イブニング誌連載。
第二次大戦中、軍の特務(スパイ)として大陸で暗躍した通り名「犬」の桐 三五(きり さんご)。
敗戦後、生きる目的を失っていた彼を陸軍中野学校出身の猿田征四郎が新たな秘められた任務に誘う。
この巻冒頭では彼らに秘密指令を出す黒幕「ヨハンセン」の正体が判明する。
実在の政治家・犯罪者・軍人・小説家、そして太平洋戦争後のGHQ、ソビエト、旧日本軍特務が渾然一体となった諜報戦を描いたメタフィクショナルな作品です。
細野氏のあまり熱心なファンではない筆者ですが、この作品はツボでした。
骨太な70年代の劇画作品を思わせる薫りがします。
2006年に中断し、もう続きは読めないと諦めて居たのですが、2012年、更にパワーアップして再登場してくれたのは嬉しい驚きでした。
この巻では闇市の朝鮮系商店街の利権を巡る日本人ヤクザと朝鮮系自警団の争いの裏にGHQとソビエトの思惑、様々なルサンチマンを絡ませて絶妙に描いています。
手塚治虫&梶原一騎・両氏風のハードな人間ドラマにソビエトが開発した「赤化戦士」と言う奇想天外なサイボーグ&モビルスーツを登場させる事でスティーム・パンク風味も醸しだしています。
朝鮮民族のゴーレムとでも言うべき「電動強化外骨格 『白き馬』」がヤクザを倒す周りで人民が歓喜の涙を流しながら歌い踊るシーンはシュールとも言い切れない情感が有ります。
キワどいテーマを扱いながらも他の細野作品同様、裏の事情を知らない純情で元気な猿田の妹絹代や、ソ連のカリスマ女性スパイ;マリアと言う魅力的な女性キャラクターも登場し、花を添えています。
ともかく一般青年誌に掲載されている作品の中では際立って印象的な作品です。
また連載が良い所で中断しているのが心配です。
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ヤミの乱破 3 (イブニングKCDX) コミック – 2012/11/22
細野 不二彦
(著)
陸軍中野学校出身の元凄腕工作員・桐三五。大日本帝国という主人を失い、あてもなく彷徨っていた桐は、ヨハンセンという新しい主人を得る。
戦後間もない日本を舞台に、再び「犬」として工作活動に身を投じ、ソビエトに洗脳・改造された赤化戦士たちと死闘を繰り広げるのであった。
戦後日本の歴史の闇、そして裏の闘いを描く細野不二彦氏の傑作スパイ活劇!
ソビエトに洗脳・改造された赤化戦士たちと死闘を繰り広げる陸軍中野学校出身の元凄腕工作員・桐三五。3巻では、主人であるヨハンセンと出会い、そして新しい指令「闇市の覇権争いに介入せよ」を得て工作活動を始める。史上最大の赤化戦士に対して、桐の策や如何に!
戦後間もない日本を舞台に、再び「犬」として工作活動に身を投じ、ソビエトに洗脳・改造された赤化戦士たちと死闘を繰り広げるのであった。
戦後日本の歴史の闇、そして裏の闘いを描く細野不二彦氏の傑作スパイ活劇!
ソビエトに洗脳・改造された赤化戦士たちと死闘を繰り広げる陸軍中野学校出身の元凄腕工作員・桐三五。3巻では、主人であるヨハンセンと出会い、そして新しい指令「闇市の覇権争いに介入せよ」を得て工作活動を始める。史上最大の赤化戦士に対して、桐の策や如何に!
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2012/11/22
- ISBN-104063767639
- ISBN-13978-4063767636
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2012/11/22)
- 発売日 : 2012/11/22
- 言語 : 日本語
- コミック : 224ページ
- ISBN-10 : 4063767639
- ISBN-13 : 978-4063767636
- Amazon 売れ筋ランキング: - 341,105位コミック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年12月1日に日本でレビュー済み
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2012年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯に傑作スパイ活劇とあるが、それが主眼ではない。作者が描いているのは恐らく戦後の闇のドロドロした部分、そして、現代に垣間見られるその延長上の悲惨さだと思う。主人公桐三五のスパイ活劇としてもよく描けており、娯楽作品としても楽しく読める。だが、そのベースとなっている戦後の混乱期が上手に描かれており、そこに現代の矛盾した日本を巧みに挟み込んでいるところが凄い。単なる作り話でなく、歴史や風刺をの上にドラマを展開しているところに、作者の意気込みを感じる。
2012年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著作の中でもかなり好きな部類の作品です、しかし三巻が発売
されるまで長かったなぁ・・気のせいかな・・?四巻いつ発売され
るのかなぁ・・・・
されるまで長かったなぁ・・気のせいかな・・?四巻いつ発売され
るのかなぁ・・・・
2012年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2巻まで発行されて続巻の出ないまま数年、もう未完のまま終わってしまうかと思ってましたが 待ち望んだ3巻が発売され嬉しい限りです!!この巻で「ヨハンセン」の正体や猿田が何故その配下にあるのかが明されます。また、後半では赤化戦士の絡んだ朝鮮民族との闇市での抗争が始まり・・・。4巻が楽しみです! ※「タケルヒメ」も何処かの出版社から続巻出して欲しいものです。
2014年10月26日に日本でレビュー済み
話は敗戦直後の闇市をめぐっての、三国人(ここでは朝鮮人)とやくざの抗争が描かれているが、どちらの勢力も描きずらい分野で、あまり漫画ではとりあげられなかった。今回は「電動強化外骨格 『白き馬』」の出現など、荒唐無稽なお話にして重い雰囲気にならないように努めながら、当時の雰囲気がよく出ている。昭和30年代中頃まではよく停電があり、子供心にろうそくをともしてお風呂に入ったことを憶えている。
2013年1月21日に日本でレビュー済み
う、嬉しい!
打ち切りになってしまったものと思って残念だった。
久しぶりにコミックスを買おう。
打ち切りになってしまったものと思って残念だった。
久しぶりにコミックスを買おう。