序章から第一章の中盤ぐらいまでの導入部は、
アメリカ、ドイツの潜水艦や機械類がたくさん出てきたり、
人物も次から次へと登場してきたりでなかなか物語に入り込みにくかったのですが、
その説明部を過ぎると俄然おもしろくなってきます！
“ローレライ”というのは、ドイツ軍が開発した兵器というか、レーダーみたいなものです。
超高性能です。
対馬沖あたりでアメリカ軍の潜水艦に攻撃されて、
ドイツ軍はやむを得ず切り離して置いて来てしまいました。
で、日本軍が潜水艦で“ローレライ”を回収しに行くんですが、
私はその辺りからハマってきました。
回収作業の様子から、ローレライが作られた経緯が語られるところは、
目を背けたいような場面もありつつも、一気読み。
私自身、戦争を体験していないので、勝てる見込みもなく犠牲を出し続けたり、
無条件降伏ということの重さ、
日本の未来を考えた上での謀反、
国のために特攻という形で自分の命を散らす人間、
何が正しくて、何が間違っているのかわからなくなってしまいます。
でもやっぱり、多勢の人の命を奪って得るものになんて価値はないと思いたい。
この本は、まだまだ平和ではないこの世界のことを考えるきっかけになってくれると思います。
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