リーガル・サスペンスを書き始めるとき、作家が一番苦心するのは一体なんだろう。
そんなことを考えながらコナリーの小説を読むと頭が痛くなってしまう。
喩えていううなら高層ビルを設計して構築するような精密さが要求されるのに似ているような気がするのです。
本書『証言拒否』(原題:The Fifth Witness )は、上・下巻合わせて900頁を著者は「簡にして要を得る」という言葉通りで物語をすすめてゆく。
一つの章を終え、次の章へ行く場合に不要なことは省き、読者に想像させるテクニックをコナリーはよく使います。
次の章になると、翌日の法廷でハラーが証人と対峙しているシーンで始るのです。
このテクニックは、読者の好奇心と緊迫感を持続させるために恣意的に用いているのでしょう。
法廷ものは読む側にそれなりの知識が求められ、このジャンルの好きな読者だけが楽しむことができる小説です。
評者は、長年多くの作家の法廷小説を読んできたが、マイクル・コナリーのリンカーン・シリーズは、評者にとって最高ランクに位置されています。
ジョン・グリシャムやパーシヴァル・ワイルド(寡作な作家ですが)なども好きな作家ですが・・・。
リンカーン・シリーズ第7作目を期待しながら下巻を読み終えました。

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証言拒否 リンカーン弁護士(下) (講談社文庫) 文庫 – 2016/2/13
犯行を否定し続ける容疑者。不動産差し押さえに絡む莫大な金をめぐり人間の欲が蠢く。息詰まる法廷劇。コナリーらしさが炸裂する傑作
- 本の長さ448ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2016/2/13
- 寸法10.6 x 1.6 x 14.8 cm
- ISBN-104062933217
- ISBN-13978-4062933216
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2016/2/13)
- 発売日 : 2016/2/13
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 448ページ
- ISBN-10 : 4062933217
- ISBN-13 : 978-4062933216
- 寸法 : 10.6 x 1.6 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 179,098位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,753位講談社文庫
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
軽妙洒脱な会話とストーリー。肩がこらずに楽しめました。
犯罪・法廷小説ですが、被害者や被告人の悲惨さやドロドロした部分ではなく
都会の法曹界で働くポップな仲間やライバルたちがメインになっており、軽い
感じで読めました。
逆に”手に汗握る”的な緊張感は無かったですね。
シリアスな部分を追及してしまうと、いろいろと物足りなく、ツッコミどころ
満載かもしれません。
シリーズ一段落の雰囲気で終わっていますが、そんな頃合いかもしれませんね。
犯罪・法廷小説ですが、被害者や被告人の悲惨さやドロドロした部分ではなく
都会の法曹界で働くポップな仲間やライバルたちがメインになっており、軽い
感じで読めました。
逆に”手に汗握る”的な緊張感は無かったですね。
シリアスな部分を追及してしまうと、いろいろと物足りなく、ツッコミどころ
満載かもしれません。
シリーズ一段落の雰囲気で終わっていますが、そんな頃合いかもしれませんね。
2016年2月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ボッシュシリーズがいまいちになってしまった、コナリー様。
それでも、私は、新刊が出たらすかさず購入し、なにもかもほっぽり出して、まず読みます。
リンカーン弁護士シリーズは、おもろいわ。
本作を読み終えてすぐに、
『リンカーン弁護士』『真鍮の評決』『判決破棄』、すべて読み返しました。
特に『真鍮・・・』に登場した、シャミ博士。
MITで化学工学の修士号を、
NYのジョン・ジェイ・カレッジで犯罪学の博士号を取得し、
「その博士号を手に入れるために二年間ケツを粉にして勉強しました。」と法廷で証言したシャミ様。
さらにハーバードで工学の学士をとり、バークリー音楽大学で学士号をとったという、
ファーストクラスの飛行機で呼ばれてスイートにお泊まりするすてきな証言者。私は大のお気に入りです。
その彼女が、なんと本作に再登場したのです。
これが今回私には一番の喜びでした。
ただし、『真鍮の・・・』の時ほど、切れ味とインパクトがないのが残念。
運転手のトリックは、どうしちゃったのかな、と、ちょっと寂しかったりもする。
本作の冒頭で、実在の「ヴォイチェホフスキー氏に捧げる」となっていて、あれ、亡くなったのかな、と
これまた気になる。どんな人だったんだろう。
まあ、長年コナリーのファンをやっていると、みなさんそうだと思いますが、
細部が気になります。
そして、肝心の本作の中身は・・・・面白い。面白いです。
裁判部分がちょっとだらだらとした感もありますが、
4作セットで考えれば、極上のシリーズだと思います。
初めて読む方は4冊セットが超おすすめ!ぜひ!
それでも、私は、新刊が出たらすかさず購入し、なにもかもほっぽり出して、まず読みます。
リンカーン弁護士シリーズは、おもろいわ。
本作を読み終えてすぐに、
『リンカーン弁護士』『真鍮の評決』『判決破棄』、すべて読み返しました。
特に『真鍮・・・』に登場した、シャミ博士。
MITで化学工学の修士号を、
NYのジョン・ジェイ・カレッジで犯罪学の博士号を取得し、
「その博士号を手に入れるために二年間ケツを粉にして勉強しました。」と法廷で証言したシャミ様。
さらにハーバードで工学の学士をとり、バークリー音楽大学で学士号をとったという、
ファーストクラスの飛行機で呼ばれてスイートにお泊まりするすてきな証言者。私は大のお気に入りです。
その彼女が、なんと本作に再登場したのです。
これが今回私には一番の喜びでした。
ただし、『真鍮の・・・』の時ほど、切れ味とインパクトがないのが残念。
運転手のトリックは、どうしちゃったのかな、と、ちょっと寂しかったりもする。
本作の冒頭で、実在の「ヴォイチェホフスキー氏に捧げる」となっていて、あれ、亡くなったのかな、と
これまた気になる。どんな人だったんだろう。
まあ、長年コナリーのファンをやっていると、みなさんそうだと思いますが、
細部が気になります。
そして、肝心の本作の中身は・・・・面白い。面白いです。
裁判部分がちょっとだらだらとした感もありますが、
4作セットで考えれば、極上のシリーズだと思います。
初めて読む方は4冊セットが超おすすめ!ぜひ!
2016年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コナリーならではの展開です。
どうにもならなくなりそうなトラブルと、
それを見事に解決する過程が楽しい。
下巻での最後のどんでん返しも面白い。
ミッキーがこれからどうなるのか、
今後も楽しみです。
どうにもならなくなりそうなトラブルと、
それを見事に解決する過程が楽しい。
下巻での最後のどんでん返しも面白い。
ミッキーがこれからどうなるのか、
今後も楽しみです。
2016年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いつもながらのマイクル・コナリー。 ノンストップのストーリー展開で先がよめない展開です。 今後も発刊し続けて欲しい!と切に願います。 ☆3つの理由は,私はやっぱり,” ボッシュシリーズのほうが好き ” というだけです。
2017年4月9日に日本でレビュー済み
上下巻読んでの感想です。
マシュー・マコノヒー主演の「リンカーン弁護士」の粗筋はすぐ忘れてしまうのだけれど、飄々としてキャラクターが印象的で、今回初めてこの作家の作品を読んでみました。
魅力的な主人公で、リーガル・サスペンスものとして、タイトルにもなっているトリッキーな戦術等、とても面白かったと思います。
ただし、いくつかきになるところがあります。
以下ネタバレ気味なので、注意ーー
苦いどんでん返しのラストはそれはそれで小説的なエンターテイメントとしては、面白いと思います。
ただ、私がこの本を手にしたのが、リーマンショックを背景に、不公正なシステムの前に、ギリギリ追い詰められながら、黒幕に一発逆転を食らわせる主人公を、なんとなく期待していたこともあり、カタルシス的にはやや薄みでした。
「きみのような人間がまわりにいるのにうんざりしてきたんだ」という最後にミッキーが重要人物に投げかけるセリフは、理想主義とは無縁であることを信条とする主人公として「らしくないな」と感じました。それとも理想主義への回帰を印象付けるセリフなのかもしれませんが。
それは、それとして、本作品。いろいろモヤモヤが残るところもあります。
例えば、◯◯の夫が偽物だったとして、ミッキーが夫の写真をそれ以前、あるいはそれ以後に見る可能性だって十分にあるわけで、◯◯がそういリスクを冒す必然性が感じられません。そもそも、ミッキーが終始、夫の顔を知る機会が全くなかったというのが、ありえないと思いました。
また、◯◯の◯の死体が、その家に埋まっているとして、なぜ警察の最初の捜査で発見されなかったのか、よくわかりません。凶器を探していたのなら、なおさら隈なく探したでしょうに。それらしい伏線もあっただけに不思議です。
さらには、◯◯の動機もはっきりしません。終わってみれば、犯罪は計画的なようでいて、実は短絡的で偶然的。でも、人物は一貫して策略的。◯◯がなぜそうした凶行に至ったのかも、よくわかりません。
このように考えれば考えるほど、いろいろもやもやしたものが出てくるのですが、まぁ、それも本作品の魅力の一つとしたいと思います。
マシュー・マコノヒー主演の「リンカーン弁護士」の粗筋はすぐ忘れてしまうのだけれど、飄々としてキャラクターが印象的で、今回初めてこの作家の作品を読んでみました。
魅力的な主人公で、リーガル・サスペンスものとして、タイトルにもなっているトリッキーな戦術等、とても面白かったと思います。
ただし、いくつかきになるところがあります。
以下ネタバレ気味なので、注意ーー
苦いどんでん返しのラストはそれはそれで小説的なエンターテイメントとしては、面白いと思います。
ただ、私がこの本を手にしたのが、リーマンショックを背景に、不公正なシステムの前に、ギリギリ追い詰められながら、黒幕に一発逆転を食らわせる主人公を、なんとなく期待していたこともあり、カタルシス的にはやや薄みでした。
「きみのような人間がまわりにいるのにうんざりしてきたんだ」という最後にミッキーが重要人物に投げかけるセリフは、理想主義とは無縁であることを信条とする主人公として「らしくないな」と感じました。それとも理想主義への回帰を印象付けるセリフなのかもしれませんが。
それは、それとして、本作品。いろいろモヤモヤが残るところもあります。
例えば、◯◯の夫が偽物だったとして、ミッキーが夫の写真をそれ以前、あるいはそれ以後に見る可能性だって十分にあるわけで、◯◯がそういリスクを冒す必然性が感じられません。そもそも、ミッキーが終始、夫の顔を知る機会が全くなかったというのが、ありえないと思いました。
また、◯◯の◯の死体が、その家に埋まっているとして、なぜ警察の最初の捜査で発見されなかったのか、よくわかりません。凶器を探していたのなら、なおさら隈なく探したでしょうに。それらしい伏線もあっただけに不思議です。
さらには、◯◯の動機もはっきりしません。終わってみれば、犯罪は計画的なようでいて、実は短絡的で偶然的。でも、人物は一貫して策略的。◯◯がなぜそうした凶行に至ったのかも、よくわかりません。
このように考えれば考えるほど、いろいろもやもやしたものが出てくるのですが、まぁ、それも本作品の魅力の一つとしたいと思います。
2016年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミッキー・ハラーが主人公のリンカーン弁護士シリーズの最高傑作だと思います。
ストーリーや謎解き、クライマックス、結末とも申し分なし。極上の法廷小説です。
ストーリーや謎解き、クライマックス、結末とも申し分なし。極上の法廷小説です。
2016年5月19日に日本でレビュー済み
昔から、ボッシュのエゴの強さが気になっていた。
また物語上、邪魔な上司、妻を始末する作者コナリーにも不快感を感じるようになった。
作者も当然気づいていたのだろう、刑事弁護士でありながら正義感の強いハーラーの登場させた。
この物語では裁判の結果はほろ苦い結果に、しかしハラーは一歩前進する決意をする。
ストーリーは文句なしで面白い。計算されている。(最近の北欧ミステリーの行き当たりばったり感は好きになれない)
ハーラー今後どのような道を歩むのかそれが楽しみだ。
また物語上、邪魔な上司、妻を始末する作者コナリーにも不快感を感じるようになった。
作者も当然気づいていたのだろう、刑事弁護士でありながら正義感の強いハーラーの登場させた。
この物語では裁判の結果はほろ苦い結果に、しかしハラーは一歩前進する決意をする。
ストーリーは文句なしで面白い。計算されている。(最近の北欧ミステリーの行き当たりばったり感は好きになれない)
ハーラー今後どのような道を歩むのかそれが楽しみだ。