない。
本書中の職員である事務局長のくだりをを読めば、いかに著者が著者の論じる裁判官かということがわかるではないか。
告発する者も、まさに、著者のいう典型的な裁判官なのである。
このことこそ、まさに絶望の裁判所及び、その周辺と私は断じたい。
弁護士に不祥事が多いことも周知の事実であるし、ましてや、学者も、原子力村の事例が全く法律村に当てはまらないのか、例がないからわからぬが、ないと考えることの方が難しいというのが実感ではないか?
まさに、絶望の裁判所及び、その周辺なのである。
これは、日本のエリートが堕落したからなのか?
私は、そうは思わない。
確かに、司法試験制度が変わり、若干のことはあることも考えられなくもないが、むしろ、一般国民のレベルの高度化と、それに伴ってレベルが上がらなかったことこそが最大の原因であると考えるのである。
それに加えて、情報の横の流れの速さは、NHKとの契約にかかる放送法の解釈などの稚拙な裁判が明らかにしているところである。
東京高裁判決(難波孝一裁判長)。こちらでは、「NHKが契約の締結を通知すれば、承諾の意思表示がなくても2週間経過すれば契約が成立する」というNHKに有利な判断が示され、大きな反響を呼んだ。
ただ、この点、昔もあり、パチンコの賭博性を否定した判例も同罪ではないか。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年8月17日に日本でレビュー済み
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私の長い読書経験の中で最も重要な一冊と思える本に出会うことができた。

『絶望の裁判所』(瀬木比呂志著、講談社現代新書)を読んで、本当に絶望的な気持ちに襲われた。裁判官として、また民事訴訟の研究者・学者として高い見識と豊富な経験を有する著者が剔抉した現代日本の裁判所・裁判官の病態が、あまりにも深刻で絶望的だからである。しかし、本書は痛烈な警世の書で終わってはいない。優秀で、かつ一般の人々の心情に寄り添える弁護士が裁判官になる「法曹一元化」に、著者が希望を見出しているからだ。「国民、市民の自由と権利が侵害されていくときに踏みとどまってくれることは、(自らの出世や勤務評価に極めて敏感な、上に)追随型の裁判官にはまず期待できないが、(法曹一元化後の)独立型の裁判官であればそれが期待できるからである」。

「私は、33年間裁判官を務め、そのかたわら、20年余りにわたって、民事訴訟法等の研究や執筆、学会報告を行い、その後明治大学法科大学院の専任教授に転身した。現在の私は純粋な学者であるが、私は、学者の役割の一つは、たとえそれが苦いものであるとしても、事実、真実を人々に告げ知らせることであると考えている。そして、大変ショッキングな真実をここで述べると、あなたは、つまり一般市民である当事者は、多くの裁判官にとって、訴訟記録やみずからの訴訟手控えの片隅に記されているただの『記号』にすぎない。あなたの喜びや悲しみはもちろん、あなたにとって切実なものであるあなたの運命も、本当をいえば、彼らにとっては、どうでもいいことなのである。日本の裁判所、裁判官の関心は、端的にいえば、『事件処理』ということに尽きている。とにかく、早く、そつなく、『事件』を『処理』しさえすればそれでよいのだ。また、権力や政治家や大企業も、これをよしとしている」。

「職人タイプの裁判官が日本の裁判の質を支えていたわけである。しかし、上層部の劣化、腐敗に伴い、そのような(日々誠実にこつこつと仕事をしてきた平均的な裁判官である)中間層も、疲労し、やる気を失い、あからさまな事大主義、事なかれ主義に陥っていったのである」。

「良識派は上にはいけないというのは官僚組織、あるいは組織一般の常かもしれない。しかし、企業であれば、上層部があまりに腐敗すれば業績に響くから、一定の自浄作用がはたらく。ところが、官僚組織にはこの自浄作用が期待できず、劣化、腐敗はとどまるところを知らないということになりやすい。だからこそ、裁判所のような、国民、市民の権利に直接に関わる機関については、こうした組織の問題をよく監視しておかなければならないのである。また、だからこそ、裁判所の官僚組織からの脱却、人事の客観化と透明化、そして法曹一元制度への移行が必要なのである」。

「最高裁判所事務総局の支配、統制の特色について論じておきたい。それは、たとえていえば、『目に見えない檻』のようなものである。限られた範囲に安住している限り、その檻は見えないし、その鉄格子が気になることもない。しかし、いったん立ち上がり、みずからの信じるところに従って裁判や研究を行おうとすれば、たちまち、見えなかった鉄格子にぶつかることになる」。「日本の裁判所は、実は、『裁判所』などではなく、精神的被拘束者、制度の奴隷・囚人たちを収容する『日本列島に点々と散らばったソフトな収容所群島』にすぎないのではないだろうか? その構成員が精神的奴隷に近い境遇にありながら、どうして、人々の権利や自由を守ることができようか? みずからの基本的人権をほとんど剥奪されている者が、どうして、国民、市民の基本的人権を守ることができようか? これは、笑えないパラドックスである」。「日本国憲法第76条に輝かしい言葉で記されているとおり、本来、『すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される』ことが必要である。しかし、日本の裁判官の実態は、『すべて裁判官は、最高裁と事務総局に従属してその職権を行い、もっぱら組織の掟とガイドラインによって拘束される』ことになっており、憲法の先の条文は、完全に愚弄され、踏みにじられている」というのだ。

「統治や支配の根幹に触れる事柄に関する最高裁の判断、また、裁判官一般の考え方が、いかに権力寄りにバイアスがかかっており、また揺るがないものであるかということが、おわかりいただけたのではないかと思う」。

著者によって、近年の裁判所上層部の腐敗の実態が次から次へと暴かれていくが、私などは司法制度の一歩前進と感じていた裁判員制度導入さえも上層部の陰謀と知り、明らかにされたその舞台裏には驚愕した。

本論はもちろんであるが、個人的には、2つの言及にも目を惹きつけられた。1つは倉田卓次についての箇所であり、もう1つは『地栽の人』に関する部分である。

「かつて、倉田卓次という有名な学者裁判官がいた。私より30年余り年上で、思弁的SM小説『家畜人ヤプー』の著者ではないかということで一時一般的にも話題になった方である(もっとも、御本人は否定されている)。この方も、晩年に、『判決も論文も私的な文章も書けるという後輩は30年ぶりです。がんばって下さい』といった内容の、私を励ます手紙とメールをいくつも下さった。・・・この方は、もちろんその本質においては繊細であったと思うが、外面的には、きわめて個性的、積極的、豪快で、一見するとおとなしそうにみえる私などとは違って、議論も論争も派手にやった。当然、裁判官の中には、彼をきらう人や嫉妬する人も多かった。それでも、倉田さんは、61歳で身体をこわして公証人となるまで、みずからの意思で裁判官(東京高裁判事)を続けた。エッセイを読むと、色々不快なこともあったようだが、裁判官という職業には最後まで満足されていたように思われる」。

裁判官という立場上、本人は否定せざるを得なかったのだろうが、世界に冠たる奇書『家畜人ヤプー』の真の著者は倉田だと私は確信している。彼のエッセイ集『続 裁判官の書斎』(倉田卓次著、勁草書房。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)を読んでも、その裁判官としての識見の高さと専門領域を超えた幅広い教養の深さが窺える。この本には、司法試験受験生に向けた「頭休めに本を読め――学生諸君へのアドヴァイス」といったエッセイなどが収められている。

「もういささか古くなったが、たとえば、漫画『家栽の人』(毛利甚八原作、魚戸おさむ作画、小学館、全15巻。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)にも、このパターナリズム(家父長主義)の思想がよく現れている。高裁長官(後に最高裁判事となる)の息子である桑田判事は、きわめて優秀であるにもかかわらず、地方の家裁やその支部を希望して赴任する。時にはみずから出向いて事実関係を調べ、家父長的な温情主義によりつつ厳格さをも交えるというこの裁判官は、明らかに、大岡越前や遠山の金さんの、より洗練された現代版である。・・・私自身は、もしも自分が裁判を受けるのであれば、桑田判事のような一種の超人、スーパーマンにではなく、優秀で視野も広いが、自分の能力とそのなしうることの限界については謙虚に認識している普通の人間である裁判官に担当してもらいたいと考える」。こうコメントされると、当時、『家栽の人』に感動した私としては、複雑な気持ちである。

「私は、日本の国民、市民は、裁判所が、三権分立の一翼を担って、国会や内閣のあり方を常時監視し、憲法上の問題があればすみやかにただし、また、人々の人権を守り、強者の力を抑制して弱者や社会的なマイノリティーを助けるという、司法本来のあるべき力を十分に発揮する様を、まだ、本当の意味では、一度としてみたことがないのではないかと考える」。全く、そのとおりだ。

著者は、この状態から脱するには、「司法制度改革を無効化し悪用した(最高裁裁判所)事務総局解体」が何よりも重要だとし、その実現には法曹一元化の採用・導入が必須と主張している。今こそ、司法を国民、市民のもとにという強い危機感と熱い思いが伝わってくる、著者渾身の力が込められた一冊である。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年4月28日に日本でレビュー済み
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公平で人権主義のひとは裁判官を続けていられないということ
官僚主義で、訴訟の当事者のことよりも、裁判官の仕事のご都合がなにより大事でそれによって進行が左右される

裁判所や裁判官のことを、自由平等、人権の尊重を重んじる最後の砦とこれまでなにも知らないわたしはこれまで純粋にも考えていました

この人間の社会は不公平、アンフェアなこと、人権の尊重ってなんですかぁ~と含みのある笑いで問いかけるひとがいる。
裁判官がつくる裁判所もこの社会の中にある。考えてみれば不思議ではない

裁判所だけが不公平な人間社会の公平、平等、人権主義、正義の天国であるはずがない
子どもの社会は大人社会の縮図だというように、人間の作る組織はどこでもこの社会の縮図というものなのかも知れない

期待しない方がいいよ、のレベルではなく、「絶望の裁判所」である
著者は大学の教授となっているが、前職の裁判官の職で2度も精神を疲弊させて調子を崩しているが
異常なこと、おかしいことに気が付けること自体そのひとの心の強さだと思う
弱い人間は異常にさえ気が付かず、長いモノに巻かれるだけ、正義の心の分抵抗なんてないから楽なんだろう
読んでいて、この方のひとと物事を診る視点がおもしろかった
人間観察の視点がユニークだと思った。怪物のようなもう自身の尺度では測り切れないし、そんものが通用しないタイプの裁判官のエピソードの話しがおもしろかった

裁判所以外でも、そういう人っている
裁判所がどんな人たちで作られているのかの現実。自分の他者にもつかえる観察眼の示唆もあるように思った。
しかし、裁判官は視野が非常に狭い、官僚制のただの公務員の集まり、裁判官は結局縦割り、お役所対応と言われるような役人なんだろう
高貴で正義感があって、人間としても高い志のある人が、裁判官になっているわけでもなんでもない。
逆に自由主義でそうしたフェアに物事を考える人々が裁判所から排除されている。生残れなくなっている。裁判所とはそういうところ。
裁判所がそんな場所であっていいわけがない。国民のための裁判制度であり、裁判所なのだから。フェアの為に機能する場所でなくてはならないと思う。
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レポート