へうげもの9服前半は利休切腹、後半は文禄の役終結から利休後の世界を垣間見る展開。
史実を踏まえ定説を裏切りながら描かれる利休・秀吉・織部、3者の業。
表紙の装丁は指紋をつけるのももったいないほど格好いいリキュウブラック。
利休切腹の1日を描いた第90席〜92席は神懸っている。
孤独に堕ちる秀吉の姿を見て介錯人を引き受ける織部は憤りに満ちた利休と対峙。
しかし織部は切腹の場さえ茶席と見立てた利休の真意を汲み取り、
利休は笑いの力を以って迷いから織部を解き放つ。
連載を読んだ人がweb上で利休に「ありがとうございました」と書いていた。
利休の「それがあなたなのです」という言葉は読者を無限の肯定感に包んでくれる。
かくして織部を通して、利休は歴史上の人物から読者の宗匠になった。
これほどに実社会の人間に影響を与えたマンガのキャラクターは、
「あしたのジョー」の力石徹以来ではないかと僕は思う。
ここまでへうげものを読んだ人おめでとう、あらためて宗匠ありがとう。
後半は耄碌した秀吉・恰幅の良くなった家康らみな歳をとる中で
織部はより精力的に活動し、ついに”ゆがみ”に開眼する。
小西行長ら新たなキャラクターも登場し、利休門弟達との対立や関ヶ原を匂わせながら
織部の朝鮮渡海?と登り窯伝来に向けて話は進む。
「アナタガスキダカラ」と熟女を口説くヨン様を具志堅が幻のワンツーで仕留めたり、
天然芸人利家 vs 必死すぎる家康など笑いどころも多い。
日本のカルチャーレヴォリューションまであとわずかだ!
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へうげもの(9) (モーニングKC) コミック – 2009/7/23
山田 芳裕
(著)
あるときは信長、秀吉、家康に仕えた武士。またあるときは千利休に師事する茶人。そしてまたあるときは物欲の権化。戦国~慶長年間を生き抜いた異才・古田織部。甲冑、服飾、茶、陶芸、グルメetc. お洒落でオタクなこの男こそ、日本人のライフスタイルを決めちゃった大先輩だ!!
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。利休執念の「わび」数奇革命は、未完に終わった。新時代到来、織部はひたすら「へうげ」を目指す。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。利休執念の「わび」数奇革命は、未完に終わった。新時代到来、織部はひたすら「へうげ」を目指す。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/7/23
- ISBN-104063728013
- ISBN-13978-4063728019
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商品の説明
出版社からのコメント
茶聖、もとい茶豪茶鬼、千利休自刃
己の芸術を追い求めた男が粛々と死に臨んだハズはない
山田芳裕は介錯役に愛弟子・古田織部を指名
主人公にあえて「父」殺しの汚名を着せた
己の芸術を追い求めた男が粛々と死に臨んだハズはない
山田芳裕は介錯役に愛弟子・古田織部を指名
主人公にあえて「父」殺しの汚名を着せた
カバーデザインはシマダヒデアキ(LSD)
山田の要望に応え、利休に捧げる未曾有の「黒」を実現
雑誌掲載時、大絶賛を浴びた長大な見開きに、
4ページの「余韻」を添えました
利休から織部へ、激動する時代をご堪能くだされ
抜粋
1591年2月
利休を救えるのは、もはや自分しかいない
"恩師"光秀の面影を胸に、家康は「正義」のため立ち上がる
閉門の沙汰が下った利休を、人知れず見送る影二つ
忠興、そして織部、早春の淀川べりが燃えていた
利休を救えるのは、もはや自分しかいない
"恩師"光秀の面影を胸に、家康は「正義」のため立ち上がる
閉門の沙汰が下った利休を、人知れず見送る影二つ
忠興、そして織部、早春の淀川べりが燃えていた
著者について
1968年、新潟市生まれ。大学在学中にモーニング主催、ちばてつや賞一般部門で入賞。受賞作『大正野郎』で同誌よりデビュー。以来一環してモーニング、ヤングサンデーなど青年誌で活躍。漫画家、編集者に加え、各分野のアーチストからも絶大な支持を受ける。作家性を高く評価されながら、一般読者に支持されないジレンマを抱えていたが、最新作『へうげもの』が名実ともに絶好調。主な作品は他に『考える侍』『しわあせ』『デカスロン』『度胸星』『いよっおみっちゃん』『ジャイアント』などがある。ちなみに物欲の激しさは『へうげもの』の主人公・古田織部級との噂。やきもの、のりもの、文房具、音楽、映画など、多方面に深い造詣を持つ。
刊行中の単行本(09年4月1日現在):
『へうげもの』1~8巻(以下続刊・講談社)、『ジャイアント』全9巻(同)、『デカスロン』全13巻(小学館文庫)、『山田芳裕傑作集』全2巻(同)、『ザ・プライザー』(双葉文庫)、『泣く男』(同)
刊行中の単行本(09年4月1日現在):
『へうげもの』1~8巻(以下続刊・講談社)、『ジャイアント』全9巻(同)、『デカスロン』全13巻(小学館文庫)、『山田芳裕傑作集』全2巻(同)、『ザ・プライザー』(双葉文庫)、『泣く男』(同)
About this Title
1591年2月
利休を救えるのは、もはや自分しかいない
"恩師"光秀の面影を胸に、家康は「正義」のため立ち上がる
閉門の沙汰が下った利休を、人知れず見送る影二つ
忠興、そして織部、早春の淀川べりが燃えていた
利休を救えるのは、もはや自分しかいない
"恩師"光秀の面影を胸に、家康は「正義」のため立ち上がる
閉門の沙汰が下った利休を、人知れず見送る影二つ
忠興、そして織部、早春の淀川べりが燃えていた
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/7/23)
- 発売日 : 2009/7/23
- 言語 : 日本語
- コミック : 232ページ
- ISBN-10 : 4063728013
- ISBN-13 : 978-4063728019
- Amazon 売れ筋ランキング: - 205,178位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年7月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思いで介錯役を務めることになった主人公。それぞれの思いが重なり、新しい時代が動き出した。わびも新たな一歩を踏み出そうとしている。
2009年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「へうげもの」という古田織部を主人公とした、奇抜で斬新な劇画が発刊されていることは、たしか『芸術新潮』で知った。茶道具の名物についての豊富な逸話が、織部の視点から描かれていく。失われた名物まで再現してくれる作者の考証力、織部のセリフを介しての名物評論は実に興味深いものがある。本巻は、いよいよ「利休切腹」。介錯をつとめる織部への評価が分かれる時でもある。期待通りの秀逸の一巻、ぜひ買って読むべし。
2009年11月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1〜8巻を持っていたので、9巻も購入。内容は、8巻からの続き通り「利休の死」がメインです。全てが本当の話か田舎は不明ですが、ハードルの高かった茶道の世界を下げてくれたのは、ありがたいことです。
2022年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ここまで巻を読み進め自分もついに数奇者になったのかと錯覚。
織部が出世し利休亡き後ついに茶道頭になる。重責ゆえに「数奇」が「務め」に変わっていくところがなんとも皮肉。 利休の死に際の大暴れは狂ったのでもなく気性でもない。それは辛い立場の介錯人を少しでも楽にさせようとする「おもてなし」。最後までおもてなしの精神を貫く利休の意地が伺える1冊。
織部が出世し利休亡き後ついに茶道頭になる。重責ゆえに「数奇」が「務め」に変わっていくところがなんとも皮肉。 利休の死に際の大暴れは狂ったのでもなく気性でもない。それは辛い立場の介錯人を少しでも楽にさせようとする「おもてなし」。最後までおもてなしの精神を貫く利休の意地が伺える1冊。
2009年7月25日に日本でレビュー済み
大好評の茶人マンガ。
本巻では、主に利休の死が描かれます。
利休の死に合わせ、豊臣政権を転覆しようと画策する諸大名
師への処遇に憤る細川忠興ら弟子たち
そして、利休に死を言い渡した秀吉と
彼からの密命を受けた織部―
それぞれの想いが交錯する中、ついにその瞬間が訪れます。
また、後半では朝鮮の役や秀頼の懐妊、
みずからの「美」を築きつつある織部等の様子が記されます。
どう見てもタムドク(←太王四神記)な朝鮮王子
過度に強調された肉体表現―など相変わらずの小ネタや
登場人物の繊細な心理表現などもありますが、
やはり本巻で印象深かったのは「利休の死」。
先行作品を踏まえつつも、
それらをはるかに凌駕する「茶人」利休の死―
とりわけ切腹の前後数ページは
厳かで神々しい雰囲気が漂い、涙と鳥肌を抑えることができませんでした。
本能寺に続き、利休の死についても
壮大で、説得力に満ちた『真実』を描いた本作。
著者のマンガや歴史に興味がある方に限らず
一人でも多くの方に読んでいただければ―と思います。
本巻では、主に利休の死が描かれます。
利休の死に合わせ、豊臣政権を転覆しようと画策する諸大名
師への処遇に憤る細川忠興ら弟子たち
そして、利休に死を言い渡した秀吉と
彼からの密命を受けた織部―
それぞれの想いが交錯する中、ついにその瞬間が訪れます。
また、後半では朝鮮の役や秀頼の懐妊、
みずからの「美」を築きつつある織部等の様子が記されます。
どう見てもタムドク(←太王四神記)な朝鮮王子
過度に強調された肉体表現―など相変わらずの小ネタや
登場人物の繊細な心理表現などもありますが、
やはり本巻で印象深かったのは「利休の死」。
先行作品を踏まえつつも、
それらをはるかに凌駕する「茶人」利休の死―
とりわけ切腹の前後数ページは
厳かで神々しい雰囲気が漂い、涙と鳥肌を抑えることができませんでした。
本能寺に続き、利休の死についても
壮大で、説得力に満ちた『真実』を描いた本作。
著者のマンガや歴史に興味がある方に限らず
一人でも多くの方に読んでいただければ―と思います。
2010年6月18日に日本でレビュー済み
『へうげもの』の千利休は怪物だった。この作品に登場するキャラクターたち、
その多くが戦国武将であるが、山田芳裕さんという稀有なほどに馬鹿でかいスケールで
物事を描く漫画家さんによって命を与えられたそれら登場人物たちの中で、
名だたる武将たちをおさえてあまりにも図抜けた存在感を放っていたのは
茶人である千利休だった。誰よりも芸術を愛し、誰よりも深い業を持ち、
自分がこれと信じる美しさによって世界の美意識を牛耳らんと、既存の美に
真っ向から歯向かうような創作を泰然としながら生み落とし、自分の「美」のために
必要と思えば政治でも暗躍し、戦国社会の裏で謀り事を行った。
千利休は、怪物であると同時に師匠だった。『へうげもの』の主人公である
古田織部をはじめとする若き武将たちが何人も千利休に師事し、侘びと数寄について
学んだ。利休はある意味で武将たちの、そしてこれから産声を上げんとする
新たな数寄の時代の父親だった。その千利休が、今巻でついに死ぬ。介錯を
務めるのは、愛弟子である古田織部である。
武か、数寄かで悩み続けてきた古田織部にとって己の生き様を決めるための
決定的な契機となり、古田と他の武将との間の因縁の種ともなり、移り変わる
時代のターニングポイントともなった利休の死だが、そうすぐには「この死によって
〜が〜になり、」とは切り替えられない。まだ掲載中の物語が、ある意味で
「終わってしまった」と言えるほど、利休の死に様は圧巻であり、見事だった。
3巻で壮絶に散った信長といい、この漫画のキャラクターたちにとっては自分の
人生まで作品のうちのようだ。敬服、合掌しつつ、さらなる今後の展開に期待したい。
その多くが戦国武将であるが、山田芳裕さんという稀有なほどに馬鹿でかいスケールで
物事を描く漫画家さんによって命を与えられたそれら登場人物たちの中で、
名だたる武将たちをおさえてあまりにも図抜けた存在感を放っていたのは
茶人である千利休だった。誰よりも芸術を愛し、誰よりも深い業を持ち、
自分がこれと信じる美しさによって世界の美意識を牛耳らんと、既存の美に
真っ向から歯向かうような創作を泰然としながら生み落とし、自分の「美」のために
必要と思えば政治でも暗躍し、戦国社会の裏で謀り事を行った。
千利休は、怪物であると同時に師匠だった。『へうげもの』の主人公である
古田織部をはじめとする若き武将たちが何人も千利休に師事し、侘びと数寄について
学んだ。利休はある意味で武将たちの、そしてこれから産声を上げんとする
新たな数寄の時代の父親だった。その千利休が、今巻でついに死ぬ。介錯を
務めるのは、愛弟子である古田織部である。
武か、数寄かで悩み続けてきた古田織部にとって己の生き様を決めるための
決定的な契機となり、古田と他の武将との間の因縁の種ともなり、移り変わる
時代のターニングポイントともなった利休の死だが、そうすぐには「この死によって
〜が〜になり、」とは切り替えられない。まだ掲載中の物語が、ある意味で
「終わってしまった」と言えるほど、利休の死に様は圧巻であり、見事だった。
3巻で壮絶に散った信長といい、この漫画のキャラクターたちにとっては自分の
人生まで作品のうちのようだ。敬服、合掌しつつ、さらなる今後の展開に期待したい。
2009年10月29日に日本でレビュー済み
学校の授業で習う歴史的事実としての「利休切腹」
しかし、激動の時代。 現代に伝わる茶の湯の価値観を打ち出した男の最期ってのは、
現代のトップニュースとしては「マイケルジャクソンの死」以上の出来事だったのかな?
秀吉による、天下の地ならしの真っ最中のこの事件。 スポーツ新聞の見出しよろしく
この時代の人々の口にも戸は建てられなかったのでしょう。
この巻のテーマを「継承」の一言では片付けられない。
これまで「数寄」の価値観に踊らされながらも「主人公」はテメェの価値観を大成させるべく精進していましたが、
利休の死により、ムリヤリ?にも時代の先端に立たされてしまいます。
自身の本分としての「数寄」 為政者側としての「数寄」 この両面を
どう表現していくのか?(この巻の最後には光が見えますが・・・)
これからの展開が楽しみです。
そしてこの時代の「レビュー」のような感覚で、
往時の「古織好み」に対する喧々諤々な意見が聞けたらなぁと、ほくそえむ次第です(笑)
しかし、激動の時代。 現代に伝わる茶の湯の価値観を打ち出した男の最期ってのは、
現代のトップニュースとしては「マイケルジャクソンの死」以上の出来事だったのかな?
秀吉による、天下の地ならしの真っ最中のこの事件。 スポーツ新聞の見出しよろしく
この時代の人々の口にも戸は建てられなかったのでしょう。
この巻のテーマを「継承」の一言では片付けられない。
これまで「数寄」の価値観に踊らされながらも「主人公」はテメェの価値観を大成させるべく精進していましたが、
利休の死により、ムリヤリ?にも時代の先端に立たされてしまいます。
自身の本分としての「数寄」 為政者側としての「数寄」 この両面を
どう表現していくのか?(この巻の最後には光が見えますが・・・)
これからの展開が楽しみです。
そしてこの時代の「レビュー」のような感覚で、
往時の「古織好み」に対する喧々諤々な意見が聞けたらなぁと、ほくそえむ次第です(笑)