「ギャンブルレーサー全３９巻」、そしてこの「ギャンブルレーサー二輪乃書」と続いた日本唯一の本格的？競輪マンガがこの７巻で完結をとなった。連載期間は計１８年である。連載開始時、主人公関優勝のライバルとして登場していた競輪選手は、”鬼脚”井上茂徳であり”怪物”滝沢正光である。長い年月を感じる。
この作品がただの競輪マンガでなかったのは３点ある。
１．現実の競輪選手達が現在進行形で出演？し、架空の人物である関達とからんでいること。選手達の顔がまた似ている。そして、競輪業界の衰退もきっちり描かれ非常にリアルであること。
２．このマンガは恐らく日本一「ふきだし」（特に競輪選手の心中をふきだしで表したもの多い）が多い作品だが、これが非常に人間くさくきれいごとなど全くない。欲望丸出しである。これが、著者の人間の欲望がデフォルメされ且つ単純化されたキャラクターと合わさると競輪選手はみな欲の塊に見える。著者はこれをギャグの形式で描き出すが、ある意味”真のプロ”の姿を描いた作品といえること。
３．主人公関優勝は全盛期にはＧＩレースにも優出（決勝戦進出）するほどの一流選手でありながら、登場人物中もっとも自分勝手である。弟子の活躍も息子を競輪選手にするのも全て自分がレースに勝つためである。このような「真の？プロ魂」を持つキャラクターを主人公としたこと。
本巻に選手としての関は殆どレースに登場しない。最終回の一話前では競輪最高峰のレースであるＫＥＩＲＩＮグランプリに優出した息子の優一に、Ｇ１レースに優勝できなかった自分の若い頃の姿を重ね合わせる。１８年このマンガを読み続けていた私はチョットほろりとした。関もついに引退かと思ったのだが、最終回を読んで…「関はやっぱり関だった」。
リアルな競輪世界を描いた「ギャグマンガ」の傑作！！
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