物理学、生物学、催眠術、銃器、格闘技、怪獣、柔らかい物から固い物まであらゆるガジェットを突っ込んだ,ZOTT、遂に決着です。
思えばこの大会は作者が青少年漫画の王道たる対決物、必ず突き当たる強さのインフレに対して真っ向から挑戦したシリーズでした。
個人的には充分納得の行く結末です。
絶火（ゼッカ）の永遠のライバル、呑破（ドンファ）の急な登場はお約束とは言え、やはり胸が躍りました。
変態空手家・羅姦（ラカン）と軍人サイボーグ・ザジの徒手（と言えるのでしょうか…）と銃器のギミックたっぷりの戦いは羅姦が最後まで期待を裏切らない変態振りで実に痛快でした。
確かに各々のネタその物は既にあちこちで散見出来る物でしたが、それをこれだけ集め、高品質で再構築した木城氏の手腕はやはり現在でも最高級だと思います。
読者からデザインを多く募ってキャラクター造型をされていましたが、旧シリーズ時代から立体にしたら楽しそうな優れた物が多く、それも本作の楽しみであります。
個性的な獣人・大怪獣が続出する金星ゲノム王国をもう少し観て見たかったのですが…。
本巻の大会終了後、ムバディの策略で衛星軌道とザレムのシステムが危機に瀕する様子は旧銃夢のクライマックスにいよいよ被りますが、さて、作者がどうアレンジして見せてくれるか次巻が楽しみです。
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