1916年ソンム、人類史上最大の戦争となった第一大戦中。
硬直した塹壕戦に突如現れた無限軌道式の鉄の物体はドイツ軍にパニックと多大な損害を与え始めた。
新兵器「タンク」を操縦していたのは…。
絶滅した筈の恐竜の小型・高知能化した末裔だった。
2009年、掲載誌の電子化、その後休刊の煽りを受け、中断してしまっていた傑作「ジャバウォッキー」の待望の続編。
前作の設定と一部の登場人物を継承しながら、その四半世紀後を舞台にし、主人公には前作のヒロインだったアプリコットの子供二人、シェルティとサモエドを配しています。
戦争や新技術開発の影に、人類を屠ろうとする恐竜一族の暗躍と、その対抗勢力が有ったと言う久氏独特の歴史観を背景に漫画界屈指の恐竜生物マニアの知識を駆使した骨太の仮想史&恐竜スパイアクションとして極めて優秀です。
特に恐竜一族からも人類からも疎まれる、呪われし運命のオビラプトル一族という設定が絶妙。
極めて個性の強い陰影で描くスタイルと、癖のあるキャラクターデザインで、少々最初は取っ付き難いかも知れませんが(評者もそうでした)、業界屈指の構成力を持った、読めば面白いヒーロー&ヒロイン物としても楽しめます。
導入部の衒いに満ちた「@」に関する蘊蓄から、ソンム編を経て、2巻に続く「青島租界編」へと突入。
名指揮者の様な敵方の恐竜「クーン師」の強烈なキャラ立ちもお見事で今後が楽しみです。
大いにお薦めです。
講談社の個性派隔月刊誌「ネメシス」連載。
本作の裏話に触れた「あとがき」と、カバーの折り返しにはこちらも衒学的な久正人名と鳥羽僧正をライバル視する戯画史観が記載されており頭がクラクラします。
初版には出版社を越えた「ひさまつり」と称したサイン色紙or描き下ろし小冊子が当たるキャンペーンが帯に付いています(アーススターコミックの「ノブナガン」6巻とバンチ・コミックス「エリア51」11巻の3冊を購入すると応募資格が出来る仕組み)。

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ジャバウォッキー1914(1) (シリウスKC) コミック – 2015/10/9
久 正人
(著)
1914年、第一次世界大戦勃発。その陰で恐竜は嗤(わら)っていた――。「日本人の知らない戦争=第一次世界大戦」を舞台に、人類と恐竜人の暗闘を世界規模のスケールで描く恐竜スパイアクション!
奇才、久正人の代表作である前シリーズ『ジャバウォッキー』の流れをくむ、シリーズ完全最新作。月刊少年シリウス別冊「ネメシス」で好評連載中の本作が、ついに待望の単行本化!!
1916年、フランス・ソンム。こう着した戦線を打開すべく英軍は「戦車」を導入する。だが、この新兵器導入の影には、記号「@」を旗印に掲げ、恐竜復権を企む組織の存在があった…。マダム・アプリコットとその子供たち、サモエドとシェルティの兄妹は、虐殺と陰謀を阻止すべく鉄の暴風吹き荒れる西部戦線へとその身を投じるが…!?
奇才、久正人の代表作である前シリーズ『ジャバウォッキー』の流れをくむ、シリーズ完全最新作。月刊少年シリウス別冊「ネメシス」で好評連載中の本作が、ついに待望の単行本化!!
1916年、フランス・ソンム。こう着した戦線を打開すべく英軍は「戦車」を導入する。だが、この新兵器導入の影には、記号「@」を旗印に掲げ、恐竜復権を企む組織の存在があった…。マダム・アプリコットとその子供たち、サモエドとシェルティの兄妹は、虐殺と陰謀を阻止すべく鉄の暴風吹き荒れる西部戦線へとその身を投じるが…!?
- 本の長さ194ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2015/10/9
- 寸法13 x 1.2 x 18.3 cm
- ISBN-104063765776
- ISBN-13978-4063765779
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商品の説明
著者について
久 正人
アフタヌーンの新人賞を複数回受賞したのち、2003年マガジンZ誌において『グレイトフルデッド』で連載デビュー。
同誌で2作目となる『ジャバウォッキー』を連載した後、現在『ジャバウォッキー1914』(ネメシス)、『エリア51』(コミック@バンチ)を連載中。
映画のようなスペクタクル感やセリフ回し、そして独特のコントラストの効いた描写は久正人作品に共通するものであり、その独自の世界観から根強いファンを持つ。
2014年1月に『グレイトフルデッド』上下巻、と『ジャバウォッキー』全7巻が復刊された。『ノブナガン』全6巻(コミックアース・スター)は2014年にTVアニメ化された。
アフタヌーンの新人賞を複数回受賞したのち、2003年マガジンZ誌において『グレイトフルデッド』で連載デビュー。
同誌で2作目となる『ジャバウォッキー』を連載した後、現在『ジャバウォッキー1914』(ネメシス)、『エリア51』(コミック@バンチ)を連載中。
映画のようなスペクタクル感やセリフ回し、そして独特のコントラストの効いた描写は久正人作品に共通するものであり、その独自の世界観から根強いファンを持つ。
2014年1月に『グレイトフルデッド』上下巻、と『ジャバウォッキー』全7巻が復刊された。『ノブナガン』全6巻(コミックアース・スター)は2014年にTVアニメ化された。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いつも通りのオシャレで良い絵と思います。でもノブナガンと比べて今作はイマイチストーリーが入ってきません。好みの差なんでしょうけど
2015年11月8日に日本でレビュー済み
前作ジャバウォッキーから、全てがパワーダウンした凡作
前作ジャバウォッキーから×年越しの続編と言うことで、イフの城の団員(自称)たる私も手に取り、読ませていただきましたが。
ハイセンスな構図、影絵のような黒(ベタ)を恐れないイラストの様な漫画、独特のセリフ回し
全てがパワーダウンした印象を受けました。
作者の作品で、ノブナガン前後から一般向けになったとどこぞで小耳に挟みましたが、まさに、その影響がジャバウォッキーにまで至るとは、寂しい限りです。
それよりも、
ドキドキ胸踊る冒険譚はなく、ただ殺戮兵器でより多くの人類を殺すか考えている恐竜をやっつけるだけの展開に衝撃を受け、出来れば見なかったことにしたいと思う次第です。
前作では、恐竜同士のいざこざもあり、また自滅願望のある恐竜もいたりと多彩な恐竜模様を楽しませて頂いたのですが、、、。
しかし、一度終わらせた物語(正確には、私の記憶する限り三度)を再始動させる労力と言うのは計り知れないでしょうし、あくまでリリーとサバタの物語ではなく
新主人公の産まれたパラレルワールドとして、引き続き買っていきたいと思います(私の中で、リリーとサバタは、イフの城で、希望をもち戦い続けています)
前作ジャバウォッキーから×年越しの続編と言うことで、イフの城の団員(自称)たる私も手に取り、読ませていただきましたが。
ハイセンスな構図、影絵のような黒(ベタ)を恐れないイラストの様な漫画、独特のセリフ回し
全てがパワーダウンした印象を受けました。
作者の作品で、ノブナガン前後から一般向けになったとどこぞで小耳に挟みましたが、まさに、その影響がジャバウォッキーにまで至るとは、寂しい限りです。
それよりも、
ドキドキ胸踊る冒険譚はなく、ただ殺戮兵器でより多くの人類を殺すか考えている恐竜をやっつけるだけの展開に衝撃を受け、出来れば見なかったことにしたいと思う次第です。
前作では、恐竜同士のいざこざもあり、また自滅願望のある恐竜もいたりと多彩な恐竜模様を楽しませて頂いたのですが、、、。
しかし、一度終わらせた物語(正確には、私の記憶する限り三度)を再始動させる労力と言うのは計り知れないでしょうし、あくまでリリーとサバタの物語ではなく
新主人公の産まれたパラレルワールドとして、引き続き買っていきたいと思います(私の中で、リリーとサバタは、イフの城で、希望をもち戦い続けています)