この本を、どれだけ待ち続けたか…。
発表作品ごとに筆致を変える作者の心情。
本当に多岐多彩に亘る著者の変遷がよく分かります。
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黄色い本 (KCデラックス) コミック – 2002/2/20
高野 文子
(著)
小説の主人公に自分を重ね、図書館で借りた本を読みふける少女。名作「チボー家の人々」を題材に採った表題作のほか、3編を収録。会社の片隅で繰り広げられる、恋か?セクハラか?本人たちにもわからない小さな騒動「マヨネーズ」、ボランティアが派遣先で起こすスリリングなすれ違い「二の二の六」など、バラエティー豊かに人生の真実と上澄みをすくい取る、たぐいまれなる作品集。ユーモアとクールな距離感が織りなす絶妙なバランス、名手による4編の物語をお楽しみください。
- 本の長さ154ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/2/20
- 寸法15 x 1 x 21 cm
- ISBN-104063344886
- ISBN-13978-4063344882
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商品の説明
商品説明
寡作ながら時代のはやりすたりに流されない漫画を描き続ける、高野文子の4冊目の短編集。モダンで柔軟な絵柄と、ユーモラスかつ静謐(せいひつ)な描写と、高度で緻密な演出。これらが絶妙なバランスで同居する彼女の漫画の中には、さまざまな驚きと発見が隠されている。
たとえばロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々』を題材にした表題作は、読書の醍醐味そのものを再発見させてくれる。主人公の女学生は、流れていく日々の生活の中で『チボー家の人々』をゆっくりと読破する。極端に言えばただそれだけの物語。しかし、だからこそ『黄色い本』には、本を読む習慣のある人間にとってたまらない感動が詰まっている。いい本に出合い、その世界の中に没入して読みふけり、ある種のせつなさと共に読み終える。この一連の流れの中で抱く読者の複雑な気持ちが、さりげないあの手この手によって見事に再現されてゆく様の、なんとみずみずしく美しいことか。
ほかに収録されているのは、縁の不思議を絶妙に描く2つの短編と、オリジナルとは視点を切り替えて描かれた冬野さほの短編漫画のカバー。どの内容も、一度読んだだけではとても味わいきれないほど奥が深い。よく理解できない箇所があっても、描写を手がかりに想像を駆使しつつ読み込めば、見えてくるものがある。そして、ああ、そうだったのか!と一度感動したら、また何度もじっくり読み返したくなる好循環。まさに一生ものの1冊。(横山雅啓)
著者について
高野 文子
1957年11月12日生まれ。新潟県新潟市出身。新潟県立新潟江南高等学校衛生看護科、東京都立公衆衛生看護専門学校卒業。1979年、「JUNE」掲載の『絶対安全剃刀』でデビュー。1982年、同作品で第11回日本漫画家協会賞・優秀賞受賞。2003年には、『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』で第7回手塚治虫文化賞・マンガ大賞受賞。
1957年11月12日生まれ。新潟県新潟市出身。新潟県立新潟江南高等学校衛生看護科、東京都立公衆衛生看護専門学校卒業。1979年、「JUNE」掲載の『絶対安全剃刀』でデビュー。1982年、同作品で第11回日本漫画家協会賞・優秀賞受賞。2003年には、『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』で第7回手塚治虫文化賞・マンガ大賞受賞。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/2/20)
- 発売日 : 2002/2/20
- 言語 : 日本語
- コミック : 154ページ
- ISBN-10 : 4063344886
- ISBN-13 : 978-4063344882
- 寸法 : 15 x 1 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 85,383位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月16日に日本でレビュー済み
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『チボー家の人々』という黄色い表紙の本を昔私も買って読んだことがあった。なんだかよくわからないままに、五巻中四巻まで読んで脱落した。高野文子著の『黄色い本』の登場人物はきちんと読了している。そして、ジャック・チボーをきちんと友としている。
2024年1月14日に日本でレビュー済み
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高野文子さんと出会ったはじめての本。
ひとは読書するとき、誰しもが孤独にならなければならいことを思い出させてくれる。
ひとは読書するとき、誰しもが孤独にならなければならいことを思い出させてくれる。
2018年4月4日に日本でレビュー済み
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普段の日常の中でも、いろいろなことを考えたり。じっくり味わう本ですね。
2022年10月4日に日本でレビュー済み
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高野先生には全く恐れ入ります。先生も十代の後半を、みっこちゃんみたいにジャック・チボーと共に駆け抜けたのだろうか。。本のなかの友人と対話するこの没入感と家族との日常風景がシームレスに行ったり来たりする。日常の描写もやたらリアル。絵が上手い、ってゆうのはこうゆうのを描ける人なんだよなあ…とつくづく思う。私まで一緒にジャックとの別れが泣きたくなるほど切なさでいっぱいになった。そして無限かと思うほど未知を捕らえたい欲望が沸き上がってくる。あーそれはともきんすの影響かも。
ともかく唯一無二の創作と表現の世界!!!
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2020年4月27日に日本でレビュー済み
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カメラの位置や会話の切り取り方などがとても斬新で今まで経験したことがない興奮を感じました。
漫画の新しい楽しみ方を教えてくれた作品です。
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2020年7月20日に日本でレビュー済み
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表題作「黄色い本」のほか、「CLOUDY WEDNESDAY」「マヨネーズ」「二の二の六」の計4作品を収録。約70ページの中編「黄色い本」が表現しているのは、十代にとっての読書体験が「もう一つの世界を生きること」である感覚です。空想世界は現実から切り離されたアナザーワールドではない。薄紙をかぶせたように主人公・実地子の生きる現実に重なり、侵食してくる。こういう言語化しづらい感覚を、漫画という媒体を通じて表現できるのが高野文子の稀有な才能ですね。
高校三年生の実地子は、ロジェ・マルタン・デュガールの長編小説『チボー家の人々』(=黄色い本)を読み耽っている。コミンテルンの革命運動に身を投じるジャック・チボーらの生き方に胸を熱くするが、騒がしい家族やちょっかいを出してくる級友に邪魔され、絶えず現実世界に引き戻される。十代の少年少女であれば、そうした邪魔立てに機嫌を損ねるのが普通でしょう。けれども賢明で大人な実地子は、現実世界とうまく折り合いをつけて日々を過ごしています。やがて実地子は黄色い本を読み終え、心の中でジャック・チボーらに別れを告げる。そして地元の肌着メーカーに就職していく。それは空想世界との訣別であり青春時代との訣別です。
決して裕福ではない豪雪地帯の家の長女として、自分にはこれ以上夢を追うことも空想に耽ることも許されていないと悟っている、実地子の物分かりのよさに胸を締め付けられます。そして、そんな実地子の気持ちを理解し、静かに見守る父親のセリフ。「実ッコ、その本買うか?好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺は思うがなぁ」。切ないんだけど前向きな明るさがあり、思わずうるっと来ます。
高校三年生の実地子は、ロジェ・マルタン・デュガールの長編小説『チボー家の人々』(=黄色い本)を読み耽っている。コミンテルンの革命運動に身を投じるジャック・チボーらの生き方に胸を熱くするが、騒がしい家族やちょっかいを出してくる級友に邪魔され、絶えず現実世界に引き戻される。十代の少年少女であれば、そうした邪魔立てに機嫌を損ねるのが普通でしょう。けれども賢明で大人な実地子は、現実世界とうまく折り合いをつけて日々を過ごしています。やがて実地子は黄色い本を読み終え、心の中でジャック・チボーらに別れを告げる。そして地元の肌着メーカーに就職していく。それは空想世界との訣別であり青春時代との訣別です。
決して裕福ではない豪雪地帯の家の長女として、自分にはこれ以上夢を追うことも空想に耽ることも許されていないと悟っている、実地子の物分かりのよさに胸を締め付けられます。そして、そんな実地子の気持ちを理解し、静かに見守る父親のセリフ。「実ッコ、その本買うか?好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺は思うがなぁ」。切ないんだけど前向きな明るさがあり、思わずうるっと来ます。
2015年5月9日に日本でレビュー済み
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手塚治虫は別格だけどマンガには縁遠~い私が、ラジオの「すっぴん」ゲストだった著者への好感度!から即購入。でもやっぱり私は活字が好き!マンガ脳ミソ開発しなくては・・。