18世紀のフランスを舞台にした、女騎士スフィンクスと人の生き血で詩作をする詩人たちとの戦いを描いたゴシックホラーバトル作品、第2巻です。
"18世紀のフランス""韻文""詩情""アナグラム"等、なかなかとっつきにくいキーワードが多い作品ですが、ストーリーの根幹を成すプロットが非常にしっかりしており、読者を世界観に引き込むような魅力がある作品です。
今巻では、敵が生き血をもって詩作をするその目的や、主人公の属する「国王の機密局」の実態、主人公が詩人と戦う理由などが断片的とはいえ明かされつつあり、物語に更に深い奥行きを与えています。
また、この作品を語る上で絶対はずせない点は、1コマ1コマ非常に精緻に描き込まれている作画レベルの高さですね。力強い線で描き出されたキャラクター達は、構図やポージングなども非常に良く練られており、特に大ゴマの迫力は出色だと思います。作画担当の方は漫画家ではなくイラストレーターとの事ですが、それだけにシーンを"一枚の絵"として魅せる力がとても秀逸です。
逆に、コマの送りやモブシーンなどこなれていない面も見受けられますが、そういった点を割り引いてもカバーデザインに惹かれた方なら"女騎士・スフィンクス"の勇姿を十分に堪能できると思います。
メインキャラクターに実在の人物を配置し、その人物像を活かしながらも、充分な創作部分を加えることによって非常に魅力的なキャラクターを作り上げるという手法も評価できます。ホラー好き、バトル好きな方なら楽しめる要素が多い作品です。
P.S.アニメ化の情報がありますが、そちらは少々不安ですね。この作品の絵を動画で表現するのはかなりキツいのではないかと思います。プロダクションI.Gの手腕には期待しますが…
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
シュヴァリエ(2) (マガジンZKC) コミック – 2006/3/23
冲方の舌(かたり)と夢路の筆(ペン)が筆舌に尽くせぬ魔を魅せる!! 時は革命前夜の巴里(パリ)。敵は詩人、虚々実々の新・神秘的韻文詩集!!!
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/3/23
- ISBN-104063492389
- ISBN-13978-4063492385
商品の説明
著者について
冲方丁
『マルドゥック・スクランブル』『シュヴァリエ』『蒼穹のファフナー』『ヒロイックエイジ』『カルドセプト』…全メディアの枠を軽々と越え、創作の場を拡大
する「文芸革命児」!!! この『オイレンシュピーゲル』もまた、冲方だから実現できた「同時多発ストーリー」という企みが生んだ、最高の果実である。
『マルドゥック・スクランブル』『シュヴァリエ』『蒼穹のファフナー』『ヒロイックエイジ』『カルドセプト』…全メディアの枠を軽々と越え、創作の場を拡大
する「文芸革命児」!!! この『オイレンシュピーゲル』もまた、冲方だから実現できた「同時多発ストーリー」という企みが生んだ、最高の果実である。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/3/23)
- 発売日 : 2006/3/23
- 言語 : 日本語
- コミック : 192ページ
- ISBN-10 : 4063492389
- ISBN-13 : 978-4063492385
- Amazon 売れ筋ランキング: - 482,512位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1977年岐阜県生まれ。早稲田大学在学中の1996年に『黒い季節』で第1回スニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年、第24回日本SF大賞 を受賞した『マルドゥック・スクランブル』などの作品を経て、2009年、天文暦学者・渋川春海の生涯を描いた初の時代小説『天地明察』で第31回吉川英 治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞し、第143回直木賞の候補となる(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『マルドゥック・スクランブル』(ISBN-10:4152091533)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
星5つ中3.8つ
5つのうち3.8つ
3グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2006年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年4月2日に日本でレビュー済み
どうしてもピルグリムイェーガーと比べてしまいます。
夢路さんの絵のベースに伊藤真美さんが在るから尚更。
うーん、良くない。これは良くないな、俺。まぁいいや。
話の展開は相変らず冲方さんらしくて大変俺好みで面白いです。
中世・近代ヨーロッパとか最高ですよね。ね?(?)
夢路さんも1巻の頃よりは漫画の描き方に慣れて来た感がします。
が。……まぁ、まだ所々おかしいです、やっぱり。盛上げ方とか。
見開き等は流石!って感じで決まってるんですけどねぇ。難しいなぁ。
絵柄自体はまんま伊藤真美や平野耕太だった1巻に比べ、夢路さんらしさが
出てきていると思います。まだ色々混じってますが。
其の辺も結局慣れなんでしょうね。でも初連載でこの技量は正直凄い。
多分4巻辺りになると物凄い面白い漫画になってると思います。
そんな行く先の期待を込めて☆3つ。
あ、ダランベールにマンソンのイメージは手放しで満点でした(笑)。
夢路さんの絵のベースに伊藤真美さんが在るから尚更。
うーん、良くない。これは良くないな、俺。まぁいいや。
話の展開は相変らず冲方さんらしくて大変俺好みで面白いです。
中世・近代ヨーロッパとか最高ですよね。ね?(?)
夢路さんも1巻の頃よりは漫画の描き方に慣れて来た感がします。
が。……まぁ、まだ所々おかしいです、やっぱり。盛上げ方とか。
見開き等は流石!って感じで決まってるんですけどねぇ。難しいなぁ。
絵柄自体はまんま伊藤真美や平野耕太だった1巻に比べ、夢路さんらしさが
出てきていると思います。まだ色々混じってますが。
其の辺も結局慣れなんでしょうね。でも初連載でこの技量は正直凄い。
多分4巻辺りになると物凄い面白い漫画になってると思います。
そんな行く先の期待を込めて☆3つ。
あ、ダランベールにマンソンのイメージは手放しで満点でした(笑)。