最終巻まで読みました。
絵の書き込みは良い意味でごちゃごちゃしていて、作中の荒廃した世界観にぴったりの素晴しい物です。
しかし、その迫力に頼り過ぎと言いますか。
戦闘シーンが今一つなんです。
主人公は色々闇社会で修行を積んで強い設定です。
ですが、実際の作中の戦闘シーンでは、耐久力が鬼(撃たれても刺されても、何故か大したダメージになってない)なのが強さの根幹に見えるというか。
毎回の戦闘シーンが、主人公の根性勝ち、みたいなのばかりで退屈です。
その退屈な戦闘シーンが迫力満点の絵でゴリ押しされてます。
そりゃ多少のトリックとか小手先とか戦術はありますが。
「な、なに!? あれだけの攻撃を受けてまだ立ち上がるだと!?」みたいのばっかりです。
現在、西部劇漫画だとピースメイカーがありますが、あっちは強さの説明が上手に思います。
例えば「銃をこういう角度でこういう風に抜くから早撃ちが成立して、強い」とか。
勿論漫画だからファンタジーで良いんです。
でも、ファンタジーなりの説得力は必要でしょう。
どっかの映画などで見たような設定、シーンの使いまわしも多く、王道と言えば聞こえは良いですが……。
悪く書いてしまいましたが、凄く気合いが入った漫画で最初は期待していました。
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GREEN BLOOD(1) (ヤンマガKCスペシャル) コミック – 2011/11/4
柿崎 正澄
(著)
19世紀半ば、世界最悪のスラム街といわれたニューヨーク・ファイブポインツ地区。アイルランドギャングが支配する堕落しきった街で生まれ育った2人の男がいた。ギャングの暗殺者とギャングに憎悪を抱く少年。決して交わることのない2人が手を取り合い、明日すら見えない世界を生き抜く!! 柿崎正澄熱筆の19世紀新大陸浪漫活劇!!
19世紀半ば、ヨーロッパからの移民でごったがえす南北戦争終結直後のアメリカ・ニューヨーク。ギャングが縄張り争いを繰り広げるファイブ・ポインツ地区で生まれ育った2人の男がいた。アイルランドギャングの暗殺者という裏の顔を持つ青年と西部に強い憧れを抱く正義感の強い少年。当時、「世界最悪のスラム街」と呼ばれた地で生きる男たちの壮絶な人間ドラマが幕を開ける!!
19世紀半ば、ヨーロッパからの移民でごったがえす南北戦争終結直後のアメリカ・ニューヨーク。ギャングが縄張り争いを繰り広げるファイブ・ポインツ地区で生まれ育った2人の男がいた。アイルランドギャングの暗殺者という裏の顔を持つ青年と西部に強い憧れを抱く正義感の強い少年。当時、「世界最悪のスラム街」と呼ばれた地で生きる男たちの壮絶な人間ドラマが幕を開ける!!
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2011/11/4
- ISBN-10406382103X
- ISBN-13978-4063821031
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/11/4)
- 発売日 : 2011/11/4
- 言語 : 日本語
- コミック : 200ページ
- ISBN-10 : 406382103X
- ISBN-13 : 978-4063821031
- Amazon 売れ筋ランキング: - 597,780位コミック
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4つ
5つのうち4つ
2グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年5月7日に日本でレビュー済み
2011年11月8日に日本でレビュー済み
これは凄い。
日本の漫画家は、普通表紙のイラストに力を注ぐので、中を覗いて「ガッカリ」・・・というケースが正直決して少なくない。
しかしこの『GREEN BLOOD』はむしろ逆だ。中を覗いて「ビックリ」。思わず「うお!」と叫びそうになってしまった。
何が凄いかというと、もちろん「画」である。描き込みが半端じゃない。しかも巧い。
19世紀後半のアメリカ・ニューヨークを舞台にした、アイルランド系移民の兄弟の物語。弟、ルーク・バーンズは明朗快活、ダメな兄の代わりにハードで安賃金の港湾労働に日々精を出す。兄、ブラッド・バーンズは、弟に食わせてもらいつつ、職探しの日々。しかし、ブラッドにはもう一つの顔が・・・彼はアイリッシュ系ギャング「グレイブ・ディガー」の「グリム・リーパー(死神)」として恐れられる凄腕の殺し屋でもあった。果たして、ブラッドが血にまみれた世界に身を落とした理由とは・・・。
作者の柿崎正澄氏の描く「画」は、とにかく細部へのこだわりが尋常ではない。特に金属や木材などの材質が、使い込まれて傷つき・汚れて・腐食した質感の描き込みが、ほとんど鬼気迫る域に達している。銃身の描写などに至っては、フェチというより「取り憑かれている」と言った方が良いのではないだろうか(笑)。ナイフで切り裂かれた傷口も、見ているだけで「痛い」し、道に放り捨てられた屍体の、半ば雪に埋もれかけた描写は西部開拓時代のアウトローたちの遺体写真を見ているような静かな迫力がある。
一コマ一コマの画が、イラストの域に達している。スクリーントーンも、ものの質感を表現するために巧く使っている。一話分を描き上げるまでに、一体何本のペン先をダメにしてしまっているのかと、余計な事まで考えだしてしまう。こんなに描き込まれた漫画は、近年稀に見ると言っていいのでは?
悪役たちも、実にワルい顔をしていて、イイ。死に顔も最高だ。
普通、アメリカンギャングというと「マフィア」で知られるイタリアン系が多くの人の頭に浮かぶだろうが、この漫画はアイリッシュ系ギャングを取り上げているところもユニークだ。当時の移民などの背景にある人種・差別問題なども描いている。
19世紀半ば、アイルランドでは「ジャガイモ飢饉」が起こり、100万人以上が亡くなったと言われる。その際、多くのアイルランド人がヨーロッパやアメリカに、逃げるように移住していった。そうした悲惨な背景をもつ、貧しいアイルランド系移民の兄弟の血塗られたドラマが今後どう展開していくか、楽しみである。
最近は、アメコミのタッチを器用にまねる若い漫画家も多くなっているが、柿崎氏の画は、バンドデシネともアメコミとも違う、いわばジャパニーズコミックのテクニックを突き詰めていって、海外のコミックアートに匹敵する独自の雰囲気を持った画風を確立している、と思う。
柿崎氏のファンに絶大な人気の、前作『RAINBOW』は、残念ながら未読なので比較してのレビューは書けないが、描き手の尋常ならざる追及心に震える漫画に、久しぶりに出逢えたという思いです。
このクオリティーを落とすことなく、最終回まで描ききってほしいと思う一方、描き込みすぎで腱鞘炎にならないよう、ご自愛頂きたい。と思わず心配してしまう凄さであります。応援してます!
日本の漫画家は、普通表紙のイラストに力を注ぐので、中を覗いて「ガッカリ」・・・というケースが正直決して少なくない。
しかしこの『GREEN BLOOD』はむしろ逆だ。中を覗いて「ビックリ」。思わず「うお!」と叫びそうになってしまった。
何が凄いかというと、もちろん「画」である。描き込みが半端じゃない。しかも巧い。
19世紀後半のアメリカ・ニューヨークを舞台にした、アイルランド系移民の兄弟の物語。弟、ルーク・バーンズは明朗快活、ダメな兄の代わりにハードで安賃金の港湾労働に日々精を出す。兄、ブラッド・バーンズは、弟に食わせてもらいつつ、職探しの日々。しかし、ブラッドにはもう一つの顔が・・・彼はアイリッシュ系ギャング「グレイブ・ディガー」の「グリム・リーパー(死神)」として恐れられる凄腕の殺し屋でもあった。果たして、ブラッドが血にまみれた世界に身を落とした理由とは・・・。
作者の柿崎正澄氏の描く「画」は、とにかく細部へのこだわりが尋常ではない。特に金属や木材などの材質が、使い込まれて傷つき・汚れて・腐食した質感の描き込みが、ほとんど鬼気迫る域に達している。銃身の描写などに至っては、フェチというより「取り憑かれている」と言った方が良いのではないだろうか(笑)。ナイフで切り裂かれた傷口も、見ているだけで「痛い」し、道に放り捨てられた屍体の、半ば雪に埋もれかけた描写は西部開拓時代のアウトローたちの遺体写真を見ているような静かな迫力がある。
一コマ一コマの画が、イラストの域に達している。スクリーントーンも、ものの質感を表現するために巧く使っている。一話分を描き上げるまでに、一体何本のペン先をダメにしてしまっているのかと、余計な事まで考えだしてしまう。こんなに描き込まれた漫画は、近年稀に見ると言っていいのでは?
悪役たちも、実にワルい顔をしていて、イイ。死に顔も最高だ。
普通、アメリカンギャングというと「マフィア」で知られるイタリアン系が多くの人の頭に浮かぶだろうが、この漫画はアイリッシュ系ギャングを取り上げているところもユニークだ。当時の移民などの背景にある人種・差別問題なども描いている。
19世紀半ば、アイルランドでは「ジャガイモ飢饉」が起こり、100万人以上が亡くなったと言われる。その際、多くのアイルランド人がヨーロッパやアメリカに、逃げるように移住していった。そうした悲惨な背景をもつ、貧しいアイルランド系移民の兄弟の血塗られたドラマが今後どう展開していくか、楽しみである。
最近は、アメコミのタッチを器用にまねる若い漫画家も多くなっているが、柿崎氏の画は、バンドデシネともアメコミとも違う、いわばジャパニーズコミックのテクニックを突き詰めていって、海外のコミックアートに匹敵する独自の雰囲気を持った画風を確立している、と思う。
柿崎氏のファンに絶大な人気の、前作『RAINBOW』は、残念ながら未読なので比較してのレビューは書けないが、描き手の尋常ならざる追及心に震える漫画に、久しぶりに出逢えたという思いです。
このクオリティーを落とすことなく、最終回まで描ききってほしいと思う一方、描き込みすぎで腱鞘炎にならないよう、ご自愛頂きたい。と思わず心配してしまう凄さであります。応援してます!