ジャイアントロボ奪還のために、GR3、続けてGR2が襲撃してきます。GR2はテレビにも登場しますが、GR3は漫画にしか登場しないメカです。にもかかわらず、関連書籍などでは存在に言及されているため、本作復刻までは、どんなものなのか知らないファンも多かったのではないでしょうか。私も、その一人です。
空中戦用であり、テレビ版のジャイアントロボが得意とした指先からのロケット弾は、原作ではGR3の武器でした。
本作は、実はそんなに小沢さとるのアイディアは使われていないという説もあるのですが、ジャイアントロボの重武装に続き、GR2が水中用、GR3が空中用といった軍事色も小沢さとる先生っぽい感じがします。もちろん、バビル二世で陸空海のしもべが出てくるように、横山先生も使われているアイディアではあるのですが。
そんなGR2とGR3、皮肉にも、GR3は空中で、GR2は水中で倒されてしまいます。GR1だけ必殺技(灼熱光線)を持っているわけですが、まさに、それが決め手となりました。GR1が勝たなければ話にならないものの、もう少し、敵にも活躍させてあげたかったですが……。
第三話では、横山作品でおなじみのエイ型メカが敵。そして、ジャイアントロボは空も飛べるし水中でも活動できるようになっており、ますますGR2やGR3は立つ瀬がありません。最後は鉄人などと同じく、ハッキリとした結末がないままの最終回となります。特定の敵がいなかった鉄人と異なり、ビッグファイア団という明確な相手が存在した作品だけに、雑でもいいから決着をつけてほしかったところです。
なお、当初青年だった大作は上巻中盤あたりから少年になっていますが、大人だったころを引きずっているのか、本作が軍事色が強いためなのか、正太郎などに比べると、周りの大人たちからの扱いが荒っぽいです。本作でも鉄人などと同様に、敵はクレバーに操縦者を狙ってくるのですが、大作は負傷しても、こき使われる……。
いろいろ気になるところはありますし、序盤は小沢先生の共著だったとか、それゆえか横山先生が気に入っていなかったとか言われている作品でもありますが、有名テレビ番組の原作であり、そのせいか幻の作品だったわりに原作も有名なので、貴重な刊行です。素手か超能力者的ロボの両極端が多い横山ロボのなかにあって、上巻の「ミサイルによる長距離戦」や下巻の「必殺技による決着」なども珍しいカラーだと思うので興味深いです。何より三体のGRがカッコいいため、ファン必携の作品と思います。
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ジャイアントロボ 下 原作完全版 (講談社漫画文庫 よ 1-77) 文庫 – 2006/6/1
横山 光輝
(著)
横山光輝、幻の名作が文庫版で甦る! GR1とともに国連特別捜査機構に属した草間大作と、GRを奪回しようとするビッグファイアとの壮絶な戦いを描く。本巻には奪回作戦編と盗まれた水爆編を収録。
- 本の長さ298ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/6/1
- ISBN-104063703061
- ISBN-13978-4063703061
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/6/1)
- 発売日 : 2006/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 298ページ
- ISBN-10 : 4063703061
- ISBN-13 : 978-4063703061
- Amazon 売れ筋ランキング: - 928,538位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1934年(昭和9年)6月18日、兵庫県神戸市須磨区生まれ。銀行員、映画興行会社などを経て、55年「音無しの剣」でデビュー。56年「鉄人28号」 の連載を開始、大人気となる。2001年1月に完結した「殷周伝説」が遺作となった。91年「三国志」で漫画家協会賞優秀賞、04年「全作品」で文部科学 大臣賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『横山光輝「三国志」大研究』(ISBN-10:4267018502)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔、連載を時々読んでいて、一部を覚えていたので、続きが気になってました。
連載のみで、単行本になってないのがあるらしい。
前半はやや違うけど、後半はだいたいの記憶通り。
第1部の途中から横山氏の絵になって、少し若くなったと思ったけど、2部になって背が縮んだのでちょっとびっくり。
ストーリーは草間の暗殺計画と、ロボの戦いだけで、あまりひねりがないような気がするのだけど。
でも、昔の記憶がつながったので、なんとなく安心しました。
連載のみで、単行本になってないのがあるらしい。
前半はやや違うけど、後半はだいたいの記憶通り。
第1部の途中から横山氏の絵になって、少し若くなったと思ったけど、2部になって背が縮んだのでちょっとびっくり。
ストーリーは草間の暗殺計画と、ロボの戦いだけで、あまりひねりがないような気がするのだけど。
でも、昔の記憶がつながったので、なんとなく安心しました。
2007年2月6日に日本でレビュー済み
上巻でのGR1とGR2の戦いがとても面白く、続きが知りたくて下巻も購入したのですが・・・。
これは酷い!! 特にGR2はライバルキャラとして活躍するかと思っていただけに、とても残念
です。
穿った見方かもしれませんが、何か横山先生の『悪意』の様なものを感じました。他者の
筆が入った代物は、認められなかったとでもいうのでしょうか?
それにしても、GR2がとても不憫です。本来は『水中用』なのですから、せめて第三部に
でも出して欲しかったと思いました。
これは酷い!! 特にGR2はライバルキャラとして活躍するかと思っていただけに、とても残念
です。
穿った見方かもしれませんが、何か横山先生の『悪意』の様なものを感じました。他者の
筆が入った代物は、認められなかったとでもいうのでしょうか?
それにしても、GR2がとても不憫です。本来は『水中用』なのですから、せめて第三部に
でも出して欲しかったと思いました。
2011年11月20日に日本でレビュー済み
それじゃ、GR1の物語的な存在意義が……。GR1・GR2・GR3、各々の設計コンセプトの差別化がこの作品の肝なのに、それを放棄してどうするねん!まあ物語運び的な意味で、主人公機を全地形対応にしたいというのは理解出来ますが(今のロボットアニメも大概そんな感じですし)。
しかし、この終わり方はないよなあ……。「これからも戦いは続く!」という典型的なラストそのままで、説明文がてんこ盛りで盛り上がりも何もなし。せめてBFとの総決戦くらいはしてもらわないと、読んでいる側としては不完全燃焼感が――。多分GR2・GR3との戦いを描いた後、横山先生燃え尽き感に支配されちゃったんだろうなあ。
草間大作のGR1への無茶な命令ぶりが、読んでいて一番印象に残りました。途中飛ばし過ぎて、盛り上がり過ぎてその後の展開に困って終わらせてしまった、全体としてそうした感じで描かれた作品だったのでは、と思いました。
しかし、この終わり方はないよなあ……。「これからも戦いは続く!」という典型的なラストそのままで、説明文がてんこ盛りで盛り上がりも何もなし。せめてBFとの総決戦くらいはしてもらわないと、読んでいる側としては不完全燃焼感が――。多分GR2・GR3との戦いを描いた後、横山先生燃え尽き感に支配されちゃったんだろうなあ。
草間大作のGR1への無茶な命令ぶりが、読んでいて一番印象に残りました。途中飛ばし過ぎて、盛り上がり過ぎてその後の展開に困って終わらせてしまった、全体としてそうした感じで描かれた作品だったのでは、と思いました。
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Manuel David Alvarez
5つ星のうち5.0
Five Stars
2015年7月6日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Great to see the manga that started GR1 and Johnny Sokko and his flying Robot!