お仕事系の作品にははずれが少ない。それはこの作品も例外ではない。お化け屋敷をエンターテイメントとして制作する会社が舞台です。いや、本当の舞台は現場のお化け屋敷か。人間は何に驚くのかを一つ一つの要素を組み立てて企画を作り上げる。心理学と職人芸の融合ともいうべき作られた恐怖という演目を売るビジネスだ。
主人公は就職活動中の女子大生だが、なんとも地味。なかなか就職が決まらない中、実家と電話しているのを小柄な青年が小耳にはさむ。話しかけられたのはアルバイトの誘いだが、目覚めた場所は謎の恐怖の館だった。と書くと完全にオカルトホラーだが、主人公が助けを求めて開けた扉の先にはなぜかオフィスがあった。
何のことは無い、開業前のリハーサルのチェックがアルバイトの内容だった。そこから主人公は徐々に新しい世界に惹かれていき、ついにこの会社、ドレッド ノットに就職を決意する。
どんな会社にもバックヤードが存在する。ただこのドレッド ノット、完全に制作に重心が偏っていて普通の事務が得意な人がいない。ようやくここで主人公の居場所が見つかる。経理だ。この見つかった居場所がこの会社にリアリティをもたらしている。実際、意外と金勘定とか役所や銀行通いが得意な人は少ない。少ない上に重視されない。反面、この辺をおろそかにすると数年で会社はつぶれる。実際、請求書をマメに送るのと領収書を整理するのはそれだけで会社を救う。ま、逆に言えば中小企業の経営はそれくらいのものと言っていい。それを踏まえて描いているのかもしれない。
ドレッド ノットはdread knot だと思うが、ネクタイの結び目のことかと思う。さてこの名前、学生が最初に就職活動で実感する社会人との違いの一つ、ネクタイを指したものか、その割にこの会社でネクタイをしている人はいない。大体、ネクタイは普通のサラリーマンの象徴みたいなもの。冗談のような名前だ。
この作品は2巻で完結する。しかし内容は濃い。なんとかこれでワンクールアニメにならんものか。傑作だと思うのだが、やるプロダクションはないのだろうか。期待したい。

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ドレッドノット(1) (アフタヌーンKC) コミック – 2017/11/7
緋鍵 龍彦
(著)
採用が決まらず、いまだ就職活動中の詩織は、駅前で声をかけてきた男に誘われて突発的にアルバイトをすることになってしまう。タクシーに乗せられて移動する途中、急激な眠気に襲われ、目を覚ますと、そこは見覚えのない不気味な密室。彼女は無事にここから脱出することができるのか……?
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2017/11/7
- ISBN-104065103207
- ISBN-13978-4065103203
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今までにない、私が見たことがないだけかもしれませんが、切り口のマンガで、楽しめました!うまく続けられると良いと思いますので、頑張ってください。
2019年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二巻完結。といっても、打ち切りでは無く、二巻で終わらせる事を想定しており非常に濃い内容で最高に面白い。
他のレビューを読むとどういう漫画か把握できてしまうが、できればどういった漫画なのか一切の事前情報なしで一話目は読んで欲しい。
作中に出てくる様々なアイデアは恐らく作者の取材による賜物と思われ、その奇抜さと斬新さに驚かされながらもそれが現実でも大いに通用するアイデアである事に関心した。
恐らく、既に採用されているアイデアなのだろうが、普通の人は知らない世界なので大多数の読者はその奇抜な発想に驚かされると思う。
特殊な現場を紹介するような在り来たりな内容には留まらず、いやらしい演出がトリッキーで最後までワクワクしながら読める。
ホラー好き、クリエイターに関心があるといった人はきっとドツボにハマる作品。
ネタ的に長期連載できるような内容では無いのが残念ではあるが、凝縮された内容をさくっと2巻で楽しめるのは◎。
他のレビューを読むとどういう漫画か把握できてしまうが、できればどういった漫画なのか一切の事前情報なしで一話目は読んで欲しい。
作中に出てくる様々なアイデアは恐らく作者の取材による賜物と思われ、その奇抜さと斬新さに驚かされながらもそれが現実でも大いに通用するアイデアである事に関心した。
恐らく、既に採用されているアイデアなのだろうが、普通の人は知らない世界なので大多数の読者はその奇抜な発想に驚かされると思う。
特殊な現場を紹介するような在り来たりな内容には留まらず、いやらしい演出がトリッキーで最後までワクワクしながら読める。
ホラー好き、クリエイターに関心があるといった人はきっとドツボにハマる作品。
ネタ的に長期連載できるような内容では無いのが残念ではあるが、凝縮された内容をさくっと2巻で楽しめるのは◎。
2022年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ホラーハウスを製作する漫画です!
お化け屋敷ですね。
ホラー好きには独創的と期待しましたが、残念な作品でした。
冒頭の展開は無理がありますが、期待出来る内容なので購読したのですが……
このホラーハウスのプロフェッショナル達の努力は理解出来るのですが、リアリティーがなくて感情移入出来ませんでした。
ホラーハウスを製作する創作意欲にそれぞれ説得力のある人生観が無いので作品に感情移入出来ませんでした。
お化け屋敷ですね。
ホラー好きには独創的と期待しましたが、残念な作品でした。
冒頭の展開は無理がありますが、期待出来る内容なので購読したのですが……
このホラーハウスのプロフェッショナル達の努力は理解出来るのですが、リアリティーがなくて感情移入出来ませんでした。
ホラーハウスを製作する創作意欲にそれぞれ説得力のある人生観が無いので作品に感情移入出来ませんでした。
2017年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
断裁分離のクライムエッジの緋鍵先生の新作となります、いやー面白かった!昨今流行りのスポットがあまりあたらない、舞台の裏側を焦点にした作品ながら作者さんの持ち味を十二分に発揮したよい作品でした理解していてもぞわぞわとくる、あの空間の空気を本当に良く再現されてました
私も帯にバレを食らった一人なんでこれくらいで、イチオシです!
私も帯にバレを食らった一人なんでこれくらいで、イチオシです!
2019年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
基本、この作品は「お化け屋敷を作る、プロデュースしていくって仕事、なんだか面白そうだな」って思えないと、感情移入出来ないと思う。
別に、作品自体は悪くないンだけど、単に個人の嗜好として、「お化け屋敷作り」って魅力的な仕事には思えなかった。
むしろ「最初は良いけど、すぐ飽きそうな仕事だなぁ」って思っちゃった。
いや、それを職業にしてるヒトがいたらすみません。
だから、主人公やその周辺のスタッフも含め、あんまり感情移入出来なかったンだよね。
登場人物達が追求してる世界に共感できる読者には、もっと楽しめると思う。
別に、作品自体は悪くないンだけど、単に個人の嗜好として、「お化け屋敷作り」って魅力的な仕事には思えなかった。
むしろ「最初は良いけど、すぐ飽きそうな仕事だなぁ」って思っちゃった。
いや、それを職業にしてるヒトがいたらすみません。
だから、主人公やその周辺のスタッフも含め、あんまり感情移入出来なかったンだよね。
登場人物達が追求してる世界に共感できる読者には、もっと楽しめると思う。
2017年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネタバレになるので内容については読んで貰うとして、展開や続き、1話1話が面白い、さすがセンセです、続きが気になる
2017年11月23日に日本でレビュー済み
壁に並べられた絵画たちが見つめる室内
背後から幽かに響く音
暗闇の奥に潜む異形
声にならない叫び
駆け出した先にあったのは ―
いったい何の漫画なのかと思わせる演出に、冒頭から引き込まれます。
お化け屋敷クリエーターというありそうでなかったテーマを、丁寧に書き込んだ本作。前作「断裁分離のクライムエッジ」の作風を生かした絵柄が、ここぞというときに差し込まれるのも良い読み味になっています。
主人公たちと一緒に、新たなものを創り上げる気分を味わえて、わくわくするような読み応えがあります。主人公たちがお化け屋敷を訪れたお客さんたちを驚かせる演出をしつつ、実は同時に、私たち読者をもドキドキさせる「演出」も。そういうことだったのか!と読んだあと、笑顔になれるような漫画です。
「すべての人間に恐怖を!」
2巻がとても楽しみになる終わり方です。
背後から幽かに響く音
暗闇の奥に潜む異形
声にならない叫び
駆け出した先にあったのは ―
いったい何の漫画なのかと思わせる演出に、冒頭から引き込まれます。
お化け屋敷クリエーターというありそうでなかったテーマを、丁寧に書き込んだ本作。前作「断裁分離のクライムエッジ」の作風を生かした絵柄が、ここぞというときに差し込まれるのも良い読み味になっています。
主人公たちと一緒に、新たなものを創り上げる気分を味わえて、わくわくするような読み応えがあります。主人公たちがお化け屋敷を訪れたお客さんたちを驚かせる演出をしつつ、実は同時に、私たち読者をもドキドキさせる「演出」も。そういうことだったのか!と読んだあと、笑顔になれるような漫画です。
「すべての人間に恐怖を!」
2巻がとても楽しみになる終わり方です。