前半は人が死ぬ方の事件『チューバと墓』
いつも騒ぎを起こす探偵同好会が殺人事件を目撃。
しかし彼らの「証言」は普段の行いのせいでなかなか信じてはもらえません。
トリックは目新しいものではありませんでしたが、とても上手に盲点を突いた使い方で、わざとらしい程のヒント・ミスディレクションだったのに私は気付けませんでした。「手品のタネ」を知っていても、手品を観た時にコレがあのタネだと見抜けるかどうかは別問題なんだと痛感しました。
「知識」もそうですね。
さて、このお話の見どころはクイーンのかっこよさでしょう。
探偵として優秀とはいえませんが、彼女の「探偵であろうとする心意気」に魅かれてしまいます。
彼女の場合は「私であろうとする心意気」と表現した方がいいのでしょうか?
1ページまるごと使い切って言い放つシーンに惚れてしまいそうです。
そして、彼女の毅然とした態度が(いつもどおりの無表情でしたが)燈馬くんを動かします。
同好会3人によるオチも非常に面白かった。この事件では死後硬直のつっこみはしない約束だ(笑)
後半は殺人のないお話。『Qestion!』
久々に数学が盛り込まれています。あいかわらず燈馬くんの説明を斬って捨てる水原さんが素敵です。
老後の過ごし方による離婚で争う老夫婦。同じく娘の教育方針にて離婚で争う若夫婦と幼い娘。
そしてナゼか燈馬くん(とくっついてきた水原さんとロキ)が、温泉付きの別荘に招待された。
謎の招待状は誰が出したのか? その理由は?
別荘で示される問題とは? そもそも燈馬くんがナゼ招待されたの?
ストーリーと設定はさすがにムリヤリ数学を盛り込もうとした印象を受けるが、
「問題」というモノの難しさと面白さを充分に感じさせてくれました。
最後の1コマがとてもイイ余韻を出してくれています。
凝り固まった思考パターンの外側から、考え方に刺激を与えてくれたエピソード。
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Q.E.D.証明終了(44) (月刊マガジンコミックス) コミック – 2013/2/15
加藤 元浩
(著)
燈馬に届いた、差出人不明の招待状。「Question!」とだけ記された封筒の中身は、列車の切符と宿泊券。便箋には「フェルマーの大定理」の数式‥‥いったい誰が何の目的で?招待状に従った燈馬は、現地で2組の夫婦に出会う。共通点は、それぞれ「Question!」を受け取っており、それぞれ離婚調停中ということだった――!“数論”のパズルの中で、人は何を思い、何を選択するのか‥‥?
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2013/2/15
- ISBN-10406371361X
- ISBN-13978-4063713619
商品の説明
著者について
1997年から「マガジンGREAT」にて『Q.E.D.ー証明終了ー』を連載開始。『Q.E.D.ー証明終了ー』の連載と並行するかたちで、2005年から「月刊少年マガジン」にて『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』の連載が始まり、現在に至る。その他、代表作に『ロケットマン』などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2013/2/15)
- 発売日 : 2013/2/15
- 言語 : 日本語
- コミック : 200ページ
- ISBN-10 : 406371361X
- ISBN-13 : 978-4063713619
- Amazon 売れ筋ランキング: - 486,716位コミック
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年2月26日に日本でレビュー済み
この漫画のジャンルはミステリーの様ですが、謎に関わらず話として秀逸です。
作者はそれぞれの物語に必ずテーマを入れてきて、大人でも何かに気づかされる事が多くあります。
以下、QEDとCMBのネタバレを含んで居そうなので気になる方は飛ばしてください。
チューバと墓(QED44)
テーマは「己が取るべき道を選べ」。
夢を叶えた友人を逆恨みする人と、お馬鹿だが探偵としてありたいと思う同好会三人組。
本当にお馬鹿なのだが貫き通す姿勢が読後感をさわやかにしてくれる感じです。
夏季補講授業(CMB22)
テーマは「人が間違いを知るために」。
社会に出たら答えは1つじゃないと賢しらぶった人が、過ちを認めずに見苦しい姿を晒す話です。
Question!(QED44)
最も強いテーマは「いい問題は様々な解決を与えてくれる」。
フェルマーの大定理の様に、良い想像を与えてくれるこの物語の問題が2つの夫婦の悩みを解決します。
その中のもう一つのテーマ「お互いに向き合って問題を見つめる事が解決の鍵になる」。
フェルマーの大定理が、2つの向き合った問題を証明する事で解決した様に互いを見つめ直すことを促す。
そして最後のテーマ「失敗を認めて、初めて新しい道が開ける」といったところでしょうか?
フェルマーの大定理に挑んだ人から人生の教訓を得ることで、自分たちの過ちに気づくことになります。
---
謎については、変な感じがしないでもないと思う人もいるかと思います。
しかしテーマをしっかり認識してからもう一度、それぞれの物語を読んで見ると
登場人物がそのテーマに沿った動きをしていることが良く分るようになります。
分りやすい所で、過去の巻の世界銀行の話では「皆でひとつの正しい答えを探す」ことがテーマになっており
主人公チームは答えを探すために全員が一丸となって謎を解こうとしている容をとっている事が分ります。
そしてもう一度テーマを台詞で言われることで、すんなりと作者のテーマが理解出来るようになります。
つまり作者のテーマと向かい合って物語を読むことで、それが一つの完結された世界だということが理解でき
また作者が最近とみに人としての在り方を、自分のあり方を見つめ直せと我々に問いかけてきている事が分かるのです。
Q.E.D.
作者はそれぞれの物語に必ずテーマを入れてきて、大人でも何かに気づかされる事が多くあります。
以下、QEDとCMBのネタバレを含んで居そうなので気になる方は飛ばしてください。
チューバと墓(QED44)
テーマは「己が取るべき道を選べ」。
夢を叶えた友人を逆恨みする人と、お馬鹿だが探偵としてありたいと思う同好会三人組。
本当にお馬鹿なのだが貫き通す姿勢が読後感をさわやかにしてくれる感じです。
夏季補講授業(CMB22)
テーマは「人が間違いを知るために」。
社会に出たら答えは1つじゃないと賢しらぶった人が、過ちを認めずに見苦しい姿を晒す話です。
Question!(QED44)
最も強いテーマは「いい問題は様々な解決を与えてくれる」。
フェルマーの大定理の様に、良い想像を与えてくれるこの物語の問題が2つの夫婦の悩みを解決します。
その中のもう一つのテーマ「お互いに向き合って問題を見つめる事が解決の鍵になる」。
フェルマーの大定理が、2つの向き合った問題を証明する事で解決した様に互いを見つめ直すことを促す。
そして最後のテーマ「失敗を認めて、初めて新しい道が開ける」といったところでしょうか?
フェルマーの大定理に挑んだ人から人生の教訓を得ることで、自分たちの過ちに気づくことになります。
---
謎については、変な感じがしないでもないと思う人もいるかと思います。
しかしテーマをしっかり認識してからもう一度、それぞれの物語を読んで見ると
登場人物がそのテーマに沿った動きをしていることが良く分るようになります。
分りやすい所で、過去の巻の世界銀行の話では「皆でひとつの正しい答えを探す」ことがテーマになっており
主人公チームは答えを探すために全員が一丸となって謎を解こうとしている容をとっている事が分ります。
そしてもう一度テーマを台詞で言われることで、すんなりと作者のテーマが理解出来るようになります。
つまり作者のテーマと向かい合って物語を読むことで、それが一つの完結された世界だということが理解でき
また作者が最近とみに人としての在り方を、自分のあり方を見つめ直せと我々に問いかけてきている事が分かるのです。
Q.E.D.
2019年2月14日に日本でレビュー済み
●チューバと墓
{あらすじ}
探偵同好会のお騒がせトリオが殺人現場を目撃した。警察に通報し、捜査の様子をうかがっているとそこには何と犯人が!しかし死体は現場から見つからないため、誤報扱いに…。プライドを大きく傷つけられた探偵同好会が、狡猾な犯人の仕掛けたトリックに挑む!
{感想}
これまで度々登場して狂言回しを務めてきた探偵同好会。今回も当然そういう役割かと思いきや………やっぱりそうだった。ただし冒頭のお騒がせ事件~殺人事件解決までの短期間で、かなり成長しているのが分かる。ということで、探偵同好会一世一代の大活躍を見たいファンは必読の作品。
また彼らの活躍に隠れがちだが、勇気ある選択をした者としなかった者、その両者が辿ったその後の人生の落差も見逃せない。
◎以下は読んでいて反応した箇所&一言
■ホームズを読んでいるとは思えないホームズの迷推理。
■焼きそばに目玉焼きが載っているのは、作者が名古屋在住だからだろうか。
■冬期限定海洋深層水サワーがとても気になる。
■小ネタ…道路標識の「警察署入口」
■事件ごっこをするために血糊が置いてある同好会…。
■ねつ造云々のコマ、燈馬の髪形がいきなり反転…。
評価:★★★~★★★★
胸に刻んでおきたい言葉:なにがあろうと犯人を捕まえるのが探偵です!
●Question!
{あらすじ}
謎の招待状で山奥の別荘に集った全く面識のない3組のメンバー。構成は離婚調停中の老夫婦、同じく離婚調停中の若夫婦とその子供、そして燈馬、可奈、ロキの総勢8名。招待状にはそれぞれ「Question」が添えられ、燈馬への「Question」にはフェルマーの定理が書かれていた…。
{感想}
いつかは登場すると予測していたフェルマーの定理がモチーフの作品。扱いやすそうでまとめにくいモチーフを苦労しながらまとめた様子がうかがえる。
提示された謎を1つ1つ解決し、答えにたどり着き、そしてちょっとしたボタンの掛け違いを修復するというのが全体を大きく貫く流れとなっているが、その流れを後押しするのが、360年解けなかった謎に挑んだ人々の人生に彼らが触れ、そしてそれを一部なりとも理解&共感したことではないだろうか。
そしてタイトルの”Question!”が示唆するもの、そして作者が最も言いたかったことは“「正しい答え」にたどり着くためには、「正しい疑問」にまずたどり着かねばならない”ということ。解決編の最後で燈馬が口にする内容からも、それは裏付けられる。
◎以下は読んでいて反応した箇所&一言
■離婚調停ってあんな感じなのだろうか。「言いたいことを言って下さい」って逆効果だと思うが…。
■別荘なのにきちんと男湯・女湯がある!
■小学生(9歳)の前で楕円曲線の話をする燈馬…。
■実在するのかネタか分からないが、「誘惑の図形」「可笑しくて眠れない数学」「定理の心理」は読んでみたい。
評価:★★★★
胸に刻んでおきたい言葉①:失敗も私の人生なんだ
胸に刻んでおきたい言葉②:「フェルマーの大定理」と同じように いい問題は様々な解決を与えてくれる
{あらすじ}
探偵同好会のお騒がせトリオが殺人現場を目撃した。警察に通報し、捜査の様子をうかがっているとそこには何と犯人が!しかし死体は現場から見つからないため、誤報扱いに…。プライドを大きく傷つけられた探偵同好会が、狡猾な犯人の仕掛けたトリックに挑む!
{感想}
これまで度々登場して狂言回しを務めてきた探偵同好会。今回も当然そういう役割かと思いきや………やっぱりそうだった。ただし冒頭のお騒がせ事件~殺人事件解決までの短期間で、かなり成長しているのが分かる。ということで、探偵同好会一世一代の大活躍を見たいファンは必読の作品。
また彼らの活躍に隠れがちだが、勇気ある選択をした者としなかった者、その両者が辿ったその後の人生の落差も見逃せない。
◎以下は読んでいて反応した箇所&一言
■ホームズを読んでいるとは思えないホームズの迷推理。
■焼きそばに目玉焼きが載っているのは、作者が名古屋在住だからだろうか。
■冬期限定海洋深層水サワーがとても気になる。
■小ネタ…道路標識の「警察署入口」
■事件ごっこをするために血糊が置いてある同好会…。
■ねつ造云々のコマ、燈馬の髪形がいきなり反転…。
評価:★★★~★★★★
胸に刻んでおきたい言葉:なにがあろうと犯人を捕まえるのが探偵です!
●Question!
{あらすじ}
謎の招待状で山奥の別荘に集った全く面識のない3組のメンバー。構成は離婚調停中の老夫婦、同じく離婚調停中の若夫婦とその子供、そして燈馬、可奈、ロキの総勢8名。招待状にはそれぞれ「Question」が添えられ、燈馬への「Question」にはフェルマーの定理が書かれていた…。
{感想}
いつかは登場すると予測していたフェルマーの定理がモチーフの作品。扱いやすそうでまとめにくいモチーフを苦労しながらまとめた様子がうかがえる。
提示された謎を1つ1つ解決し、答えにたどり着き、そしてちょっとしたボタンの掛け違いを修復するというのが全体を大きく貫く流れとなっているが、その流れを後押しするのが、360年解けなかった謎に挑んだ人々の人生に彼らが触れ、そしてそれを一部なりとも理解&共感したことではないだろうか。
そしてタイトルの”Question!”が示唆するもの、そして作者が最も言いたかったことは“「正しい答え」にたどり着くためには、「正しい疑問」にまずたどり着かねばならない”ということ。解決編の最後で燈馬が口にする内容からも、それは裏付けられる。
◎以下は読んでいて反応した箇所&一言
■離婚調停ってあんな感じなのだろうか。「言いたいことを言って下さい」って逆効果だと思うが…。
■別荘なのにきちんと男湯・女湯がある!
■小学生(9歳)の前で楕円曲線の話をする燈馬…。
■実在するのかネタか分からないが、「誘惑の図形」「可笑しくて眠れない数学」「定理の心理」は読んでみたい。
評価:★★★★
胸に刻んでおきたい言葉①:失敗も私の人生なんだ
胸に刻んでおきたい言葉②:「フェルマーの大定理」と同じように いい問題は様々な解決を与えてくれる
2013年11月28日に日本でレビュー済み
44巻には
「チューバと墓」
「Question!」 の2編だが
Question!は描き下ろしで、ベストエピソードと言える完成度だと思います。
「チューバと墓」は殺人を解くミステリとなっているが
「Question!」は殺人なき小さな事件を解く内容で、しかもそれが数学ネタと相まって
とてもQEDらしい仕上がりになっている。今回はフェルマー定理が数学ネタとなっています。
ちなみに、同様の数学ネタの名エピソードとしては
7巻の「Serial John Doe」 オイラーの定理
9巻の「ケーニヒスベルクの橋」ケーニヒスベルクの橋 などがあります。
「チューバと墓」
「Question!」 の2編だが
Question!は描き下ろしで、ベストエピソードと言える完成度だと思います。
「チューバと墓」は殺人を解くミステリとなっているが
「Question!」は殺人なき小さな事件を解く内容で、しかもそれが数学ネタと相まって
とてもQEDらしい仕上がりになっている。今回はフェルマー定理が数学ネタとなっています。
ちなみに、同様の数学ネタの名エピソードとしては
7巻の「Serial John Doe」 オイラーの定理
9巻の「ケーニヒスベルクの橋」ケーニヒスベルクの橋 などがあります。