ひうらさとるの、『初期の良さ』と『現在の良さ』の丁度まんなかに位置する感覚の作品集。表代作は1話目の「椿」となっているが、他の2話がとても良い。
私は、「東京BABYゲーム」本編を読む前にこの中の番外編「Seven」を読んだ。この作品があったから、本編も読んでみたくなったのだ。はっきり言って、本編の6巻分より、この読みきり1話の方が作品の出来として重量がある。京市と敦司の関係が良い。単なる友情物語では無く、これは『小さな家族の物語』だ。そう考えると、次に入っている「パーフェクト・ルーム」も不思議な感覚のするストーリーだが、根っこのテーマはこれも『家族』の物語。
この中では「パーフェクト・ルーム」が一番印象的だ。何度も読み返した。それぞれに家族や何か『欠けたもの』を持っている少年達が共に暮らし、そこにいる人間達でしか作る事のできない『空間』を作ってゆく。それは彼等にとって不器用な家族の形なのだろう。
ひうらさとるは『何かが欠けている者たち』を描くとグンと魅力的な作品になる。それは、『無い』事を描くだけではなく、無い事によって代わりにそこに『何かがある』事を描くのが上手いからだ。
ひうら作品の魅力が詰まったこのコミックス、是非お勧めしたい。
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椿 カメリア (講談社コミックスフレンド B) コミック – 1999/6/1
ひうら さとる
(著)
地方の有力者の娘・ゆたかは、優等生を演じる毎日に疲れていた。そんなゆたかの前に現れた転任教師・工藤は、ゆたかの生活に鮮やかな色をつけていく。抑圧された日常からの解放を描いた表題作ほか、人気連載「東京BABYゲーム」の番外編を含む、珠玉の読み切り作品集!!
- 本の長さ171ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1999/6/1
- ISBN-104063031578
- ISBN-13978-4063031577
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1999/6/1)
- 発売日 : 1999/6/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 171ページ
- ISBN-10 : 4063031578
- ISBN-13 : 978-4063031577
- カスタマーレビュー:
著者について
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大阪府出身、兵庫県在住、1984年なかよしにてデビュー。
代表作に「月下美人」「プレイガールK」「ホタルノヒカリ」「ヒゲの妊婦(43)」など。
現在は、講談社kissにて「うらら」連載中。
代表作「ホタルノヒカリ」は、2007年、2010年、綾瀬はるか主演でドラマ化ののち2012年に映画化。
また、ひうらが発起人となり、11組の漫画家らが震災の被災地を訪れ
その土地で起きた様々な出来事やエピソードを漫画に描き伝えるプロジェクト
「ストーリー311」(http://www.story311.com/)を2013年3月11日に出版。
著者名:ひうらさとる、末次由紀、さちみりほ、上田倫子、東村アキコ、
岡本慶子、ななじ眺、樋口橘、うめ(小沢高広、妹尾朝子)新條まゆ、おかざき真里
趣味は、引越し。物件を見ること。突発的に整理整頓をすること(物を処分するのが好き)。
性格は、おおらかで大ざっぱ。立ち直りが早い。物忘れが激しく外付けHDになってくれている友人がいる。よく「自由ですね...」と言われる。A型を疑われます。
公式サイト:http://www.satoru-h.com/
Twitter:http://twitter.com/marikosatoru
FACEBOOK:http://www.facebook.com/hiurasatoru