国枝史郎著『神州纐纈城』の石川賢版コミカライズ上巻であります。
原作からして未完の長編伝奇小説。どう脚色しようと自由だよね!てな感じで、纐纈城の住人たちはぐちょぐちょどろどろの魔物の群れ。いったいどこまで原作に沿っているのか、読んでいて不穏な気分に。
戯曲調のいいまわしが目立つのも原作準拠なのでしょうか。
グロテスクな怪物たち以上に人間たちのエゴの方が醜悪そのもの。主人公っぽい立ち位置だった土屋庄八郎がこの世の地獄を見せつけられて、魔人として覚醒したところで下巻に続く。
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神州纐纈城(上) (講談社漫画文庫) 文庫 – 2006/3/10
描き下ろし伝奇傑作コミックが漫画文庫化!時は戦国の世。代々武田信玄の家臣だった土屋庄三郎は、手に入れた深紅の布にまつわる謎と、自らの運命を探るために、魑魅魍魎が蠢く纐纈城に向けて旅立った!
- 本の長さ472ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/3/10
- ISBN-104063703010
- ISBN-13978-4063703016
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/3/10)
- 発売日 : 2006/3/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 472ページ
- ISBN-10 : 4063703010
- ISBN-13 : 978-4063703016
- Amazon 売れ筋ランキング: - 956,451位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2018年9月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年3月19日に日本でレビュー済み
時は戦国。霊峰富士の裾野に広がる密林を抜け、本栖湖湖上に聳える纐纈城。そこに住まうわ悪鬼羅刹の群れ。城主としか其の名を知られない仮面の男は業病を患い、その治療の妙薬を得るために、近隣の村々から人々をかどわかしては、その生血を絞り臓腑を食らうという。人の生血で深紅に染め上げられた纐纈布に導かれ、甲州武田家家臣土屋正三郎は、纐纈城を求めて旅立つのであった。国抜けの大罪人正三郎を追う、鳥刺しの高坂甚太郎、纐纈城城主の為に人の生き胆を練り上げる医師直江蔵人、その親友にして蔵人の悪行を勇めんと樹海を進む塚原卜伝、嫉妬の果てに気が狂い、駆け落ちした妻と情夫を殺さんと出会う男を見境無く切り殺す、三合目の陶器師などなどなど。これら目くるめく登場人物たちが、邪悪の砦纐纈城を中心に、数奇な運命の渦巻きに巻き込まれていくのであった。
登場人物の紹介をしているだけでワクワクしてくるのだが、この国枝史郎の手になる大正期の伝奇ロマンに、コミカライズという形で噛み応えのある血肉を二十一世紀平成の世に与えたのが、あの石川賢なのだから、こりゃあぁた、読まずにおらりょうか!
いやぁもう、凄い凄い。『魔界転生』でお馴染みの石川節が炸裂しまくり。纐纈城の家臣達は、例によってのフジツボが湧いた鬼みたいな石川節の産物なのだが、これを束ねる城主がオロカ面のそっくりさんで、地味ゆえにインパクトがあって不気味。鳥刺し甚太郎の得物は竹竿。この鬼どもを竹竿の一閃でブッタ切っていくのだよ。
登場人物の紹介をしているだけでワクワクしてくるのだが、この国枝史郎の手になる大正期の伝奇ロマンに、コミカライズという形で噛み応えのある血肉を二十一世紀平成の世に与えたのが、あの石川賢なのだから、こりゃあぁた、読まずにおらりょうか!
いやぁもう、凄い凄い。『魔界転生』でお馴染みの石川節が炸裂しまくり。纐纈城の家臣達は、例によってのフジツボが湧いた鬼みたいな石川節の産物なのだが、これを束ねる城主がオロカ面のそっくりさんで、地味ゆえにインパクトがあって不気味。鳥刺し甚太郎の得物は竹竿。この鬼どもを竹竿の一閃でブッタ切っていくのだよ。
2009年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二人の鬼才がコンビを組んだとき、
われわれ読者はそこに「地獄」を見るわけで。
人間の血の、死にゆく苦痛の染み込んだ纐纈布。
それを生産する纐纈城と、城主の宿業。
あまりに凄まじきテーマゆえに、
田中芳樹、朝松健らによりオマージュが捧げられてきた名作。
それが『神州纐纈城』。
テーマと、人智を超えた描写ゆえ、可視化は不可能と思われたこの作品を、
あの男がマンガ化してしまったのです。。。
しかも、元の設定は活かしつつ、
鉄甲船を本栖湖に運ぶ機械化された織田軍、
戦車を駆る山本勘介、
おまけに日本創世以前の「地獄の記憶」と、
オリジナルな要素、しかも彼の持ち味というべき要素を盛り込んで。
伝奇ゆえの娯楽という面はもちろん、
「この世はなぜ地獄なのか」
「われわれはなぜ苦痛の中、生きるのか」
という石川賢が問い続けてきたテーマもしっかり描かれてます。
思わず唸らされたのは、三合目陶物師の扱い。
まさか、こういう使いみちがあるとは。
伝奇好き必読の逸作!
われわれ読者はそこに「地獄」を見るわけで。
人間の血の、死にゆく苦痛の染み込んだ纐纈布。
それを生産する纐纈城と、城主の宿業。
あまりに凄まじきテーマゆえに、
田中芳樹、朝松健らによりオマージュが捧げられてきた名作。
それが『神州纐纈城』。
テーマと、人智を超えた描写ゆえ、可視化は不可能と思われたこの作品を、
あの男がマンガ化してしまったのです。。。
しかも、元の設定は活かしつつ、
鉄甲船を本栖湖に運ぶ機械化された織田軍、
戦車を駆る山本勘介、
おまけに日本創世以前の「地獄の記憶」と、
オリジナルな要素、しかも彼の持ち味というべき要素を盛り込んで。
伝奇ゆえの娯楽という面はもちろん、
「この世はなぜ地獄なのか」
「われわれはなぜ苦痛の中、生きるのか」
という石川賢が問い続けてきたテーマもしっかり描かれてます。
思わず唸らされたのは、三合目陶物師の扱い。
まさか、こういう使いみちがあるとは。
伝奇好き必読の逸作!