永井豪の文句ない最高傑作(個人的には酒呑童子も同じくらい好きですが)というだけでなく、少年漫画史上に残る傑作でしょう。
こういうヒューマニズムに疑問を投げかける漫画は 火の鳥やマーズ、カムイ伝など数多くの名作があるが、
わずか5巻という短い構成の中に、見事に人間に潜む魔性をえぐりだしたという点で、比類なき名作といわざるを得ない
(マーズも5巻ですがラスト近くの圧倒的な迫力は、やはりこのデビルマンにかなう作品はあまりないのでは・・・)
3巻の途中くらいまではどちらかというと、普通のヒーロー漫画のような展開で話は進みます。
親友・飛鳥涼から悪魔の存在を知らされる主人公・不動明。
悪魔(デーモン)と合体し不死身の力を身につけ、デーモン軍団との戦いを決意する。
妖鳥シレーヌとの死闘、人面亀との戦いなど、どちらかといえばウルトラマンや仮面ライダーなどに見られる
単純な「主人公対悪役との戦い」という感じで話は進みます。
しかし、3巻の後半から話は一気にアルマゲドンの世界に突入する!
話は不動明対デーモンという単純な構図ではなく、「デーモン軍団」対「人類」という構図へと一気に広がっていく!!
悪魔が人類に挑むにあたってとった作戦とは!?
中世ヨーロッパの「魔女狩り」ならぬ「悪魔狩り」を現代で始めた人類の運命は!?
あっと驚く結末! 悪魔はなんと暴力だけでなく人類に「知恵」と「心理戦」を加えて勝負を挑んでいたことが、徐々に明かされていく・・・
悪魔にあやつられ狂気と化していく人類は滅亡の道を辿るしかないのか?
不動明はデーモン軍団に対抗し、デビルマン軍団を結成するが・・・
堕天使サタンは呼びかける。
デーモンこそ正義だ! 私は人間を許せなかった!!神を許せなかった!!
そこには「人間だけが正義」という単純な倫理感はどこにもない・・
悪魔には悪魔の側の正義があるのだ・・
親友・飛鳥涼の裏切り・・・
そして主人公・不動明も、人間の醜さに直面して「今の人間に守るべき価値があるのか・・・?」と悩む。
それでも彼は、愛する美紀を守るために戦おうとする。
しかしその頃、暴徒と化した群衆が殺人鬼となって美紀の家族を襲っていた・・・
不動明と、愛する牧村美樹や善良な牧村一家の運命は!?
デビルマン軍団とデーモン軍団の対決は!?
最終巻のこの5巻は、詩情すら漂う圧巻のラストが待つ・・・
聖書のアルマゲドンの世界を再現した「永井SFワールド」の最高峰
中学生の頃初めてこの漫画を読みましたが、正義とは?悪とは?をこれほど考えさせられる作品はなかった・・・・
この漫画は単純な勧善懲悪ものなどでは決してなく、人類の持つ魔性に光をあてた比類のない名作です。
少年漫画でこれほど高レベルの作品をそれまで見たことがなかった私は、あまりの凄さに感動を禁じえませんでした。
読んだ後にため息がでるほどの素晴らしい展開!結末!!
人間の持つ愚かさをえぐりだし、人類に警告をも与える名作中の名作といっていいでしょう!!
(ちなみにアニメでも同じような最終回にするという案があったらしいが、さすがにお茶の間で
このシーンを流すことは出来ず、断念したらしい。そりゃあ、アニメじゃちょっと無理でしょうねえ・・・)
ちなみに永井豪の大ファンである私としては、このデビルマンと酒呑童子を描いていた頃の氏のペンタッチは、
最も独創的かつ実験性に溢れていた頃であって、個人的には何といっても完全復刻盤をお勧めします。
表紙ひとつとっても、このころの絵は迫力に満ちていて!!活き活きとした氏の情熱が脈打ってる!!存在感が全く違う!!
しかも新装版には、途中で中世の頃を描いたエピソード(後に書き足したもの)が載ってるようですが、全くのナンセンスと言わざるを得ない。
あれは1話完結タイプの番外編であって、本編に加えるには相当な無理があるのに・・
3巻の後半から始まるアルマゲドンのストーリー構成は素晴らしい!!
そこに余計なエピソードを織り込んでは台無しになってしまうのに・・・
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デビルマン 5 完全復刻版 (KCデラックス) コミック – 1994/4/1
おそいくるデーモン軍団に対して不動明はデビルマン軍団を組織して対決!だが意外、親友飛鳥了がデーモンの首領サタン大王の化身とは?怪奇、壮絶、恐怖の大ロマン堂々完結!
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1994/4/1
- ISBN-104063194396
- ISBN-13978-4063194395
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1994/4/1)
- 発売日 : 1994/4/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 205ページ
- ISBN-10 : 4063194396
- ISBN-13 : 978-4063194395
- Amazon 売れ筋ランキング: - 332,614位コミック
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月21日に日本でレビュー済み
2011年4月13日に日本でレビュー済み
遂に「デビルマン 最終巻」 てす。
それまで命がけでデーモンと闘ってきた、デビルマン 不動明。
だが親友、飛鳥了の手によって正体をバラされる。
美樹にばけものを見る目を向けられ、牧村のおじさんに銃を突き付けられる明。
「確かに俺は悪魔の体を持っているさ。了が見せたフィルムは本物だよ。
あれが俺の本当の顔だよ。
だが、それでも俺は人間、不動明なんだ。
人間の心を持っている。不動明の心を持っている。
人間の体を失った俺だが心は失くしていない。
人間の心は。。。」 涙ながらに訴える明。
牧村夫妻は悪魔狩り本部へ連行され、残虐な拷問の後、非業の死を遂げる。
その場に居合わせた明は処刑人が助かりたい一心で「お前たちの仲間を殺していない。」と懇願するのを目の当たりにし、
「外道、貴様らこそ悪魔だ。 地獄へ堕ちろ人間ども。」 と言い放ち、焼き殺す。
(ヒーローが人間を手に掛けるのは初の出来事でした。)
今まで人間を守る為に闘ってきた。
だが、自分の面倒を見続けてくれた、おじさん達は惨殺され、もはや人類を守る闘いに意味合いを見出せなくなった明。
闘いの最後の理由として、美樹に希望をみる明。
だか、美樹は既に殺人集団と化した街の人達に惨殺され、バラバラに切り刻まれていた。
明の心は崩壊し、暴徒もろとも、牧村邸を焼き尽くす。
もう、生きる希望も意味も守るべきものさえ失くしてしまった明に一片の希望すら残されていなかった。
ただひとつ、飛鳥了への憎しみを除いては。
それまで命がけでデーモンと闘ってきた、デビルマン 不動明。
だが親友、飛鳥了の手によって正体をバラされる。
美樹にばけものを見る目を向けられ、牧村のおじさんに銃を突き付けられる明。
「確かに俺は悪魔の体を持っているさ。了が見せたフィルムは本物だよ。
あれが俺の本当の顔だよ。
だが、それでも俺は人間、不動明なんだ。
人間の心を持っている。不動明の心を持っている。
人間の体を失った俺だが心は失くしていない。
人間の心は。。。」 涙ながらに訴える明。
牧村夫妻は悪魔狩り本部へ連行され、残虐な拷問の後、非業の死を遂げる。
その場に居合わせた明は処刑人が助かりたい一心で「お前たちの仲間を殺していない。」と懇願するのを目の当たりにし、
「外道、貴様らこそ悪魔だ。 地獄へ堕ちろ人間ども。」 と言い放ち、焼き殺す。
(ヒーローが人間を手に掛けるのは初の出来事でした。)
今まで人間を守る為に闘ってきた。
だが、自分の面倒を見続けてくれた、おじさん達は惨殺され、もはや人類を守る闘いに意味合いを見出せなくなった明。
闘いの最後の理由として、美樹に希望をみる明。
だか、美樹は既に殺人集団と化した街の人達に惨殺され、バラバラに切り刻まれていた。
明の心は崩壊し、暴徒もろとも、牧村邸を焼き尽くす。
もう、生きる希望も意味も守るべきものさえ失くしてしまった明に一片の希望すら残されていなかった。
ただひとつ、飛鳥了への憎しみを除いては。
2015年1月12日に日本でレビュー済み
今日のフランスに360万人のデモが、
起こったというニュースを見て、ふと思い
出したのがこの漫画。なんか似た展開に
なるんじゃねえの、という感じである。
つまり、「悪魔狩り」ならぬ「テロリスト狩り」。
テロなるものは、個人の単位で報復を
起こすものだから、いくら警察当局が監視
してもしきれるものだろうか。その困難性から
監視が鬼のように厳しくなり、また市民も
その居心地のわるさの原因をなすり付けるために、
移民者に対して圧迫する。おおお、まさに牧村家
状態があちこちに現出する(デモの群衆が、牧村家
を襲った狂気の群衆を連想させる)。かくして
テロの親玉は子分の手を汚さなくても、弱い醜い
対象国民はかってに自滅していくのであった。
いやー、ありうるぞ、ありうるぞ。おまけに自分を
守ってくれるデビルマン軍団なんかあるわけないし。
このレビューはイスラム国やアルカイダの人には
絶対に見て欲しくはないね。
起こったというニュースを見て、ふと思い
出したのがこの漫画。なんか似た展開に
なるんじゃねえの、という感じである。
つまり、「悪魔狩り」ならぬ「テロリスト狩り」。
テロなるものは、個人の単位で報復を
起こすものだから、いくら警察当局が監視
してもしきれるものだろうか。その困難性から
監視が鬼のように厳しくなり、また市民も
その居心地のわるさの原因をなすり付けるために、
移民者に対して圧迫する。おおお、まさに牧村家
状態があちこちに現出する(デモの群衆が、牧村家
を襲った狂気の群衆を連想させる)。かくして
テロの親玉は子分の手を汚さなくても、弱い醜い
対象国民はかってに自滅していくのであった。
いやー、ありうるぞ、ありうるぞ。おまけに自分を
守ってくれるデビルマン軍団なんかあるわけないし。
このレビューはイスラム国やアルカイダの人には
絶対に見て欲しくはないね。
2003年11月3日に日本でレビュー済み
ずいぶん前にレビューを書いていたところ、文字化けして消えてしまいましたので、書き直します。
僕が初めて第1巻を読んだのは、小学校3年頃だったと思います。(40数年前になると思います。)
当時冒険王にも漫画のデビルマン(画:蛭田充)が載っていて、母にその単行本を買ってきてと頼んだところ、永井豪版の第1巻を買ってきたのが、きっかけでした。それから単行本が出るたびに第5巻まで買いました。
なので、初版本がうちには揃っています。
当然ながら、僕もテレビ版から入りましたので、あまりの違いに驚愕しました。
当時全部読んだのですが、しばらくはトラウマになり、あまり読み返しませんでした。(怖くて読めなかった。)
しかしながら、小学生当時ですら、善悪の価値観を揺さぶられたのは間違いありません。
大人になって読み返してみたところ、当時の衝撃・パワーが全く衰えていないことに驚きました。
子供のころに読んだ漫画や小説等を大人になって読み返すと、ほとんどが当時の印象よりも薄いことがほとんどなのですが、
この作品だけは、別物でした。
今読んでみても、デーモンの総攻撃が始まる第3巻の後半から最後までの疾走感と誌面から噴き出るようなパワー、衝撃度及び完成度は、凄まじいの一言です。
これほどの作品は、今後も出現しないのではないかと思わされます。(美樹やタレちゃんの惨殺シーンなどは、現在の少年漫画では描けないでしょうし…。)
悪魔造形の素晴らしさ(僕は特に悪魔王ゼノンがいい)に加えて、後半部分のネーム(明のセリフ等)のカッコよさも特筆ものだと思います。
永井豪の話では、マガジンで連載していた当時、最初から話が出来ていたわけではなかったとのことですが、週刊連載でこれほどの完成度の作品が出来たのは、まさに奇跡だと思います。
僕が初めて第1巻を読んだのは、小学校3年頃だったと思います。(40数年前になると思います。)
当時冒険王にも漫画のデビルマン(画:蛭田充)が載っていて、母にその単行本を買ってきてと頼んだところ、永井豪版の第1巻を買ってきたのが、きっかけでした。それから単行本が出るたびに第5巻まで買いました。
なので、初版本がうちには揃っています。
当然ながら、僕もテレビ版から入りましたので、あまりの違いに驚愕しました。
当時全部読んだのですが、しばらくはトラウマになり、あまり読み返しませんでした。(怖くて読めなかった。)
しかしながら、小学生当時ですら、善悪の価値観を揺さぶられたのは間違いありません。
大人になって読み返してみたところ、当時の衝撃・パワーが全く衰えていないことに驚きました。
子供のころに読んだ漫画や小説等を大人になって読み返すと、ほとんどが当時の印象よりも薄いことがほとんどなのですが、
この作品だけは、別物でした。
今読んでみても、デーモンの総攻撃が始まる第3巻の後半から最後までの疾走感と誌面から噴き出るようなパワー、衝撃度及び完成度は、凄まじいの一言です。
これほどの作品は、今後も出現しないのではないかと思わされます。(美樹やタレちゃんの惨殺シーンなどは、現在の少年漫画では描けないでしょうし…。)
悪魔造形の素晴らしさ(僕は特に悪魔王ゼノンがいい)に加えて、後半部分のネーム(明のセリフ等)のカッコよさも特筆ものだと思います。
永井豪の話では、マガジンで連載していた当時、最初から話が出来ていたわけではなかったとのことですが、週刊連載でこれほどの完成度の作品が出来たのは、まさに奇跡だと思います。