王国の第一皇子リューイが立太子の儀を迎えるに当たって起こる不思議な現象が同時収録され、リューイのファンも充分満足な１冊になっているが、私は表題作の「落花流水」にノックアウトされた。
まだ傭兵業を始めて間もないジェイが出会った男ショウナァ。彼と仕事を共にする事になったジェイは、ショウナァから傭兵であることのノウハウの一つ一つを体得して行く。
現在の口の悪いジェイとは違い、無口で世間知らずでそれでいて触れば切れるような鋭さを内包している少年が、ショウナァに打ち解けて行く過程の微笑ましさ。それ故に、「夏至祭」で回想された２人の関係の終焉とその後の物語が胸に迫る。
それにしても、ジェイ、君の口の悪さが誰譲りなのかやっと判ったよ。
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