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中国任侠伝 正・続ほか 陳舜臣中国ライブラリー (29) (陳舜臣中国ライブラリー) 単行本 – 1999/10/5

5.0 5つ星のうち5.0 2個の評価

中国の生んだ英雄、豪傑、美女、悪女…そのスケールは限りなく大きい。任侠の道に生涯を賭けた人物を描く。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集英社 (1999/10/5)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1999/10/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 574ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4081540292
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4081540297
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 2個の評価

著者について

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陳 舜臣
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1924(大正13)年、神戸に生まれる。大阪外語大学印度語部卒業。同校西南亜細亜語研究所助手を勤めるが終戦によって辞職し、家業の貿易に従事。 1961年、『枯草の根』により江戸川乱歩賞を受賞し作家生活に入る。69年、『青玉獅子香炉』により直木賞、70年、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』に より日本推理作家協会賞、71年、『実録アヘン戦争』により毎日出版文化賞、76年、『敦煌の旅』により大佛次郎賞、89年、『茶事遍路』により読売文学 賞(随筆・紀行賞)、92年、『諸葛孔明』により吉川英治文学賞、93年、朝日賞、さらに95年、「作家としての業績」により日本芸術院賞をそれぞれ受賞 する。日本芸術院会員(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『秘本三国志(六) 』(ISBN-10:4122052157)が刊行された当時に掲載されていたものです)

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年2月20日に日本でレビュー済み
陳舜臣文学があることで、日本人は、とてもとても大きな文学遺産を持ったと思う。
 と、礼賛しつつ、「もともと中国系の方だったから作品テーマも中国史がメインだったんでしょう?」と無知蒙昧な事を思っていた。とんでもない的外れだった。
 陳大人は出身地域・時代では台湾系の大日本帝国人として生まれ、彼が母語として最初に話したのは台湾語であり、清朝も、中華民国も、中華人民共和国も、漢民族としては「辺縁」から見る視点で中国を眺める視点を持っていた。(文化的素養は中国的でも、意識はむしろ辺境に属し、政治上は中国と一線を画す)
 それでいて、陳大人は漢籍に明るく、漢文明の歴史をひもとき、さらにその上、外国語大学出身でロシア、モンゴル、ペルシア諸語の知識をも持ち、大陸の諸文明(ペルシア、イスラム、ロシア、中国)という視点の中での日本、という視座を持っていた。
 複数の文明を自然に比較する視野を持っていた20世紀の日本の文学者は、彼ぐらいのものではなかろうか。(邱永漢氏もそうした複数のバックグランドを持っていたが、文業については経済に傾注していたように思われるので)これは日本では上古の文学にしか類例のない、日中の融合型の文人に思われる。
 滔々とした駘蕩たる巨大な文学世界の一環として、「侠」という生き方、性格形成、人格スタイルが漢民族の中にはあり、男性の理想像とする認識があることを日本に紹介した。
 この侠は難しい。
 「意気に感じる」「頼ってきたもののために命まで投げ出す」とかになると日本だと任侠団体とかをイメージしてしまって正しく比較できる類例がない。
 以前、司馬遼太郎「燃えよ剣」の解説で、土方歳三を「武侠」の人として解説していたとき、「?」と思ったものだが、頽勢の江戸幕府に男の意地で支えようとその人生を貫く姿に、陳大人は中国で言う「侠」を見たのだろう。
 しかしそれは一歩間違えると反社会的にもなり、そのバランスを取り、いわゆる「男のロマン」に似たものを成立させることが、それこそ「中庸」でもあるのだろう。
 陳文学の集大成的全集なので、正史的な「中国五千年」のようなものと共に、この29巻は司馬遷「列伝」になぞらえば、陳舜臣にとって「任侠列伝」に相当する一巻なのだろう。
 それは組織の中で、組織に従って生きることで能力を発揮することを鎌倉時代以来、蓄積してきた日本人から見ると個人の力量、それも卓越した個人のバランス感覚がなければ実現できないヒーローの姿に見える。
 同時に、男性の、というよりも生物的な雄の本能を、漢文明の素養で陶冶したときの理想形とも思える。
 そうした力と指導力と幻想性の合金したライフスタイルとしての「侠」を論じて完膚ない一書だった。
 こうした「異質な」人格を提示し、世界を広げて見せてくれることを教えてくれただけでも、陳舜臣は20世紀日本文学のトリックスターであり、またその生き方自体が「侠」でもあったのではあるまいか。
 
 いつまでも著書は待ってくれるとはいえ、陳大人が生前のうちに、その文学が持つ性格への理解が及ばなかったことが個人的には残念でならない。
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