内容のあまりの過激さにノーベル文学賞を二度受賞し損なったウィトルド・ゴンブロヴィッチが初期に出した問題作『フェルディドゥルケ』が読めるのは、同出版社の絶版書を除いてこの本だけ。それだけでも読む価値は充分にあると思います。読む人の人生を変えてしまう問題作であるということ、それは単に小説の域を超えて哲学にまで達していると言う深さの証です。同じく、日本ではほとんど知られていないポーランドの作家であるブルーノシュルツの、まさに美麗の至極とも言える美しい『肉桂色の店』が読めるというのは素晴らしい幸福でした。
もちろん文学全集として、クンデラの『存在の堪えられない軽さ』やカフカの作品を持っておくにも便利です。大きさを気にしなければ持っていて絶対に損にならな!い一冊だと思います。
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