内容とは別に表紙についての感想。
全45巻のうち、最初から37巻まで、主人公ファン・ガンマビゼンが一貫して表紙を飾り続けてきた。これはこれでポリシーと言えるかもしれない。だが無関心な他人から見れば、ずいぶんと平板だし、魅力的なキャラもいっぱいいるので、他のキャラを表紙に使えば紹介にもなるのにもったいないなあと思われる…少なくとも私は、作者が他のキャラを描く気がないのかしら、それにストーリーに絡んできた折々の見せ場を作ったキャラクターを表紙にすれば、「栞」のように「ああ、この巻ではだいたいこういうキャラが出てくるよな」という目印にもなるのに、不思議なことだと思っていた。
例えば、エル・グリハラの土武者あたりは、10巻より前に堂々グラビアを飾っておけば(ネタバレ回避のために詳細は控えますが)最終段階で「おお、そういうことだったのか」と表紙自体を伏線として活用することもできたのではないかしら、とか本当に心から残念に思いました。
ところが、37巻で主人公の表紙独占は終わり、38巻から最終45巻まで7冊は副主人公たちになり、なんと最終巻は最初で最後の二名の人物(しかも主人公ではない)が表紙という変則状態で、いったいこの表紙の配列にはどのような戦略ないし法則があってこういう描き方をしたのか、作者川原正敏先生はどうしてこういう描き方をされたのかお伺いしたい。
この魅力的な物語なら、「海図」とか「船そのもの」とかの表紙という大胆なことも出来たはずであり、影船の船長たちとか、表紙ネタには困らなかったはずなのだが。
ジャンルは違うが、100冊を超える小説、栗本薫「グイン・サーガ」は同じ人物が表紙を飾ることはあるが、それでも毎巻、趣向を凝らしてまったく違う状況と背景と人物を描いていたので、敢えて言えばこの工夫の無さとしか筆者の目には思えない行き当たりばったりさには唖然としてしまった。
この物語、私は著者川原正敏先生の単発作品としては最高傑作であり、他の言語にも翻訳し、世界に紹介すべき大傑作と信じている。それだけにこの表紙の使い方はとても残念だった。よけいなお世話であることは重々承知しておりますが。
以上、ストーリーの感想とは一切関係ない疑問点でした。
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海皇紀(37) (講談社コミックス月刊マガジン) コミック – 2008/9/17
川原 正敏
(著)
陸に領土を持たず、海に覇を唱える“海の一族”。その守護神である“影船”を操る謎の男ファン・ガンマ・ビゼン‥その器は底が抜けている!? 『修羅の門』『修羅の刻』『龍帥の翼』の川原正敏が描くファンタジー巨編! 壮大なスケールで描かれる海と大地を巡る物語、最終章へ--
カノン艦隊を壊滅させるためホルアフト海峡で激闘を繰り広げるファン。トーマが自らの艦を火艦にしてまで作ったチャンス‥ファンは残りの敵艦を沈められるのか!?
カノン艦隊を壊滅させるためホルアフト海峡で激闘を繰り広げるファン。トーマが自らの艦を火艦にしてまで作ったチャンス‥ファンは残りの敵艦を沈められるのか!?
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/9/17
- ISBN-104063711617
- ISBN-13978-4063711615
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商品の説明
著者について
川原 正敏
8月17日生まれ。広島県三原市出身。1985年、『パラダイス学園』でデビュー、代表作に『修羅の門』『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』『海皇紀』がある。1990年、『修羅の門』で第14回講談社漫画賞受賞。趣味は草野球。
8月17日生まれ。広島県三原市出身。1985年、『パラダイス学園』でデビュー、代表作に『修羅の門』『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』『海皇紀』がある。1990年、『修羅の門』で第14回講談社漫画賞受賞。趣味は草野球。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/9/17)
- 発売日 : 2008/9/17
- 言語 : 日本語
- コミック : 208ページ
- ISBN-10 : 4063711617
- ISBN-13 : 978-4063711615
- Amazon 売れ筋ランキング: - 278,842位コミック
- カスタマーレビュー:
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