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大学力 早稲田の杜から「変える力」を考える 単行本 – 2005/9/30
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社主婦の友社
- 発売日2005/9/30
- ISBN-104072488755
- ISBN-13978-4072488751
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
学部の枠を超えた講義など早稲田大学が改革に取り組んだ。
社会の変化に対応、学生の学びへの興味を刺激する。
生まれ変わった大学で学びたい気を起こさせる。(聞き手は村上 富美)
早稲田の森の大学改革
――かつては、大学に入ったら勉強しなくなるという“常識”がまかり通っていましたが、早稲田大学では学生の意識が変化しているようですね。
学生に活気が戻ってきましたし、昔に比べて勉強するようになったのは事実です。改革に当たっては様々な仕掛けを用意しました。例えば、学部や学科に関係なく受講が可能なオープン科目の制度を取り入れ、今では2000講座の中から、自分の興味のある科目を選ぶことができます。同様に学部にとらわれないテーマカレッジという制度も始め、テーマごとに教授と学生が集まって研究を手がけています。
新しい語学教育も学生に好評です。学生4人に対し、ネーティブか、その水準に相当する日本人講師が週に2回、スピーキング中心の授業をするのですが、半期に5000人が受講します。
小中学生と違って、体力のある大学生は、寝る間を惜しんで勉強することが可能です。さらに学生同士が、高校時代までには出会わなかった人間と、想像もしなかった意見を交わす、その学ぶ楽しさやサプライズが、大学に通う満足度につながると思うのです。
――いわゆる授業の選択制度など、器を変えることはできても、教授の質を変えるのは難しいと思います。どうして改革が成功したのでしょう。
確かに大学教授は定年まで辞めません(笑)。ただし、結果から言えば、学生が選択するのです。2000講座の中には、それこそ受講希望者が集まりすぎるものから、学生数が集まらず、オープン科目から外れる講座まであります。
また語学の講師は、研究者としての雇用では給与が高額になってしまうので、トレーナーとして確保しました。半期に5000人の学生を教えるには、1200人の講師が必要ですが、すべて授業はモニタリングして質を保つ努力をしています。
改革の根底にあったのは、社会の変化に対応しなければならないという使命感です。一方には、早稲田には多くの学生が集まるのだから、新しい改革をするより、既存の学部を充実させろという意見もありました。それも間違いとは言えません。けれども大学卒業後の進路も、かつてのように企業や官庁への就職ばかりでなく、起業や留学など、多様化しています。だからこそ、学生の生きる力、学ぶ力を育てる必要があります。企業も自前で人材を育てるより、大学で何を学んだか、注目するようになっています。
――一方で、研究の水準など、大学自体の競争力も問われています。
世界の大学と伍していくためには、優れた研究をしなくてはなりません。理工系を強化するためにも、教員を増やしたいのですが、いかんせん資金が足りません。実は、日本の私立大学が国際的に高い評価を受けない大きな理由は、教員の少なさにあります。
日本の私立大学の授業料は、理系・文系を平均して年間100万円程度、米国の有名私立は寮費なども含めてですが300万~400万円程度はかかるでしょう。ならば授業料を上げろという声もありますが、国立大学では医学部でも授業料は年間50万円程度です。
国立大学の運営交付金は約1兆2000億円ですが、私大への助成は約3300億円です。学生数で見ると75%が私立、25%が国公立で学んでいるのに、差が大きすぎないでしょうか。
多くの人材を育成する私立大学の教育力を強化するには、国の教育行政も見直す必要があります。
白井 克彦(しらい・かつひこ)氏
1939年生まれ。早稲田大学理工学部電気工学科、同大学院理工学研究科修士・博士課程を経て、73年に工学博士取得。2002年から現職。
(日経ビジネス 2005/12/26 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
登録情報
- 出版社 : 主婦の友社 (2005/9/30)
- 発売日 : 2005/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4072488755
- ISBN-13 : 978-4072488751
- Amazon 売れ筋ランキング: - 719,497位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,646位高等教育 (本)
- - 17,522位教育学一般関連書籍
- - 54,708位教育・学参・受験 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
環境ジャーナリスト、翻訳家。
幸せ経済社会研究所所長、有限会社イーズ代表、有限会社チェンジ・エージェント会長
大学院大学至善館教授
幸せ経済社会研究所
https://www.ishes.org/
イーズ未来共創フォーラム
https://www.es-inc.jp/
東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。
『不都合な真実』(アル・ゴア氏著)の翻訳をはじめ、環境・エネルギー問題に関する講演、執筆、企業のCSRコンサルティングや異業種勉強会等の活動を通じて、地球環境の現状や国内外の動きを発信。持続可能な未来に向けて新しい経済や社会のあり方、幸福度、レジリエンス(しなやかな強さ)を高めるための考え方や事例を研究。「伝えること」で変化を創り、「つながり」と「対話」でしなやかに強く、幸せな未来の共創をめざす。
心理学をもとにしたビジョンづくりやセルフマネジメント術でひとり一人の自己実現をお手伝いするとともに、システム思考やシナリオプランニングを生かした合意形成に向けての場づくり・ファシリテーターを、企業や自治体で数多く務める。教育機関で次世代の育成に力を注ぐとともに、島根県隠岐諸島の海士町や熊本県の水増(みずまさり)集落、北海道の下川町等、意志ある未来を描く地方創生と地元経済を創りなおすプロジェクトにアドバイザーとしてかかわっている。
主な著訳書に、
『「エコ」を超えて-幸せな未来のつくり方』(海象社)
『地球のためにわたしができること』(大和書房)
『不都合な真実』(武田ランダムハウスジャパン)
『地球のなおし方』(ダイヤモンド社)、
『レジリエンスとは何か-何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』(東洋経済新報社)
『学習する組織』(訳・英治出版)
『世界はシステムで動く』(訳・英治出版)
『大転換-新しいエネルギー経済のかたち』(訳・岩波書店)
『「定常経済」は可能だ!』(岩波書店)
『不都合な真実 2』(訳・実業之日本社)
『地元経済を創りなおす』(岩波新書)
『アニマルウェルフェアとは何かー倫理的消費と食の安全』 他多数。
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トップレビュー
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ったこの本。
大学冬の時代なんて報道が取り上げる度に、学校の
ような明治以来の古い組織、そんなに簡単に変わる
もんじゃないよ、などと批判的に見ていた自分の考
えが逆に古かったことに気付かされ、ある意味、カ
ルチャーショック!
大学も昔とはずいぶん違うんですね。
国立には行けそうもない我が家の受験生にも、少し
は投資してみようと思えました。
それに加えて、全編を通じて伝わってくる組織改革
への意気込みや、人として若者を育てようとする心
は、リストラしか考えないばかりか、社員育成など
これっぽっちも考えないどこかの上司にも読ませた
い!
ある意味、ビジネス書としても為になりそうな一冊。
90年代、連中と「慶應の一人勝ちはいつまで進むか」「子どもには慶應を
勧めるね」などと自嘲気味に酒を飲んでいたが、21世紀に入っての早稲田
の逆転(少なくとも「元気のよさ」では)は見事である。
悪友達と飲む酒が美味くなったと喜んでいたが、そこには壮大なしかけが
あったことがこの本を読んでわかり、マスコミに乗せられて勝った負けた
と騒いでいたことを今では恥じている。
トップが強要しない。オープンにする。当たり前かもしれないことを、
しなやかに大学らしく進める。白井総長のお人柄が温かく伝わると同時に
確固たる意思を感じる。閉塞感のある会社や官庁、そして日本全体にも
参考になると思う。
ところで、このような裏話、心強い試みを世に出してしまってよいの
だろうか。そうか、ここまでオープンにする白井総長だから成し得たの
か。とにかく、紹介してくれた友人には感謝している。元気にさせられる
1冊に出会った。
環境ジャーナリストとして著名な枝廣氏を起用するあたりも、ツボ。
大学改革の詳細を知る意味でも興味深いが、これはむしろ一人の
人間の野心を垣間見る書として充分にたのしめる。
書店のカバーを外し、これを裏向けにして居間に放っぽりだして
おくのが得策だ。
帯に記された「『地球上のどんな場所に行っても一生楽しく
生きていけるだけの教養と、それに必要なスキルを身につけ
て世界へ翔び立つことができる』それを学生たちに約束する
ことができたら、僕は最高に幸せです。」という言葉。
活字は一切読まない高校息子にも、この寛大な野心なら、幾ばく
か響くに違いない。
私の大学時代は・・・でしたが、最近の学生さんはしっかりとした個をもっているし、かつ勉強もするようです。
でも、それは早稲田の学生さんだけのような気がします。
なぜなら、早稲田には、学ぶための様々なしかけが用意されていて、また変化を担っていく先生や事務の人が沢山いて、
そして、本当に授業なり研究なりを変えていっているからです。
大きな組織では改革はなかなか進まないものです。でも5万人も学生さんがいる大きな組織で改革を成し得た理由。
それは「組織を変えていくしかけ」であったり「小さな変化を積み重ね大きな変化に変えていくこと」だったり、
いろいろな秘密がこの本では述べられていました。
そしてなにより、個また公としての「生きる力」「基本的学力」を説き「どのような社会にしなければいけないのか」と
いうことが、枝廣さんによって対話を通してわかりやすく引き出されていた気がします。
この本は、環境問題の関係者や大学関係者にお勧めするだけでなく「何かを変えようと思っている人」には「変える力」を
考えるきっかけとなる本だと思いました。
大学改革のツボを抑えられるとともに、一般企業と異なる大学のDecision Processが分かる。「試すのに一年かかっちゃうんですよ、大学ってところは。」の白井総長のコメントにあるように最近の企業経営では考えられないような大学アドミニストレーションの実態を把握できる。
大学教職員だけでなく、大学ビジネスに係わるビジネスマンにも一読をすすめる。
eスクールや生涯教育が充実しているところにも注目。じゃあ主婦のわたしでもチャンスがあるって事みたい。どうせこの年で勉強しなおすなら名門校でしてみたいし、早稲田なんてかっこいいじゃない?とすっかりその気になって熱くなっています。
でも、コレ一体誰に読ませたいのかしらねぇ?置いてあるところは参考書のコーナーで、コピーは「もう一度大学で学びたくなる!!」、そして発売元は主婦の友社???まあいいか、深く考えるのはよそう。。。とにかく、がんばる気持ちにさせられた本でした。
大学をリードする総長の考えによって大学がこれほど変われるんだと感動しました。私も早稲田大学で学んでみたくなりました。
「何のために勉強するのか」、私自身が学生のときにきちんと認識していなかった、また今に至っても子供から聞かれて確信をもって答えられないこの質問の答えがこの本の中にありました。世の母親と子供たちにぜひ薦めたい本に出会いました。
ところで早稲田大学の「総長」は「学長」のことですか。どうして「総長」というんですか。ちょっとやくざっぽいですよね(笑)